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第五部:勉強と試験
妻たちとの話し合い
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朝食が終わると四人で居間へ移動した。リュシエンヌには少し話をしなければならない。
「さて、リュシエンヌ。俺のところに来るというのなら、一つ覚えておいてほしいことがある」
「何でございましょうか?」
「ミレーヌのことだ」
ミレーヌは俺を守る守護天使という扱いになっている。なっているけど実際には違う。女神本人のこともあれば分身のこともあるけど、天使じゃなくて女神だと。
「なるほど、シュウジ様は女神様を妻になさる予定だと。さすが私が心に決めたお方です。誰もできないようなことをなさるとは」
リュシエンヌは感動しているけど、この場で言いたいのはそこじゃない。
エミリアには最初から言っていたように、ミレーヌが試験に合格したら結婚するということに決めていた。俺が思ってたよりもかなり早くなってしまったけど、昨日の夜にミレーヌが正式に女神になった。さすがにすぐに結婚は難しいので来年あたりを考えている。その際に式はまとめてするので問題ないか。そういう結果報告と最終確認をした。
「はい、こんな嬉しいことはありません。よろしくお願いします」
「私も喜びで心が張り裂けそうです」
「シュウジさん、すぐじゃダメなんですか? 急ぐ必要はないですけど」
話を聞いていたミレーヌが疑問を口にした。自分が今すぐしたいというよりも、二人のことを考えてだろう。でもエミリアもリュシエンヌもどちらも若いから、一年くらい遅れても問題はないと俺は思う。
そもそも最初はどれくらいかかるかすら分かってなくて、長くても五年くらいで終わると聞いてたくらいだ。それがあっという間だった。むしろ入れすぎた気合いを何とかしてくれと俺は言いたい。
「一応色々と手順があってなあ。まず俺が公爵になってこの屋敷で暮らすようになったことを祝ってもらうパーティーがある」
しばらくは一つずつ片付けていかないと訳が分からなくなりそうだ。【知力】が高いから理解力はあるはずなんだけど、俺の頭は一つしかない。
「シュウジ様の謁見の後であったパーティーとは違うのですか?」
「あれは俺がこの国にやって来たことを歓迎する国主催のパーティーだ。今度は俺がホスト役になり、今後ともよろしくと言ってみんなをこの屋敷で歓待するパーティーになる」
もてなしなら任せてくれ。時間稼ぎでペラペラ喋るのも得意だぞ。
「それで、実はリュシエンヌの実家に一つ頼み事がある」
「私の実家でございますか? 大抵のことは大丈夫でしょう」
「そのパーティーの当日のことだけど、アズナヴール伯爵家から使用人を借りたい」
「はあ、使用人でございますか」
自分の屋敷でパーティーをするとなると、出迎えや配膳などに人手が必要だ。本来公爵家なら軽く一〇〇人を超えるそうだ。もちろん領地があってそちらの方も含んでという話だ。
でもこのラヴァル公爵家は、宰相ルブラン侯爵がとりあえず最低限の人数を集めてくれただけなので、屋敷を運営するだけならまだしも、パーティーをするだけの規模になっていない。頼んではいるけど、人は勝手に沸いて出てこない。あまり王宮から連れてくるわけにもいかないので、とりあえずそのパーティーだけどうにかできればいい。
「なるほど。確かに大きなお屋敷ですが、使用人はかなり少のうございますね」
「ああ、到着した客のコートを預かって案内する係と、食事の時に料理を出したり食器を下げたりする係が足りない」
料理はあらかじめ作っておくことで対応する。ここの厨房は広いから、料理人さえいれば品数は作れるようにはなってるけど、配膳が追いつかないはずだ。難しいことは言わないから並べてくれるだけでいい。
「それでしたら父に頼めば問題ないと思います。私の方から先に手紙を送りますので、その後でシュウジ様からあらためて送って頂ければ」
「分かった。それともう一つ、これも少々ややこしいけど二人とも覚えておいてくれ」
「ややこしいことですか?」
「承知いたしました」
今度は俺のことだ。
「ミレーヌが正式に神になったのはさっき言ったけど、その夫である俺が神になりかけている」
「はい?」
「どういうことでございますか?」
まあいきなり「神になりかけている」とか言われても分からないよな。中二病全開じゃあるまいし。「俺は異世界で神になる」とかな。
ちなみにこの国には〔一〇歳病〕というのがある。中身は中二病と同じことだ。「世間のやつらに格の違いを見せてやる」とか言って村を飛び出して冒険者になろうとするのがそれくらいらしい。日本よりも若いな。貴族なら八歳で社交界デビューすれば成人扱いだからな。庶民でも一〇歳から一二歳くらいで大人扱いされるようになる。ちょうどその頃だ。
「ミレーヌを妻にしたから神になる前段階になったと言えばいいのか、片足を突っ込んでしまったと言えばいいのか。ミレーヌ、どう言ったらいい?」
「そうですね。なかなか説明が難しいのですが、普通ならまずは死後に生前の功績を評価されて天使になって、それから神になるのが普通なんですけど、シュウジさんはそれをすっ飛ばして神になりかけていまいました」
「体はまだほとんど人間なんだけど、神になる予約済みって言う感じか?」
「そんな感じですね。神になるのは決まっています」
そもそも肉体レベルで人間と天使と神は違うらしい。俺の場合はほぼ人間の体のままで神になりかけた、まあ中途半端な状態だ。
「召喚の間でお会いした時にはこんなことになるとは思いませんでした」
「さすが私が惚れた方ですね。存在が人ですらないとか」
エミリアは召喚のために来ていただけだし、リュシエンヌはルブラン侯爵から家庭教師を頼まれて来ただけだ。話が大きくなりすぎたな。
「さすがのシュウジさんでも何の準備もなしでは問題になりますから、当分は地上で神としての力を使う訓練をするということになります」
「そういうことだ。それで二人にも多少は影響が出ているという話になる」
「影響ですか?」
「何も変わったところはございませんが」
「見た目はな。二人とも自分のステータスを確認してくれ」
「「はい」」
二人はステータスのチェックを始めた。この画面は自分でカスタマイズできるから、便利な反面、他人のステータス画面が見づらいことがある。自分にとって見やすくても他人が見て見やすいかどうかは分からないんだ、これが。
「あ……【愛の男神シュウジの妻】【愛の男神シュウジの眷属】【美の女神ミレーヌの眷属】と出ています」
「私も同じでございます。妻はともかく、眷属というのは何でしょうか?」
「それは俺が影響を与える相手のことだ」
「私がシュウジ様の愛で熱く激しく縛られるということですか?」
愛の神だから愛で縛るとかそういうのじゃないぞ。エロ本の傾向を見てて分かったけど、リュシエンヌは縛られるのと無理やり剥かれるのが好きだ。昨日は縛ったから次は剥くか。まあそれは後だ。
「いや、ミレーヌのもあるだろ。愛の神とか美の神とかは関係なくて、俺とミレーヌが二人を見守るという保証のようなものだ」
ミレーヌも二人のことを大事に思ったらしく、二人はミレーヌの眷属にもなった。これは俺とミレーヌが夫婦だから二人分が付いたわけじゃないそうだ。あくまでミレーヌ本人が二人を認めたかららしい。
「シュウジ様に見られるわけですね」
「一日二四時間シュウジ様に縛られて見つめられる。私は果報者です」
「じっと見てるわけじゃないけどな。縛りもしないぞ。それで他人に見られると困るから非表示に——」
「「しません‼」」
声を揃えて拒否された。でも考えてもみろ。誰かが二人のステータスを見たら、【愛の男神シュウジの妻】とかあるんだぞ。よく話に聞く中学の時に書く恥ずかしいポエムと同レベルだろう。
相手の【鑑定】のレベル次第じゃ隠しても意味がないこともあるけど、出しっぱなしよりはマシだろう。
「……いや、普通に考えたら神がいるとは思われないから、二人がその年で〔一〇歳病〕だと勘違いされるだけだぞ」
「「一〇歳病……」」
一応その説明で二人はその三つを隠すことになった。世界が違ってもイタいものはイタいらしい。
「さて、リュシエンヌ。俺のところに来るというのなら、一つ覚えておいてほしいことがある」
「何でございましょうか?」
「ミレーヌのことだ」
ミレーヌは俺を守る守護天使という扱いになっている。なっているけど実際には違う。女神本人のこともあれば分身のこともあるけど、天使じゃなくて女神だと。
「なるほど、シュウジ様は女神様を妻になさる予定だと。さすが私が心に決めたお方です。誰もできないようなことをなさるとは」
リュシエンヌは感動しているけど、この場で言いたいのはそこじゃない。
エミリアには最初から言っていたように、ミレーヌが試験に合格したら結婚するということに決めていた。俺が思ってたよりもかなり早くなってしまったけど、昨日の夜にミレーヌが正式に女神になった。さすがにすぐに結婚は難しいので来年あたりを考えている。その際に式はまとめてするので問題ないか。そういう結果報告と最終確認をした。
「はい、こんな嬉しいことはありません。よろしくお願いします」
「私も喜びで心が張り裂けそうです」
「シュウジさん、すぐじゃダメなんですか? 急ぐ必要はないですけど」
話を聞いていたミレーヌが疑問を口にした。自分が今すぐしたいというよりも、二人のことを考えてだろう。でもエミリアもリュシエンヌもどちらも若いから、一年くらい遅れても問題はないと俺は思う。
そもそも最初はどれくらいかかるかすら分かってなくて、長くても五年くらいで終わると聞いてたくらいだ。それがあっという間だった。むしろ入れすぎた気合いを何とかしてくれと俺は言いたい。
「一応色々と手順があってなあ。まず俺が公爵になってこの屋敷で暮らすようになったことを祝ってもらうパーティーがある」
しばらくは一つずつ片付けていかないと訳が分からなくなりそうだ。【知力】が高いから理解力はあるはずなんだけど、俺の頭は一つしかない。
「シュウジ様の謁見の後であったパーティーとは違うのですか?」
「あれは俺がこの国にやって来たことを歓迎する国主催のパーティーだ。今度は俺がホスト役になり、今後ともよろしくと言ってみんなをこの屋敷で歓待するパーティーになる」
もてなしなら任せてくれ。時間稼ぎでペラペラ喋るのも得意だぞ。
「それで、実はリュシエンヌの実家に一つ頼み事がある」
「私の実家でございますか? 大抵のことは大丈夫でしょう」
「そのパーティーの当日のことだけど、アズナヴール伯爵家から使用人を借りたい」
「はあ、使用人でございますか」
自分の屋敷でパーティーをするとなると、出迎えや配膳などに人手が必要だ。本来公爵家なら軽く一〇〇人を超えるそうだ。もちろん領地があってそちらの方も含んでという話だ。
でもこのラヴァル公爵家は、宰相ルブラン侯爵がとりあえず最低限の人数を集めてくれただけなので、屋敷を運営するだけならまだしも、パーティーをするだけの規模になっていない。頼んではいるけど、人は勝手に沸いて出てこない。あまり王宮から連れてくるわけにもいかないので、とりあえずそのパーティーだけどうにかできればいい。
「なるほど。確かに大きなお屋敷ですが、使用人はかなり少のうございますね」
「ああ、到着した客のコートを預かって案内する係と、食事の時に料理を出したり食器を下げたりする係が足りない」
料理はあらかじめ作っておくことで対応する。ここの厨房は広いから、料理人さえいれば品数は作れるようにはなってるけど、配膳が追いつかないはずだ。難しいことは言わないから並べてくれるだけでいい。
「それでしたら父に頼めば問題ないと思います。私の方から先に手紙を送りますので、その後でシュウジ様からあらためて送って頂ければ」
「分かった。それともう一つ、これも少々ややこしいけど二人とも覚えておいてくれ」
「ややこしいことですか?」
「承知いたしました」
今度は俺のことだ。
「ミレーヌが正式に神になったのはさっき言ったけど、その夫である俺が神になりかけている」
「はい?」
「どういうことでございますか?」
まあいきなり「神になりかけている」とか言われても分からないよな。中二病全開じゃあるまいし。「俺は異世界で神になる」とかな。
ちなみにこの国には〔一〇歳病〕というのがある。中身は中二病と同じことだ。「世間のやつらに格の違いを見せてやる」とか言って村を飛び出して冒険者になろうとするのがそれくらいらしい。日本よりも若いな。貴族なら八歳で社交界デビューすれば成人扱いだからな。庶民でも一〇歳から一二歳くらいで大人扱いされるようになる。ちょうどその頃だ。
「ミレーヌを妻にしたから神になる前段階になったと言えばいいのか、片足を突っ込んでしまったと言えばいいのか。ミレーヌ、どう言ったらいい?」
「そうですね。なかなか説明が難しいのですが、普通ならまずは死後に生前の功績を評価されて天使になって、それから神になるのが普通なんですけど、シュウジさんはそれをすっ飛ばして神になりかけていまいました」
「体はまだほとんど人間なんだけど、神になる予約済みって言う感じか?」
「そんな感じですね。神になるのは決まっています」
そもそも肉体レベルで人間と天使と神は違うらしい。俺の場合はほぼ人間の体のままで神になりかけた、まあ中途半端な状態だ。
「召喚の間でお会いした時にはこんなことになるとは思いませんでした」
「さすが私が惚れた方ですね。存在が人ですらないとか」
エミリアは召喚のために来ていただけだし、リュシエンヌはルブラン侯爵から家庭教師を頼まれて来ただけだ。話が大きくなりすぎたな。
「さすがのシュウジさんでも何の準備もなしでは問題になりますから、当分は地上で神としての力を使う訓練をするということになります」
「そういうことだ。それで二人にも多少は影響が出ているという話になる」
「影響ですか?」
「何も変わったところはございませんが」
「見た目はな。二人とも自分のステータスを確認してくれ」
「「はい」」
二人はステータスのチェックを始めた。この画面は自分でカスタマイズできるから、便利な反面、他人のステータス画面が見づらいことがある。自分にとって見やすくても他人が見て見やすいかどうかは分からないんだ、これが。
「あ……【愛の男神シュウジの妻】【愛の男神シュウジの眷属】【美の女神ミレーヌの眷属】と出ています」
「私も同じでございます。妻はともかく、眷属というのは何でしょうか?」
「それは俺が影響を与える相手のことだ」
「私がシュウジ様の愛で熱く激しく縛られるということですか?」
愛の神だから愛で縛るとかそういうのじゃないぞ。エロ本の傾向を見てて分かったけど、リュシエンヌは縛られるのと無理やり剥かれるのが好きだ。昨日は縛ったから次は剥くか。まあそれは後だ。
「いや、ミレーヌのもあるだろ。愛の神とか美の神とかは関係なくて、俺とミレーヌが二人を見守るという保証のようなものだ」
ミレーヌも二人のことを大事に思ったらしく、二人はミレーヌの眷属にもなった。これは俺とミレーヌが夫婦だから二人分が付いたわけじゃないそうだ。あくまでミレーヌ本人が二人を認めたかららしい。
「シュウジ様に見られるわけですね」
「一日二四時間シュウジ様に縛られて見つめられる。私は果報者です」
「じっと見てるわけじゃないけどな。縛りもしないぞ。それで他人に見られると困るから非表示に——」
「「しません‼」」
声を揃えて拒否された。でも考えてもみろ。誰かが二人のステータスを見たら、【愛の男神シュウジの妻】とかあるんだぞ。よく話に聞く中学の時に書く恥ずかしいポエムと同レベルだろう。
相手の【鑑定】のレベル次第じゃ隠しても意味がないこともあるけど、出しっぱなしよりはマシだろう。
「……いや、普通に考えたら神がいるとは思われないから、二人がその年で〔一〇歳病〕だと勘違いされるだけだぞ」
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