Prince Killer ~7人の殺し屋~

河崎伊織

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第一章 出会いと再開

1ー3

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 鈍い音と共に、不良達が倒れる。
俺は黙って、不良達を殴った張本人を見つめた。


「チッ……口だけかよ、弱っ。」


 ヒカルは、しっかりしていて愛想もいい。
いつもふざけているけれど、フレンドリー。
俺達の中だったら一番里親が見つかりやすい奴。
 そんなヒカルに里親が見つからなかった、一番の理由がこれ。

 ヒカルは本気で怒ると、怒りが収まるまで相手を殴り続ける。

 “いつ収まるか分からない。”

それは、相手が死んでも殴り続けてしまう可能性があるということ。

ほら、今だってそう。不良の意識はもう無いのに、殴り続けている。


「カイト。レンのこと、頼む。」


「へいへい。レン、お前はこっちな。」


 血が苦手なために少し震えているレンをカイトに託し、ヒカルに近寄る。
 ヒカルは依然として、不良を殴り続けていた。


「ヒカル、もういいよ。」


「……。」


 俺の声に、ヒカルは不良に跨ったまま動きを止めた。

 こういう時は、ヒカルを認めてやるのが一番いい。
無理矢理止めるのなんて論外。
否定もしない。むしろ、褒めてやる。
そうすれば、ヒカルは正気に戻る。

 これが、施設に入ってヒカルと親友になった俺の技。
技というほどでもないけど。


「ヒカル、レンを守ってくれてありがとう。でも、もう大丈夫。危険なものは何も無くなった。」


「……ヒロ、俺……。」


「ああ、いいよ。お前はレンを守ったんだ。
偉いな。守ってくれてありがとう。」


 頭を撫でてやると尚良し。
これでヒカルは大丈夫。


「……ヒロ、すまん。いつもありがとう。」


「いいえ。俺はヒカルのためなら何だってする。大事な親友だからな。ほら、そいつらは放っておいて、早く寝床探そう。」


 ヒカルに手を貸し、立ち上がらせる。
頬や拳に付いている血を、ハンカチで拭ってやった。


「あ、ハンカチ汚れて……。」


「別にいい。コインランドリーなんてどこにでもあるだろ。」


 ヒカルと話していると、カイトが恐る恐る話しかけてきた。


「…ヒロくん。もう平気?」


「あー、大丈夫だ。レンも、そんなに不安気な顔をするな。な?」


「でも、僕の不注意だったんだもん……。」


 未だに不安気な、レンの頭を撫でる。
すると、どこからか拍手が聞こえてきた。
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