俺様CEOは初恋に戸惑う

アタラン

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見えない鎖

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二日間で自分が彼女を好きなんだと自覚してしまった。

他の女が、案山子の様にしか見えなくなるのを身をもって実感してまず女の誘いがどんな美女でも鬱陶しく感じてしまう。

自分の店が入るデパートで少しでも可愛い服を見ると、彼女に似合いそうだと思うだけでなく購入してしまう。

彼女のサイズは、Mを買えば大丈夫で有能な秘書服部は彼女の服のサイズを調べてくれていたから流石だと思う。

「社長。一言いいですか?」

「なんだ?」

「プレゼントって渡さないと意味がないですよ。」

確かにそうだが渡す機会がない・・・。

相沢は、弟の命日に一緒に沙羅を連れて行ったから今相沢の会社に行っても彼女はいない。

「そもそも相沢の弟っていつ亡くなったんだ?」

「調査しましたが聞きますか?」

有能な秘書は、相沢の弟について調査してくれていた。

「4年前になりますね。どうも事故という事みたいですが違う様なんですよ。」

「事件か?」

たぶんこれかと・・と小さな地方新聞の切れ端の記事をスマホで見せてくれた。

19歳の少年と18歳の少女が塾の帰り道で暴漢に襲われ少年は意識不明で少女は重体とあった。

その暴漢は、現在も逃走中だと言う事も服部が調べていた。

「もしかして?相沢が沙羅を妹のような存在だと言ったのは・・。」

「かもしれません。」

相沢の弟が亡くなったのが四年前だとすれば現在22歳の沙羅と年齢的に当時の少女と合致した。

「この事件の犯人が捕まっていないと言う事が一番の問題かもしれませんね。」

暴漢か通り魔なのかストーカーなのか判断がつかないのが問題だった。

「警察も捜査したんだろう?」

「もちろん殺人ですからね。しかし目撃者も多数なのに犯人は、捕まっていない。」

俺は、嫌な予感がしていた。

相沢が、警察へ持っていった沙羅宛の不審者からの手紙が気になって仕方がなかった。

もしその被害者の一人が、沙羅だったらそんな怖い思いをして傷ついた子と親が疎遠なのは何故なのかというのも気になった。

気になる事ばかりで、相沢が帰ってきたら話を聞こうと思ってすぐに相沢にアポをいれてみた。

彼は、帰ってきたら飲みに行こうという俺の誘いに軽く応じてくれた。

まだ、残暑厳しい約束の日に仕事ではなく友人としての約束だから店で待ち合わせをした。

「ここだ!」

俺は、片手をあげて相沢を呼ぶと彼は、仕事を終えて沙羅を送ってすぐにこっちへ来てくれたようだった。

「すまん。遅くなったな。」

「いいよ。混んでたんだろう?」

「ああ。」

沙羅のマンションの近くの道路は、交通量が多いそういう場所をあえて選んで彼女が住んでるのかもしれないとあの記事を見てから思う。

俺は、自分の店の一つでバーでも食事ができる店をチョイスしていた。

「この店もいいな~。」

「ありがとう。この店は俺の趣味に近いかな。」

仕事終わって飲みたいが居酒屋は嫌で静かに一人でも入れるそして、食事も出来る店が欲しかったから作った店だった。

「でも、独身にはいいかもな。」

「まさしくそこが狙いの店だよ。」

女性にむけたコンセプトの店は沢山あるが、独身男性の一人で楽しめる店もいいだろうと思った店だった。

「女性客も多いな。」

「ああ、独身の男が来るんだから女も来るさ。」

「なるほどな。」

俺達は、簡単な料理を頼んで酒を注文する。

ホールだと色々とうるさいし話もできないと思ったから個室を用意したが、壁の一部がホールからは鏡に見えるがこの部屋からはマジックミラーになっていて全貌が見渡せるように作ってあった。

「凝った作りだな。」

「だから俺の趣味だって。」

俺は、相沢にどう話を切り出そうかと考えたが・・・。

「相沢聞きたい事があるんだが・・。」

「んっ?なんだ。」

「沙羅の事なんだが、彼女は今フリーなのか?」

相沢は、グラスを飲み干すと「ああ。」と答えた。

「沙羅は、ずっとフリーだよ。なんで?」

俺の心を読もうとする相沢に俺は、自分を隠す事なく話そうと思った。

もし俺が、考えている事が正解なら誤魔化さないほうがいいと思ったからだ。

「俺は、沙羅が好きだ。」

フッと相沢は笑って「俺に告白するなよ。」と言った。

「反対しないのか?」

「反対?はしないけど沙羅が一条を受け入れるかどうかだよ。」

それはそうだが・・。

「沙羅には、心に大きな傷があるんだ。だから簡単には落とせないと思うぞ。」

「大きな傷?」

「ああ、沙羅は見えない鎖で雁字搦めになっているようなもんなんだ。」

「沙羅に何があったんだ?」

「その前にお前は、本当に本気なのか?かなり遊んでいただろう?」

「ああ、でも自分で女を誘った事はないぞ。」

「それはそれで嫌味だな。」

「本当の事だ。俺は、女を好きになったのは初めてだよ。」

俺は、必死だった。今ここで相沢を味方にしないと沙羅に近づくことも出来ないかもしれない。

「そう言えば沙羅が喜んでいたよ。カーデガンだっけ?」

「ああ。似合いそうだと思って暑い時でも彼女は、カーデガンを羽織っていたから邪魔にはならないだろうと思ったんだ。」

「たしかにな。一条・・今から話す事を聞いても沙羅が好きだと思うなら俺は協力する。もしダメなら沙羅に近づくな。」

「ああ。約束するよ。」

沙羅が経験した壮絶な悲しい事件の話を相沢がしてくれた。

あんな小さな体で背負ってるのかと思ったら俺は少しでも彼女のその荷物を降ろしてやりたくなった。







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