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アルバム
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「このアルバムは忍が作ったのか?」
忍は昔から器用な男だが、咲の字ではない日付や何があったとか色々書かれている。
「俺や忍が写真を撮っていたんだ。ほんと記録に関しては咲は、適当だったよな・・でもね育児日記だけは丁寧に書いていたよ。」
育児日記は、もし桜が子供を産んだりした時に必要だと咲なりに考えて丁寧に事細かに記載していたらしい。
座ったり、立ったり、歩いたりそんな成長をこの二人も一緒に見ていたんだな、咲が桜を抱いている写真はこの二人のどちらかが撮影したの
だろう。
しかも、保育園の入園式や卒業式の写真にはスーツ姿の二人が写っている。
「卒園式とか入学式も二人とも参加していたのかよ。」
二人は当たり前だと言った。
「俺達も一緒に育てたようなもんだよ、我が子のように思ってるよ。」
「そうだよ。イベントは全部参加してるよ。」
二人はそう言って何か問題あるかと言う。
俺ももし日本にいたら同じように参加していただろう。
「凱はアメリカに行ったでしょ?もし、日本にいたら咲だって観念して凱にもちゃんと言ったと思うんだよ。咲は、それなりに凱がアメリカに行った数年よく心配していたよ。」
日本人が殺害されたニュースや事故のニュースを見るたびに名前を確認して違うとわかると安心した顔をしていたという。
そんなに心配だったなら直接電話してきたら良かったんだ・・俺は多分嬉しかったと思う。
部屋の様子アルバムを見る限り二人は父親代わりだったのは解る。
本来咲は、独立心が強い方だったからここまで係わってくる二人に何も言わなかったのだろうか?
「忍も登もお前達の家族は、何も言わなかったのか?」
「言わなかったよ。」
「言わない言わない。」
と二人とも自分達の家族は何も言わなかったと言う。
それだけでなく、忍の両親にいたっては桜を孫のように可愛がり登の親は女の子が自分の子供にも孫にもいなかったから桜はどっちの家でもアイドル状態だったと二人は笑う。
「咲は、甘やかすなってうるさかったけどな。」
「ああ、でも最後は苦笑いしながら諦めたよな。」
「うん、諦めたな。」
どっちの家族も桜を可愛がり咲も容認していたというから驚きだ。
俺の知らない15年の間にどんな感じだったのだろうか・・。
アルバムには確かに咲と桜がいて俺の知らない世界がそこにはある。
ずっと一緒にいて四人で行動してきたのに俺だけ取り残されたような気分だ。
それを口に出しては言えなかった。俺が連絡をしなかったのが悪いと言われるだけだ、でも咲だって俺に連絡してこなかったんだ。
「会いたかったんだけどな。」
俺はつい口からでた言葉に二人は反応して・・。
「咲も会いたかったとは思う。」
そう言われた。
「昔から二人で意地の張り合いしていたからな・・。」
「言わなくてもいい言葉や態度をお互いにして俺達が仲裁に入ったけど俺達からしたら意味の解らない喧嘩をよくしていたよな。」
たしかにそういう時もあったかもしれないけど、今となっては四人で送った楽しかった思い出だけが蘇る。
「桜は、大丈夫かな・・ここに連れて来た方がよかったかな。」
登は、桜を一人にしたことを心配している。
忍もまた同じで・・。
俺は、何故か一人になりたい桜の気持ちが理解できた。家族みたいな関係でも桜は、気を使う子だと思うし心配をかけたくないから泣けないんじゃないかって思う。
咲はそんな事を考える奴じゃなかったけど・・。
なんとなく桜は、そういうタイプの子のように思っている。
「朝になったら様子見に行くか。」
それには俺も同感だ。
二人のスマホにそれぞれに桜からのメッセージが届いていた。
「今日もありがとう。凱さんにもありがとうって伝えてね。」
やっぱり気を使う子なんだよな。
かなり飲んでいた俺はいつの間にか眠っていた。
考えてもみれば、時差ボケもあるけど忍からの電話から今まで仮眠程度でまともに寝ていなかった。
だからかも知れないが懐かしい咲が好きでよく使っていた香がして側にいるように感じながら心地いい眠りについていた。
俺は、少し日本に滞在する事を決めた。
このままアメリカに帰ったら後悔するだろうし、桜の父親が誰なのか今後桜はどうするのか。
桜の存在を知った以上俺は心残りや後悔をしたくなかった。
この日から一週間が俺の人生を大きく左右する事になるとはこの時は考えもしなかった。
忍は昔から器用な男だが、咲の字ではない日付や何があったとか色々書かれている。
「俺や忍が写真を撮っていたんだ。ほんと記録に関しては咲は、適当だったよな・・でもね育児日記だけは丁寧に書いていたよ。」
育児日記は、もし桜が子供を産んだりした時に必要だと咲なりに考えて丁寧に事細かに記載していたらしい。
座ったり、立ったり、歩いたりそんな成長をこの二人も一緒に見ていたんだな、咲が桜を抱いている写真はこの二人のどちらかが撮影したの
だろう。
しかも、保育園の入園式や卒業式の写真にはスーツ姿の二人が写っている。
「卒園式とか入学式も二人とも参加していたのかよ。」
二人は当たり前だと言った。
「俺達も一緒に育てたようなもんだよ、我が子のように思ってるよ。」
「そうだよ。イベントは全部参加してるよ。」
二人はそう言って何か問題あるかと言う。
俺ももし日本にいたら同じように参加していただろう。
「凱はアメリカに行ったでしょ?もし、日本にいたら咲だって観念して凱にもちゃんと言ったと思うんだよ。咲は、それなりに凱がアメリカに行った数年よく心配していたよ。」
日本人が殺害されたニュースや事故のニュースを見るたびに名前を確認して違うとわかると安心した顔をしていたという。
そんなに心配だったなら直接電話してきたら良かったんだ・・俺は多分嬉しかったと思う。
部屋の様子アルバムを見る限り二人は父親代わりだったのは解る。
本来咲は、独立心が強い方だったからここまで係わってくる二人に何も言わなかったのだろうか?
「忍も登もお前達の家族は、何も言わなかったのか?」
「言わなかったよ。」
「言わない言わない。」
と二人とも自分達の家族は何も言わなかったと言う。
それだけでなく、忍の両親にいたっては桜を孫のように可愛がり登の親は女の子が自分の子供にも孫にもいなかったから桜はどっちの家でもアイドル状態だったと二人は笑う。
「咲は、甘やかすなってうるさかったけどな。」
「ああ、でも最後は苦笑いしながら諦めたよな。」
「うん、諦めたな。」
どっちの家族も桜を可愛がり咲も容認していたというから驚きだ。
俺の知らない15年の間にどんな感じだったのだろうか・・。
アルバムには確かに咲と桜がいて俺の知らない世界がそこにはある。
ずっと一緒にいて四人で行動してきたのに俺だけ取り残されたような気分だ。
それを口に出しては言えなかった。俺が連絡をしなかったのが悪いと言われるだけだ、でも咲だって俺に連絡してこなかったんだ。
「会いたかったんだけどな。」
俺はつい口からでた言葉に二人は反応して・・。
「咲も会いたかったとは思う。」
そう言われた。
「昔から二人で意地の張り合いしていたからな・・。」
「言わなくてもいい言葉や態度をお互いにして俺達が仲裁に入ったけど俺達からしたら意味の解らない喧嘩をよくしていたよな。」
たしかにそういう時もあったかもしれないけど、今となっては四人で送った楽しかった思い出だけが蘇る。
「桜は、大丈夫かな・・ここに連れて来た方がよかったかな。」
登は、桜を一人にしたことを心配している。
忍もまた同じで・・。
俺は、何故か一人になりたい桜の気持ちが理解できた。家族みたいな関係でも桜は、気を使う子だと思うし心配をかけたくないから泣けないんじゃないかって思う。
咲はそんな事を考える奴じゃなかったけど・・。
なんとなく桜は、そういうタイプの子のように思っている。
「朝になったら様子見に行くか。」
それには俺も同感だ。
二人のスマホにそれぞれに桜からのメッセージが届いていた。
「今日もありがとう。凱さんにもありがとうって伝えてね。」
やっぱり気を使う子なんだよな。
かなり飲んでいた俺はいつの間にか眠っていた。
考えてもみれば、時差ボケもあるけど忍からの電話から今まで仮眠程度でまともに寝ていなかった。
だからかも知れないが懐かしい咲が好きでよく使っていた香がして側にいるように感じながら心地いい眠りについていた。
俺は、少し日本に滞在する事を決めた。
このままアメリカに帰ったら後悔するだろうし、桜の父親が誰なのか今後桜はどうするのか。
桜の存在を知った以上俺は心残りや後悔をしたくなかった。
この日から一週間が俺の人生を大きく左右する事になるとはこの時は考えもしなかった。
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