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本編
11 誕生を待つ生命
しおりを挟むその日はアルヴィンがギルドの依頼をこなしに留守にしていた。身重のセレスの代わりにレドはあちらこちらに駆け回り、仕事をこなしていった。
「セレス、こちらの仕事は終わりました」
「あら、早いですね。本当にレドは頼りになるわ。じゃあ、少し休憩にしましょうか」
「はい!俺がお茶を淹れますね。セレスは座っていて下さい」
「あら、ありがとう。レド」
レドの気遣いに微笑みセレスは重い腹を抱えて椅子に腰を下ろした。
お茶の準備を終えて戻ってきたレドはセレスのその腹を見つめて、何かに納得がいったかのように頷くと向かい側に座った。
お茶を嗜みつつ、レドが口を開く。
「なんだか面白い気配がすると思っていたんです」
「レド?」
「あはは、大きくなってきて分かりました。セレス、あなたのお腹の子は…」
「?この子がどうかしました?」
そう言ってセレスは愛おしそうに膨らんだ腹を撫でた。
「…いえ、余計なお世話ですね。なんでもありません」
「なんです?気になります」
「あはは、元気で健康に産まれてきますよ。と言いたかったんです」
「まぁ!もう、気になる言い方をするから何かと思えば…。ふふ、ありがとう。レド」
「いえいえ、…例えどんな姿でも貴方にとっては可愛い子でしょうから」
「そうね。私とポール様の子なのですもの。可愛くない訳ないわ」
幸せそうに微笑むセレスを眺め、レドも微笑んだ。
「もう手遅れですからね。今更その腹の子を堕ろした方がいいなんて言っても理解できないでしょう」
「?…ふふ、さぁ美味しいお茶も頂きましたし、仕事に戻りましょうか。レド」
「はいっ!今日のご主人様の御夕食は何にしましょう?」
「そうね。良い鶏肉が手に入ったからシチューが良いかしら」
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