俺様CEOは初恋に戸惑う

アタラン

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事件の解決と対峙

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飯島が警察で拘束されたという連絡を受けたのは沙羅と付き合いだして2週間した頃だった。

「社長、楽しそうですね。」

俺はこの二週間機嫌がいいらしい。

「そうだな。この間の新メニューは、評価は出してあるから各店舗に流しておいてくれ。あとお茶の件だがサンプルから選んでおいたから価格を確定させて。」

今までも仕事は、楽しかったが今は帰れば彼女がいると思うだけで早く仕事を片付けて帰りたいと思う。

「承知しました。」

服部は、俺と彼女が本当に付き合い出した事を泣くほど喜んでいた事件の経過は、服部兄が色々進捗を連絡くれているみたいだ。

仕事も終わり帰ろうとした時に相沢から俺のスマホに連絡があった。

「犯人が逮捕拘束された。」

「本当か!」

飯島は、相沢の弟の墓の前で逮捕拘束されたが沙羅に会わせて欲しいとだけ言って後は黙秘を続けているという。
俺は、すぐにマンションに帰り沙羅に犯人に会うかどうかを確認したが俺は、沙羅が彼女に会うと言うのは予想していた。


「一緒に行くよ。」


「うん。」

彼女を連れて警察署の取調室に行く事になったが緊張した面持ちの彼女の腰に手を回して歩いた。

今彼女は、飯島という女と対峙するのではなく彼女は、彼女自身の過去と対峙するつもりなんだろう。

まっすぐに前を向いて刑事と一緒に飯島の前に座った。

取調室の裏から相沢と一緒に見ている事しかできない・・ここは、手が出せない場面だと言う事は俺も解っているだからこそ俺は黙って見ている事にした。


「久しぶりね、相変わらずいい子ちゃんしてるのね。」

手錠もされているが挑戦的な目で飯島正美は沙羅を見据えて言った。

「貴女だったのね、拓海君を殺したのは。」

沙羅は、自分が刺された事を言わずに怒りを堪えたような声で静かに飯島に言った。

「彼を殺すつもりなんてなかったわ。貴女が死ねばよかったのに・・私から彼を奪っておいて、なんとなくで彼と付き合って彼に愛されて・・。」

飯島正美は、化粧をすればそこそこ美人だとは思うが俺なら手を出さないタイプの女だった。このタイプは、無駄に計算高いのと自分の容姿がそこそこだと理解しているから他の女を踏み台にして隣に立とうとする。

「だから?」

「何故貴女が生きていて拓海さんが死んじゃうのよ!生き残ってお兄さんにまで妹みたいに扱われて、なに今度は、また一条貴臣みたいな男捕まえて!拓海は貴女のせいで死んだのに・・何故貴女は違う男の所に行けるのよ!」

この女は、確かに頭の良い女だと俺は思った。
沙羅が傷つくように沙羅が一番気にしている事を言葉の刃で突き刺している。

「貴女にとって岡野君は何だったの?そんなに私が憎いなら岡野君使わずにまた襲いにきたらいいじゃない!なぜ岡野君まで巻き込んだのよ。」

沙羅は、涙をポロポロ流しながら彼女に訴えかけたそれに対して飯島は、

「あんな間抜けな子いないわよね。単純な子だったわ、でもそのぶん使えない子ちゃんと貴女か一条を襲えって言ったのに二人ともほぼ無傷で自分だけ捕まって私の事もベラベラ喋って・・貴女が部屋にいると思って放火してやったらいないしもう最悪よ。高層マンションになんて逃げ込んでさ、何様なのよ。」

飯島は、足を組んで沙羅を見下した目で顎を上げて言った。

「貴女は、拓海に愛されたかっただけ?拓海が何故貴女と別れたのか理解できたわ。彼は人を見下す貴女に気がついていたのね、優しい顔して彼に勉強をおしえたり私にも教えたりしながら・・貴女は自分の方が出来ると言いたかっただけなのね。可哀想な人ね岡野君は貴女が好きだったと思う。言ってた・・引きこもりだった
自分を助けてくれた人がいてその人が好きだって・・それ貴女の事よね。愛されていても気がつかない愚かな人ね。私は前を向くわもう二度と合わないと思うけど貴女だけは私は許さない!」

彼女がそう言って取調室を出ようとしてるのを確認しておれは取調室の前までいき彼女を抱きしめた。

「頑張ったな。」

「貴臣さん・・うっ・うっ。」

嗚咽を堪えている彼女を抱きしめながら「泣いていい。泣け」と言った瞬間に沙羅は泣けるだけ泣いた。

泣けばいい、泣いて忘れろとは言わないが沙羅の心の痛みが少しでも和らぐのなら泣けるだけ泣けばいいと俺は思った。

飯島正美は、全てを白状して自分の両親は犯行を知って自分を匿って母親方の実家で住んで大学へ行った事。沙羅を殺そうとした事や岡野を唆した事・・そして拓海を自分が刺した事を自白した。

「拓海さんは・・私だと気がついてました。」と証言した。

飯島正美の両親にも逮捕状がでて事件は解決した。


俺は、沙羅を連れて相沢拓海の墓に行く事にした・・俺のケジメの為だ。

墓前で花と線香を供えて手を合わす。

「拓海、飯島さんが犯人だった事知ってたんだね・・私ね前を向こうと思うの拓海は許してくれるよね。」

「俺は、君の気持ちもわかるつもりだ、俺は彼女を愛しているだから君の分も彼女を幸せにしたいんだ。いいよな・・。」

サワサワと優しい風が吹いて俺は勝手に彼が承諾したものとした。

相沢も俺と沙羅が付き合う事には反対はしないし俺達は周囲に祝福され付き合う事ができた。

沙羅のマンションの部屋は放火されていたから新しく色々買い足して話し合いで俺のマンションで生活をする事になった。

家具も買い替えるかと彼女に聞いたらこのままでいいと言うし後は彼女の服くらいだが俺がつい色々買っていたものだからあまり買い足す
物は無かったらしい。

明日から彼女も相沢の会社に出勤する事になったし俺は、前ジュエリーショップで買ってあった指輪を彼女に渡した。

ペアリングを俺が買うとは思わなかったが彼女が外で働くなら虫よけには必要だと思って買ってあったものだった。

「沙羅、これ。」

「なに?」

左手の薬指につけたいがそれはまた今度で右手の薬指に俺とペアーになっている指輪を細い彼女の指に通した。

「俺にもつけて。」

俺は自分の右手の薬指に・・俺は彼女しかいらないのだから当然だった。







    
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