ただ1枚の盾に。

小隈 圭

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1章

うわさ。

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サイモンさんに呼ばれた俺達はまずギルドに報告にいき、報酬や素材の買い取りをしてもらい、それをハミィと分けたことで俺の手持ちが銀貨3枚にまでなった。

そのまま職人通りのカマウリさんの店に戻り、盾を購入したのだが、少し余裕があったしカマウリさんから「装備に金をけちるのはよくないぞ、いざという時に壊れたら話にならんからな。」と言われた事から俺は頼んでいた銀貨1枚の盾ではなく、またまた少し無理を言って2枚でそれなりにいい盾を頼むと渋い顔をしながらも店の奥から持って来てくれた物を買い、そのまま4人で昼食を取る為に移動をすることにした。

移動の最中もマジェとカッチェは周りをほとんど気にすることなくハミィに接してくれていて、二人のやさしさが伝わってくる。

そんな俺達が向かった先はマジェがおすすめする店で注文する料理などは決まっておらず、店の人にこれが食べたい!と言うと作って持って来てくれるというちょっと変わった店のようだ。

職人通りをそのままギルド方面へ行き、脇道に入った所にその店はあった、店の名前は―――。

「リヴァイヴって・・・なんかで聞いた名前だな」

その名前の響きになんとなく聞き覚えがあった様ななかったような~っと考える俺にカッチェが口を開く。

「蘇生呪文の名前よ、リヴァイブ事態使うのに何十人分の魔力を使うのかわからないってぐらいの魔法で、成功例は一度もないし、はっきり言っちゃうと名前だけで意味のない魔法のことだよ!」

ヒーラーである自分に関係がある魔法ではあるんだからそんな言い方してていいのか?とも思ったのだがカッチェの隣にいたハミィも同じ意見だった様で、何度もうなずいていた、しかしなぜ店の名前をこれにしたんだ?

「なんでそんな魔法名を店の名前にしちまったんだろう?」

そんな俺の疑問は店の中から扉を開け、出てきた人物により解決してしまった。

「そりゃ~うちの飯食って疲れてる体も蘇るって意味だ!」

誰?という前にすでにマジェが反応をしている。

「こんちわ!また食いに来たぜ、4人だけどいける?」

マジェの問いに店の人は全然大丈夫だ!と中に通してくれて、俺達を席に案内してくれた。

何を頼もうか・・・などと俺に考える暇はなく、座ると同時に4人分の肉料理をマジェが頼んでしまった、まぁいいんだけどさ。

料理を待つ間何か話を~と思っていると、カッチェがそういえばさ~と話出したので聞いてみる。

「最近ギルドでうわさになってるの聞いた?」

噂?人と話してないからわかりません。なんですかね?それ。

「なんの噂?もしかして俺の噂とかか?」

聞いていないって事は、噂の本人だけが知らないなんてこともありそうだしな。

「ん?違うよ~コウの噂なんてもうとっくに広まってるからみんな知ってるんじゃないかな?そんなことじゃないの~!」

いや、俺にとってはそっちの方がかなり重要なんだけど!

「ちなみに俺の噂ってどんなの?」

「えっとね~発展場のサイモンの弟子は師匠があれだから変な奴でもしかたない~だったかな。」

「サイモ~~~ン!!!!!」

そう言われた俺は噂の原因であろうあの人に憎しみを込めて叫び上げた。

「コウうるさい!それでね、噂のことなんだけど、なんかダンジョンに行った人が帰ってこない事が増えてるんだって!」

「それは私も聞いたけど、でもダンジョンに行って帰ってこないなんて今までもあったし、そこまで噂になるほどのことなのかなって思ったからあまり気にしてなかったかな。」

そう言ったハミィはカッチェの次の言葉を聞き、考えを改める事になった。

「確かに今までもあったみたいだけど、トリーアの、しかも東側にあるダンジョンに行った人達だけ帰ってこないんだよ?おかしくない?」

町の東側、墓地を抜けた先の荒野にはいくつものダンジョンが存在している、そのどれもが駆け出しの練習場所として使われることが多く、何度も踏破されている場所だ。
そんな場所に行った人達だけが帰ってこない、最弱のダンジョンではあるがもちろん危険もある、だが死ぬことにまでなることは早々ないと聞いたが・・・。

なんとも言えない、そんな空気になった。だってわからないしね。

そんな俺の横に座っていたマジェがなんだかソワソワとしている様にみえた。

「ちょっと待て、なんか外騒がしくないか?」

そう言いだしたマジェは席を立ち、店の扉を開け外をのぞき見に行った。

確かになんか騒がしいような・・・誰かが何か言っている様に聞こえる。

「おい、ヤバいぞ!ギルドから町にいる冒険者全員に召集がかかってるみたいだ、すぐに集まれって外で言ってる!」

全員だと!?とんでもない数がこの町にいるんだぞ?その全員に集まれって・・・・これろくなことじゃないだろ!

「どうするよ!?」

どうすると言われても・・・・

「へいお待ち!注文の肉料理だぜ!」

そう言って料理が運ばれて来たのを見て俺は。


「集まるまでに時間もかかるだろうしささっと食ってからギルドに行って、話を聞いて、その後考えよう!」


そう言ったのだが、集まれってことは強制だろうな・・・と何もおきない事を祈りつつ、とにかく肉をほおばった。
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