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返り討ち 三、四、五、六人目
花
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ベッドの上に座っている正光の目の下には、隈ができていた。何年かぶりに人を殺めたことで、興奮状態に陥り、一睡も出来なかったのだ。そして、今日もまた人を殺めたいと、考えている。そう、正光は精神病質者、つまりサイコパスなのだ。
「フードの組織、今日は何処に現れるんだ。飛鳥に確かめて見よう」
正光は携帯を手に取り、飛鳥にメールを送る。
「今日のターゲットは?」
「今日は、放火犯四人組よ。全員二十代の若者。場所は、駅前の交差点。時間は、午後六時よ」
「そうか、ありがとう」
正光は携帯電話を置き、ベッドに横たわる。しばらく目を瞑っていると、眠りに落ちた。
ベッドの上で上半身を起き上がらせた正光は、時計を見る。既に五時半を回っていた。
「もうこんな時間か。準備して家を出よう」
顔を洗い、パジャマから着替える。そして、いつものようにギターケースに替えの服と散弾銃を入れ、背負う。駅は、徒歩で十分ほどの距離なので歩いて向かう。少し歩いていると、ポケットに入っている携帯電話が震えた。飛鳥からのメールだ。
「もう駅にいる?私は着いたけど」
「早いな。あと二分くらいで着く」
そう返信し、少し早めに歩き始める。一分ほど歩くと、駅に着く。丁度五時だ。目の前の交差点にターゲットらしき若者四人が駅を指差している。すると、若者達の背後に一台の車が止まった。扉が開くと、フードを深く被った男四人が出てくる。そして、ターゲットの背後まで歩み寄り、話しかけた。
「どうも、こんにちは。突然ですが、あなた方、悪質放火犯四人組ですよね」
「なんだよお前ら。もし俺たちが放火犯だったら何だって言うんだよ」
ターゲットの一人が、組織の男達を睨みながら言う。
「もしあなた方が放火犯ならば、消させていただきます」
「消す?何だよそれ。頭大丈夫かよ」
「そうだよ。俺たちが連続放火事件の犯人だよ。ほら、消してみろよ」
ターゲット達は、大声で笑う。
「やはりあなた方が犯人ですか。では、一人一人確認させていただきます」
「一番大柄な四人のリーダー、
スミヤ ヤスアキ
炭谷靖明。一番小柄の副リー
タタラ ケイイチロウ
ダー、多々良慶一朗。そして下っ端の二人。肥満体型で大柄の、
セヤマ ケン ワタリ リョウ
瀬山拳。痩せ型で小柄の、渡亮。
では、消させていただきます」
組織の男がそう言った瞬間、今まで喋っていた組織の男の後ろから、別の男が斧を持って飛び出てきた。そして、ターゲット四人組の首めがけて斧を横に振る。一直線に並んでいたため、4人の首が炭谷、多々良、瀬山、渡の順にコンクリートに転げ落ちる。四人の血が、まるで火花かのように飛び散り、組織の男達を赤く染めた。自分でさえも見たことのないような光景に正光は、息をのむ。だが、正光に立ち竦んでいる暇はない。すぐにギターケースから散弾銃を取り出し、組織の男達に近づく。そ射程範囲まで近づくと、一発、引き金を引いた。バラバラに飛び散る散弾が、斧を持っている男の頭に命中する。男は斧を落とし、その場に倒れ込む。正光は、男が落とした斧を手に取った。
「よし、ここまでは計画通りだ」
不敵な笑みを浮かべ、呟く。手に取った斧を、近くにいた男の脳天めがけて振り下ろす。男は血しぶきをあげながら、倒れこむ。
「あと二人。順調だ」
ふと背後に気配を感じ、振り返ると、男がナイフを顔面めがけて振り下ろしてきた。咄嗟に後ろに退がるが、ナイフが少し掠ってしまう。正光は舌打ちをし、斧で首を落とす。すると、最後の男が叫びながら走ってくる。手には、ナイフが握られていた。正光は斧を投げ捨て、床に落ちていた散弾銃を拾う。そして、男めがけて引き金を引く。胴体に命中し、男は後方に少し飛ぶ。コンクリートに体が打ち付けられ、骨が折れるような音が鳴る。勿論、そのまま動くことはなくなった。正光は、急いで駅のトイレに入り、ギターケースに入っている替えの服に着替えた。着替えを終え、返り血で汚れた服と散弾銃をギターケースに入れる。そのまま、家に帰る事にした。家に帰ると、飛鳥からメールが届いた。
「私が学校で大量殺人をしたって言った時、嫌な思い出があるって言ってたけど何」
「どうしたんだよ。突然そんなこと聞いてきて」
「単純に気になっただけ」
「俺が中一の時の話だ。母親は中学校の教師で、同じ学校に通っていた。勿論親子同士関わりがないよう、クラスや部活は違かった。ある日、担当の先生が休みで偶然母親が担当になった。初めて俺のクラスの担当になったので、質問コーナーが設けられた。クラス一頭がいい奴が、人間を何かに例えるとしたら、何だと思うか。という質問をした。クラスの皆は笑ってからかっていたが、母親は真剣にその質問に答え始めたんだ。人間は花だ。最初は小さな蕾から始まり、成長していくと大きな花を咲かす。やがてしおれていき、最後は枯れ果てる。それが早い人もいれば、遅い人もいる。しっかり栄養を摂らなければ枯れてしまう。ときに、命を誰かに摘み取られて枯れてしまう人もいる。性格も、枯れ方も、花の咲かせ方も、皆違う。だから私は、人間は花と同じだと思う。こう答えたんだ。だが、この数日後、母親が言ったことに強く共感するような事件が起きたんだ」
「どんな事件?」
「お前がやったような事件だ。目の前で友達や、先生がどんどん殺された。そして、母親も殺された。たった二人の犯人に、一クラス程の人間が歯も立たずに散っていったんだ。まるで道端に咲いている花を一輪一輪抜いていくかのように、簡単に。この時、母親が言っていたことが何となくわかった気がした」
「そんなことがあったなんて。思い出したくないような事なのに、話してくれてありがとう」
「いや、いいんだ。別に」
正光は携帯を置き、時計を見る。時刻は午後八時だ。
「いつもより早いが、寝るか」
久し振りに激しく動いたことによって疲労がたまっているのか、すぐに寝息をたて始めた。
「フードの組織、今日は何処に現れるんだ。飛鳥に確かめて見よう」
正光は携帯を手に取り、飛鳥にメールを送る。
「今日のターゲットは?」
「今日は、放火犯四人組よ。全員二十代の若者。場所は、駅前の交差点。時間は、午後六時よ」
「そうか、ありがとう」
正光は携帯電話を置き、ベッドに横たわる。しばらく目を瞑っていると、眠りに落ちた。
ベッドの上で上半身を起き上がらせた正光は、時計を見る。既に五時半を回っていた。
「もうこんな時間か。準備して家を出よう」
顔を洗い、パジャマから着替える。そして、いつものようにギターケースに替えの服と散弾銃を入れ、背負う。駅は、徒歩で十分ほどの距離なので歩いて向かう。少し歩いていると、ポケットに入っている携帯電話が震えた。飛鳥からのメールだ。
「もう駅にいる?私は着いたけど」
「早いな。あと二分くらいで着く」
そう返信し、少し早めに歩き始める。一分ほど歩くと、駅に着く。丁度五時だ。目の前の交差点にターゲットらしき若者四人が駅を指差している。すると、若者達の背後に一台の車が止まった。扉が開くと、フードを深く被った男四人が出てくる。そして、ターゲットの背後まで歩み寄り、話しかけた。
「どうも、こんにちは。突然ですが、あなた方、悪質放火犯四人組ですよね」
「なんだよお前ら。もし俺たちが放火犯だったら何だって言うんだよ」
ターゲットの一人が、組織の男達を睨みながら言う。
「もしあなた方が放火犯ならば、消させていただきます」
「消す?何だよそれ。頭大丈夫かよ」
「そうだよ。俺たちが連続放火事件の犯人だよ。ほら、消してみろよ」
ターゲット達は、大声で笑う。
「やはりあなた方が犯人ですか。では、一人一人確認させていただきます」
「一番大柄な四人のリーダー、
スミヤ ヤスアキ
炭谷靖明。一番小柄の副リー
タタラ ケイイチロウ
ダー、多々良慶一朗。そして下っ端の二人。肥満体型で大柄の、
セヤマ ケン ワタリ リョウ
瀬山拳。痩せ型で小柄の、渡亮。
では、消させていただきます」
組織の男がそう言った瞬間、今まで喋っていた組織の男の後ろから、別の男が斧を持って飛び出てきた。そして、ターゲット四人組の首めがけて斧を横に振る。一直線に並んでいたため、4人の首が炭谷、多々良、瀬山、渡の順にコンクリートに転げ落ちる。四人の血が、まるで火花かのように飛び散り、組織の男達を赤く染めた。自分でさえも見たことのないような光景に正光は、息をのむ。だが、正光に立ち竦んでいる暇はない。すぐにギターケースから散弾銃を取り出し、組織の男達に近づく。そ射程範囲まで近づくと、一発、引き金を引いた。バラバラに飛び散る散弾が、斧を持っている男の頭に命中する。男は斧を落とし、その場に倒れ込む。正光は、男が落とした斧を手に取った。
「よし、ここまでは計画通りだ」
不敵な笑みを浮かべ、呟く。手に取った斧を、近くにいた男の脳天めがけて振り下ろす。男は血しぶきをあげながら、倒れこむ。
「あと二人。順調だ」
ふと背後に気配を感じ、振り返ると、男がナイフを顔面めがけて振り下ろしてきた。咄嗟に後ろに退がるが、ナイフが少し掠ってしまう。正光は舌打ちをし、斧で首を落とす。すると、最後の男が叫びながら走ってくる。手には、ナイフが握られていた。正光は斧を投げ捨て、床に落ちていた散弾銃を拾う。そして、男めがけて引き金を引く。胴体に命中し、男は後方に少し飛ぶ。コンクリートに体が打ち付けられ、骨が折れるような音が鳴る。勿論、そのまま動くことはなくなった。正光は、急いで駅のトイレに入り、ギターケースに入っている替えの服に着替えた。着替えを終え、返り血で汚れた服と散弾銃をギターケースに入れる。そのまま、家に帰る事にした。家に帰ると、飛鳥からメールが届いた。
「私が学校で大量殺人をしたって言った時、嫌な思い出があるって言ってたけど何」
「どうしたんだよ。突然そんなこと聞いてきて」
「単純に気になっただけ」
「俺が中一の時の話だ。母親は中学校の教師で、同じ学校に通っていた。勿論親子同士関わりがないよう、クラスや部活は違かった。ある日、担当の先生が休みで偶然母親が担当になった。初めて俺のクラスの担当になったので、質問コーナーが設けられた。クラス一頭がいい奴が、人間を何かに例えるとしたら、何だと思うか。という質問をした。クラスの皆は笑ってからかっていたが、母親は真剣にその質問に答え始めたんだ。人間は花だ。最初は小さな蕾から始まり、成長していくと大きな花を咲かす。やがてしおれていき、最後は枯れ果てる。それが早い人もいれば、遅い人もいる。しっかり栄養を摂らなければ枯れてしまう。ときに、命を誰かに摘み取られて枯れてしまう人もいる。性格も、枯れ方も、花の咲かせ方も、皆違う。だから私は、人間は花と同じだと思う。こう答えたんだ。だが、この数日後、母親が言ったことに強く共感するような事件が起きたんだ」
「どんな事件?」
「お前がやったような事件だ。目の前で友達や、先生がどんどん殺された。そして、母親も殺された。たった二人の犯人に、一クラス程の人間が歯も立たずに散っていったんだ。まるで道端に咲いている花を一輪一輪抜いていくかのように、簡単に。この時、母親が言っていたことが何となくわかった気がした」
「そんなことがあったなんて。思い出したくないような事なのに、話してくれてありがとう」
「いや、いいんだ。別に」
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