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第1章 はじまり
22☆ソーヴィがいい
しおりを挟む男がフラフラと歩いていく。
これ、後をついて行ったら、ソーヴィのところに辿り着けるのでは?
テンプテーションが解けたら怖いから、2・3メートルくらい間を空けて歩く。
立て続けに3回も使ったから、指先からジンジンと熱を持ち始めていて、吐く息が熱い。お腹の奥がキュッてしてるし、背筋もゾクゾクする。
めっちゃヤバい。
でも、耐えよう。せめて、ソーヴィに会えるまでは、どうにか耐えたい。まずもって、公衆の面前で痴態を晒すのだけは嫌だ。
ゆっくり深呼吸をしながら、男の後を追う。
先の角を曲がった瞬間、男の声が響き渡った。
「大変申し訳ございませんでした。私は、ソーヴィ王子を侮辱し、王子の大切な女性に手を出そうと致しました。誠にお詫び申し上げます。」
慌てて走って行くと、突然の土下座謝罪に困惑したソーヴィが立っていた。
街中の人が、何だ何だと集まり出し、男を遠巻きに眺めている。
「ソーヴィ…」
私の声に反応し、ソーヴィが走って来る。
「…アユリっ!」
強く抱きしめられて、男のそばから引き離される。
「大丈夫?!何されたの?!」
鬼のような形相で聞くから、全力で首を振った。
「何もされてない!」
「分かった。とりあえず、ここから出よう。」
抱きしめられたまま、ソーヴィが足を踏み鳴らした。
一瞬で森の中に移動し、そのまま結界の木の中を通り抜ける。
そこでもう一度足を踏み鳴らした時には、家の中にいた。
私の体は既に限界で、ソーヴィの体が触れる度に、肌から快感を得ていた。
「…ソーヴィ…ソーヴィ…」
言いようのない快楽が頭の中を掻き回す。
今すぐ、ソーヴィに抱いて欲しい。
ボタボタと愛液が床に垂れて、足に力が入らなくなっていた。
「えっ、アユリ…本当に大丈夫?」
心配そうな顔をしたソーヴィに、キスをした。舌を入れて、掻き回して、唾液を飲み込む。
「お願い…後で説明するから…今すぐ抱いて欲しいの。」
目を見張って、ソーヴィが深く息を吐いた。
「…俺も、ちょっと我慢出来ないから、めちゃくちゃにしちゃうかも。」
「うん…めちゃくちゃにして…」
切れ長の瞳の奥、火傷しそうなほど私を求めてくれているのが分かった。
ダイニングのテーブルの上に体を寝かされ、ワンピースの裾をめくられる。性急にズボンを下ろし、いきり勃ったものが、既に開いていたそこへグチュリと入ってきた。
「んあっ…!」
いつもより、大きい。
毎日、何度もしているから、ソーヴィの形を覚えてしまった。
えぐるようにグラインドされて、何度も奥まで満たされる。くっつき合う秘部同士が熱くて、繋がっていることに胸が苦しいほどの喜びを感じた。
「ああっ、ソーヴィ…もっと…」
荒く噛みつかれるようにキスをされ、息が出来ない。絶え間ない快楽が脳を振動させる。
ダメ、もう、いっちゃう…
「んんっーー!!!」
ビクビクと体が痙攣しているのに収まることのない欲求に、より快感が増している。ソーヴィのものが、弱いところばかりを攻め立てるから、今イッたばっかりなのにもう…
「はあっ…」
唇が離れて、息を吸い込む。
ギラついたソーヴィは、今まで見たことないくらい雄々しくて、征服される心地良さを感じた。
「ひゃあっ、ああっ、ソーヴィ…ソーヴィ…いっちゃう…とまんないの…」
「…俺も…イク…出すよ、アユリ…」
気持ちいい時の動きも、イキそうな時の速さも、私の中で吐き出す熱さも、ソーヴィしか知らない。
「出してえっ…奥にっ…ああっ…たくさん…して…っ」
ソーヴィしか、知りたくない。
「っ…はあっ!」
ずくん、と叩きつけられるように深く突かれ、息が止まる。
最奥で熱いものがびゅくびゅくと出されているのを感じて、胸が暖かくなった。
目の前の体を全身で抱きしめる。
「ソーヴィ…」
私、この人のこと、好きになっちゃったんだ…
「…アユリ。」
温かな唇が、私の瞳にキスをして、目尻を舐めた。
「泣かないで、アユリ。」
「…ソーヴィのせいだよ。」
優しいキスが顔中に降る。
「それは、結構…嬉しいかも。」
お腹の中で、ソーヴィの質量が増した。
「続き、してもいい?」
ソーヴィと私の体液を混ぜるように掻き回す。
「あっん…私が、やだって言っても止めないで。」
くしゃっと笑って、ソーヴィが私を抱きしめる。
「アユリのやだは、もっとしてって意味だもんね。」
「…ばか。」
ソーヴィの頬を両手で挟み、ついばむように、キスをした。
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