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秋の桜海祭編
文化祭ーミス桜海 決勝戦③
しおりを挟む「吹雪さん、こちらの方が良くないですか?」
「いや、さくらはこっちの落ち着いた色の方が似合うと思うよ。」
集まったメンバーの元、順調に話し合いが進んでいた。
衣装は主に吹雪と星宮ちゃんによって、厳選されていく。
私は完全に忘れていたのだが、そういえば自分達の『カフェ』をする際に借りていた分の衣装があった。
どうやら橘先輩もそこまでは手が回っていなかったようだ。
そして、カフェの時とは違い今度は借りてきた衣装の全部からコーディネートしていくのだ。
きっと凄いものになるに違いない。
「さくら、更衣室に行くよ!」
「うん。」
私は吹雪と星宮ちゃんと一緒に更衣室へと入っていく。
「じゃあ、これに着替えて。」
私は吹雪に渡された衣装に着替えることになった。
「お待たせ、着替え終わったよ。」
私はおとぎ話の世界に出てくるような格好にチェンジした。
「お、やっぱりその服が似合ってるね。……よし、じゃあ今度は椅子に座って。」
と、吹雪に言われ今度は椅子に座る。
座った席の近くにはいろいろなメイク道具が広げてあった。
「もしかしてこれって今朝言っていた星宮ちゃんのメイク道具?」
私は二人に尋ねる。
「そうそう、まさか思わぬ所で使うことになるとは思っていなかったけどね。借りといて良かったよ。」
「はい、お役にたてて光栄です。」
そして今度は二人の手による、メイク作業が始まった。
限られた時間の中での作業なのに、二人は手際よくメイクをしていく。
「桜さんは肌が本当に綺麗ですね。」
「へっ?」
唐突に星宮ちゃんに誉められて少し恥ずかしくなる。
「あははは、顔赤くなってるよさくら。」
吹雪はメイクをしながら私を笑う。
そしてそこから数十分後………。
メイクが終わり、髪型のセットも終わる。
「うんうん、やっぱりさくらはミス桜海の決勝戦に行けるだけの魅力があるよ。」
吹雪は嬉しそうに話す。
普段の私はきっとお姫様なんて存在からは遠い普通の人間だ。
でも今の私は二人の友達の魔法にかかったシンデレラになっている。
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