【R18】みだりに近づかないでください!

はこスミレ

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 正直に言おう、日晴くんが好きだ。
 人は、年齢じゃない。同じくらいの年齢の男子はみんなガキでバカだって思ってたけど、私に寄ってくる男子が総じてそういう種類だっただけだ。
 私自身がいい女じゃなかったから、変な男が寄って来てたんだと思う。
 だから、私が変わらなきゃ。中身もいい女になって、日晴くんの隣に立っても恥ずかしくない人間にならなくちゃ!
 何でそう思ったかって……
 日晴くん、相当モテます。
 いや、モテないわけないじゃん…分かるよ。だって、あんなに紳士で周りの男子より大人っぽかったら…好きにならないはずがないでしょ。世の中の女子の理想を詰め込みました、みたいなさあ!ずるいよね!
 この前、学食へ向かう道すがら、一年生であろう女子に囲まれてたのを見た。あれ、絶対に遊びに行こうって誘われてるやつ!もしくは、インカレサークルの飲み会とかだよ!絶対そう!だって私も経験あるから!未成年は飲み会に参加しちゃいけません!!爛れてる!!
 日晴くん、行くのかな……インカレなんて行った日には、さぞおモテになるでしょうね……
 こういう状況になって、本当に私は顔だけだって改めて思った。中身が何にもない!なりたい自分を見つける為に、語学を頑張ろうって講義も増やしたけど、それだけで変われる?日晴くんが私のこと好きになるの?
 全く自信がない…!
 日晴くんて、人としてちゃんとしてるから、顔で人を選んだりしないと思う。絶対に中身を見ると思う。
 こんな私じゃ、全然ダメだ……人生で初めて絶望感を味わった。
 今までに二回、優しく抱きしめられたけど、それだけで進展はない。日晴くんから下心を一度も感じたことがないし、今後も無さそうだ。あんなに爽やかで紳士的でちゃんとした人は、下心なんて持たないのかもしれない。
 そばにいたいって言ってたのは、やっぱり友達としてなんだろうか。
 私ばっかりこんなに好きになって、先の見えない恋なんて辛いばかりで、ゆうくんの時とは比べものにならない。

 焦りばかりが募って、ため息を吐いた。
「倫音、暗ーい!」
 ポテトを頬張る灯里を見て、私はお新香をバリバリ齧る。
「まさか、自分のことを顔だけだと思う日が来るとは思わなかった」
「倫音、成長してるんだね」
 にこにこと笑う灯里は、急にお姉さんぶっててちょっとイラっとした。
「でもね、こっち側からしたら、その顔だけで最強だからね?まあ、倫音は中身も可愛いけど」
「…どの辺が?」
 友人の意見だろうが、何だろうが、聞けるものなら聞いておきたい。

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