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未来編②
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数週間前、店の扉に一枚の紙が貼られた。
それには、こんな事が書いてあった。
『もうすぐ、あなたを迎えに行きます。』
俺には、これが何の事だかさっぱり分からなかった。
何かの宣伝文句?
ただの悪戯?
俺は特に気にする事もなく、すぐにそれを剥がすと、ゴミ箱へと捨てた。
そしてその日の夜、俺はその貼り紙について亮に話をした。
『……っていう文が一文だけ。おかしいでしょ。』
『もし今度そういう事があったら……それ、捨てずに取っておけよ?』
『何で?』
すると亮は、俺を見て溜息を吐きこう言った。
『だってさ、お前に好意を持つ奴の仕業かもしんないじゃん。』
『まさか……俺、もうアイドルじゃないんだよ?こんな俺に興味持つ人なんて──』
『甘い!慎は、今でも十分美形でカッコイイから!俺さ、お前が店をやるって言った時……変な客が寄って来ないか、正直心配したんだからな。』
『えぇ……?いや、それは、亮の方なんじゃ……。亮みたいなカッコいい美容師さんに髪の毛切って貰いたいって、女の子からの予約が殺到してるんでしょう?俺のお店のお客さんから聞いたよ。』
亮は、美容師としてあるお店に勤めていて……近く、独立する事も決まっている。
実は亮は、前の世界でもアイドル……芸能界を辞めた後は、美容師として働いていたそうだ。
だから、また美容師を選んだの?と、俺は以前彼に尋ねた事がある。
すると亮は、少し顔を赤らめこう言った。
『まぁ、美容師の仕事が好きだったのもあるけど……俺が、お前の髪を切ってやれたらと思ってさ。お前に与えられるだけじゃなく、俺も何かしてあげたくて。それに……お前に、他の人間が触れるのが嫌って言うか……。俺、結構嫉妬深かったんだな、自分でも驚きだわ。』
俺はその言葉に、ここまで亮に思われていたのかと驚くと同時に、嬉しさがこみ上げて来て……思わず亮に抱き着いてしまった──。
※※※
前髪、そろそろ伸びて来たから……今夜あたり、亮に切って貰おうかな──。
「あらマスター、幸せそうな顔で笑っちゃって……彼の事でも考えてた?」
「も、もう田岡さん……揶揄わないで下さい。」
カラン──。
「いらっしゃいませ。」
お店にお客さんが入って来て、俺は赤くなった顔を何とか普通の笑顔に戻し、お水を持って行った。
「マスター、いつものを。」
「はい、巽さん。」
彼は、巽 正信さん……少し前に、この店に来てくれるようになったお客様だ。
いつもスーツを着て眼鏡をかけ、髪もきっちり整えて……大人のできる男って感じで、とても素敵な男性だ。
「この店は人も動物も、いつ来ても賑やかだね。」
「巽さんは……確か、動物は飼っていらっしゃらないんですよね?」
「そうだよ。だけど……もうすぐ飼う予定ではあるかな。」
「だったら、是非その子、このお店にも連れて来て下さいね。」
「……勿論。きっと、マスターも気に入ってくれます。楽しみにしていて下さいね?」
巽さんは、俺を見てニッコリと微笑んだ。
俺も、気に入る……?
どういう、意味──…
「マスター、注文いい?」
「あ、はい!今行きます。じゃあ巽さん、少しお待ち下さいね。」
「構いませんよ。俺は……待つのは慣れてますから──。」
それには、こんな事が書いてあった。
『もうすぐ、あなたを迎えに行きます。』
俺には、これが何の事だかさっぱり分からなかった。
何かの宣伝文句?
ただの悪戯?
俺は特に気にする事もなく、すぐにそれを剥がすと、ゴミ箱へと捨てた。
そしてその日の夜、俺はその貼り紙について亮に話をした。
『……っていう文が一文だけ。おかしいでしょ。』
『もし今度そういう事があったら……それ、捨てずに取っておけよ?』
『何で?』
すると亮は、俺を見て溜息を吐きこう言った。
『だってさ、お前に好意を持つ奴の仕業かもしんないじゃん。』
『まさか……俺、もうアイドルじゃないんだよ?こんな俺に興味持つ人なんて──』
『甘い!慎は、今でも十分美形でカッコイイから!俺さ、お前が店をやるって言った時……変な客が寄って来ないか、正直心配したんだからな。』
『えぇ……?いや、それは、亮の方なんじゃ……。亮みたいなカッコいい美容師さんに髪の毛切って貰いたいって、女の子からの予約が殺到してるんでしょう?俺のお店のお客さんから聞いたよ。』
亮は、美容師としてあるお店に勤めていて……近く、独立する事も決まっている。
実は亮は、前の世界でもアイドル……芸能界を辞めた後は、美容師として働いていたそうだ。
だから、また美容師を選んだの?と、俺は以前彼に尋ねた事がある。
すると亮は、少し顔を赤らめこう言った。
『まぁ、美容師の仕事が好きだったのもあるけど……俺が、お前の髪を切ってやれたらと思ってさ。お前に与えられるだけじゃなく、俺も何かしてあげたくて。それに……お前に、他の人間が触れるのが嫌って言うか……。俺、結構嫉妬深かったんだな、自分でも驚きだわ。』
俺はその言葉に、ここまで亮に思われていたのかと驚くと同時に、嬉しさがこみ上げて来て……思わず亮に抱き着いてしまった──。
※※※
前髪、そろそろ伸びて来たから……今夜あたり、亮に切って貰おうかな──。
「あらマスター、幸せそうな顔で笑っちゃって……彼の事でも考えてた?」
「も、もう田岡さん……揶揄わないで下さい。」
カラン──。
「いらっしゃいませ。」
お店にお客さんが入って来て、俺は赤くなった顔を何とか普通の笑顔に戻し、お水を持って行った。
「マスター、いつものを。」
「はい、巽さん。」
彼は、巽 正信さん……少し前に、この店に来てくれるようになったお客様だ。
いつもスーツを着て眼鏡をかけ、髪もきっちり整えて……大人のできる男って感じで、とても素敵な男性だ。
「この店は人も動物も、いつ来ても賑やかだね。」
「巽さんは……確か、動物は飼っていらっしゃらないんですよね?」
「そうだよ。だけど……もうすぐ飼う予定ではあるかな。」
「だったら、是非その子、このお店にも連れて来て下さいね。」
「……勿論。きっと、マスターも気に入ってくれます。楽しみにしていて下さいね?」
巽さんは、俺を見てニッコリと微笑んだ。
俺も、気に入る……?
どういう、意味──…
「マスター、注文いい?」
「あ、はい!今行きます。じゃあ巽さん、少しお待ち下さいね。」
「構いませんよ。俺は……待つのは慣れてますから──。」
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