強く儚い者達へ…

鏡由良

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そして時は動き出す

そして時は動き出す 第13話

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「リム…じゃねーって!おーい、《ベリオーズ》!起きろよ。朝だぞ」
 ドアの向こうで自分に突っ込みを入れながらもドアを叩いてくる烈火の声が聞こえる。
 ゆっくりと瞼を開けば、窓から差し込む日差しが目に飛び込んできた。昨日の雨が嘘のように晴れ渡る空がやけに眩しく感じてしまうのは何故だろう?
「おーい!」
「…聞こえてる。起こしてくれてありがとう」
 ドアを壊しそうな勢いでノックしてくる烈火に苦笑を漏らしながら、返事を返すと身なりを整えて寝室から顔を出す。部屋にかけられた時計に目をやれば、何時もならまだ眠っている時間だった。
 烈火はそれよりも随分前に目を覚ましていたらしく、かなりすっきりした顔をしていてリムとは対照的。
 そう言えば今日の朝一でお嬢様とご対面だったと早朝から叩き起こされた原因を思い出して肩を落とすのは、今日から傷つき怯える少女を騙す事になるから。気が重いが、昨日も決意した通り、他の連中に"伝説の石"を渡すわけには行かないから仕方が無い。
「お前、本当に朝弱いんだな。シーザが言ってた通りだ」
「五月蝿い。私は悪魔だ。夜が活動時間だから仕方ないだろ」
 朝が弱いのではなく、夜に強いのだ。夜になると、闇に目が醒め、気持ちも高ぶってなかなか寝付けない為、眠るのは何時も朝方になってしまい、結果、昼過ぎまで眠る生活となってしまう。
「そーだったな。…ダンナは大丈夫かな…ダンナも闇系統の血しか引いて無いんだよな。寝坊してなけりゃ良いけど」
 心配してる口ぶりだが、ジェイクを信じているのだろう。顔を見ればそうとは言えない表情をしている烈火。
「でも、なんだってこんな朝早くにお嬢様と対面なんだよ。昼とかでも良いと思わねー?」
「まったくだ。闇系生物のことを考えてもらいたいよ」
 烈火の座るソファの前に腰掛、盛大にため息を付いてみせると、彼は悪戯好きの少年のような笑顔で笑った。 
 180に手が届く今の烈火の容姿は男そのものなのに、男臭さを感じないのは精神年齢のせいだろうか?しかし、リムにとってそれはありがたいことで、烈火と居ても息苦しさを感じない。
 まだ頭が夢から醒めてくれない彼女は軽く伸びをして体を目覚めさせる。
 と、その時、二人の部屋のドアを叩く音が耳に入った。
「迎えか?」
 カスター卿付きのボディーガードがわざわざ呼びにきたのだろうか?烈火は不思議そうにドアに歩いてゆき、「どちらさん?」と相手を確認する。その手には、愛用している槍が握られていて…。
 意識して、槍を手にしているのではなさそうだ。烈火のその無意識の警戒にリムは人知れず感心してしまう。
(これほど自然に周りを警戒出来るって事は…ただの単純バカってわけじゃないって事だよな…まぁ…当然か。Cクラスの戦闘力は伊達じゃないわけだ)
 たった1クラスしか違わないのに、動きに違いを感じてしまう。緊張がまだ周囲に伝わってしまうリムは烈火のこの滑らかな精神の動きを羨望してしまうのだった。
「帝です。朝早くすみません」
 烈火の声に帰ってきたのは、朗らかな声。その声に驚くリムと、何だと笑う烈火。
 昨日、自分の弱さを見られた相手に狼狽えてしまうリムだが、烈火は熟睡していてそんなこと全く知らないので、当然とばかりに笑顔で尋ねてきた男を迎え入れた。
「おはようございます《煉》君、《ベリオーズ》さん。…良く眠れましたか?」
 優しい笑みに、言葉が詰まる。
「ああ、さすがに疲れてたみたいでさ、寝転んだ瞬間にもう記憶ねーの。体って正直だよな」
 豪快に笑う烈火に帝は静かに頷いて。それでも、視線はリムに注がれていた…。それが、リムの心をまた乱す。
 昔を思い出したとはいえ、他人に弱さを見せるのを嫌う彼女にとって昨日の出来事は忘れて欲しい記憶以外何物でもないから。
「てか、どうしたんだよ?こんな朝早くに何か用事があるんじゃねーの?」
「いえ、そろそろお嬢様との対面の時間ですし、ご一緒させていただこうと思いましてね。ダメでしょうか?」
 そういう聞き方、卑怯だと思うぞ。と心の中でため息混じりに呟くと、「いや、行こうか」っと笑顔を作って立ち上がるリム。手には愛用している大剣を携えて、帝の横を通り部屋を出る。
 一歩廊下に出れば、長身な男の集団に出くわした。この時間に集まって移動をしているところを見ると、おそらく彼等もミルクのボディーガードとして雇われた連中だろう。昨日リムと睨み合いをした男もその中に混じっていた。
「一晩経ってもその緊張感のない面は元に戻らなかったのか?」
 見下し、バカにしたように鼻で笑うと男はリムの前で立ち止まり、「退けよ、クズ」っと吐き捨てた。その言葉にまだまどろみにいた意識が一気に覚醒する。頭に血が上り、男を睨みつけると剣の柄に手をかけて刃を晒そうと動いたが…。
「忠告を忘れたか?」
 何時の間に自分の横に立っていたのだろう?黒の強い灰色の長い髪がリムの視界に影を落とす。鞘から抜きかけた剣は半分もその姿を晒すことなく大きな手で止められていて…。
「じぇ…!」
 なんで止めるんだよっと言いたかったが、危うく彼の本名を大声で叫びそうになって慌てて口を閉ざす。そんな彼女の様子に一瞬だけ穏やかな笑みを見せると、すぐさま真顔に戻り、リムに絡んできた男に向かい合う。
 長身で烈火よりやや高めの身長を有している男だったが、ジェイクはそれ以上の上背で上から彼を見据えていた。
「君も忘れたわけじゃないだろう?ボディーガード同士の戦闘はご法度だ。昨日の今日で首になりたいのか?」
 穏やかな声なのにも関わらず、感じる威圧感に男達は自然と後づさり、舌打ちして彼等の横を通り過ぎて行ったのだった。
 それを見ていた烈火は「さすが」と笑っていて。
(…やっぱり、ジェイクは強い…)
 自分とのレベルの差を痛感させられ、下唇をかみ締め悔しさを堪える。
「…おはよう、準備は出来てるみたいだな。…オレ達も行こうか?」
「了解!でも…やっぱり気が重いって、マジで。…『お嬢様』って響きが拒絶反応を引き起こしそーだ、俺…」
 ジェイクの言葉に意気込んで、これから対面する人物を想像して肩を落としてと忙しい烈火に、帝は笑った。
「そんなに嫌ならどうしてボディーガードになったんですか?」
 その問いに言葉を詰まらすのは『お嬢様の持つ"伝説の石"を手に入れるのが目的です』とは口が裂けても言えないから。困ったようにジェイクに視線を巡らすと、彼は苦笑していた。
「俺がカスター卿に興味があって一緒に旅してた《煉》に黙ってボディーガードになろうとここにやってきたんだ。こいつにはとばっちりだったけどね」
 笑って烈火の頭を叩くジェイクと、彼のフォローに安心したように息を吐く烈火。リムは相変わらずだんまりで。
「あれ?昨日出会ったばかりじゃないんですか?」
「《ベリオーズ》とは、ね」
 口から自然に出てくる言葉に閉口してしまうのは烈火とリム。自分達が同じように帝に話をつくろうと思っても、何処かに矛盾が出てくると分かっているから、こんなに自然に話を作ってしまうジェイクを凄いと思ってしまう。そして、同時に場慣れしている彼に疑問も浮かんでくる。
 ジェイクは一体何者なのだろうか?と。
 烈火は長年旅をしてるみたいだから知っているのだろうが、リムは彼のことをまったく知らないでいた。
「ほら、いくぞ」
 黙ってただ自分を見つめるリムの髪をぐしゃぐしゃと撫でて歩くことを促す。彼女はそれに素直に従って足を動かし、長い廊下を歩き出した。烈火と帝もそれに続いて指定された部屋まで向かうのだった。



*



「失礼します」
 カスター卿の御付ボディーガード、オプトが緻密な模様が彫られた豪華なドアをゆっくりと開くと、そこに広がるのは少女趣味な部屋。末の娘であり、たった一人の娘であるミルクを溺愛するカスター卿が彼女の為に揃えたものらしい。
 椅子に座り、返事を返すことなく外を見たままこちらをちらりとも見ようとしない少女にオプトが小さくため息をついたのが肩の動きで分かった。
「ミルク様、本日からミルク様の護衛を担当いたします10名をご紹介いたします。左から、ロエイ、キア、ティリエ、ウィル、クィーツ、朱雀、《ディック》、《ベリオーズ》、《煉》、帝です。この者達には二人一組となり、ミルク様の護衛を昼夜通して担当してもらうつもりですので、よろしくお願いします」
 極力静かな声でリム達を紹介するが、彼女は沈黙を護ったまま。男達の間で小さなどよめきが走る。その顔には、こんな可愛げなのない少女を自分達は護らなければならないのか?と言う感じの表情が隠されることなく浮かんでいた。
 オプトも肩を竦ませてしまう。彼の様子から、主人の愛娘様には相当手を焼いていることが伺えて、少し同情してしまう。
「…それでは、…本日はロエイとキアに護衛を任せるよ」
 ミルクに一礼した後自分達に向き直る男は、二人に視線を向けてそう言った。彼はさっさとこの場を去りたいと思っているに違いない。
「後の者は…」
「《ベリオーズ》以外は部屋に入らない。私の身辺護衛は彼だけでいいわ」
 オプトの言葉をさえぎる高い少女の声。ミルクが口答えは許さないと言った感じの口調で言葉を発した。それが再びどよめきを誘う。
 ようやく口を開いたと思ったら、『《ベリオーズ》以外は近寄るな』と言い放ったお嬢様に、ジェイク、烈火、帝以外の男達は顔をしかめていた。
「お父様には私からお伝えします。ですので安心してお引取り下さい」
 視線はまだ外に向いたまま。背筋をピンと伸ばし、内に怒りともいえる感情を秘めた強い口調で有無を言わさず退室を迫るミルク。
「分かりました。…部屋の前には、ロエイを付けておきますので、それはご了承願えますか?」
「好きにしてください。私の空間に近寄らないなら護衛でも何でもなさっていただいて結構ですから」
 何処までも可愛くない態度を取るお嬢様に殺してやろうかと衝動に駆られるものもいるだろう。殺気が空間を覆い隠しそうになっている。しかし、オプトがそれを許さない。おそらくAクラス級の戦闘力を持つ彼が、不穏な空気を発する連中を制圧するかのように強いプレッシャーを発する。
 もちろん、戦闘力が最下級クラスであるHクラスのミルクには男達の殺気とオプトのプレッシャーを感じることはなく、ただ、凛とした態度を崩さずに椅子に座っていた。
「それでは…。《ベリオーズ》、お嬢様の言葉だ。お前はここに残り、ミルク様を護れ」
「わかりました」
 願ってもないことだ。彼女の傍に居れば、彼女の信頼を勝ち取れば、"伝説の石"の1つである"マーメイドの涙"が手に入りやすくなる。内心、「やった」っと笑うリムは、外面にソレを出す事無くあくまでも無表情でオプトの言葉に返事を返して、両隣のジェイクと烈火にちらりと視線を向けて小さく笑って見せたのだった。
 オプトに促され、リムを残して男達は部屋を出てゆく。
 広々とした空間には短く息を吐く自分と、まだ視線を背けたままのお嬢様。
(どうしたもんかな……ん?)
 とりあえず、警戒されているが、自分だけをプライベート空間に入れるという特別待遇から、敵視されているわけではないと分かる。だが、この警戒を自分を男と思わせたままどうやって解こうかと苦笑していたリムだったが、ミルクの手が小刻みに震えていることにようやく気がついた。
 背筋を伸ばし、凛と振舞っていた少女に、思わず優しい笑みが零れてしまう。
「もう、大丈夫。俺だけだから」
「……何を…」
 震える声と、それに似合わない表情でミルクは振り向いた。ようやく視線が部屋の中へ…自分を護る男の方へと移される。
 リムは微笑み、もう一度「大丈夫」と声をかけてやる。自分の師が、怯える自分を安心させる為に見せてくれる笑顔を思い出しながら…。
「無理に強い自分を作らなくても良い。…でも、俺を残したってことは…」
「私!…私、変わりたい……昔に、戻りたいの…」
 リムの言葉に必死の形相で想いを告げるミルク。
 消え入りそうな声で彼女は語りだした。本当に男が怖くて仕方がない、と。父と兄ですら、恐ろしくて近づけないのだと…。
「お父様とお兄様達の傍に居ることが出来ない…息苦しくなって、壊れてしまいそうで…皆が私を大切にしてくれていることは知ってるの、分かってるの…だから…」
「分かってるよ…。大丈夫。昔のように笑えるようになるから」
 かつて自分もそうだった。すべてを恨み、憎み、恐怖した。それを救ってくれた人が居るから、今、自分はここに居れる…。
 この少女にも、自分が師達から受けとった優しさを、与えてやりたい。
「君に必要なものは、知ることだよ。すべての男が君を傷付ける存在じゃないと、ね」
 リムの笑顔に、ミルクは素直に頷いて見せたのだった。
 傷付けられても、堕とされても、負けたくない。…闇から這い上がりたい、と願うから…。
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