まおうさまの勇者育成計画

okamiyu

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第八章:散るは忠誠、燃ゆるは誇り――約束の交差点、勇者計画の終焉

第140話:歴史は尾を隠して甦る、あなたの知らない魔王退治

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これは、歴史の闇に葬られた真実である――
前代の勇者・異世界人カズキとその一行が倒したのは、魔王城の主ではなかった。
彼らが戦いを繰り広げた舞台は、帝国宮殿。その刃が向かったのは、前代の魔王その人なのである。
魔王は絶世の美女へと姿を変え、当時の皇帝ダミアン・ブラッドムーンを惑わし、帝国の実権を密かに掌握していた。
傾国の妖姫――その言葉通り、国を傾けんとする存在だった。
では、カズキ一行が本来戦うはずだった魔王城の主は、いったい誰だったのか?
答えはエンプラである。皇帝ダミアン(というより、彼を操る妖姫)の命により、ドクターの目を潜って「盗賊討伐」の名目で派遣されていたのだ。
カズキ一行はエンプラを魔王と誤認し、死闘を繰り広げる。
この世界には存在しない銃器を駆使するエンプラに、従来の勇者なら苦戦しただろう。しかし異世界から転移したカズキは現代日本の知識を活かし、幾度となく優勢に立った。
エンプラは壊滅寸前まで追い込まれる。その時、カズキは一つの真実に気づく――これは魔王ではない、と。彼はエンプラにとどめを刺すことを躊躇した。
しかし帝国では、エンプラからの信号が途絶えたため、「戦死」と処理される。
「なぜ私を通さず、あの子を向かわせた! あれは私の部下だぞ!」
悲報を受けたドクターは、怒りと悲しみのあまり直接宮殿に赴き、皇帝に詰め寄った。
「貪狼将軍、エンプラの件は誠に残念だが、帝国軍人としての本分であろう。新たなものを造ればよい。所詮はロボットではないか」
ダミアンは淡々と述べた。しかし、それは彼自身の言葉ではなく、背後に控える「愛妃」が囁かせた台詞に過ぎない。
「あの子は……特別なんだ。私の……私の大切なCVN-6だ」
ドクターは天を仰ぎ、目を閉じて涙の溢れるのを必死に堪えた。普段の冷静さがあれば、この奸計にも気づいただろう。しかしエンプラを失った衝撃が、彼の理性を曇らせていた。
「陛下の言う通り、軍人の定めなのかもしれない。だが……私はこの価値観に、もはや付き合い切れない。二度と顔を合わせることもあるまい。ただ一つだけ言わせてもらう」
「このままだと、帝国に明日はない」
ドクターは帝国を去った。
そして翌日、正体不明の魔法攻撃により、魔界大陸の魔王城とその周辺一帯は、地図から完全に消え去ったのである。

ドクターという最大の障害を排除した妖姫は、もはや恐れるものはない。
勇者一行が強力であろうと、帝国という後ろ盾があれば、王国の勇者も簡単には動けない。一歩誤れば国際問題に発展する。今の彼女は、魔王城にいる時よりも安全な立場にあった。
しかし、一つだけ彼女の計算を狂わせる要素が残っていた――エンプラの生存である。
「吾輩、帰ってきたであります! ドクターも、生まれ変わった吾輩を見たら驚くでありますよ!」
ドクターが設計した修復用ナノマシンの働きにより、エンプラは静かに復活を果たしていた。
早とちりから生じた誤解を謝罪するため、妖姫は勇者一行を宮殿に招待せざるを得なくなる。
策士、策に溺れる――妖姫にはこれを断る理由がなかった。むしろ、遠ざけたい相手を自ら招き寄せるという皮肉な結果となった。
「仕留めねばならぬ」
妖姫はこの宴を鴻門の会と見做し、武器を預ける瞬間を見計らって勇者一行を殲滅するつもりだった。
しかし、運命は彼女の味方ではなかった。
「エンプラちゃんの恩人は帝国の賓客だ。無礼を働けば、帝国の品格が地に落ちる」
本来なら勇者たちを始末するはずのアリスト少尉が、銃口を翻す。
「え? え? 何が起きているでありますか?」
エンプラ自身、状況を理解できずにいた。
「我が部隊はこれより宮廷へ突撃する。帝国の未来のために、皇帝陛下を惑わす妖姫を討つ! 勇者殿、武器がいるなら貸してやるぜ」
「そのお志はありがたく頂く。……自分で調達する」
カズキはテーブル上の銀のスプーンを握りしめる。次の瞬間、それは清らかな光を放つ聖剣へと変貌した。
「へえ……?」アリストは思わず口笛を漏らし、その神業に見とれる。
「クラウス! 先陣を頼む!」
「任せろ!」
勇者の片腕である剣聖、クラウス・ファルケンは兵士から軍刀を借り受け、居合の構えへと沈む。
「陽滅一刀!」
灼熱の炎を纏った一閃が、宮廷へと駆けつける親衛隊の兵士たちをなぎ倒した。
「フィロメナ、支援を頼む! ……で、いない?」
聖女フィロメナ・ド・リュミエール。本来は僧侶であり回復役だが――
「フィロメナならさっきクラウスと一緒に飛び出したぞ」
「なにっ?」
抜群の体術で「気」を操る、正真正銘の武闘派なのである。
「いやいや、向こうは銃を持ってるぞ! 流石に……」
「金城湯池!」
フィロメナが深く息を吸い込み、全身に「気」を漲らせる。鉛の弾丸は、鋼板に跳ね返る水滴のように無力だった。
「王国の連中はみんなああなのか!?」
さすがのアリストも仰天する。
「いや……あれはフィロメナじゃなければ確実に死ぬだろ……」
実はこのパーティーで最強は彼女かもしれない。
「横掃千軍!」
癒しの杖を棍棒のように振るい、弾込め中の兵士たちを薙ぎ払う。その勢いはとどまるところを知らない。
「よし、ここは俺の爆裂魔法で……ちょっと! 何をする!」
「オズワルド……お前は大人しくしていろ。室内で爆裂魔法を炸裂させるな、あれほど言っただろうが!」
カズキは詠唱を始めようとするオズワルド・エルドウィンを後ろから組み伏せる。
「放せ! 俺の右手が囁く……『爆裂せよ』と!」
「噓つけ! 今抑えてるのはお前の左手だ! 左右くらいしっかり覚えろ!」
「やれやれ……勇者ご一行は賑やかでかなわないな。エンプラちゃん、帝国軍人の戦い方を王国の皆さんに見せてやれ」
アリストは呆れ顔ながらも、散弾銃と軍刀を構え、戦闘態勢を整える。
「でも……ドクターはもう……」
帰還後、ドクターの失踪を知ったエンプラは、ずっと落ち込んでいた。自分が役立たずだから見捨てられたのだと思い込んでいた。
「大将は必ず見つけ出してやる! その時は一人前のエンプラを見せつけて、帝国もエンプラも見放した奴に後悔させてやる!」
エンプラの瞳に、ゆっくりと光が灯る。まるでOSが再起動したかのように。
「そうであります! 吾輩は将軍になって、これまで偉そうにしてたドクターに見返してやるであります!下克上、上等であります!」
かつてアリストから譲り受けた拳銃を携え、エンプラは完全に戦闘モードへと切り替わった。
「よし、背後は任せたぜ、エンプラちゃん」
「はい! アリストと一緒に撃ちまくるでありますね!」
「俺を撃つなよ……」
(大将……早く戻って来い。俺一人じゃ、とても持たない……)
アリストは内心、そう呟かずにはいられなかった。

アリスト部隊の露払いにより、宮殿の深奥へと進む道程自体はさほど困難ではなかった。
しかし、最後の扉の前には、一人の老紳士が立ちはだかった。
「これはこれは、皆さんお揃いで。夜分遅くに王の寝室へお闖り(おはいり)とは……ご遠慮願いたいものですね」
左手を優雅に腰に当て、深く一礼するその姿は、ただ者ではない気配を漂わせている。
「四天王……最後の一人か」カズキはこれまでの旅路を思い返す。魔王城まで来たというのに、四天王との遭遇は三度だけ。その不自然さが、エンプラとの戦いでとどめを刺さない決断の裏付けとなっていた。
「ご名答。我こそは魔王軍四天王最後の一角、ノクターン・クロムウェル。この先は……一方通行とお考えください」
細剣が閃く。目にも留まらぬ速さでカズキの喉元へと突き出される。
「紅蓮終刃(ぐれんしゅうじん)!」
クラウスの斬撃が間一髪でそれを阻む。
「助かった、クラウス! 俺も戦う──」
「目を閉じて先へ行け!」
「え?」
カズキはようやく気づいた。ノクターンには魔眼があるのだと。
先ほどからフィロメナはその術中にはまり、オズワルドの首を締め上げている。
(ヴァンパイアだ……あの一瞬で……!)
クラウスは戦士の直感で目を閉じ、
オズワルドはカラコンに守られていたが、
自分は……クラウスの剣がなければ、フィロメナと同じ運命を辿っていた。
「お見事。しかし、目を閉じるという枷を背負い、我に勝てると? 人間の剣士よ」
ノクターンは素早く剣を引き、次の攻撃に備える。
「真の剣士は心眼で剣筋を読む。剣の速さ比べか……どちらが速いか、試してみようではないか。だが、我がリーダーを先に行かせてくれ。その分、全力を尽くせる」
「良かろう。我の初太刀も躱せぬ半人前が、魔王様に会おうとも死を迎えるのみだ。行け、少年。安心せよ、背後から刺すような真似はせぬ」
カズキは自らの無力さを嚙みしめ、奥へと駆け出した。
「クラウス! オズワルド! 死ぬんじゃないぞ! フィロメナも必ず助けろ!」
その言葉を残し、神殿奥へと続く扉が重い音を立てて閉ざされた。

宮殿最深部、皇帝の寝室――
しかし、寝室とは思えぬ広大な空間。空気に漂うは芳醇な美酒の香り。その源は、床に広がる酒の池。周囲には焼き立ての上質な肉がぶら下がり、まさに酒池肉林の様相を呈していた。
そこで歓楽に興じるは、無数の狐たち。人間に化けてはいるものの、酒に酔いしれて尻尾や耳が覗き、中には完全な狐の姿で池に浮かぶ者も。まさに狐たちの楽園であった。
そんな享楽的な風景とは対照的に、皇帝ダミアンは憔悴しきり、部屋の隅で意識朦朧としていた。
「ようこそ、ここまで来られたのじゃ、人間の勇者殿」
女性の声がカズキを現実へと引き戻す。ここはもはや宮殿ではない。
魔王城だったのだ!
「お前が魔王か!」
寝室のカーテンの奥で、妖しい女の影が蠢く。
「そんなに気を立てることはない。わらわは人間を滅ぼすつもりも、お主と敵対するつもりもないのじゃ。ただ、わらわの狐族に安寧と繁栄をもたらせれば、それでよい。勇者殿もその剣を収めるなら、共にこの楽園を謳歌するがよい」
その声は甘く、カズキの耳元にまつわりつくように響く。
「財宝が欲しいか? ここにある金貨は好きなだけ持って行け。名声が欲しいか? 帝国にお主の像を建て、明日より新皇帝として君臨するもよい。女が欲しいか? ならば、お主好みの美女を幾らでも献上しよう。わらわ自身を望むなら……相手をしてやるぞ」
影から衣服が滑り落ちるような気配が、カズキの理性を揺さぶる。
果たして、カズキはこの誘惑を断ち切れるのか?
「魔王よ、お前にはわかっていない」カズキは静かに、しかし重々しく語り始める。「俺がこの世界に来るために、どれだけ多くの人々が犠牲となって消えていったか。俺の今はその重い業(ごう)の上に立っている。彼らのためにも、俺を信じる仲間たちのためにも、俺の進む道は一つしかない――魔王を倒すことだ!」
迷いなく聖剣を抜き放ち、カズキはカーテンへと斬りかかる。しかし――
「なに?!?」
カーテンの向こうには何もない。魔王は最初から約束など守る気はなかったのだ。ベッドの下から九本の尾がカズキを襲い掛かる。
一本を聖剣で斬り落とし、二本、三本を剣身で防ぐ。四、五、六本目はかわすが、七、八本目が肩と腹を貫く。九本目は足首を捉え、彼を壁へと叩きつけた。
壁にめり込み、出血する傷を押さえながら、カズキは魔王の実力を痛感する。
「よく耐えるのじゃ。だが、その傷痕で何ができようか。わらわにも見せてみよ」
九本の尾の主は、帝国を傾けた妖姫。普段とは異なり、狐の耳と九本の尾をたなびかせている。重傷を負ったカズキは、その琥珀色の瞳にくっきりと映っている。
魔王コハク――歴代の魔族の王の中でも最も狡猾な存在。その実力は当然トップクラスだが、従来の魔王と異なり人間社会に融け込み、そのシステムを利用して地盤を固める手法は前代未聞だった。
「聖剣戦略! 俺再改造!」
カズキは聖剣を高く掲げ、呪文を唱える。聖剣は光に包まれ、金色の鎧がカズキを覆い、翼さえも生み出す。先の傷も癒え、彼は完全無欠の状態へと変貌した。「第二ラウンドだぜ、魔王!」
「天使化だと……まさかここまで厄介なことになるのう。最初の一撃で仕留めておくべきだったのじゃ」親指の爪を噛みしめ、コハクは自らの読みの甘さを悔やむ。
「だが無駄! 無駄! 無駄!」
札を取り出したコハクが呪文を唱える。
「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!」
札は空に六芒星を描き、魔力を一点に集中して解放する。その衝撃は酒の池を蒸発させ、肉を炭と化した。カズキも当然それを避けようとするが――
「なに?!?」
いつの間にか、足がコハクの尾に絡め取られていた。
(呪文を唱えるとき……か!)
派手な呪文の演出はカズキの注意を引きつけるための囮。本当の殺し手は、背後から地中を潜り彼を捉えに来た二本の尾だったのだ。
魔力の奔流が目前に迫る。もはや尾を断ち切って逃れる時間はない。
轟鳴と共に、壁に巨大な穴が開き、周囲の一切が消し飛んだ。
「さらばじゃ、勇者。お主はなかなかの好漢であったのじゃ」
「そいつはどうも!」
聖剣がコハクの胸を貫く。天使化したカズキだ。
「ありえぬ……あの状況から脱することなど不可能のはず!」
「冥土の土産に教えてやる。俺には神から授かったチートスキル『スティール』がある。今、俺が盗んだスキルは……フィロメナの『金城湯池』だ!」
カズキは衝撃を「金城湯池」で耐えしのぎ、その隙にクラウスから盗んだ「陽滅一刀」で尾を断ち切ると、コハクに肉薄し聖剣を突き立てた。
「この……勇者め! しかし、これくらいでわらわは滅びぬ! 死ぬはお主じゃ!」
聖剣に貫かれたにも関わらず、コハクはなおも余力を残していた。九本の尾はカズキをがっちりと縛り上げ、両手はその首を締め付ける。
(まずい……詰めが甘かった……息が……フィロメナの気のスキルも使えない……勇者カズキ、ここで終わりか……?)
「あの世へ旅立て、勇者!」
次第に天使化を維持する力も失せ、カズキは聖剣を手放した。
(すまない……みんな……ここまでか……)
カズキが全てを諦めかけたその時――
パン!
銃声が室内に響き渡る。先ほどコハクの術で開いた大穴から飛来した一発の銃弾が、コハクの頭部を貫いた。
コハクは力を失い、カズキを縛る尾と手を解き、地面に倒れ伏した。
「命中したであります! この距離から正確に撃てるとは流石は吾輩でありますな! これで出世コース間違いなしであります!」
10キロ以上離れた大時計の上で、狙撃手のエンプラが得意げにポーズを決めていた。どうやら、コハクの術による衝撃が偶然エンプラの傍を通り過ぎ、驚かされた腹いせに撃ち返したら、まさかのとどめ刺しとなったのである。
かくして、帝国を揺るがした魔王コハクの騒動は幕を閉じた。
帝国にとって、あまりにも大きなスキャンダルのため、公式には「傾国の妖姫を排除した『清君側』の行動」と処理されることとなった。
皇帝ダミアンは極度の衰弱によりその後まもなく崩御。
唯一の息子であるティアノが王位を継ぐこととなった。
魔王の子故に処刑すべきとの意見もあったが、カズキは「まだ三歳の幼子に罪はない」と主張し、それを退けた。帝国を救った勇者の言葉に、これ以上反対する者はいなかった。
その二年後、カズキと王国の姫クリシアの間に娘が生まれる。それがのちのツバキ姫である。
さらに十年後、帝国はカズキ一家を招待。その舞踏会で十五歳のティアノと十歳のツバキは出会い、恋に落ちる。両国の関係深化も兼ね、二人は婚約した。
さらに五年、二十歳のティアノと十五歳のツバキは結婚。同年、ツバキは女帝として即位する。
あの事件は次第に忘れ去られ、今の帝国で妖姫のことを知るのは老人ばかりとなった。
しかし、事件は終わってはいなかった。
クラウスと対決したノクターンは勝負をつけぬまま姿を消し、同時に地面に倒れていたはずの魔王コハクの亡骸も消え失せていた。
そしてその翌年、一人紫色髪の美女が帝国軍に入隊する。
それが、現在の帝国三将軍の一人――
七殺将軍ミラージュ・アナトメの誕生であった。
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