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番外編2
リリーの恋・23
しおりを挟む持ってきてくれたお摘みが美味しすぎて、夕飯を食べたはずなのに全て平らげてしまった。
「美味しすぎる…」
「ふふふ。こっちには、もっと喜ぶものがあるわよ?」
「えっ、まだ何かあるの?」
「成人だからねえ、特別よ。」
どこから取り出したのか、薄い桃色のリボンが結ばれた包みを渡された。
「開けていい?」
「どうぞ。」
包みを開けると、中にはリボンと同じ色をしたワンピースがあった。
「しゃいちゃんの髪色と一緒。」
「これ1つで、どんなパーティにも参加できるわよ。」
「着てくるー!」
ダッシュで部屋に行って、服を着替えて戻る。
「速すぎじゃないかし…ら…」
喜んで彼の目の前に立つと、うっとりするほど綺麗な笑顔で微笑まれた。
「似合ってるわ。」
「すごく、可愛い…ありがとう。」
彼が愛しくて、胸も頬もギュウッと苦しくなった。抱きつきたくて、たまらない。
でも、耐えないと。
「あの、汚したくないから着替えてくるね。」
「そんなに急がなくても…もっとよく見せて。」
甘く低く響く声に、体がゾクリとする。
急に恥ずかしくなって、くるりと一回転して部屋に逃げた。
よく分からない。何でこんなに照れてるのか自分でも分からない。
変に指先が震えて、着替えるのに手間取った。
やっとリビングに戻ると、実家の果実酒を大瓶から注いで呑んでいる彼がいた。
「えっ、それも持ってたの?」
「あの家の果実酒は、私の為にあるのよん。」
さっきまで纏っていた雰囲気はどこかへ消え、綺麗で可愛いお姉さんになっている。
「私も飲む!」
勢いよくグラスに注いで、ゴクリと飲み干した。
「やっだ、ちょっと!それ度数が高いのよ!ストレートでいくなんて…」
「美味しいー!」
父は何でも作ってしまう。それも全部素晴らしい出来なのだ。ちょっと羨ましい。
庭に生っていた甘酸っぱい木の実を、揺らして落としたのは楽しかったなあ。
「しゃいちゃん、お祝いしてくれてありがとう。こっちに友達いないし、来てくれて嬉しい。」
「ソーヴィ達も、ちょうど収穫期で忙しいものね。」
「それは毎年のことだから、特に気にしてないよ。」
彼の胸元に頭を預けて、垂らしている髪の毛を顔の上に乗せる。
「何してるの、この子は。」
「んふふ、しゃいちゃんの髪の毛…んふふ。」
「アルコール回るのが早いわねえ。」
サラふわの髪の毛に顔を埋めて、肺いっぱいに吸い込む。
「いい匂い…幸せ…」
「こういうところ、アユリに対するソーヴィにそっくりだわ。ちょっと変態なのよね。」
しゃいちゃんの毛は、全部綺麗なグラデーションなんだろうか。見えるところにムダ毛がないから、全然分からない。
「あら、私の体毛に興味があるの?」
腕も足もツルツルだし、お髭も生えてない。全身脱毛してるのかな。
「元々、薄いのよね。そんなに気になるなら、一緒にお風呂入る?」
恥ずかしいから無理!
むぎゅうっと抱きついて、いい匂いが強いところに顔を押し付ける。
「あんまりくっつくと、不審者に襲われちゃうわよ。」
んん…いい匂い…
背中を撫でられて、あっという間に眠りに落ちる。
ベッドの中で寝返りを打った。
温かくて気持ちいいから、まだ起きたくない。先輩が来るのは午後だし、ゆっくりできる。
スベスベで気持ちいい感触に頬を寄せ、ぴとりとくっつく。
「お寝坊さんね。」
ゆるゆると頭を撫でられて、あまりの心地よさに声が出てしまった。
「んう…ふ…ん?」
クスクスと笑い声が落ちてきて、ハタと目が覚めた。
「おはよう、リリー。」
「えっ、はっ?うえっ?!」
服がはだけてセクシーな体が丸見えの、色気ダダ漏れな彼が、髪をかき上げて笑っている。
「リリーが離してくれなかったんだもの。」
彼の腰に私の手が回り、ガッチリとホールドしていた。慌てて距離を取るが、既に心臓が爆発しそうだ。
「ごめんね!なんか、色々ごめんなさい。」
「照れてるの?よく一緒に寝てたじゃない。」
それは幼少期の話であって、今は違う!
「と、とりあえず、着替え、お風呂、えっと!?」
「先に入ってらっしゃいよ。それとも一緒に入る?」
「何言ってんの?!一人で入るよ!」
急いで着替えを持ってお風呂に駆け込んだ。
一体、彼はどうしてしまったんだろうか。
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