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第1章 はじまり
26・もっと知りたい君のこと
しおりを挟むグッタリした体を横たえて、ソーヴィの胸に頬を寄せる。
「もう、無理だから。絶対無理だから。」
「…うん、ごめん。俺も、もう出ない。」
これ以上出てたまるか!
お腹の中も上も、胸の間も、ソーヴィの白い体液でいっぱいだ。
ドロドロのぐちゃぐちゃ、よくこんなに体の中に溜め込んでたなってくらい、私の足の間から流れ出ている。
魔力を使ったら性欲増大するって、嘘でしょ?
使わなくても無尽蔵じゃん!
「動けない…お風呂入りたいのに…あと多分、今生理きた…」
血は出てないけど。
「責任を持って、お風呂に入れさせていただきます。」
「そうしてください。ねえ、何で血が出ないの?」
「セクシーランジェリーだと、垂れっぱなしになっちゃうからね。出たら消えるようになってるよ。」
うん、またしても意味が分からん。魔法だから、そんなもんなのかな。
「血が出なくなったら勝手に魔法が解けるから、生理が近くなったら教えてね。」
「分かった。他の女の人も、そうやってかけてもらってるの?」
不思議過ぎるんだけど。
「ううん、みんな自分でかけるよ。」
「え?」
動けない体を横抱きにされて、お風呂に連れて行かれる。
もうこの移動方法が定着しているな。
「アユリは、魔力があってもテンプテーションしか使えないみたいだね。多分、違う世界から来たからだと思うけど。この国の人は、生活する最低限の魔法はみんな使えるよ。」
そうなんだ…
ん?てことは、ソーヴィはもしかして…
「私がこの国の人間じゃないって、分かってた?」
浴槽にお湯を溜めて、私を抱えたまま、お風呂用の椅子に座る。
「それは、アユリが現れた日から分かってたよ。」
「何で?!」
シャワーで私の体を洗い流し、泡で撫でるように擦る。
「俺のこと、知らなかったから。」
うん、知らない。そりゃ、初めて会ったんだもの。
「この国はさ、俺のことを知らない国民なんて…いないんだよっと。」
膝の上で体を転がされて、うつ伏せにされる。まるで、マグロみたい。
「そっか…あの男の人が言ってたこと…」
王位継承権のない、王子。
王位を取らず、薬剤師になった。
「ごめんね、言わなくて。」
「ううん、言いたくないことって誰にでもあるよ。私も、違う世界から来たなんて、言えないもん。」
コロンと転がされて泡を流されたら、優しく湯船につけられる。
「頭洗う?」
「うん!」
ソーヴィのシャンプー、すっごく気持ちいいから、クセになる。
「あー…だから、私の部屋は内鍵がかかるの?」
暗殺未遂をされたから、隠れて暮らしてるって。
「うん、内鍵をかけると、結界が張れるようになってる。二重結界ってやつ。何も無いと思うけど、いざと言う時のために。」
髪を濡らして、シャンプーを泡立てる。
指の腹で押されるのが、気持ちいい。
「あの部屋、全然いないけどねえ。」
ベッドも届いて、クローゼットに服も入っているけれど、文字通り毎晩ソーヴィと寝ているから、服を取りに行くだけの部屋になっている。
「ふふふ、アユリの部屋で寝てもいいよ?」
それ、どっちにしろ一人で寝ないよね。
ぐしゅぐしゅと泡の音が心地いい。
「あと5日くらいは無理だから、その間は自分の部屋で寝ようかな。」
ソーヴィの手が止まった。
「そっか…5日もアユリと繋がれないのか…」
この世の終わりみたいな声がする。
「ソーヴィの体質って、どんな感じなの?」
「うーん、普段の生活をそのまましてたら、保って3日かな。自慰して4日。魔力を一切使わなければ問題ないけど…」
思ったより保たないのね。
「結界を張り続けてるから?」
「それが一番大きいかな。あと、この家で動かしてる物は、全部俺の魔力を動力としてるからねえ。」
「ええっ?!このお湯も?!明かりも?」
「うん、そう。普通は魔力を込めた石を買ったり、蓄積して使ったりしてる。俺は、まあ…規格外だから。」
そうでしょうね、全てのスペックが規格外ですからね。
「…それで、魔力使い過ぎて女の子漁りしてたの?」
再び、ソーヴィの手が止まった。
「毎日じゃないよ?1週間に1・2回くらいだし、アユリ以外がこの家に来たことないよ?」
焦って言い訳してるのが、面白い。
そういえば、初めて会った時に、わざわざ家に来てくれたって言ってた気がする。
ここは、わざわざ来るような場所にあるんだなあ。
「1週間に1・2回…年に80人くらい?」
「いや、本当…すみません。」
ダメだ、面白い。
声を出して笑ってしまった。
「狼狽えてるソーヴィ、すっごいツボる。」
「…いや、狼狽えるでしょ。」
シャンプーをお湯で流されて、トリートメントを塗られる。
「ふふふ、シャーリーとメロキーさんがソーヴィのことからかう気持ち、分かっちゃった。」
「…メロキーのこと、まだ妬いてる?」
「ううん、もう大丈夫。」
「そっか。」
残念そうな声を出して、トリートメントを流された。
ソーヴィって、可愛いよね。
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