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秋の桜海祭編
文化祭ーカフェにて②
しおりを挟む私が挨拶をした相手は3年生のあの橘先輩だった。
他の人も一瞬こっちを見るが、すぐに仕事に戻る。
(まぁ、誰が相手だろうと関係ない……いつも通りやるだけだ。)
「お席の方にご案内させ「…コーヒー。」
「は、はい?」
「コーヒー1つ。早く持ってきて。」
そして橘先輩はカールをかけたツインテールを揺らしながら適当な席につく。
(………少し無愛想な人だなぁ。)
私はそう思いながらも、裏方の人にコーヒーを用意してもらい橘先輩の所に持っていく。
「お待たせしました。こちらご注文のコーヒーになります。」
テーブルにコーヒーを置くと、橘先輩は無言でコーヒーを飲む。
そして一口だけ飲んで一言、
「…………不味い。」
「す、すみません。」
「作り直してきて。」
そう言われ私はテーブルのコーヒーを下げようとしたとき…………。
「次はあの人に持ってこさせて。」
と、先輩は指をさす。
(………あの人?)
私は橘先輩が指をさした方を見た。
指をさされた先には松白君がいた。
私は仕方がないので、松白君に事情を話し橘先輩の所にコーヒーを持っていってもらう事にした。
「事情は分かった。さくらは別のお客さんの接客を頼む。」
「ごめんね松白君、ありがとう。」
松白君は裏方にコーヒーを作ってもらい同じように橘先輩の所へコーヒーを持っていく。
私は他のお客様の接客をしながら、その様子を横目に見ていた。
そして橘先輩はコーヒーを飲み一言………。
「……美味しいです。」
(…………えっ?)
「とても美味しいです。コーヒーの作り方お上手なんですね。」
「は、はぁ。ありがとうございます。」
その発言に松白君は戸惑っていた。
橘先輩はそのコーヒーに満足したのか、ウキウキで帰っていく。
コーヒーを作った人は裏方の同じ人で、それに分量を量るタイプのインスタントコーヒーなので味も変わらないはずなのに。
(たまたま苦かったりしたのかな。)
私は少し納得がいかなかったが、そう思うことにした。
「さくら、あんまり気にしないようにね。」
「ありがとう吹雪、私は大丈夫だよ。」
そんな出来事もあったが私達は順調に仕事をしていく。
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