【R18】次に目を開けた時、イケメンのベッドの中に異世界転移してました。

はこスミレ

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終章・二人のこれから

91・お誘いは全てお断り

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手からお肉の載った小皿を取り上げられて、テーブルに置かれる。
あっ…初見のお肉様…
「これはこれは、ソーヴィニヨン殿下の奥方様でしたか。」
濃いめイケメンが、わざとらしく目を丸くする。
知ってて声を掛けたな、コイツ…
「ああ、私の可愛い可愛い妻だよ。見る者をとろけさせるような美しさだから、変な虫が寄り付き易くて困るんだ。」
「はは、それだけ美しく芳香な花であれば、蝶が我も我もと来るのは仕方ないことでしょう。」
何を言ってるんだこの2人…
典型的なアジア人なだけだぞ、私は。
この濃いめイケメンは、珍しいから食いついてるだけだって、絶対。
「本当の蝶なら、妻を彩る装飾として相応しいけれどね。」
いや、嫌だわ!
想像してみ?ドレスに何羽も生きた蝶がついてたら、気持ち悪いよ?
鱗粉まくし、触覚動くし、足がカサカサ動くんだよ?
あっ、無理ー!
「いらないから!蝶々も含めて虫は全部嫌いだってばー!知ってるでしょ?!」
畑でも見つけたら逃げ回ってるというのに。
「あははは!…ふふっ…妻は装飾としてでも必要ないそうだよ。」
ソーヴィがツボったらしく、体がプルプル震えている。
浅いんだよね、ソーヴィの笑いのツボって。
「それは残念。しかし、心は移りゆくものですから。」
フォークを握っていない方、さっきまでお皿を持っていた手を持ち上げられ、スッと手の甲にキスをされた。
ひえっ?!
「またの機会にお会いしましょう。」
サッと立ち去る濃いめイケメン、遊び慣れてんな。
宙に浮いたままの手をどうしたらいいか分からず、そのままにしていると、ソーヴィがテーブルの上にあったお手拭き的なものでゴシゴシ拭った。
気が利いてるー!
そのままクルッと後ろを向かされて、3人の女の子達の前に立った。
「と、いうことだから、ごめんね。」
誰も寄せ付けないキラキラ王子スマイルが、顔全面に張り付いている。
「そんなあ!」
「でもでも、恋愛は自由意志ですわ!」
「私、ずっとソーヴィニヨン様をお慕いしてましたのに…」
おっとー!やっぱりこっちも逆ナンだったのね。いや、知り合いだからナンパじゃないか。普通にお誘いか。っていうか、今シレッと告白してなかった?
「私は、妻以外に興味がないんだ。申し訳ない。」
悔しそうにしている女の子達を後にして、肩を抱かれたまま歩き、会場から抜け出した。
「はあ…やっぱり挨拶が終わったら帰るべきだった…」
疲れた顔をしたソーヴィが、広い中庭のベンチを見つけて、私を抱きしめたまま座った。
いつも通り、膝の上。
「ごめんね、お肉に夢中になってたせいで。」
「いや、ごめん。アユリのせいじゃない。常にアユリの腰を抱いてたら、誰も声を掛けてこなかっただろうから、俺の失策だよ。」
それはそれで動きにくいわ。
「ソーヴィ、3人から声かけられてたもんね。」
「アユリだって、貴族一のプレイボーイからお誘い受けてたでしょ。」
「あの人、そうなんだ…通りで慣れてるなって思ったんだよ。」
だから、たまには違う味が食べたいって、私のところに来たんだな。
「…アユリ、ああいうのがタイプなの?」
ジト目で見られる。
「え、無理。外見全部好みじゃない。どっちかっていうと塩顔が好きなんだよね。」
「塩顔って何?」
あ、この単語はこっちでは存在しないのか。そうだよね、塩顔が存在しないもんね。
「私の前にいた世界で言うと、アッサリした薄い造形のことを言うの。」
「ふうん…じゃあ俺は?」
「…キラキラ王子様アイドル系。」
そのままでしたね。
「アユリは、キラキラ王子様アイドル系、好き?」
私の旦那様、捨てられた子犬みたいな顔してるんだけど。可愛すぎでは?
「この世界で、一番好き。」
「…この世界?」
不服そうである。
「私の生きてきた世界で一番好き!」
可愛い旦那様は、ふふふん!と嬉しそうにドヤった。

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