34 / 60
1章
サイモンの苦悩。
しおりを挟む
リヴァイヴにて食事を済ませ、俺達はその後ギルドへと向かう。
集まるまでに時間がかかるだろうとは思っていたがそんなにゆっくりとはしているわけにもいかず、急ぎ気味に歩き、ついたころにはギルドにはかなりの数の人が集まっていた。
ギルドの建物は小さいわけではないが、そんな人数を中に収容できるほどの規模はない、その為外にまで人が溢れかえっていて、近隣の住民からしたらいい迷惑だろう。
どんな人達がきているのかと、周りを見渡すと俺が初めてギルドに来た時に絡んできたおっさんや、ハミィとペアを組む事になった時に俺達を見ていた人など、いろんな人が見える。
そして最も目立っていたのが青いフルプレートに盾を持ち、仁王立ちで前だけを見据えているサイモンさんだった。
目立っている理由はその鎧だけではない、何故か周りの人達はサイモンさんから距離を取る様にしている為、彼を中心にポッカリとその場所だけが丸く開いている、そのことがより彼を目立たせる要因にもなっているようだった。
修行の事もあり、俺達は人ごみを掻き分け彼の元に行き声をかける。
「サイモンさん来てたんですね、というか何故ここだけこんなに空いてるんです?」
「わからん・・・私は何もしてはいないのだがな。」
そう言ったサイモンさんからは、顔まですっぽりと防具で隠している状態でも、私少し傷ついています。
とその声を聴くと伝わってくるようだった。
そんな俺達に人混みを掻き分けてギルドの方から来た人が容赦ない言葉を浴びせた。
「サイモンの鎧の中が蒸れ蒸れで湿ってるのが原因なんじゃない?」
さすがにそれはひどい・・・、俺も将来この姿になる予定なのだ、あまり他人事ではない。
「失礼な事を言うな! 蒸れてないわ! スベスベに決まってるだろうが。」
そう反論するサイモンさんなんだが、蒸れてないのはわかったけどスベスベってなんですかね?
ちょっと気になるのですが・・・。
「シーラ、そんな事より中はどうだった?他のみんなはどうした?」
無慈悲な言葉を発したシーラと呼ばれたその女性は、首を横に振り、ダメだと態度で示しながら中での様子をサイモンさんに伝える。
「中はここより凄い事になってたよ、誰かに話を聞ける様な状態なんかじゃない、他の皆は多分今戻ってきてる所じゃないかな。あとサイモン、蒸れると臭くなるからちゃんと鎧、洗いなよ?」
「蒸れてない~~~!!!!!」
シーラと呼ばれる女性からの言葉の一撃はサイモンさんの大事な所を大いに傷つけた様で、事実無根だと、それを主張するかの様に叫びを上げていた。
その叫び声が原因なのかシーラさんの言葉が原因なのかはわからないが、ただでさえポッカリと周りから距離を取られていたのに、さらに距離を取る様に周りが一斉にザっと動いた。
そんな様子を気にする事もなく、サイモンさんを放置し、すぐ近くにいた俺達に笑顔でシーラと呼ばれた女性は話しかける。
「はじめまして! 私はシーラ、サイモンのパーティーメンバーでもあり、相方よ! よろしくね! 君でしょ?サイモンの弟子って子は。」
確かに弟子と言われればそうなんだろう、しかし何故この人はその相手が俺だとわかったんだ?
「はじめまして、サイモンさんには色々お世話になっています、俺の名前はコウで、後ろにいるのが仲間のマジェ、カッチェ、ハミィです、よろしくお願いします。」
俺がそう挨拶をすると後ろにいた皆は軽く頭を下げる形で挨拶をしてくれた。
「うんうん、いい子達だね~! これからよろしくね!さて、他の皆は~~あ、丁度来たみたいね。」
周囲を見渡し、目的の人達を見つけた様で手を振りながらこっちだとシーラさんが合図すると、人混みの中からはおそらくサイモンさんの仲間なのだろうと思われる人達が出て来た。
「なんでここだけこんなに空いてんだ?」
「どうせサイモンが何かやったんでしょ?」
そう言いながら近づいて来た一組の男女に向かってシーラさんは説明をし始めた。
「サイモンの弟子の子達と知り合ったのよ! あなた達も挨拶してあげてね! それとここの出来事はサイモンの鎧が蒸れて臭いせいだから気にしなくていいわよ。」
そのあんまりな言い分に流石にかわいそうになった俺がサイモンさんを見ると、握りこぶしを作り、顔をうつむかせ、フルプレートの全身をブルブルと震わせている事によってカチャカチャと音を立て、なにかに耐えているようだ。
俺だったら泣いていただろう。
「サイモンの弟子?あの噂になっていた子か! まともな子なのか?」
「サイモンの弟子がまともなわけがないよ。」
そんな言葉をまだ名前も知らない人から投げられ、俺は悲しみのあまり後ろを振り向くと、顔をそらし、口元を隠してプルプルと震えながら明らかに笑いをこらえている二人がいた。
あとで覚えていろよ、マジェ! カッチェ!。
ハミィは・・・ハミィは大丈夫だよな?そう願いながら彼女を見ると、俺からの視線を受けた彼女は哀れみの視線を俺に向けていた。
あんまりだ・・・! 俺のこれは絶対にとばっちりだぞ! なんで・・・なんで・・・!
「なんでこうなったぁぁぁ!!!!」
叫びながら膝を折り曲げ、地面に手を付き、うなだれる。
いきなり近くにいた人がそんな事をすれば事情を知らない人はびっくりするだろう、その反応は出て来たサイモンさんの仲間も同じ様であった。
そんな俺を指さし、シーラさんは二人に俺の事を話す。
「えっと・・・ラグ、クコ、この子がサイモンの弟子のコウよ・・・。」
「やっぱ変なやつじゃん。」
「噂通りだったね・・・。」
三人の会話を聞き、羞恥心と悲しみでフルフルと震えだした俺を周りは見続け、なんともいえない空気が場所を支配した。
集まるまでに時間がかかるだろうとは思っていたがそんなにゆっくりとはしているわけにもいかず、急ぎ気味に歩き、ついたころにはギルドにはかなりの数の人が集まっていた。
ギルドの建物は小さいわけではないが、そんな人数を中に収容できるほどの規模はない、その為外にまで人が溢れかえっていて、近隣の住民からしたらいい迷惑だろう。
どんな人達がきているのかと、周りを見渡すと俺が初めてギルドに来た時に絡んできたおっさんや、ハミィとペアを組む事になった時に俺達を見ていた人など、いろんな人が見える。
そして最も目立っていたのが青いフルプレートに盾を持ち、仁王立ちで前だけを見据えているサイモンさんだった。
目立っている理由はその鎧だけではない、何故か周りの人達はサイモンさんから距離を取る様にしている為、彼を中心にポッカリとその場所だけが丸く開いている、そのことがより彼を目立たせる要因にもなっているようだった。
修行の事もあり、俺達は人ごみを掻き分け彼の元に行き声をかける。
「サイモンさん来てたんですね、というか何故ここだけこんなに空いてるんです?」
「わからん・・・私は何もしてはいないのだがな。」
そう言ったサイモンさんからは、顔まですっぽりと防具で隠している状態でも、私少し傷ついています。
とその声を聴くと伝わってくるようだった。
そんな俺達に人混みを掻き分けてギルドの方から来た人が容赦ない言葉を浴びせた。
「サイモンの鎧の中が蒸れ蒸れで湿ってるのが原因なんじゃない?」
さすがにそれはひどい・・・、俺も将来この姿になる予定なのだ、あまり他人事ではない。
「失礼な事を言うな! 蒸れてないわ! スベスベに決まってるだろうが。」
そう反論するサイモンさんなんだが、蒸れてないのはわかったけどスベスベってなんですかね?
ちょっと気になるのですが・・・。
「シーラ、そんな事より中はどうだった?他のみんなはどうした?」
無慈悲な言葉を発したシーラと呼ばれたその女性は、首を横に振り、ダメだと態度で示しながら中での様子をサイモンさんに伝える。
「中はここより凄い事になってたよ、誰かに話を聞ける様な状態なんかじゃない、他の皆は多分今戻ってきてる所じゃないかな。あとサイモン、蒸れると臭くなるからちゃんと鎧、洗いなよ?」
「蒸れてない~~~!!!!!」
シーラと呼ばれる女性からの言葉の一撃はサイモンさんの大事な所を大いに傷つけた様で、事実無根だと、それを主張するかの様に叫びを上げていた。
その叫び声が原因なのかシーラさんの言葉が原因なのかはわからないが、ただでさえポッカリと周りから距離を取られていたのに、さらに距離を取る様に周りが一斉にザっと動いた。
そんな様子を気にする事もなく、サイモンさんを放置し、すぐ近くにいた俺達に笑顔でシーラと呼ばれた女性は話しかける。
「はじめまして! 私はシーラ、サイモンのパーティーメンバーでもあり、相方よ! よろしくね! 君でしょ?サイモンの弟子って子は。」
確かに弟子と言われればそうなんだろう、しかし何故この人はその相手が俺だとわかったんだ?
「はじめまして、サイモンさんには色々お世話になっています、俺の名前はコウで、後ろにいるのが仲間のマジェ、カッチェ、ハミィです、よろしくお願いします。」
俺がそう挨拶をすると後ろにいた皆は軽く頭を下げる形で挨拶をしてくれた。
「うんうん、いい子達だね~! これからよろしくね!さて、他の皆は~~あ、丁度来たみたいね。」
周囲を見渡し、目的の人達を見つけた様で手を振りながらこっちだとシーラさんが合図すると、人混みの中からはおそらくサイモンさんの仲間なのだろうと思われる人達が出て来た。
「なんでここだけこんなに空いてんだ?」
「どうせサイモンが何かやったんでしょ?」
そう言いながら近づいて来た一組の男女に向かってシーラさんは説明をし始めた。
「サイモンの弟子の子達と知り合ったのよ! あなた達も挨拶してあげてね! それとここの出来事はサイモンの鎧が蒸れて臭いせいだから気にしなくていいわよ。」
そのあんまりな言い分に流石にかわいそうになった俺がサイモンさんを見ると、握りこぶしを作り、顔をうつむかせ、フルプレートの全身をブルブルと震わせている事によってカチャカチャと音を立て、なにかに耐えているようだ。
俺だったら泣いていただろう。
「サイモンの弟子?あの噂になっていた子か! まともな子なのか?」
「サイモンの弟子がまともなわけがないよ。」
そんな言葉をまだ名前も知らない人から投げられ、俺は悲しみのあまり後ろを振り向くと、顔をそらし、口元を隠してプルプルと震えながら明らかに笑いをこらえている二人がいた。
あとで覚えていろよ、マジェ! カッチェ!。
ハミィは・・・ハミィは大丈夫だよな?そう願いながら彼女を見ると、俺からの視線を受けた彼女は哀れみの視線を俺に向けていた。
あんまりだ・・・! 俺のこれは絶対にとばっちりだぞ! なんで・・・なんで・・・!
「なんでこうなったぁぁぁ!!!!」
叫びながら膝を折り曲げ、地面に手を付き、うなだれる。
いきなり近くにいた人がそんな事をすれば事情を知らない人はびっくりするだろう、その反応は出て来たサイモンさんの仲間も同じ様であった。
そんな俺を指さし、シーラさんは二人に俺の事を話す。
「えっと・・・ラグ、クコ、この子がサイモンの弟子のコウよ・・・。」
「やっぱ変なやつじゃん。」
「噂通りだったね・・・。」
三人の会話を聞き、羞恥心と悲しみでフルフルと震えだした俺を周りは見続け、なんともいえない空気が場所を支配した。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる