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神殿の巫女
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執務室で息子から渡された神殿からの書面を握り潰し銀翔は憤っていた。
神殿の神託は、絶対だと言うが実際に戦い血を流し国を守ってきたという自負がる銀翔は一人娘を巫女にという話は受け入れがたい事だった。
嫁に行かせるのも貴族の中でも同じ将軍職を担う黄華家だから娘が虐げられる事もないと考えて密かに承知していたというのに、もうすぐ両家の話し合いをし、娘と黄華の息子蒼虎とが承諾すればそのまま婚儀をし盛大に送り出そうと
思っていた。
「朱美は部屋か?」
「大人しくはしていなかったが、今は部屋に。」
龍翔は娘の部屋の閂を外して部屋にはいと・・酷い有様の部屋を見て眉根をしかめたが予想しなかった訳ではなかった。
「お父様・・。」
寝台の上で胡坐をかきながら何かを考えていた朱美は、扉が開きそこに自分の大好きな父がいた事に素直に喜んだ。
「朱美・・また暴れたな。」
「でも物は、壊してはいませんよ。たぶん。」
荒らしただけで物は、壊してないという娘に溜息をつきながらこの状況の娘が巫女などと務まるわけはない。
「朱美・・王家と神殿から命令が下った。お前は巫女として神殿に仕える事になる。逆らう事は許されない。」
「なぜ・・私は王家の姫ではないですよ。まさかそんな事が?」
朱美も巫女という存在を知らない訳ではなかったし、王家の姫の中からご神託で選ばれると聞いていた。
「儂もわからん。しかし神殿からの知らせに逆らう事はできない。」
「そんな・・。」
巫女と言っても何をするのか朱美は聞いてはいないが、蒼虎が嫌いでは無かったし西の海で自由に過ごすのもいいと思っていた朱美にとって今回の命令は反故にしたいほどだったが、父の様子をみるに従うしかないのだろうとも思った。
「巫女のしきたりはしりません。私は自分を変える事は出来ない。」
「ああ、それは儂も嫌というほどわかっているさ。」
龍翔は娘を抱きしめて「命令には従うしかないが、お前がその後暴れるのは自由だ。」そう言う父の顔を見上げれば何時ものニッとした顔で笑った。
「はい。ご迷惑をおかけしますが・・。」
「今に始まった事ではない!。」
その夜・・龍凱と蒼虎を呼び龍翔は告げた。
「明日、朱美を神殿へ送り届ける。」
「親父!本気なのか?」
「将軍!」
それぞれの想いがあるのを理解している、可愛い妹を神殿の巫女になどしたくない息子の想いも、妻にしたいと思っていた蒼虎の想いも龍凱は痛いほど解っていた。
「儂の予想だが朱美は絶対に神殿を抜け出すだろう・・儂は表立っては動けんが・・蒼虎!その時はお前の力が必要だ。」
「はい。」
「親父?何を考えているんだ?」
「神殿から抜け出した朱美を西に逃がす。ほとぼりが冷めるまでだ。」
巫女が逃げ出し死亡したとなったら、次の巫女を選ぶしかないだろう。
「西と言うと・・海。」
「ああ、だから蒼虎の力が必要なんだ。」
「わかりました。私がなんとかします。」
巫女として神殿に送る事はするが・・そこからは自分の責任ではない例え追えと命令されても西の海にでたらどうにかなる。
男達は準備だけを整える事にした。
次の日に衣装が届けられ身を清めた朱美が神殿から遣わされた者たちにその衣装に着替えさせられた。
姫が着るようなヒラヒラとした衣装だが色は、白で首飾りは銀と金が使われている豪華な細工の物だった。
「光沢のある布は、織子が数か月かけて作る巫女にしか身につける事ができない品でアクセサリーは王が特別に作らせている物です。」
そう説明されるが衣装などに興味がない朱美はから返事をしながら聞いていた。
普段は動きやすさを重視した服装を好む朱美にとってヒラヒラとする衣装になんの魅力も感じなかった。
アクセサリーもまた同じでまったく興味がないのだからありがたいとも思えない。
「侍女は涼音を連れていくわ。」
「承知しました。」
姉妹同然に育ち姉のような存在である侍女だけは連れて行くと言った朱美に反対を神殿の侍女達はしなかったが朱美は、涼音に警戒するよう
に言った。
涼音に密かに持ち運びのできる小刀を隠し持つようにだけ言って神殿の侍女の言うままに準備をした。
神殿が、用意した馬車に載せられその前を父の兵が背後を兄の兵が守る形で神殿まで向かう。
道中は喜びにわく国民がひしめいていたが隊列を崩す事なく神殿に到着した。
白い大理石を使い所々に金や銀の飾りをつけた神殿は豪華だった。
父や兄は神殿の中には入れず外で控えるが一刻もしないうちに引き上げるように神殿から命じられその命に従い引き上げる事になった。
あの娘を守は何故選んだのか解らないが、神殿も王家も貴族の娘だと思って思い通りに扱えると思ったら後悔するだろう。
「何日持つかな?」
そう言いながら屋敷に戻った。
神殿の神託は、絶対だと言うが実際に戦い血を流し国を守ってきたという自負がる銀翔は一人娘を巫女にという話は受け入れがたい事だった。
嫁に行かせるのも貴族の中でも同じ将軍職を担う黄華家だから娘が虐げられる事もないと考えて密かに承知していたというのに、もうすぐ両家の話し合いをし、娘と黄華の息子蒼虎とが承諾すればそのまま婚儀をし盛大に送り出そうと
思っていた。
「朱美は部屋か?」
「大人しくはしていなかったが、今は部屋に。」
龍翔は娘の部屋の閂を外して部屋にはいと・・酷い有様の部屋を見て眉根をしかめたが予想しなかった訳ではなかった。
「お父様・・。」
寝台の上で胡坐をかきながら何かを考えていた朱美は、扉が開きそこに自分の大好きな父がいた事に素直に喜んだ。
「朱美・・また暴れたな。」
「でも物は、壊してはいませんよ。たぶん。」
荒らしただけで物は、壊してないという娘に溜息をつきながらこの状況の娘が巫女などと務まるわけはない。
「朱美・・王家と神殿から命令が下った。お前は巫女として神殿に仕える事になる。逆らう事は許されない。」
「なぜ・・私は王家の姫ではないですよ。まさかそんな事が?」
朱美も巫女という存在を知らない訳ではなかったし、王家の姫の中からご神託で選ばれると聞いていた。
「儂もわからん。しかし神殿からの知らせに逆らう事はできない。」
「そんな・・。」
巫女と言っても何をするのか朱美は聞いてはいないが、蒼虎が嫌いでは無かったし西の海で自由に過ごすのもいいと思っていた朱美にとって今回の命令は反故にしたいほどだったが、父の様子をみるに従うしかないのだろうとも思った。
「巫女のしきたりはしりません。私は自分を変える事は出来ない。」
「ああ、それは儂も嫌というほどわかっているさ。」
龍翔は娘を抱きしめて「命令には従うしかないが、お前がその後暴れるのは自由だ。」そう言う父の顔を見上げれば何時ものニッとした顔で笑った。
「はい。ご迷惑をおかけしますが・・。」
「今に始まった事ではない!。」
その夜・・龍凱と蒼虎を呼び龍翔は告げた。
「明日、朱美を神殿へ送り届ける。」
「親父!本気なのか?」
「将軍!」
それぞれの想いがあるのを理解している、可愛い妹を神殿の巫女になどしたくない息子の想いも、妻にしたいと思っていた蒼虎の想いも龍凱は痛いほど解っていた。
「儂の予想だが朱美は絶対に神殿を抜け出すだろう・・儂は表立っては動けんが・・蒼虎!その時はお前の力が必要だ。」
「はい。」
「親父?何を考えているんだ?」
「神殿から抜け出した朱美を西に逃がす。ほとぼりが冷めるまでだ。」
巫女が逃げ出し死亡したとなったら、次の巫女を選ぶしかないだろう。
「西と言うと・・海。」
「ああ、だから蒼虎の力が必要なんだ。」
「わかりました。私がなんとかします。」
巫女として神殿に送る事はするが・・そこからは自分の責任ではない例え追えと命令されても西の海にでたらどうにかなる。
男達は準備だけを整える事にした。
次の日に衣装が届けられ身を清めた朱美が神殿から遣わされた者たちにその衣装に着替えさせられた。
姫が着るようなヒラヒラとした衣装だが色は、白で首飾りは銀と金が使われている豪華な細工の物だった。
「光沢のある布は、織子が数か月かけて作る巫女にしか身につける事ができない品でアクセサリーは王が特別に作らせている物です。」
そう説明されるが衣装などに興味がない朱美はから返事をしながら聞いていた。
普段は動きやすさを重視した服装を好む朱美にとってヒラヒラとする衣装になんの魅力も感じなかった。
アクセサリーもまた同じでまったく興味がないのだからありがたいとも思えない。
「侍女は涼音を連れていくわ。」
「承知しました。」
姉妹同然に育ち姉のような存在である侍女だけは連れて行くと言った朱美に反対を神殿の侍女達はしなかったが朱美は、涼音に警戒するよう
に言った。
涼音に密かに持ち運びのできる小刀を隠し持つようにだけ言って神殿の侍女の言うままに準備をした。
神殿が、用意した馬車に載せられその前を父の兵が背後を兄の兵が守る形で神殿まで向かう。
道中は喜びにわく国民がひしめいていたが隊列を崩す事なく神殿に到着した。
白い大理石を使い所々に金や銀の飾りをつけた神殿は豪華だった。
父や兄は神殿の中には入れず外で控えるが一刻もしないうちに引き上げるように神殿から命じられその命に従い引き上げる事になった。
あの娘を守は何故選んだのか解らないが、神殿も王家も貴族の娘だと思って思い通りに扱えると思ったら後悔するだろう。
「何日持つかな?」
そう言いながら屋敷に戻った。
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