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二人目
ニュース
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「何だったんだ...。さっきの。人の首が...。しかも、フードの男、俺のこと見て笑ってたよな...」
「そうだ。ニュースで何か分かるかもしれない」
正光はそう言い、リモコンのボタンを順に押す。
「駄目だ...。あんなに目撃者が居たんだ。誰も通報しなかった訳がない。マスコミが来ていないなんて、あり得ない」
「でも、本当に犯罪者が消されるなんてな...」
冗談混じりに言う。
「まあ、明日にでも捕まるだろ。そんな深く考えなくても、俺には関係ないしな」
-次の日-
目をひらき、ベッドから起き上がる。今は九時だ。正光は、カーテンを開け、窓の外を見た。正光のベッドのすぐそばにある窓の外は、人一人通るのが精一杯の路地裏になっている。大通りへの近道だが、気味が悪いので、正光は通らないようにしていた。そこを、 一人の男が通っているのが見える。
「あんな気味が悪いところ、よく通れるな」
「男の後ろに誰かいるぞ。二人も通るなんて珍しいな」
「男の後ろに居る奴、昨日のフードの男じゃないか」
すると、フードの男が前にいる男の肩を叩いた。
「誰だ、あんた」
肩を叩かれた男がフードの男にきく。 シミズタカノリ
「あなた、清水貴紀さんですね?四十二歳。家族構成は、貴紀さん、姉、母、父、祖母。祖父は去年、肺がんで死去。趣味のギャンブルで負け、多額の借金を背負う。五つの銀行を襲うも、金は一切手に入らなかった。今度は空き巣に入るも、その家に住んでいる、山中家に見つかってしまう。口封じのため、その場にいた山中家全員、計六人を殺害。合ってますね」
「し、知らねえよ。人違いじゃねえか?俺はそんなことしてない」
貴紀は弁解するが、明らか動揺している。
「嘘はついちゃ、いけないですよ。こっちには、あなたが貴紀さんだと言う証拠もありますから」
フードの男はそう言い、何やら写真のようなものを貴紀に見せた。正光の角度からは、何か分からない。だが、それを見た瞬間、貴紀の顔が青ざめていくのが分かった。
「くそ!何でそんなもん持ってんだよ。あの時、誰も居なかったはずだぞ」
「では、消させてもらいます」
フードの男はそう言うと、自分の胸ポケットから拳銃を出した。そして、貴紀の頭に向かって、二発撃ち込んだ。見事命中し、貴紀はその場に倒れた。倒れた貴紀を担ぎ、フードの男は去っていく。
「まただ、また犯罪者が殺された。どうなってんだ。昨日もかなりの大罪を犯した奴だった。俺もその内...」
「いや、大丈夫。多分、偶然だ。偶然、犯罪者だったんだ」
正光は自分に言い聞かせた。
「そうだ。ニュースで何か分かるかもしれない」
正光はそう言い、リモコンのボタンを順に押す。
「駄目だ...。あんなに目撃者が居たんだ。誰も通報しなかった訳がない。マスコミが来ていないなんて、あり得ない」
「でも、本当に犯罪者が消されるなんてな...」
冗談混じりに言う。
「まあ、明日にでも捕まるだろ。そんな深く考えなくても、俺には関係ないしな」
-次の日-
目をひらき、ベッドから起き上がる。今は九時だ。正光は、カーテンを開け、窓の外を見た。正光のベッドのすぐそばにある窓の外は、人一人通るのが精一杯の路地裏になっている。大通りへの近道だが、気味が悪いので、正光は通らないようにしていた。そこを、 一人の男が通っているのが見える。
「あんな気味が悪いところ、よく通れるな」
「男の後ろに誰かいるぞ。二人も通るなんて珍しいな」
「男の後ろに居る奴、昨日のフードの男じゃないか」
すると、フードの男が前にいる男の肩を叩いた。
「誰だ、あんた」
肩を叩かれた男がフードの男にきく。 シミズタカノリ
「あなた、清水貴紀さんですね?四十二歳。家族構成は、貴紀さん、姉、母、父、祖母。祖父は去年、肺がんで死去。趣味のギャンブルで負け、多額の借金を背負う。五つの銀行を襲うも、金は一切手に入らなかった。今度は空き巣に入るも、その家に住んでいる、山中家に見つかってしまう。口封じのため、その場にいた山中家全員、計六人を殺害。合ってますね」
「し、知らねえよ。人違いじゃねえか?俺はそんなことしてない」
貴紀は弁解するが、明らか動揺している。
「嘘はついちゃ、いけないですよ。こっちには、あなたが貴紀さんだと言う証拠もありますから」
フードの男はそう言い、何やら写真のようなものを貴紀に見せた。正光の角度からは、何か分からない。だが、それを見た瞬間、貴紀の顔が青ざめていくのが分かった。
「くそ!何でそんなもん持ってんだよ。あの時、誰も居なかったはずだぞ」
「では、消させてもらいます」
フードの男はそう言うと、自分の胸ポケットから拳銃を出した。そして、貴紀の頭に向かって、二発撃ち込んだ。見事命中し、貴紀はその場に倒れた。倒れた貴紀を担ぎ、フードの男は去っていく。
「まただ、また犯罪者が殺された。どうなってんだ。昨日もかなりの大罪を犯した奴だった。俺もその内...」
「いや、大丈夫。多分、偶然だ。偶然、犯罪者だったんだ」
正光は自分に言い聞かせた。
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