悪人ゴロシ

mine

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四、五、六、七人目

決断

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 昨日は、飛鳥と協力をすると決めた。飛鳥との会話は基本、メールでする。お互いのことは探らない。この二つがルールだ。今は、今後の行動について、飛鳥とメールでやりとりしているところだった。
「確か俺、フードの男に狙われてるんだよな...」
 正光が送信すると、すぐに返事がきた。
「そうよ。フードの男は組織のリーダーらしいけど、あなたのことを危険人物として扱ってる。だから、襲いにくるときは、複数人でくるわね」
「フードの男一人じゃなかったのか?今まで、フードの男しか見たことないぞ」
「そんなことも知らなかったの?フードの男、テレビで『私たち』って言ってたでしょ。あと、今日はフードの男の他に三人見れるわよ」
「何でも知ってるな...。で、どこで見れるんだ」
「あなたの家の前。狙いは、強盗罪で指名手配中の四人組。時間は、午後三時」
「そうか。情報ありがとう。じゃあ、また聞きたいことがあったら、メールする」
 送信し、携帯を置く。
「三時まであと、三十分か。とりあえず待ってよう」
 すると、家のチャイムが鳴った。ドアスコープを覗くと、飛鳥が立っている。ドアを開け、
「何しに来たんだ。会話はメールでじゃないのか」
「私も見たいの。フードの男の仲間。見るんだったら、あなたの家が一番見やすいかなって」
「とりあえず、入れ」
 正光はそう言い、飛鳥を家の中に入れる。リビングの盗聴器を外し、違う部屋に移動させ、正光が話し出す。
「お前はわざわざ見なくてもいいだろ。俺は狙われてるから見るだけであって」
「あなた、思ったより馬鹿ね。私も狙われてるの」
「は?」
「だから、私も狙われてるの。中学校に立て籠もって、生徒三十六人、教師二人を殺して指名手配」
「嫌な思い出を思い出した。急にお前が怖くなった」
「人のこと言えないでしょ?あなたも同じ犯罪者なんだから」
 正光は何も言い返せなくなり、時計を見る。とっくに三時を回っていた。窓を開けて外を見ると、金髪の男四人組がまとまって何かを話している。
「あの四人がターゲットか?」
「そうよ」
 すると、フードを深々とかぶった四人組が、ターゲットの背後から近づいていた。正光は、少し窓を開ける。ターゲットと四人組の会話を聞くためだ。四人組は、ターゲットの背後につくと、一人の肩を叩く。
「君達、ちょっといいかな?」
 いつものフードの男ではない、小柄で肥満体型の男が言う。すると、ターゲットのリーダーと一目で分かる、大柄な男が答えた。
「誰だよ、お前ら。こっちは忙しいんだ。用ならさっさと済ませてくれ」
 すると、いつものフードの男が話し出す。
「四軒の銀行で金を強奪し、人質を建物内に身動きの取れない状態で残したまま放火。必ず四人で犯行におよぶ。大柄で筋肉
       シマリュウジ
質のリーダー、嶋隆二。そして、
          ヤマグチシンヤ
背が高く細身の、山口慎弥。小柄
         ヒガ タロウ
で恰幅のいい、比嘉太郎。グルー
                アケチヒデノリ
プで一番の頭脳派、明智秀徳。間違いないですね?」
 呆然と聞いていた隆二が口を開く。
「間違いない。それをやったのは俺たちだ。だがな、それがどうした?」
「認めましたね。では、消させていただきます」
 フードの男がそう言うと、他の三人が懐からナイフを取り出し、隆二以外の三人の心臓に突き刺した。隆二は理解が追い付かず、呆然としている。数秒後、状況を理解したのか、動こうとした。だが、隆二の左胸にはもう既にナイフが突き刺さっていた。四人とも、あっけなくその場に倒れる。フードの男たちが、四人を担ぎ、立ち去った。
「おい、飛鳥」
「何?」
「俺は決めた。あいつらを返り討ちにしてやる」
「何を言ってるの?あなた一人じゃあ、勝てっこないわよ」
「いや、勝てる。俺には、最強の情報屋が居るんだ」
「俺を狙ったこと、後悔させてやる」
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