まおうさまの勇者育成計画

okamiyu

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第六章:奪われた王冠に、炎の誓いを――動乱の王都で少女は革命を選ぶ

第91話:王になっても終わらない戦い

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俺の名は天川和樹(あまがわ かずき)。
かつては普通の日本の高校生だった――ただ、それなりに人生を楽しんでいた。
だけど、ある日、教室に突然魔法陣が現れて、俺はその光に包まれた。
気がつけば、そこは見知らぬ中世ヨーロッパ風の異世界だった。
見ず知らずの大人たちが、床に膝をついて言った。
「よくぞ来てくれました、異世界の勇者よ。我らの世界を、どうかお救いください!」
ああ……これ、アニメでよく見る“異世界召喚”ってやつか?
まさか俺が――勇者?
その瞬間、言いようのない高揚感が湧き上がった。
「ああ、俺は――主人公なんだ」と。
________________________________________
仲間を集めて、俺は4人パーティーを組んだ。
剣の達人クラウス・ファルケン。
西洋剣なのに、その剣筋はどこか日本刀に近い。得意技は“一閃”。抜刀術すら超える速度で相手を両断する。
クールに見えて、実は剣の話になると人格が変わる剣バカ。特に自分の剣コレクションの話になると止まらない。
マッド魔法使いオズワルド・エルドウィン。
外見は普通のローブ姿だが、中身は完全に中二病。腕に包帯を巻いて昔の自分が見ているように痛い。魔法使いとしては頼もしいが、ちょっとウザイ。
そして、無垢な聖女、フィロメナ・ド・リュミエール。
我がパーティー唯一の女性で、容姿も性格も清楚で優しい……が、彼女は神の狂信者
「この身は神に捧げました」とか言って、男のアプローチはすべて拒否。俺も例外ではなかった。それさえなければ普通にいい人なのに……。
――もっとこう、可愛い女の子がたくさんいて、ハーレムっぽくなるのかと思っていたけど。
現実は甘くなかった。
なんで盗賊を入れないかって? 俺、カズキのチートスキルが“万能のスティール”だからよ。もっと戦闘向けのチートスキルをくださいよ、神様!________________________________________
聖剣を引っこ抜いて、いざ無双しようと思った矢先――
「あれ? ダメージが……入らない? なんで?」
まさかの“人を斬れない聖剣”。どういう仕様だよ!
王都近くじゃ、モンスターより盗賊の方が多いんだぞ? これ、実質ただの飾りじゃないか!モンスター型敵が増えた時まだ使う、一旦別のものに代用。
「うそだろ…」
試しにナイフを装備してみたら、そっちが聖剣になった。は? 呪いか?
慌ててフィロメナに相談したら――
「これは呪いではありません。神の意思でございます」
呪いだよ! 装備が外れない、他の装備ができない、特定の敵にノーダメージ。呪い以外の何物でもない! 癖が強すぎだよ。これで本当に魔王を倒せるのか?________________________________________
何やかんやあったけど、旅は続いた。
ラム・ランデブーでは海賊退治、デュエロポリスでは武闘会に出場、セルペンティナでは“伝説の不夜城”を探しに行こうとしたけど――
「不潔です」
フィロメナの圧力で行けなかった。
……まあ、そんなもんだ。
________________________________________
そして――あの場所、グラナール。
ここは毎晩ゴーストの被害を受けている。俺達もこれがただの討伐クエストと思いゴーストタウンへ向かった。
だが、そこで俺は……見てしまった。
この世界がどんな代償を払って私を召喚したのかを。
幽霊に取り憑かれた瞬間、視界に飛び込んできたのは
この曾てのホッピタウンで、人々が魔力を吸い尽くされ、灰となって散っていく光景だった。
何なんだよ….全部俺が殺したって言うのか?
知らない…俺は何も知らない。
俺はただ召喚されただけだ。
そんなことなるとは知らなかった。
俺にどうしろって言うんだよ…________________________________________
悩んだ末、俺はフィロメナに浄化を止めさせた。
彼らには俺を恨む権利がある。それを無視して強引に浄化させるのは間違っている。俺は罰を受けるべきだ。この人たちの怨念を受けるべきだ。
だけど、それは今じゃない。俺はこの国をもっと良くして、彼らのような犠牲者を二度と出さないようにしてからだ。
「お願い、フィロメナ……封印で」________________________________________
それから、俺は“ゲーム感覚”でこの世界を楽しむのをやめた。俺には、やるべきことがある。
クセリオス・ヴェスカリア公爵。
ホップタウンを滅ぼした張本人。しかし、この国の法律じゃ彼を裁けない。
だから俺は――王になって、この国を変えなきゃならない。________________________________________
10年の歳月が流れた。
魔族との長い戦いの末、俺たちは魔王を倒し、世界を救った。
――俺は英雄になった。
当時、まだ20歳だったクレシア・アルセリオン姫と結婚し、
カズキ・アルセリオンとして、この国の王となった。
俺は率先して奴隷制の廃止に取りかかった。当然、貴族たちの反対は津波のように殺到した。中心には、クセリオス・ヴェスカリア公爵がいた。
だが、俺には民衆の支持があった。そしてヴェスカリア公爵の息子シエノも、味方してくれた。
何年もかけてようやく、王国から奴隷制度を撤廃することができた。
その後も、自由民となった彼らが社会に馴染めるよう、学校も設立した。
それでも――
「学問」だけは、どうしても受け入れられなかった。
________________________________________
俺は、甘かった。
王になれば、全部うまくいくと思っていた。
でも、現実は違った。
貴族の権力は、想像を遥かに超えていた。
漫画やアニメみたいに都合よくはいかない。
だけど――それでも、俺はあきらめない。
クセリオス・ヴェスカリア。
お前が滅ぼした人々のためにも、
俺はこの国に“自由と平等”をもたらす。
そのために俺は王になった。
俺は、戦い続ける。
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