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LOVE IS SOMETHING YOU FALL IN.
LOVE IS SOMETHING YOU FALL IN. 第2話
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「一年と三年じゃ大人と子供ぐらい体格も違うし、何か起こったら逃げるのは難しいだろうな」
「こ、怖いこと言うなよ」
「でも事実だろ。正直、手を出したら報復がヤバそうな三谷はともかく、藤原と深町は警戒しすぎだとは思われるぐらい警戒しておいた方がいいと思うし」
一人じゃないから安心。とか思わない方がいい。
唯哉の言葉に、悠栖は思わず想像してしまった。可憐な美少年に忍び寄る魔の手を。
悠栖は自分でも驚くほど簡単に想像できてしまった事実に少し落ち込むも、「気を付けるように言っとく」と深く頷いた。
相手と関わりが無ければよほどのお節介でもない限り注意なんてしない。
だが、悠栖が別にお節介な性格ではないにもかかわらず『姫』達に注意を促す理由はたった一つ。
深町朋喜も藤原慶史も、そして二人と同じく裏で『可愛い』、『癒し』と騒がれている三谷葵も、悠栖のクラスメイトであり大事な親友だったから。
誰だって親友が傷つく様なんて見たくないというもので、悠栖は学校では極力三人から離れないようにしようと自分に誓った。
だが、そんな悠栖に唯哉はため息を吐くと「お前のことも心配だ」と言ってきた。
普通ならその言葉に『どうして?』と疑問を抱くところだろう。
しかし、悠栖と唯哉は一〇年来の親友同士。互いの言動はある程度理解できた。
悠栖は、再び箸を手に取り食事を再開する唯哉を睨んで不機嫌を露にした。
「……そんな睨むなよ。『女顔』だとは言ってないだろ」
「! 今言った!」
「悪かったって。……でも心配するのは当然だろうが。悠栖だって深町達のこと、心配なんだろ?」
『お前も女顔で狙われやすいんだから注意しろよ』と、はっきり言われたわけじゃない。
でも、これまで幾度となく同じような言葉を言われてきた悠栖には唯哉の心配の声も全て自分の容姿に結びつけて考えてしまう。
唯哉の言いたいことは分かるし、心配してくれている気持ちもありがたいと思う。
でも、自分の容姿にコンプレックスしかない悠栖はどうしても素直に唯哉の心配を受け取れなかった。
先も話題に上がったクライストの中で『学園の姫』と呼ばれている数人の生徒。
それは藤原慶史と深町朋喜、三谷葵の三人だけではなかった。
悠栖の学年にもう二人、いるのだ。
一人は超難関と名高いクライストの外部受験をほぼ満点で通過し、公立中学から編入してきた姫神那鳥。
そしてもう一人が、何故自分が『姫』扱いなんだと不満しか抱いていない悠栖本人だった。
『姫』と称される五人は他の生徒と比べると線が細く、言うなれば華奢な体格をしていた。
それは他の生徒が楽に抑え込めそうなほど圧倒的な差。
唯哉が心配した通り、互いの身を守るために共に行動していたところで安全だと安心できる状況ではないぐらい埋めることのできない身体的な差が存在しているのだ。
だから悠栖にとって非常に考えたくないことだが、欲求不満気味な男子高校生の餌食になる可能性は他の生徒よりも高く、危機感を常に持つべきだということは分かっている。
しかし、分かっていても受け入れられないものは仕方ない。悠栖の心は誰よりも『男』だったから。
「筋トレ、もうちょっと増やそうかな……」
「気持ちは分かるけど、やめとけ。オーバーロードは逆効果だぞ」
項垂れ、逞しい肉体を求める悠栖。
毎日欠かさず身体づくりのトレーニングを行っているのに成果はほぼゼロで、心が折れそうになる。
だがそれでも『いつかきっと!』と期待を持ちたいから、努力は惜しまないでおこう。
しかし、そんな悠栖を唯哉の「昔コーチに言われたこと、忘れたのか?」という声が現実に引き戻してくれる。
「どうせ俺は筋肉がつかない身体だよ。やるだけ無駄だってこともちゃんと分かってるよっ」
「卑屈になるなよ。だいたい、そんなこと言われてないだろ? コーチは『筋肉がつき辛い』って言っただけで『全くつかない』とは言ってないんだし、筋トレしてるからこそ『その身体』なんだろ?」
「貧相な身体で悪かったな!」
唯哉と同じぐらい、いや、それ以上に毎日筋トレのメニューこなしてるのに、方や理想的な『細マッチョ』。
方や申し訳程度にしか筋肉がついていない『貧弱な身体』。
これは悠栖じゃなくとも不貞腐れるというものだ。
「そんなこと言ってないだろうが。……まぁ、確かに『残念』ではあるな」
「! チカ!」
「悪い悪い。つい本音が」
「ひでぇ! やっぱりチカも俺の事馬鹿にしてたんだな!!」
「バカ、冗談だよ。……でもまぁ筋トレのメニューを増やすことは反対だけど、続けるのは大事だと思うぞ? 筋トレをやめたらそれこそ悠栖が嫌がってる『女子っぽい見た目』に拍車がかかりそうだし」
「うぅ……、分かってるよ……。筋トレは今のまま続けるよ……」
落ち込んだり怒ったり忙しい悠栖に、唯哉は「それにこの三年間で変わるかもしれないし諦めるな」とご機嫌をとろうと試みる。身体が大人に変化する時期だから焦るな。と。
あからさまな慰めだったが悠栖は黙って頷きを返し、唯哉に促されるまま残っている朝食を再び口に運ぶ。
その様を見た唯哉は、容姿に対するコンプレックスが強すぎて本当の自分を分かっていない悠栖の心配をしてしまう。
(悠栖のことだから自分の見た目よりも内面に惚れられてきたなんて認識は全く無いんだろうな……)
唯哉がそんなことを思いながら自分を見ているとは露とも知らず、悠栖は焦りは禁物だと分かりつつも一刻も早く男らしさが欲しいと願い、放課後にでも高等部のサッカー部のコーチに相談してみよう考えていた。
「こ、怖いこと言うなよ」
「でも事実だろ。正直、手を出したら報復がヤバそうな三谷はともかく、藤原と深町は警戒しすぎだとは思われるぐらい警戒しておいた方がいいと思うし」
一人じゃないから安心。とか思わない方がいい。
唯哉の言葉に、悠栖は思わず想像してしまった。可憐な美少年に忍び寄る魔の手を。
悠栖は自分でも驚くほど簡単に想像できてしまった事実に少し落ち込むも、「気を付けるように言っとく」と深く頷いた。
相手と関わりが無ければよほどのお節介でもない限り注意なんてしない。
だが、悠栖が別にお節介な性格ではないにもかかわらず『姫』達に注意を促す理由はたった一つ。
深町朋喜も藤原慶史も、そして二人と同じく裏で『可愛い』、『癒し』と騒がれている三谷葵も、悠栖のクラスメイトであり大事な親友だったから。
誰だって親友が傷つく様なんて見たくないというもので、悠栖は学校では極力三人から離れないようにしようと自分に誓った。
だが、そんな悠栖に唯哉はため息を吐くと「お前のことも心配だ」と言ってきた。
普通ならその言葉に『どうして?』と疑問を抱くところだろう。
しかし、悠栖と唯哉は一〇年来の親友同士。互いの言動はある程度理解できた。
悠栖は、再び箸を手に取り食事を再開する唯哉を睨んで不機嫌を露にした。
「……そんな睨むなよ。『女顔』だとは言ってないだろ」
「! 今言った!」
「悪かったって。……でも心配するのは当然だろうが。悠栖だって深町達のこと、心配なんだろ?」
『お前も女顔で狙われやすいんだから注意しろよ』と、はっきり言われたわけじゃない。
でも、これまで幾度となく同じような言葉を言われてきた悠栖には唯哉の心配の声も全て自分の容姿に結びつけて考えてしまう。
唯哉の言いたいことは分かるし、心配してくれている気持ちもありがたいと思う。
でも、自分の容姿にコンプレックスしかない悠栖はどうしても素直に唯哉の心配を受け取れなかった。
先も話題に上がったクライストの中で『学園の姫』と呼ばれている数人の生徒。
それは藤原慶史と深町朋喜、三谷葵の三人だけではなかった。
悠栖の学年にもう二人、いるのだ。
一人は超難関と名高いクライストの外部受験をほぼ満点で通過し、公立中学から編入してきた姫神那鳥。
そしてもう一人が、何故自分が『姫』扱いなんだと不満しか抱いていない悠栖本人だった。
『姫』と称される五人は他の生徒と比べると線が細く、言うなれば華奢な体格をしていた。
それは他の生徒が楽に抑え込めそうなほど圧倒的な差。
唯哉が心配した通り、互いの身を守るために共に行動していたところで安全だと安心できる状況ではないぐらい埋めることのできない身体的な差が存在しているのだ。
だから悠栖にとって非常に考えたくないことだが、欲求不満気味な男子高校生の餌食になる可能性は他の生徒よりも高く、危機感を常に持つべきだということは分かっている。
しかし、分かっていても受け入れられないものは仕方ない。悠栖の心は誰よりも『男』だったから。
「筋トレ、もうちょっと増やそうかな……」
「気持ちは分かるけど、やめとけ。オーバーロードは逆効果だぞ」
項垂れ、逞しい肉体を求める悠栖。
毎日欠かさず身体づくりのトレーニングを行っているのに成果はほぼゼロで、心が折れそうになる。
だがそれでも『いつかきっと!』と期待を持ちたいから、努力は惜しまないでおこう。
しかし、そんな悠栖を唯哉の「昔コーチに言われたこと、忘れたのか?」という声が現実に引き戻してくれる。
「どうせ俺は筋肉がつかない身体だよ。やるだけ無駄だってこともちゃんと分かってるよっ」
「卑屈になるなよ。だいたい、そんなこと言われてないだろ? コーチは『筋肉がつき辛い』って言っただけで『全くつかない』とは言ってないんだし、筋トレしてるからこそ『その身体』なんだろ?」
「貧相な身体で悪かったな!」
唯哉と同じぐらい、いや、それ以上に毎日筋トレのメニューこなしてるのに、方や理想的な『細マッチョ』。
方や申し訳程度にしか筋肉がついていない『貧弱な身体』。
これは悠栖じゃなくとも不貞腐れるというものだ。
「そんなこと言ってないだろうが。……まぁ、確かに『残念』ではあるな」
「! チカ!」
「悪い悪い。つい本音が」
「ひでぇ! やっぱりチカも俺の事馬鹿にしてたんだな!!」
「バカ、冗談だよ。……でもまぁ筋トレのメニューを増やすことは反対だけど、続けるのは大事だと思うぞ? 筋トレをやめたらそれこそ悠栖が嫌がってる『女子っぽい見た目』に拍車がかかりそうだし」
「うぅ……、分かってるよ……。筋トレは今のまま続けるよ……」
落ち込んだり怒ったり忙しい悠栖に、唯哉は「それにこの三年間で変わるかもしれないし諦めるな」とご機嫌をとろうと試みる。身体が大人に変化する時期だから焦るな。と。
あからさまな慰めだったが悠栖は黙って頷きを返し、唯哉に促されるまま残っている朝食を再び口に運ぶ。
その様を見た唯哉は、容姿に対するコンプレックスが強すぎて本当の自分を分かっていない悠栖の心配をしてしまう。
(悠栖のことだから自分の見た目よりも内面に惚れられてきたなんて認識は全く無いんだろうな……)
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