まおうさまの勇者育成計画

okamiyu

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第六章:奪われた王冠に、炎の誓いを――動乱の王都で少女は革命を選ぶ

第115話:さようなら王宮、こんにちは家族寮!

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王宮がゾンビドラゴンの暴走で全壊! 代々ここに住んでいた王族たちは、一夜にして住む場所を失ってしまった。
議会を再建する間、私たちは学校の教職員用家族寮に身を寄せることになった。
「五人もいる大家族には、ちょっと手狭か…」
俺が呟くように言うが、父様はむしろご満悦のようだ。
「わしはこっちの方が落ち着くぞ。昔の王宮は広すぎて好みじゃなかった。故郷の日本でも、こんな風に狭苦しく暮らしたものだ」
「あなた、今日は八百屋で新鮮な野菜を買ってきましたのよ。隣の奥様に教えてもらって…今夜はちょっとしたご馳走になりますわ」
母様もすっかり近所のママ友たちと打ち解けた様子。
「僕はハンバーグがいいな! 目玉焼きがのっているやつ!」
先週まで王子様だったユウキも、今ではすっかりこの生活が気に入っているらしい。
「…なんで俺まで…こんな姿を家族に見せるなんて、もはや公開処刑だ」
元・兄のマサキは、師匠である小梅の「気」のよって陰陽転倒の姉に。今は「マサコ」として認知されている。
「まあ、せっかく家族全員が揃っているんだ。野暮なことは言わないでおこうか」
ツバキ姉がいないのは少し寂しいが、彼女にはもう自分の家族がいるのだから仕方ない。
こうして、かつての王宮の豪華な晩餐会とは似ても似つかぬ、賑やかな夕食が始まった──

「ねえ? この人だれ?」
無邪気なユウキが、誰も触れようとしないマサコを指さした。子供は残酷だ…
「マサキだよ! お前の兄貴のマサキに決まっているだろ!」
「うそだー! マサキ兄ちゃんは男の人だよ! こんなに胸がぷりぷりしてるわけないもん!」
……実は俺もずっと気になっていた。
母様は巨乳、ツバキ姉も巨乳、性転換したマサキ兄まで巨乳なのに——
なんで俺だけペッタンコなんだ!?
ツバキ姉は俺の年頃ですでにバインバインだったぞ。なのに、俺は…
寂しげに自分の胸板を触ると、硬い筋肉の感触しかない。この不公平さはなんだ…!
「勝手にそんなことになるもんかよ! 剣を振るたびに揺れて邪魔だし…確かに俺は巨乳は好きだったけど、自分に付いているのは正直キツい」マサコ姉がぼやく。
むか(^_^メ)「じゃあ俺にくれよ! 贅沢な悩みしてんじゃねえ! ほら、よこせ!」俺はマサコ姉の胸をグッと掴んだ——くそ、めちゃくちゃ柔らけえ…!
(こんなので男を落としてたのか…? 不公平だ…! 俺にもこんな武器が欲しい!)
「ちょ、レン!? 触り方がいやらしいぞ、やめてっ、んんっ❤」」甘い声をもらいしている。俺だってそんな色っぽい声出したこと無いのに。
「ねえママ! 僕も大きくなったらマサキ兄ちゃんみたいに胸がでっかくなる?」
「……おそらく、なりませんわ。お母さん、これ以上息子を失うのはごめんですもの」
母様はユウキの目をそっと覆い、「いい加減にしなさい、二人とも。ユウキの教育に悪いでしょう」とたしなめた。
「構わんじゃないか、クリシア。今日は家族みんなでお風呂に入ろうぞ!」
父様が無邪気に提案する。
「「絶対イヤ!!」」
俺とマサコ姉の拒絶の声が、見事に重なり合った。

食卓を囲んで、俺とマサコ姉はそれぞれの旅の話で盛り上がった。
父様も勇者時代の冒険談を語ってくれ、なんだか急に親近感が湧いてくる。
酒が進むにつれ、会話もどんどんヒートアップしていく。
「そういえば、マサキ兄...王小梅のこと好きなの?」
『プシュッ!』
マサコ姉が口にしていた牛乳を吹き出した。
「反応が露骨すぎるだろ...それに汚い」
「まあまあ、マサキに好きな人が?お母さんにも教えてちょうだい」
「違うってば!師匠と弟子の関係だけだし...」
顔を真っ赤にしながらも、その言い訳はまったく説得力がない。
「王小梅か...あの娘がここまで成長するとは」
「え?父上、師匠を知ってるの?」
「ああ、わしが勇者だった頃、デュエロポリスで出会った。同じ元帝国人のフィロメナの強さに憧れて弟子入りしたらしい。相変わらずの性格のようだな」
「ちょっと待て、それはいつの話だ?」
「25年前のことじゃ」
「俺まだ生まれてないじゃん!師匠っていったい何歳なんだよ...」
「『気』の使い手は気の循環で肉体の若さを保てる。年齢を気にするのは無意味じゃ。フィロメナより少し若いだろう...クリシアと同い年くらいか」
「母上と同い年?!だから相手にされないわけだ...」
「まあ、私もあんな若さが欲しいものですわ」
「ちょっと待てよ...俺も『気』の修行をしてるけど、まさか...」
俺はある重大な事実に気がついた。
「止まるであろう、体の成長が。」
え?
「レン姉ちゃん、どうして泣いているの?」
「泣いてなんかいない!これは...心の汗だ!」
天才すぎたが故に『気』の習得が早すぎたか…
「俺はいいんだよ。レンの方があのおっさんにメロメロじゃないか」
「な、何を言う!レン!」父様の顔が急に真っ青になった。
「まあ、好きですけど...もうキスもした仲だし」
こんな風に、素直に好きだと言えるなんて……俺も随分変わったものだ。
あのふてぶてしい毛玉魔王のせいで、女の子とした自分のことも、
あいつを好きになる気持ちのことも、
全部、受け入れられるようになっていた。
……まったく、とんでもない奴に巻き込まれたものだ。
「まあ!レンが恋を!お母さん、とっても嬉しいわ!」
「許せん!わしの大事なレンを誑かすとは...あの魔法使いの怪しい男め!魔王(マオウ)とか言っておいて...元勇者として成敗してやる!」
「僕、あのおじちゃん好き!いっぱいお菓子くれるんだ!レン姉ちゃんと結婚したら、僕のお兄ちゃんになる?」
「そうだ、レンと結婚したらあいつは俺の弟だ。フフフのフ...応援するぜ、レン!」
「わしは認めんぞ!ロリコンだそいつは、レンといくつ離れると思っている」
「あなた、私たち結婚した時お互い10歳離れていましたけど。自分がロリコンと言いたいですか。」
「いやいや、クリシアあの時もう二十歳だろ。」
「レン、お父さんのことは気にしないで。お母さんたちは味方よ」
「でもライバルがたくさん...勇者セリナとか...」
「ほら見ろ!わしの言った通り、あいつはロリコンだ!」
「あなたは少しお静かに。レン、あなたは姫なのよ。姫は最後に必ず勝つのがお約束よ」
「でも...セリナは素直だし、家事も上手だし、メイド服だし...」
「お母さんだって、お父さんが魔王を倒した勇者として帰ってきた時、ライバルは山ほどいたわ。でもお母さんが全部蹴散らしたの。お母さん、戦士としては強くないけど、女としての強さなら負けませんわ」
すごい...今日の母様はいつも以上に輝いて見える。
「ユウキ~今夜はお父さんと寝なさい。お母さんは姉ちゃんたちに女の戦い方を教えるから」
「はーい!パパ、お風呂行こっ!」
「レン...お父さんは寂しいぞ。ツバキに続いてお前まで...」
「行きなさい。片付けの邪魔ですわ」
「え?待ってよ!『姉ちゃんたち』って...まさか俺も入ってるの?俺男だぞ、母上!」
「今は女の子でしょ?女の子らしくしなさい。それが姫の使命よ」
こうして、母様とマサコ姉との三人だけの夜が始まった。久しぶりの家族水入らずの生活に、私は心から満たされた気持ちになった。
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