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本編
23 許せない
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その日も普段通りの1日になるはずだった。
しかし、仕事から帰ったアルヴィンは玄関を潜ると崩れ落ちるように倒れた。
「ご主人様!?」
異変に気がついたレドは慌てて主人の側に駆け寄った。その身体は発熱し、苦しげに息を乱している。よくよく見ると太腿あたりに血が滲んでいるのがわかった。
「ああ!なんという事ですか…!?」
「応急処置は行ったから死ぬ事はない…」
アルヴィンはぐったりと力を抜いたまま、蒼白になるレドの頬を撫でた。
ギルド依頼の最中、ふとした油断で毒を持つ犬型の魔獣ザベラスに噛まれてしまったのだった。
だがアルヴィンは過去にも同じ魔獣に噛まれた事があり、その時はなんの症状も出ずみんなに不思議がられていた。
「俺は毒が効きにくい体質らしく昔は大丈夫だったんだが…。歳を取ったせいかな?こんなになるのは初めてだ…」
「…それは聖女の加護があったからですよ」
「なんだ?」
「いえ…。自らを過信してはいけません。不測の事態と云うのは常に起こりうる事なのです」
「…そうだな。今回は完全に俺の油断が招いた事だ…」
アルヴィンは苦しげに息を荒げた。
「ああ、ご主人様…。お辛いですね…可哀想に…。手当を行いますので僭越ながら寝室まで運ばせて頂きます」
「悪いな、レド。手間をかけさせる…」
「何を仰るのですか…。ご主人様が健康で快適に過ごせるように尽くすのが俺の仕事ですから…」
レドはアルヴィンを大切に抱え上げると足速に寝室へ急いだ。
アルヴィンは感謝を述べようとその顔を見上げ…。
「レド………。お前、涎がすごいぞ…」
「…あは。申し訳ありません…」
レドは芳しい香りに溢れた涎をジュルリとすすった。
「ああ、口惜しい…。俺のご主人様を傷つけて…。許せない…。許せませんね……皆殺しだ…」
「レド?」
「…何でもありません。ご主人様」
寝室に主人を運び込んだレドは寝台にアルヴィンを寝かせると血を吸収して重たくなったズボンを脱がせた。
そうして未だ血が流れる傷口に躊躇なく口付けた。
「レ、レド!」
予想外の動きにアルヴィンは驚いて声を上げる。
「ご主人様…毒抜きです…。少しはマシになるでしょう…ん…………………おいしぃ…」
「んっ…くっ…うっ…。レド、お前の身体の害になるだろう…やめなさい」
その言葉でレドの口が離れていく。唾液と血液が混ざった粘液が糸を引いた。
口の周りを真っ赤に染めてレドは見上げる。
「大丈夫です。寧ろご主人様の血液を頂く事で元気になりますから…。お願いです。許可を下さいご主人様…只々俺は心配なのです…」
「…だが」
「安心して下さい。大丈夫ですから…。ご主人様はただ"毒を吸い出せ"と俺に命じるだけでよいのです…。それ以上の事はしませんから…」
金眼に見つめられ思考が散漫になる。
迷った末に、心配しながらもレドからの懇願を跳ね除け切れず、アルヴィンは乞われた言葉を口にした。
「…レド、……毒を吸い出せ…」
「仰せのままに。ご主人様ぁ…」
「んっ…くっ…はっ…あっ…」
レドは大きく口を開くと患部を覆い、まるで赤子が乳を吸うようにちゅくちゅくと吸い付いた。
不思議な事に全身の倦怠感や痛みがそこに集まってレドが一吸いする度に身体が楽になっていくのが感じられた。
しかし、困った事に肉体を覆う不快感が徐々に無くなっていくのと比例してひそやかな快感が募っていった。
レドの熱い口内、舌、呼吸がアルヴィンの肌にあたる度にどんどんと気持ちが昂まっていくのだった。
「は、ふぅ…んっ…れ、れどぉ…」
切なげに熱い息を吐くアルヴィンの中心部が熱を持ち、硬く芯を通した。
それが下着を押し上げてしまい、傍目から見ても勃起しているのが分かってしまった。
アルヴィンは焦り、それを手で隠した。だが目敏くそれに気が付いたレドは興奮し、必死に主人の許しを乞うた。
「…!?…ご主人様っ、ご主人様ぁ…!こんなに元気になられて…!あぁ!どうかお慰めする許可を!許可をください……」
欲望に濡れた金眼がレドの興奮を表していた。
アルヴィンは目を泳がせ、しばらく悩んだ末に口が動いてしまう。そこには明確に期待が込められていた。
「れどっ………おれの、……に…触る事を、許可する……」
しかし、仕事から帰ったアルヴィンは玄関を潜ると崩れ落ちるように倒れた。
「ご主人様!?」
異変に気がついたレドは慌てて主人の側に駆け寄った。その身体は発熱し、苦しげに息を乱している。よくよく見ると太腿あたりに血が滲んでいるのがわかった。
「ああ!なんという事ですか…!?」
「応急処置は行ったから死ぬ事はない…」
アルヴィンはぐったりと力を抜いたまま、蒼白になるレドの頬を撫でた。
ギルド依頼の最中、ふとした油断で毒を持つ犬型の魔獣ザベラスに噛まれてしまったのだった。
だがアルヴィンは過去にも同じ魔獣に噛まれた事があり、その時はなんの症状も出ずみんなに不思議がられていた。
「俺は毒が効きにくい体質らしく昔は大丈夫だったんだが…。歳を取ったせいかな?こんなになるのは初めてだ…」
「…それは聖女の加護があったからですよ」
「なんだ?」
「いえ…。自らを過信してはいけません。不測の事態と云うのは常に起こりうる事なのです」
「…そうだな。今回は完全に俺の油断が招いた事だ…」
アルヴィンは苦しげに息を荒げた。
「ああ、ご主人様…。お辛いですね…可哀想に…。手当を行いますので僭越ながら寝室まで運ばせて頂きます」
「悪いな、レド。手間をかけさせる…」
「何を仰るのですか…。ご主人様が健康で快適に過ごせるように尽くすのが俺の仕事ですから…」
レドはアルヴィンを大切に抱え上げると足速に寝室へ急いだ。
アルヴィンは感謝を述べようとその顔を見上げ…。
「レド………。お前、涎がすごいぞ…」
「…あは。申し訳ありません…」
レドは芳しい香りに溢れた涎をジュルリとすすった。
「ああ、口惜しい…。俺のご主人様を傷つけて…。許せない…。許せませんね……皆殺しだ…」
「レド?」
「…何でもありません。ご主人様」
寝室に主人を運び込んだレドは寝台にアルヴィンを寝かせると血を吸収して重たくなったズボンを脱がせた。
そうして未だ血が流れる傷口に躊躇なく口付けた。
「レ、レド!」
予想外の動きにアルヴィンは驚いて声を上げる。
「ご主人様…毒抜きです…。少しはマシになるでしょう…ん…………………おいしぃ…」
「んっ…くっ…うっ…。レド、お前の身体の害になるだろう…やめなさい」
その言葉でレドの口が離れていく。唾液と血液が混ざった粘液が糸を引いた。
口の周りを真っ赤に染めてレドは見上げる。
「大丈夫です。寧ろご主人様の血液を頂く事で元気になりますから…。お願いです。許可を下さいご主人様…只々俺は心配なのです…」
「…だが」
「安心して下さい。大丈夫ですから…。ご主人様はただ"毒を吸い出せ"と俺に命じるだけでよいのです…。それ以上の事はしませんから…」
金眼に見つめられ思考が散漫になる。
迷った末に、心配しながらもレドからの懇願を跳ね除け切れず、アルヴィンは乞われた言葉を口にした。
「…レド、……毒を吸い出せ…」
「仰せのままに。ご主人様ぁ…」
「んっ…くっ…はっ…あっ…」
レドは大きく口を開くと患部を覆い、まるで赤子が乳を吸うようにちゅくちゅくと吸い付いた。
不思議な事に全身の倦怠感や痛みがそこに集まってレドが一吸いする度に身体が楽になっていくのが感じられた。
しかし、困った事に肉体を覆う不快感が徐々に無くなっていくのと比例してひそやかな快感が募っていった。
レドの熱い口内、舌、呼吸がアルヴィンの肌にあたる度にどんどんと気持ちが昂まっていくのだった。
「は、ふぅ…んっ…れ、れどぉ…」
切なげに熱い息を吐くアルヴィンの中心部が熱を持ち、硬く芯を通した。
それが下着を押し上げてしまい、傍目から見ても勃起しているのが分かってしまった。
アルヴィンは焦り、それを手で隠した。だが目敏くそれに気が付いたレドは興奮し、必死に主人の許しを乞うた。
「…!?…ご主人様っ、ご主人様ぁ…!こんなに元気になられて…!あぁ!どうかお慰めする許可を!許可をください……」
欲望に濡れた金眼がレドの興奮を表していた。
アルヴィンは目を泳がせ、しばらく悩んだ末に口が動いてしまう。そこには明確に期待が込められていた。
「れどっ………おれの、……に…触る事を、許可する……」
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