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第十一部:家族がいるということ
引っ込み思案の理由
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オレリーの手が俺の頭を撫で回す。俺がそこにいるのを確認するかのように。俺は逆に自分の存在をアピールするかのように、彼女が俺のものになったことを証明するかのように、全身にキスをしていく。
オレリーはとにかく自信がない。背はそこそこ、胸も尻も人並みにある。言葉遣いはきちんとしていて礼儀正しい。非の打ち所がない。感度も良く、唇を肌に触れさせるたびに体をくねらせ腰を振る。
イネスの美容液を使ってるからか、三〇代としては肌が若く感じる。もちろん一〇代の押せば反発するような瑞々しい肌とは違って、俺の手や唇を優しく受け止める肌だ。
最初は舌を絡め合い、そこから首筋へ。そして耳から肩、そして脇へ。脇は処理してるんじゃなくて毛がないのか? ツルツルな脇に舌を這わせるとオレリーの体が跳ねた。
胸の感度も良好。二つの突端を唇で挟めば体がブルブルと震えた。もちろんその周りもしっかりと唇を付けて吸う。
胸を堪能すれば次は脇腹。
「あっ……う、あっ……」
ただでさえ敏感な脇腹に唇を這わされてオレリーの声が漏れる。声を出すのが恥ずかしいのか、先ほどから声を殺していた。それも限界に達しつつあるのだろう。
臍、さらにそこから下へ。腹、つまり子宮がある上もしっかりと顔を埋める。いずれここで新たな命が生まれることになる。
そのさらに先には茂みはなかった。剃られているわけではないのにツルツル。着替えの時にはしっかり処理をしてきたのかと思ったけど、そうじゃなくて最初からなかったのか。
「だ、旦那様、そこは……」
「どうした?」
「わ、私はその……いい年をして毛がなくて……」
別の意味で真っ赤になった。日本ならサロンで全処理する女性は多いと聞いた。ツルツルに憧れる女性は多い。でもこの国は脱毛技術なんてない。毛抜きで一本ずつ抜くしかないだろう。そもそも脱毛するという発想があまりない。俺が聞いた限りでは、眉毛やうなじの毛を抜くことはある。毛抜きで抜いて、赤くなったり痛くなったりしたら魔法や薬で治すのが一般的だ。
「以前勤めていたお屋敷の奥様に脇の毛がないことを笑われて、それでもし男の人に見られて笑われでもしたらと……」
「笑うことはないと思うぞ」
「旦那様も毛がある方がお好きだと仰いましたので」
「言ったか?」
俺は毛があってもなかっても愛せるぞ。
「旦那様が初めてお屋敷に来られた時、ジゼルさんに向かってそう仰いました」
俺がジゼルに……あ、あれか?
『下の毛の手入れも済ませています』
『俺が毛が好きだと言ったら?』
『気合いで生やします!』
『そのエネルギーは仕事に使え』
毛が好きだとは言ってないぞ。
「あの時は会った直後からやたらとアピールしてきたジゼルに嫌味のつもりで言っただけだ」
「そ、そうでしたか……」
しょげるオレリー。そんなに気にしてたのか。
「俺は『毛が好きだと言ったら?』と言ったんだ。別に毛が好きとか言ってないぞ」
オレリーの頭を撫でながら優しく声をかける。
「ずっとそれを気にしてたのか?」
「はい。旦那様に笑われたらと思って」
毛のあるなしで笑うなんてあり得ないだろう。むしろない方が楽なんじゃないか?
「お前を笑った女主人が誰かは聞かないけど、自分は痛い思いをして必死に抜いてるのに侍女は最初からツルツルなわけだ。妬んでただけじゃないのか?」
「そうなのですか?」
「もし俺がその女主人だとすれば羨ましく思うぞ。そのための手間が必要ないわけだからなな」
貴族の多くはプライドが高い。それは男でも女でも同じだ。一つ言えるとすれば、爵位が高くなればなるほど偉そうじゃなくなるというところだろうか。特に当主は。もちろん全員と親しく話をしたわけじゃないけど、何不自由なく暮らしてきたからだろう。余裕がある人間というのは簡単に焦ったり妬んだりしないものだ。
でも美容となると少し話が違う。貴族の妻として常に身嗜みには気をつけないといけない。ムダ毛の処理は大切だ。もちろんキワドイ水着を着るわけじゃない。そもそも貴族のドレスは脇すらも見せない。見せるのはうなじくらいだろう。少なくとも正式な場では。
リュシエンヌがかつてお茶会で聞いたように、裏では派手にやってる男女もかなりいるようだ。だからムダ毛処理をする男女は多い。そのご婦人が派手にやってたかどうかは知らないけど、少なくともうなじのムダ毛処理くらいはする。それをするのも場合によっては侍女の仕事になる。オレリーの仕事が雑だとは思わない。それでも毛を抜くのは痛い。しかも他人に抜かれると余計にそう思うだろう。
一方でオレリーは脇にも下にも毛がない。さらにこうやってうなじを見ると、どうやらここも細かな産毛しかない。毛深くて困っているようなご婦人なら嫌味の一つでも言いたくなるのは分かる気がする。それでも笑っちゃダメだろう。オレリーがこれだけ気にしてしまったんだから。だけど俺はその女の名前を聞き出そうとは思わない。オレリーは口に出さないし、もし俺が知ってしまえば文句の一つも言いたくなるのは分かっている。
「俺はオレリーのここは好きだぞ。このツルツル具合が舌に優しい」
「あっ、だ、旦那様⁉」
俺はオレリーの不安を一蹴するかのように彼女の全身に舌を這わせる。それに応えるようにオレリーも俺の体に舌を這わせ始めた。
オレリーはとにかく自信がない。背はそこそこ、胸も尻も人並みにある。言葉遣いはきちんとしていて礼儀正しい。非の打ち所がない。感度も良く、唇を肌に触れさせるたびに体をくねらせ腰を振る。
イネスの美容液を使ってるからか、三〇代としては肌が若く感じる。もちろん一〇代の押せば反発するような瑞々しい肌とは違って、俺の手や唇を優しく受け止める肌だ。
最初は舌を絡め合い、そこから首筋へ。そして耳から肩、そして脇へ。脇は処理してるんじゃなくて毛がないのか? ツルツルな脇に舌を這わせるとオレリーの体が跳ねた。
胸の感度も良好。二つの突端を唇で挟めば体がブルブルと震えた。もちろんその周りもしっかりと唇を付けて吸う。
胸を堪能すれば次は脇腹。
「あっ……う、あっ……」
ただでさえ敏感な脇腹に唇を這わされてオレリーの声が漏れる。声を出すのが恥ずかしいのか、先ほどから声を殺していた。それも限界に達しつつあるのだろう。
臍、さらにそこから下へ。腹、つまり子宮がある上もしっかりと顔を埋める。いずれここで新たな命が生まれることになる。
そのさらに先には茂みはなかった。剃られているわけではないのにツルツル。着替えの時にはしっかり処理をしてきたのかと思ったけど、そうじゃなくて最初からなかったのか。
「だ、旦那様、そこは……」
「どうした?」
「わ、私はその……いい年をして毛がなくて……」
別の意味で真っ赤になった。日本ならサロンで全処理する女性は多いと聞いた。ツルツルに憧れる女性は多い。でもこの国は脱毛技術なんてない。毛抜きで一本ずつ抜くしかないだろう。そもそも脱毛するという発想があまりない。俺が聞いた限りでは、眉毛やうなじの毛を抜くことはある。毛抜きで抜いて、赤くなったり痛くなったりしたら魔法や薬で治すのが一般的だ。
「以前勤めていたお屋敷の奥様に脇の毛がないことを笑われて、それでもし男の人に見られて笑われでもしたらと……」
「笑うことはないと思うぞ」
「旦那様も毛がある方がお好きだと仰いましたので」
「言ったか?」
俺は毛があってもなかっても愛せるぞ。
「旦那様が初めてお屋敷に来られた時、ジゼルさんに向かってそう仰いました」
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毛が好きだとは言ってないぞ。
「あの時は会った直後からやたらとアピールしてきたジゼルに嫌味のつもりで言っただけだ」
「そ、そうでしたか……」
しょげるオレリー。そんなに気にしてたのか。
「俺は『毛が好きだと言ったら?』と言ったんだ。別に毛が好きとか言ってないぞ」
オレリーの頭を撫でながら優しく声をかける。
「ずっとそれを気にしてたのか?」
「はい。旦那様に笑われたらと思って」
毛のあるなしで笑うなんてあり得ないだろう。むしろない方が楽なんじゃないか?
「お前を笑った女主人が誰かは聞かないけど、自分は痛い思いをして必死に抜いてるのに侍女は最初からツルツルなわけだ。妬んでただけじゃないのか?」
「そうなのですか?」
「もし俺がその女主人だとすれば羨ましく思うぞ。そのための手間が必要ないわけだからなな」
貴族の多くはプライドが高い。それは男でも女でも同じだ。一つ言えるとすれば、爵位が高くなればなるほど偉そうじゃなくなるというところだろうか。特に当主は。もちろん全員と親しく話をしたわけじゃないけど、何不自由なく暮らしてきたからだろう。余裕がある人間というのは簡単に焦ったり妬んだりしないものだ。
でも美容となると少し話が違う。貴族の妻として常に身嗜みには気をつけないといけない。ムダ毛の処理は大切だ。もちろんキワドイ水着を着るわけじゃない。そもそも貴族のドレスは脇すらも見せない。見せるのはうなじくらいだろう。少なくとも正式な場では。
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一方でオレリーは脇にも下にも毛がない。さらにこうやってうなじを見ると、どうやらここも細かな産毛しかない。毛深くて困っているようなご婦人なら嫌味の一つでも言いたくなるのは分かる気がする。それでも笑っちゃダメだろう。オレリーがこれだけ気にしてしまったんだから。だけど俺はその女の名前を聞き出そうとは思わない。オレリーは口に出さないし、もし俺が知ってしまえば文句の一つも言いたくなるのは分かっている。
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