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第一章 出会いと再開
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しおりを挟む「これからどうすっかなあ、じゃない。
もう少し真面目に考えろ。」
「痛っ。」
そう言って俺を小突いたのは、俺の親友、桐谷 裕也。
俺はヒロと呼んでいる。
「まあまあ、ヒロちゃん。ちょっとは落ち着きなよ、ね?」
「取り敢えず、俺は寝る場所があればそれでいいけどな。」
静かに怒るヒロを宥めたのは、瀧沢 蓮。
それで、的外れなことを言っているのは、平山 海斗。
二人共イケメン。腹が立つほどイケメン。
「ていうか、なんでお前らここに居んの?
まだ高二だろ。あと一年も猶予あんのに、勿体無いことしやがって。」
俺達が居た“あおぞら学園”は、十八歳までしか居ることができない。
おかしいよな。この間ネットで調べたら、“特別な場合のみ二十歳まで延期することが可能”って書いてあったんだけど。
俺とヒロ、問答無用で追い出されたからな?
まあ、要するに、高校を卒業したと同時に出て行かなければならないということ。
タキザワとカイトは、まだ十七歳の高二。
だから、まだ居られる筈なのだが、何故ここに居るのか。
「ええ、だって僕、皆がいなきゃ生きていけいけないもん。別にいいでしょ?着いてきたってさ!」
「俺はレンに連れ出された。」
こんな感じで、タキザワは俺達を頼り切っているし、カイトはとにかく流されやすい。
もう高二なのだから、そろそろしっかりしてほしいものだ。
……中学生になった時も無理だったから、一生こんな感じだろうな。
「本当にもう、しっかりしてくれ……。」
思わず溜息が出た。
ここで、ジュンやタカちゃん、カエデが居たら何か変わっていたのだろうか。
五年前に、いわゆるイツメンの中で最年長となったが、ジュン達のような兄になれているのか分からない。
ジュンのように頭も良くなければ、タカちゃんのような包み込むような優しさがある訳でもない。カエデのように面倒見がいい訳でもない。
だから俺は、売れ残りと言われるんだ。
「ヒカル、自分を責めない。」
「ーーっ!あ、ごめん。」
「ヒカルはいい兄ちゃんだから。」
また負の連鎖に陥った俺を、ヒロが引っ張り出してくれた。
こういうところも、なんだろう。
タキザワとカイトは話すのに夢中になって、気付いていないようだった。
「そういえば、二人共。先生達には止められなかったのか。」
確かに、俺とヒロは卒業したが、タキザワとカイトはしていない。
普通なら止められるはずなのだが。
「止められてないよ。寧ろ、早く出ていけ、みたいな感じだったし。もう、先生達も少し感情を隠してほしいよね。喜んでるの、バレバレだったよ?」
そうだった。あおぞら学園は普通じゃない場所だった。
十年も居たから、感覚が麻痺していた。
「あの施設、おかしすぎるんだよ。小学生の時はめっちゃ笑顔で接するくせに、中学生になった途端、冷たくなる。
高校生なんて、殆ど無視。
なんで訴えられねえのか謎だわ。」
カイトが苦虫を噛み潰したような顔をした。
あおぞら学園、という煌びやかな名前とは裏腹に、あそこは本当に酷いところだった。
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