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第一章 出会いと再開
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しおりを挟む「……もう、この話は終わり。今更、施設の愚痴言ったってどうにもならないだろ。
取り敢えず、今晩の寝床は探さないと。」
ヒロの言う通りだ。早く探さないと、最悪野宿。それだけは避けたい。
「よし、ここら辺の安いホテル、探すか。」
高一の頃からバイトをしていたから、一応金はある。
他の奴らもそうだったから、ホテルさえあれば、泊まれるだろ。
俺達は、坂道を歩き出した。
♢ ♢ ♢
ホテルなんてどこにでもある。
そう思っていたのも、まだ明るい時間のことだった。
「もう夜じゃん。流石だな、あの施設。
山奥にあっただけあるわ。」
「言ってる場合か。一番安いホテルが徒歩四時間ってどういうことだよ。
なんで最後のバスが午後二時なんだよ。
ツッコミどころ満載で笑えてくるわ。」
「まあまあ。ヒロちゃん、落ち着いて?」
呑気に感心するカイトに、怒っているのか、いつにも増して話すヒロ。
そして、ヒロを宥めるタキザワ。
なんだこれ。
「まあ、ヒロの言ってることも分からなくはないけどな。」
「ヒカル、分かってくれるのはお前だけだ……!」
そう、俺達が“ホテル探すか”と意気込んでいたのは施設から少し歩いた所。
あの施設は東京の山奥にあるので駅も無いし、一番近いバス停の最終便は午後二時。
そして安いホテルまで徒歩四時間。
殺す気だろうか。
「もう四時間以上歩いてるんじゃないの?
全然着かないじゃん。僕、お腹空いたんだけど……。」
俺達が施設を出たのが午後二時。
只今の時刻、午後六時三十分。
「残念ながら、四時間半ほど歩いておりますよ、タキザワさん。」
「え、ヒカル、それ本当?死ぬ……。」
こんな感じで、四人で固まって話しながら歩いていたら、そりゃあ、あるよな。
「痛っ。」
『チッ、おいおい兄ちゃんよ、なにぶつかってんの?
骨折しちゃったじゃんか。』
「え、あの、そのくらいで骨折はしないかと……。」
『しちゃったんだよね、骨折。
慰謝料三十万。払ってもらわないとなあ?』
「そんな大金、無理ですって!僕、まだ高校生だし……。」
ガラの悪い奴に絡まれるという事が。
まあ、今歩いているのがネオン街というのを忘れ、普通に話していた俺達も悪いが。
明らかに、向こうがわざとぶつかってきたくせに、骨折したとふざけたことを言う。
それで、慰謝料請求。
ほんっとに……。
「くだらねえなあ……。」
俺がボソッと言ったのが聞こえたのか、不良の意識がこちらに向く。
『おいお前。くだらないって何?それとも、お前が慰謝料払うの?』
徐々に近付いてくる不良に腹が立ち、どこからか、プツンという音がした。
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