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強く儚い者達へ…
強く儚い者達へ… 第10話
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その場から少し離れたところに、なんとも立派なお屋敷が建っていた。
10人、20人程度なら余裕で住める広さだろうに。
「ここは…?」
「姉貴の家。僕の家でもあるけどね」
これまで住んでいた家もかなりの大きな屋敷だと思っていたが、それ以上だった。
一体何処にそんな金があったのだろうか…?
(私、父さんや母さん達が何をしていたか知らない…)
どうして今まで疑問に思わなかったのだろうか?
与えられるがまま、送っていた日々にどうして何も感じなかったのだろうか?
これといって父と母が仕事をしていた記憶もない。
それなのに、町では裕福な家庭の部類に入っていた。
一体何処からお金を得ていたのだろうか?
「ストップ。それ以上考えるな。今お前が疑問に思ってることもすぐに分かるさ。その為に、こいつが此処で待っていたんだろ?」
「戯皇さん…」
赤の他人である自分にこんなに親身になってくれる戯皇と幸斗。
この人達は不幸のどん底にいた自分に手を差し伸べてくれる存在だと感謝した。
リムは何も言わず頷くと、手紙に同封されていた鍵を取り出して新たな家への扉を開けた。
何も知らない自分の為に待っていてくれたらしい弟を振り返れば、大丈夫だと言う代わりに手を握ってくれた。
屋敷の中は埃っぽく、とても人が住んでいたとは思えない状態だった。
布が被せてあるのはおそらく家具だろう。
ざっと辺りを見回すが、食料以外の生活するために必要なものはほぼ揃っているとみて大丈夫そうだ。
「お前が住んでたにしては、ずいぶんと人の気配がない家だな」
「僕はここには住んでないんだ。この家全体に結界が張ってあって、その結界を解く事ができるのはこの家の鍵。で、ここの鍵は姉貴が持ってるそれ一つだし」
疑ってるのはお互い様だと言わんばかりの睨み合い。
幸斗は何も言わずに荷物を床に置くと侵入者がいないか見てくると残しその場を去った。
一方リムは二人のいがみ合いに気づかずに初めて入ったはずの家なのに、懐かしさを感じる自分に戸惑っていた。
これまで住んできた家とはまったく違う造りなのに、どうして?
そんな疑問が浮かんでくる。
外の世界に出たのは初めてなはずなのに…。
「どうしたの?姉貴?」
「…私、ここを知っている?」
「そりゃね。昔はここに住んでたらしいから…て言っても姉貴が小さい時だし記憶はないと思うよ。でも…懐かしい感じはするかもね」
デュカが笑いながら言う言葉に納得した。
記憶にない程昔の事が感覚として思い出されている…。
戯皇は何も言わず家具を覆ってあった布を取り去り我が物顔でソファーに座った。
「さぁ、お待ちかねの疑問明かしといこうか」
「!はい!」
ちょうど幸斗も戻ってきたところだった。
怪しい箇所はなかったと言うと戯皇の横で立ち止まり、デュカとリムに座れと促す。
しかし、当の幸斗は座ろうとせずに戯皇の横に立ったままだった。
その姿は相棒というより臣下のようだった。
「まず、基本中の基本から。今俺達が生活しているこの星についてだが…何か知っているか?」
「…何も知りません…」
申し訳なさそうな彼女に、「だろうな」と笑った。
内の世界にいた彼女が知るわけがないから…。
月明かりがやけに眩しく感じるのは暗闇に目が慣れていたせいか。
しかし、灯りも点けずにいるのに互いの顔がハッキリと認識できるのもそのせいなのだろうか?
「この星の名は"COFFIN"。棺桶って意味だ」
「か、棺桶…。もっとマシな名前はなかったんですか」
「そうだな。でも、この星に人が住み始めた経緯からして俺はぴったりだと思うけど?」
難しい顔をしているリムに戯皇はまた笑った。
なんでも、この星で生活し始めた生物…つまり自分達の祖先は故郷を捨てた者、故郷から見放された者が殆どだったと言う。
様々な種が共存している理由は其処にあると説明してくれる。
何らかの理由で故郷を捨てた者達の集まり。
天使、悪魔、精霊、妖精、吸血鬼、竜、人間などが集まり、命を育んでいるのが"COFFIN"…。
「自分達の人生は一度終わったから、ていう皮肉で付けた名前らしい。もう気が遠くなるほど昔の話だから何処まで本当かは知らないがな。…で、ここからが重要だから良く聞いておけよ。今言ったようにこの星には様々な種族の生物が生息している。その中で最も戦闘力のない種族こそ人間。つまり、リム、お前だ」
最も力がない種族。それが、人間…。
もちろん、人間の中にだって力のある者もいない訳ではない。
でも、そんな輩は必ずと言っていいほど他種との混血なのだ。
純血の人間、もしくは人間の血のほうが濃い者達は半強制的に隔離保護地域に送られるか、殺されるかのどちらかだと戯皇は言う。
10人、20人程度なら余裕で住める広さだろうに。
「ここは…?」
「姉貴の家。僕の家でもあるけどね」
これまで住んでいた家もかなりの大きな屋敷だと思っていたが、それ以上だった。
一体何処にそんな金があったのだろうか…?
(私、父さんや母さん達が何をしていたか知らない…)
どうして今まで疑問に思わなかったのだろうか?
与えられるがまま、送っていた日々にどうして何も感じなかったのだろうか?
これといって父と母が仕事をしていた記憶もない。
それなのに、町では裕福な家庭の部類に入っていた。
一体何処からお金を得ていたのだろうか?
「ストップ。それ以上考えるな。今お前が疑問に思ってることもすぐに分かるさ。その為に、こいつが此処で待っていたんだろ?」
「戯皇さん…」
赤の他人である自分にこんなに親身になってくれる戯皇と幸斗。
この人達は不幸のどん底にいた自分に手を差し伸べてくれる存在だと感謝した。
リムは何も言わず頷くと、手紙に同封されていた鍵を取り出して新たな家への扉を開けた。
何も知らない自分の為に待っていてくれたらしい弟を振り返れば、大丈夫だと言う代わりに手を握ってくれた。
屋敷の中は埃っぽく、とても人が住んでいたとは思えない状態だった。
布が被せてあるのはおそらく家具だろう。
ざっと辺りを見回すが、食料以外の生活するために必要なものはほぼ揃っているとみて大丈夫そうだ。
「お前が住んでたにしては、ずいぶんと人の気配がない家だな」
「僕はここには住んでないんだ。この家全体に結界が張ってあって、その結界を解く事ができるのはこの家の鍵。で、ここの鍵は姉貴が持ってるそれ一つだし」
疑ってるのはお互い様だと言わんばかりの睨み合い。
幸斗は何も言わずに荷物を床に置くと侵入者がいないか見てくると残しその場を去った。
一方リムは二人のいがみ合いに気づかずに初めて入ったはずの家なのに、懐かしさを感じる自分に戸惑っていた。
これまで住んできた家とはまったく違う造りなのに、どうして?
そんな疑問が浮かんでくる。
外の世界に出たのは初めてなはずなのに…。
「どうしたの?姉貴?」
「…私、ここを知っている?」
「そりゃね。昔はここに住んでたらしいから…て言っても姉貴が小さい時だし記憶はないと思うよ。でも…懐かしい感じはするかもね」
デュカが笑いながら言う言葉に納得した。
記憶にない程昔の事が感覚として思い出されている…。
戯皇は何も言わず家具を覆ってあった布を取り去り我が物顔でソファーに座った。
「さぁ、お待ちかねの疑問明かしといこうか」
「!はい!」
ちょうど幸斗も戻ってきたところだった。
怪しい箇所はなかったと言うと戯皇の横で立ち止まり、デュカとリムに座れと促す。
しかし、当の幸斗は座ろうとせずに戯皇の横に立ったままだった。
その姿は相棒というより臣下のようだった。
「まず、基本中の基本から。今俺達が生活しているこの星についてだが…何か知っているか?」
「…何も知りません…」
申し訳なさそうな彼女に、「だろうな」と笑った。
内の世界にいた彼女が知るわけがないから…。
月明かりがやけに眩しく感じるのは暗闇に目が慣れていたせいか。
しかし、灯りも点けずにいるのに互いの顔がハッキリと認識できるのもそのせいなのだろうか?
「この星の名は"COFFIN"。棺桶って意味だ」
「か、棺桶…。もっとマシな名前はなかったんですか」
「そうだな。でも、この星に人が住み始めた経緯からして俺はぴったりだと思うけど?」
難しい顔をしているリムに戯皇はまた笑った。
なんでも、この星で生活し始めた生物…つまり自分達の祖先は故郷を捨てた者、故郷から見放された者が殆どだったと言う。
様々な種が共存している理由は其処にあると説明してくれる。
何らかの理由で故郷を捨てた者達の集まり。
天使、悪魔、精霊、妖精、吸血鬼、竜、人間などが集まり、命を育んでいるのが"COFFIN"…。
「自分達の人生は一度終わったから、ていう皮肉で付けた名前らしい。もう気が遠くなるほど昔の話だから何処まで本当かは知らないがな。…で、ここからが重要だから良く聞いておけよ。今言ったようにこの星には様々な種族の生物が生息している。その中で最も戦闘力のない種族こそ人間。つまり、リム、お前だ」
最も力がない種族。それが、人間…。
もちろん、人間の中にだって力のある者もいない訳ではない。
でも、そんな輩は必ずと言っていいほど他種との混血なのだ。
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