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第1章:目覚めと始まりの日々
第5話:思った以上にヤバい生活だった
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「母上」
「レイ!」
レイがリビングに入ると、母親のアグネスが涙を流しながら彼を抱きしめました。すでにレイのほうが頭一つ背が高くなっていますが、子供というのは母親にとっては何歳になっても可愛いものです。
「ああ、よかった……」
「ご心配をおかけしたようですが、もう大丈夫です」
レイは口調に気をつけて話しかけましたが、その口から出た言葉に、自分でも驚くほど違和感がありませんでした。こちらの世界に慣れていたんでしょうね。
「私たちが心配したかどうかなんていいのよ。あなたが元気になってくれれば」
「そうはいきません。親を心配させるようでは子は失格です」
レイがアグネスを慰めていると、サラから連絡を受けたモーガン、兄のトリスタンとライナスも現れました。小さなサイモンもその後ろからやってきます。
「よかった。元気になったか」
モーガンはレイに声をかけるとそのまま抱きしめました。
「すまなかった」
「父上のせいではありません。気にしないでください」
サラから事情を聞いていなければ、レイは父親に何が起きたのかと驚いたでしょう。それほどモーガンという男は子供たちに弱いところを見せなかったのです。
父親から解放されると今度は二人の兄がレイの肩に手を置きました。
「顔色は悪くないが、無理はするな。大丈夫だと思った直後こそ気を抜くべきではない」
「ちょっと痩せたんじゃないか? しっかり食べろよ」
トリスタンは真剣に、ライナスは気軽に声をかけます。この三兄弟はタイプがバラバラですが仲は悪くありません。むしろ兄たちはレイのことを可愛がっていました。
「にいさま、だいじょうぶ?」
「ありがとう、サイモン。もう大丈夫だよ」
レイは心配してくれたサイモンの頭を撫でてから抱き上げます。少し前までは大変だと思っていましたが、ステータスが上がった今では、それほど力は必要ありません。
「わっ! にいさま、ちからもち」
「強くなったからね」
レイ自身の力は、おそらく同世代の平均よりもやや上という程度ですが、ロードになった影響が大きいのです。純粋な力ならこの屋敷の中で一番になっています。レイの次がサムライになったサラ、それから重装歩兵を持っている守衛隊長のウォルターと副隊長のアーリンでしょう。
ちなみに、貴族はヒョロガリかデブばかり、農民は畑仕事をしてガッシリしている、そう勘違いされることもありますが、それは正しくありません。まず栄養状態からして違うからです。
貴族であることの一番メリットは、幼い頃からしっかりと食べていることです。自然と体が大きくなり、背も高くなる傾向にあります。だからこそ気を抜くと、若くても肥満になりやすいですが。
さらに、貴族は戦争になれば軍を率いなければならないので、日頃から体を鍛えるものです。レイも五歳になるころに、守衛たちに武器の扱い方を教わり始めました。
最初はダガー、次はショートソード、そして現在はバスタードソードと長くなっています。さらにショートスピアーにバトルアックス、メイスなども扱えるように訓練しています。
剣以外の武器は、戦場で剣を失った場合に備えて馬の鞍に取り付けられます。しっかりと振るには腕力が必要なので、自然と腕に筋肉が付きます。
幸いなことに、これまでレイが戦争に出かけることはありませんでしたが、ジョブのない未成年でも、貴族の息子ならなら補給部隊くらいは率いた可能性があります。
「もう大丈夫そうだが、今日と明日くらいは無理はするな。何をするにしても健康が一番だ」
「はい、無理はしません」
父親の言葉にレイはうなずきます。今後どうするかも考えなければいけません。一日か二日は無理せずにゆっくり考えようと思っていました。
それから使用人たちも集まってきたので、元気になったことを報告してからレイは部屋に戻りました。
◆◆◆
夕食後、レイが部屋で今後のことを考えているとサラが戻ってきました。いくらレイの専属でも、メイドはメイドなので、さすがに領主の家族と並んで食事をするわけにはいきません。彼女の食事は領主一家の食事が終わってからなのです。
「とりあえずお風呂に行かない? 札をかけてきたから」
風呂の順番は決まっていませんが、一つしかないので空いているかどうかをチェックし、今から入るという札をかけます。モーガンとアグネス、トリスタンの家族、そしてレイとサラの三組が先に使います。
使用人たちが使えるのは最後です。何人かずつ順番に使うことになっています。ライナスの家族は離れで暮らしているので、風呂は別になっています。
この国では、入浴の習慣は北部に多いでしょう。雪が深く積もることはありませんが寒さは厳しいからです。それでもゆっくりと湯船で手足を伸ばすのは貴族か準貴族、あるいは庶民でも富裕層くらいのものになります。
多くの庶民の家には浴槽がありませんので、お湯に浸したタオルで体を拭くくらいです。薪代がもったいないからと冷水で拭くこともありますが、薪は高くありませんので、そこまでする意味はあまりないでしょう。
この領地には森が多いので、薪の材料になる木は集めやすくなっています。モーガンは寒い冬に領民が寒い思いをしなくて済むように、薪の値段を下げるように各ギルドに指示を出しています。
実際に木を切るのは大工ギルドが集める木こりたちで、それを護衛するのが冒険者ギルドが集めた冒険者たちです。商人ギルドなども必要に応じて輸送や運搬用の馬車を出します。
「そろそろ時間か。でも一緒か?」
「今さらじゃない?」
「そりゃそうだけど……」
この前まで当たり前だったはずなのに、記憶が戻ったレイにとっては、急にいけないことをしているように思えてきました。
「はい、座って座って。それじゃ、洗うね」
サラはレイの肩からお湯をかけると、石鹸を泡立てたタオルでレイの背中を洗い始めました。腰、脇腹、腕と、順番に洗っていきます。
「はい、腕と背中は終わり。次は前にいくよ」
「いや、前くらい自分で洗うって。記憶が戻ったんだから」
「いいよいいよ。この前まで私がやってたんだから」
たしかに記憶が戻るまでは前もサラに洗われていました。しかも敏感な部分は素手で。そう考えると、今さら恥ずかしがる必要はまったくないかもしれない。それでも、「じゃあ洗ってくれ」と腰を突き出すほどレイは神経が図太くありませんでした。
「ここはちゃんと優しく洗うからね」
サラは両手で石けんを泡立てます。
「あらためて考えたらヤバいな」
こちらの世界では貴族の息子と平民の娘ですが、元々は日本で暮らす幼馴染同士です。それが風呂で体を洗わせています。デューラント王国人のレイモンドにとってはそれは普通ですが、日本人のレイにとってはありえない状況でした。
「私がヤバいくらい可愛いってこと?」
「違う。倫理観のことだ。でもお前が可愛いのは間違いないぞ」
「そ、そう? ありがと」
レイのストレートな言葉に、サラは思わず顔を赤らめて横を向きます。サラは日本人時代、自分のことを可愛いだの美少女だのと平気で口にしていましたが、他人から言われると急に恥ずかしくなるんです。
「どう? もっと激しいほうがいい?」
恥ずかしさを紛らわせるためか、サラが手を上下に動かしながらニヤニヤしました。
「意味が変わるだろ」
「いししっ」
この姿勢で万が一にも暴発したら困りますが、レイは自分が思ったほど興奮していないことに気がつきました。眼の前にいるのがサラだからなのか、それとも誰を見てもそうなのか、レイには判断できませんが、まさか他の女性に頼むこともできません。
レイが自分の性欲について分析していると、サラはサラで手を止めてレイの股間を凝視していました。
「ねえ、これって大きいほう?」
「昔より大きくなった気がする。誰かと比べたことはないけどな」
体の作りそのものが日本人とは違います。体が全体的に筋肉質になっています。五歳ごろから剣を振っていた影響もあるでしょう。
自分だけでなく二人とも変わったなと、レイは足を洗い始めたサラを見ました。彼女もかなり変わっているのです。
「サラも変わったよなぁ」
「出るところが出たでしょ? 前にこれくらいあったらな~」
レイの足を洗い終わったサラが、自分の体を洗いながら遠い目をしました。レイはサラの述懐に何もコメントしませんが、日本人のサラに胸があった記憶はありません。「背が低い」「胸がない」「色気がない」「いつでも元気」「子供のころからずっとポニーテール」というのがレイの持っている、以前のサラのイメージです。
「レイから見てどう?」
サラは肩からお湯をかけて泡を流すと、レイに向かってしなを作りました。レイはそのポーズにまったく色気を感じません。
「メリハリが出ていいんじゃないか?」
彼に言えるのはそれだけでした。
体を洗い終わると、二人は肩までしっかりとお湯に浸かって、それから浴槽の縁に頭を乗せます。広い風呂でなければできないことです。あらためて考えると、この風呂には日本人が関わったのでないかとレイは思いました。どう見ても作りが銭湯だからです。富士山は描かれていませんが。
「お風呂を出たらさ、今後のことを話さない?」
「ああ。何をするか、いつここを出るかだな」
ゆっくり温まってから二人は風呂場を出ました。
「レイ!」
レイがリビングに入ると、母親のアグネスが涙を流しながら彼を抱きしめました。すでにレイのほうが頭一つ背が高くなっていますが、子供というのは母親にとっては何歳になっても可愛いものです。
「ああ、よかった……」
「ご心配をおかけしたようですが、もう大丈夫です」
レイは口調に気をつけて話しかけましたが、その口から出た言葉に、自分でも驚くほど違和感がありませんでした。こちらの世界に慣れていたんでしょうね。
「私たちが心配したかどうかなんていいのよ。あなたが元気になってくれれば」
「そうはいきません。親を心配させるようでは子は失格です」
レイがアグネスを慰めていると、サラから連絡を受けたモーガン、兄のトリスタンとライナスも現れました。小さなサイモンもその後ろからやってきます。
「よかった。元気になったか」
モーガンはレイに声をかけるとそのまま抱きしめました。
「すまなかった」
「父上のせいではありません。気にしないでください」
サラから事情を聞いていなければ、レイは父親に何が起きたのかと驚いたでしょう。それほどモーガンという男は子供たちに弱いところを見せなかったのです。
父親から解放されると今度は二人の兄がレイの肩に手を置きました。
「顔色は悪くないが、無理はするな。大丈夫だと思った直後こそ気を抜くべきではない」
「ちょっと痩せたんじゃないか? しっかり食べろよ」
トリスタンは真剣に、ライナスは気軽に声をかけます。この三兄弟はタイプがバラバラですが仲は悪くありません。むしろ兄たちはレイのことを可愛がっていました。
「にいさま、だいじょうぶ?」
「ありがとう、サイモン。もう大丈夫だよ」
レイは心配してくれたサイモンの頭を撫でてから抱き上げます。少し前までは大変だと思っていましたが、ステータスが上がった今では、それほど力は必要ありません。
「わっ! にいさま、ちからもち」
「強くなったからね」
レイ自身の力は、おそらく同世代の平均よりもやや上という程度ですが、ロードになった影響が大きいのです。純粋な力ならこの屋敷の中で一番になっています。レイの次がサムライになったサラ、それから重装歩兵を持っている守衛隊長のウォルターと副隊長のアーリンでしょう。
ちなみに、貴族はヒョロガリかデブばかり、農民は畑仕事をしてガッシリしている、そう勘違いされることもありますが、それは正しくありません。まず栄養状態からして違うからです。
貴族であることの一番メリットは、幼い頃からしっかりと食べていることです。自然と体が大きくなり、背も高くなる傾向にあります。だからこそ気を抜くと、若くても肥満になりやすいですが。
さらに、貴族は戦争になれば軍を率いなければならないので、日頃から体を鍛えるものです。レイも五歳になるころに、守衛たちに武器の扱い方を教わり始めました。
最初はダガー、次はショートソード、そして現在はバスタードソードと長くなっています。さらにショートスピアーにバトルアックス、メイスなども扱えるように訓練しています。
剣以外の武器は、戦場で剣を失った場合に備えて馬の鞍に取り付けられます。しっかりと振るには腕力が必要なので、自然と腕に筋肉が付きます。
幸いなことに、これまでレイが戦争に出かけることはありませんでしたが、ジョブのない未成年でも、貴族の息子ならなら補給部隊くらいは率いた可能性があります。
「もう大丈夫そうだが、今日と明日くらいは無理はするな。何をするにしても健康が一番だ」
「はい、無理はしません」
父親の言葉にレイはうなずきます。今後どうするかも考えなければいけません。一日か二日は無理せずにゆっくり考えようと思っていました。
それから使用人たちも集まってきたので、元気になったことを報告してからレイは部屋に戻りました。
◆◆◆
夕食後、レイが部屋で今後のことを考えているとサラが戻ってきました。いくらレイの専属でも、メイドはメイドなので、さすがに領主の家族と並んで食事をするわけにはいきません。彼女の食事は領主一家の食事が終わってからなのです。
「とりあえずお風呂に行かない? 札をかけてきたから」
風呂の順番は決まっていませんが、一つしかないので空いているかどうかをチェックし、今から入るという札をかけます。モーガンとアグネス、トリスタンの家族、そしてレイとサラの三組が先に使います。
使用人たちが使えるのは最後です。何人かずつ順番に使うことになっています。ライナスの家族は離れで暮らしているので、風呂は別になっています。
この国では、入浴の習慣は北部に多いでしょう。雪が深く積もることはありませんが寒さは厳しいからです。それでもゆっくりと湯船で手足を伸ばすのは貴族か準貴族、あるいは庶民でも富裕層くらいのものになります。
多くの庶民の家には浴槽がありませんので、お湯に浸したタオルで体を拭くくらいです。薪代がもったいないからと冷水で拭くこともありますが、薪は高くありませんので、そこまでする意味はあまりないでしょう。
この領地には森が多いので、薪の材料になる木は集めやすくなっています。モーガンは寒い冬に領民が寒い思いをしなくて済むように、薪の値段を下げるように各ギルドに指示を出しています。
実際に木を切るのは大工ギルドが集める木こりたちで、それを護衛するのが冒険者ギルドが集めた冒険者たちです。商人ギルドなども必要に応じて輸送や運搬用の馬車を出します。
「そろそろ時間か。でも一緒か?」
「今さらじゃない?」
「そりゃそうだけど……」
この前まで当たり前だったはずなのに、記憶が戻ったレイにとっては、急にいけないことをしているように思えてきました。
「はい、座って座って。それじゃ、洗うね」
サラはレイの肩からお湯をかけると、石鹸を泡立てたタオルでレイの背中を洗い始めました。腰、脇腹、腕と、順番に洗っていきます。
「はい、腕と背中は終わり。次は前にいくよ」
「いや、前くらい自分で洗うって。記憶が戻ったんだから」
「いいよいいよ。この前まで私がやってたんだから」
たしかに記憶が戻るまでは前もサラに洗われていました。しかも敏感な部分は素手で。そう考えると、今さら恥ずかしがる必要はまったくないかもしれない。それでも、「じゃあ洗ってくれ」と腰を突き出すほどレイは神経が図太くありませんでした。
「ここはちゃんと優しく洗うからね」
サラは両手で石けんを泡立てます。
「あらためて考えたらヤバいな」
こちらの世界では貴族の息子と平民の娘ですが、元々は日本で暮らす幼馴染同士です。それが風呂で体を洗わせています。デューラント王国人のレイモンドにとってはそれは普通ですが、日本人のレイにとってはありえない状況でした。
「私がヤバいくらい可愛いってこと?」
「違う。倫理観のことだ。でもお前が可愛いのは間違いないぞ」
「そ、そう? ありがと」
レイのストレートな言葉に、サラは思わず顔を赤らめて横を向きます。サラは日本人時代、自分のことを可愛いだの美少女だのと平気で口にしていましたが、他人から言われると急に恥ずかしくなるんです。
「どう? もっと激しいほうがいい?」
恥ずかしさを紛らわせるためか、サラが手を上下に動かしながらニヤニヤしました。
「意味が変わるだろ」
「いししっ」
この姿勢で万が一にも暴発したら困りますが、レイは自分が思ったほど興奮していないことに気がつきました。眼の前にいるのがサラだからなのか、それとも誰を見てもそうなのか、レイには判断できませんが、まさか他の女性に頼むこともできません。
レイが自分の性欲について分析していると、サラはサラで手を止めてレイの股間を凝視していました。
「ねえ、これって大きいほう?」
「昔より大きくなった気がする。誰かと比べたことはないけどな」
体の作りそのものが日本人とは違います。体が全体的に筋肉質になっています。五歳ごろから剣を振っていた影響もあるでしょう。
自分だけでなく二人とも変わったなと、レイは足を洗い始めたサラを見ました。彼女もかなり変わっているのです。
「サラも変わったよなぁ」
「出るところが出たでしょ? 前にこれくらいあったらな~」
レイの足を洗い終わったサラが、自分の体を洗いながら遠い目をしました。レイはサラの述懐に何もコメントしませんが、日本人のサラに胸があった記憶はありません。「背が低い」「胸がない」「色気がない」「いつでも元気」「子供のころからずっとポニーテール」というのがレイの持っている、以前のサラのイメージです。
「レイから見てどう?」
サラは肩からお湯をかけて泡を流すと、レイに向かってしなを作りました。レイはそのポーズにまったく色気を感じません。
「メリハリが出ていいんじゃないか?」
彼に言えるのはそれだけでした。
体を洗い終わると、二人は肩までしっかりとお湯に浸かって、それから浴槽の縁に頭を乗せます。広い風呂でなければできないことです。あらためて考えると、この風呂には日本人が関わったのでないかとレイは思いました。どう見ても作りが銭湯だからです。富士山は描かれていませんが。
「お風呂を出たらさ、今後のことを話さない?」
「ああ。何をするか、いつここを出るかだな」
ゆっくり温まってから二人は風呂場を出ました。
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