失恋した上に嫌われ、死んでしまった俺は…目が覚めたら彼に愛される世界に居た。

櫻坂 真紀

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未来編⑩ ※

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「んんッ……あ、あぁ……ッ!」

「本当に可愛いなぁ、お前は。俺に触れられて、こんなにビクビクして……。俺は、お前が愛しくて堪らないよ、慎。」

 そして亮は、俺の固く閉じられた蕾をユルユルとほぐすと……ツプリと一本、指を突き入れた。

「あ、んッ!俺、かわいぃ……?ずっと、りょうのいとしい人……?」

「そうだよ、ずっとだ。」
 
 亮は微笑みながら、俺に何度もキスをくれる。

「う、れし……ッあぁッ!?」

 俺の中にはいつの間にか指が三本入れられており、それが俺のイイ所を掠めた。

「あ、ああっ……ふッ……んぅッ……りょ、う……も、だいじょーぶだから、きてぇ……?」

「ッ……!慎!」
 
 指が引き抜かれ、一瞬寂しさを覚えたその直後……俺の中に、固くて大きい物がグチュリと入って来た。

「んッ……!あ、あぁッ……あ、りょ、りょう……うごいていいから……あいつのこと、ッ……ぜんぶ、わすれたい──んぁッ!?」

 俺の言葉に、最初はゆっくりだった亮の腰の動きが、大きく、激しいものへと変わって行く。

「ァッ……、あぁッ……りょう……きもちぃッ……りょう……すきッ……!」

「……慎、俺だけの慎……!好きだ、愛してる……ッ!」

 亮は俺の腰をガシリと掴むと、俺の中をガツガツと突いて来る。

「あッ、ソコッ……!やぁッ……も、だめぇ──!」

「フッ……慎は、ここ大好きだもんな……!」

「う、んッ!すき、すきなのぉ……だ、から、もうイッっちゃ……ッ!」

「いいよ、一緒にイこうか。」
 
 そう言って耳元で囁かれ……ガジリと耳たぶを齧られた俺は、ビクリと体を震わせ、熱い熱を吐き出した。

 そしてそれと同時に、俺の中にジワリと温かい物が吐き出され……それが俺の中に広がって行くのを感じ、俺はウットリと目を閉じた──。

※※※

「まさか、あの男が貼り紙の犯人だったとはねぇ。無事捕まってくれて良かったわぁ。このお知らせ通り、本当に当分お店が休みになっちゃったら、寂しかったもの。」

「えぇ。私たちだけじゃなく、ワンちゃんたち皆もね。」

 常連さんたちは、口々に店の休業撤回と俺の無事を喜んでくれた。

「皆さん、心配かけてごめんなさい。そして……そう言って下さって、本当に有難いです。田岡さんには、本当にお世話になっちゃって……。あの監視カメラの映像があったから、彼を罰する事が出来ました。」

「マスターと亮君のお役に立てたら、それでいいのよぉ。彼ね、愛する人を守りたいからって言って、必死に頭を下げ頼んできたのよ。もうそれを見たら、協力しない訳にはいかないでしょう?」

「マスター、本当にその彼に愛されてるのねぇ。」

「いいわね、仲が良くて。」

「み、皆さん、俺の事はもう──」

 カラン──。

「慎、ケーキセットくれるか?」

「りょ、亮!どうして……お店は?」

「半休貰った。たまにはさ、お前の店でゆっくりしたくて。それに、お前の手作りケーキ食べたいし……って、どうしてそんなに顔が赤いんだ?もしかして熱が──」

 途端に心配そうな表情を浮かべた亮が、俺の腕を引き寄せると……そのおでこを、俺のおでこにピタリとくっ付けてきた。

「りょ、亮……ここ、お店!」

「あ、いつもの癖で──」

「マスター、私たちの事はお気になさらず~。」

「いいわねぇ、若いって……。」

「あら、奥様だって十分若いわよ!」

 常連さんたちはその言葉通り、俺たちの事など気にせず、ワイワイ楽しくお喋りを続けている。

「ッ……フフッ。」

「慎……?」

「俺、お客様に恵まれたなって……このお店が持てて良かったなって思って。」

「そうだな。慎……俺もな、新しい店の場所、決めて来たんだ。今度、一緒に行ってくれるか?それで……そこで最初に髪を切るのはお前だって、俺……もう決めてるんだ。」

「……うん!」

※※※

 思いがけない人物との出会いで、俺と亮の絆は一度は断ち切られかけたけど……でも、俺たちの愛は、却ってその結びつきが……深さが増したように思う。

 俺たちにはこの先も、今回の様に思いがけない事や、困難がいくつも降りかかるのかもしれない。
 でもその度に、俺は彼と助け合い、支え合い……それらを乗り越え、更に愛を深めていくのだろう。

 だってここは……俺たちが愛を育み、最期まで共に生きていく……そんな輝かしい世界なのだから──。
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