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遠き過ぎ去りし在りし日の日々
きしとおひめさま
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むかしむかし あるところに おおきな くにが
ありました そのくにの おうさまは とても
ごうよくで ひとびとを くるしめて いました
その おとなりの ちいさな くにでは
おひめさまと せいねんの けっこんしきが
おこなわれて いました おひめさまは とても
かわいく うつくしく やさしい ひとです
そんな おひめさまを みそめた おおきな くにの
おうさまは おひめさまを うばいとって しまいました
『どうか おひめさまを かえして ください』
『ならん ならん おまえの ような ちいさな くにが なまいきだ その つみを つぐなえ すべて うばい とってやる』
『ああ なんてことだ』
おおきな くには ちいさな くにを しはいして しまいました せいねんは いのちからがら にげだしました
『あしき おうめ ゆるさない』
せいねんは おおきな くにの おうさまを たおす ことに しました そのむねに あるのは いまだ きえぬ おひめさまへの あいでした
せいねんは おおきな くにに しのびこみ へいたいに なりました せいねんは とても どりょくし つよく なります やがて くにいちばんの きしに なった
せいねんは さんびきの まものの とうばつに むかいます
いっぴきめの まものは はたけを あらす いのししのまものです きしは ひらりと いのししの とっしんをかわすと そのせなかに のりました おこって あばれる いのししに といかけます
『どうして はたけを あらすのか おまえたちは もりで いきて いただろう』
『おうさまが もりを きりひらいた からだ
なにもたべる ものがない うばいかえして
なにがわるい』
『そうか おうが わるいのか それならともに
たたかおう』
『もりを かえして くれるなら ぜひとも
きょうりょく しよう』
そうして きしと いのししは にひきめの まものの とうばつに むかいます
にひきめの まものは くろい ひょうの まものです
とおりがかる ひとを いかくし みちを とおしません
いのししに のった きしは そのするどい つめを
けんで きりました
『じまんの つめが みじかくなった これでは きに のぼれない』
『どうして おまえは ここを とおさない
おまえたちは ひとに ちかづかない だろう』
『わたしの かぞくを まもるためだ おうさまが
くろい けがわを のぞんだからだ』
『そうか おうが わるいのか それならともに
たたかおう』
きしと いのししと ひょうは さんびきめの まものを めざします
さんびきめの まものは りゅうでした おおきな
からだで とびまわり あらしを ひきおこします
びゅうびゅうと つよい かぜは きしの からだを
うかせます とばされた きしを ひょうが おおきな
くちで くわえます しかし みじかくなった つめでは
ふんばりが ききません いのししは いそいで はなで
あなを ほりました そこに みんなで かくれます
ふきとばす ことができないと わかった りゅうは
そらから おりてきて おそい かかって きました
かぜが やんだことで じゆうに なった きしは
りゅうの こうげきを けんで はじきます
いのししは おおきな からだで りゅうのあしに
とっしんし ころばせました たおれた りゅうの
せなかに ひょうは とびのると りゅうの つばさに
するどい きばで あなを あけました
『なんという ことだ これでは そらを とべない』
『りゅうよ どうして そんなに あばれるのだ
おまえたちは おおぞらの むこうに すんで
いただろう』
『おうさまが わたしの たからを ぬすんだ からだ
すべて ふきとばして きれいに してから さがすのだ』
『そうか おうが わるいのか それなら ともに
たたかおう』
きしは あなのあいた りゅうのはねを ぬいあわせ
ともに たびだちます
こうして なかまを えた きしは くにに
もどりました
ふはいした くにに いやけが さした ひとびとは
たすけてくれた きしに きょうりょく します
みんなで てをくんで まものも ひとも かんけいなく ちからをあわせ おうさまを とらえたのです
『こんな ことを して ゆるさないぞ すべて こわしてやる』
『もう あなたに そんなことは できません
みな あなたを にくんで います ごらんなさい』
おうさまの めのまえには つめたく にらむ
ひとびとが おりました ひとびとは おうさまに
いしを なげます
『おお いたい いたい おお こわい こわい』
『これが あなたが おこなってきた むくいです おうさま あなたは しょけいだいに いくのです』
『いやだ いやだ たすけて くれ』
そうして きしは おおきな くにを かえたのです
きしは つるぎの かわりに はなたばを もちました そうして おひめさまの めのまえで ひざをつき
ふたたび きゅうこん しました
『どうか ぼくと けっこんして ください』
そのときです はなたばから いっぴきの いもむしが かおを だしました
『なんて ことだ みにくい むしを さしだして
まことに もうしわけ ありません すぐに
ころしましょう』
『まって ください ころしては いけません』
おひめさまは きしを とめました
『たとえ いまが みにくく みえようとも やがて
うつくしく はばたくのです』
そういうと おひめさまは ゆびを さしだします
いもむしは そのゆびに のりました すると
なんという ことでしょう あっというまに さなぎに
なると そのせなかから うつくしい ちょうちょが
とびたちました
『どんな ものでも かわることは できるのです
どうか おうさまを ゆるして あげることは できませんか』
『おお ひめよ あなたは なんと やさしく
すばらしい かたなのか』
おひめさまの ことばに こころ うたれた きしは
おうさまを ゆるして あげました
『おお おお たすけてくれて ありがとう もう
わるいことは しないと ちかう いままでの
つみも つぐなう』
そうして こころを いれかえた おうさまは
たみにつくし へいわが おとずれたのでした
おしまい
ありました そのくにの おうさまは とても
ごうよくで ひとびとを くるしめて いました
その おとなりの ちいさな くにでは
おひめさまと せいねんの けっこんしきが
おこなわれて いました おひめさまは とても
かわいく うつくしく やさしい ひとです
そんな おひめさまを みそめた おおきな くにの
おうさまは おひめさまを うばいとって しまいました
『どうか おひめさまを かえして ください』
『ならん ならん おまえの ような ちいさな くにが なまいきだ その つみを つぐなえ すべて うばい とってやる』
『ああ なんてことだ』
おおきな くには ちいさな くにを しはいして しまいました せいねんは いのちからがら にげだしました
『あしき おうめ ゆるさない』
せいねんは おおきな くにの おうさまを たおす ことに しました そのむねに あるのは いまだ きえぬ おひめさまへの あいでした
せいねんは おおきな くにに しのびこみ へいたいに なりました せいねんは とても どりょくし つよく なります やがて くにいちばんの きしに なった
せいねんは さんびきの まものの とうばつに むかいます
いっぴきめの まものは はたけを あらす いのししのまものです きしは ひらりと いのししの とっしんをかわすと そのせなかに のりました おこって あばれる いのししに といかけます
『どうして はたけを あらすのか おまえたちは もりで いきて いただろう』
『おうさまが もりを きりひらいた からだ
なにもたべる ものがない うばいかえして
なにがわるい』
『そうか おうが わるいのか それならともに
たたかおう』
『もりを かえして くれるなら ぜひとも
きょうりょく しよう』
そうして きしと いのししは にひきめの まものの とうばつに むかいます
にひきめの まものは くろい ひょうの まものです
とおりがかる ひとを いかくし みちを とおしません
いのししに のった きしは そのするどい つめを
けんで きりました
『じまんの つめが みじかくなった これでは きに のぼれない』
『どうして おまえは ここを とおさない
おまえたちは ひとに ちかづかない だろう』
『わたしの かぞくを まもるためだ おうさまが
くろい けがわを のぞんだからだ』
『そうか おうが わるいのか それならともに
たたかおう』
きしと いのししと ひょうは さんびきめの まものを めざします
さんびきめの まものは りゅうでした おおきな
からだで とびまわり あらしを ひきおこします
びゅうびゅうと つよい かぜは きしの からだを
うかせます とばされた きしを ひょうが おおきな
くちで くわえます しかし みじかくなった つめでは
ふんばりが ききません いのししは いそいで はなで
あなを ほりました そこに みんなで かくれます
ふきとばす ことができないと わかった りゅうは
そらから おりてきて おそい かかって きました
かぜが やんだことで じゆうに なった きしは
りゅうの こうげきを けんで はじきます
いのししは おおきな からだで りゅうのあしに
とっしんし ころばせました たおれた りゅうの
せなかに ひょうは とびのると りゅうの つばさに
するどい きばで あなを あけました
『なんという ことだ これでは そらを とべない』
『りゅうよ どうして そんなに あばれるのだ
おまえたちは おおぞらの むこうに すんで
いただろう』
『おうさまが わたしの たからを ぬすんだ からだ
すべて ふきとばして きれいに してから さがすのだ』
『そうか おうが わるいのか それなら ともに
たたかおう』
きしは あなのあいた りゅうのはねを ぬいあわせ
ともに たびだちます
こうして なかまを えた きしは くにに
もどりました
ふはいした くにに いやけが さした ひとびとは
たすけてくれた きしに きょうりょく します
みんなで てをくんで まものも ひとも かんけいなく ちからをあわせ おうさまを とらえたのです
『こんな ことを して ゆるさないぞ すべて こわしてやる』
『もう あなたに そんなことは できません
みな あなたを にくんで います ごらんなさい』
おうさまの めのまえには つめたく にらむ
ひとびとが おりました ひとびとは おうさまに
いしを なげます
『おお いたい いたい おお こわい こわい』
『これが あなたが おこなってきた むくいです おうさま あなたは しょけいだいに いくのです』
『いやだ いやだ たすけて くれ』
そうして きしは おおきな くにを かえたのです
きしは つるぎの かわりに はなたばを もちました そうして おひめさまの めのまえで ひざをつき
ふたたび きゅうこん しました
『どうか ぼくと けっこんして ください』
そのときです はなたばから いっぴきの いもむしが かおを だしました
『なんて ことだ みにくい むしを さしだして
まことに もうしわけ ありません すぐに
ころしましょう』
『まって ください ころしては いけません』
おひめさまは きしを とめました
『たとえ いまが みにくく みえようとも やがて
うつくしく はばたくのです』
そういうと おひめさまは ゆびを さしだします
いもむしは そのゆびに のりました すると
なんという ことでしょう あっというまに さなぎに
なると そのせなかから うつくしい ちょうちょが
とびたちました
『どんな ものでも かわることは できるのです
どうか おうさまを ゆるして あげることは できませんか』
『おお ひめよ あなたは なんと やさしく
すばらしい かたなのか』
おひめさまの ことばに こころ うたれた きしは
おうさまを ゆるして あげました
『おお おお たすけてくれて ありがとう もう
わるいことは しないと ちかう いままでの
つみも つぐなう』
そうして こころを いれかえた おうさまは
たみにつくし へいわが おとずれたのでした
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