63 / 228
第63話 地轟竜
しおりを挟む
「依頼ないのかな…」
騎士団の休日が終わって三日、僕は水槽を眺めながらピザを食べ、コーラを飲んでいる。
特に呼び出しがあるわけでもなく、一人の時間を満喫していたらこんな状況。
この地下室快適すぎる…
しかしそろそろ寂しくもなってきた。
なんか映画館に行ったら客が僕だけみたいな感覚?
知らんけど。
そんな時に電話が鳴った。
「依頼ですか!?行きます!」
「トコヨでありんす、依頼では無いのでありんすが…」
トコヨ?珍しいな。
「近くから七聖竜の気配がするでありんす、ヒマだから会いに連れて行って欲しいでありんす。」
「良いけど…そんな事も分かるの?」
「感覚でありんす」
ふーん…大丈夫なのそれ…
ギルドに行くとトコヨが出迎えてくれた。ユキさんも一緒だ。
「気をつけて行ってきて下さいね、ショウさんなら大丈夫だと思うんですけど…」
「まあトコヨもいるので大丈夫だと思います。なにかお土産持ってきますね」
「嬉しいのですけどこの前みたいな高い物はやめて下さいね、申し訳ないので…」
前に送った金貨50枚のネックレスか…そういえばまた金貨すごい貯まってるなぁ…
「お土産買えるような場所じゃない場合もありますし期待しないで待ってて下さい。じゃあ行ってきます!」
「行ってくるでありんすー」
ユキさんに行ってらっしゃいと見送られ地下室に降りる。ユキさんに見送られるの良いよな…なんか元気出るよね。
「んでどこに行けばいいの?」
「わっちが運転するでありんす!」
そうか、それなら話が早いな。
トコヨは念力で器用に運転し、目的地?を目指す。
「今度の竜はどんなヤツなの?怖い人とかじゃないよね?」
「七聖竜に怖い人なんかいないでありんす。今から会いに行くのは誰か分からないでありんす」
分からないの?なんでも気配はするけど誰かまでは特定できないらしい。
「ここら辺でありんす!」
到着したのは…岩しかないぞ?竜なんてどこにいるの?
「多分ガルドーンでありんす、地轟竜の。呼んでみるでありんす!おーい!ガルドーン!わっちでありんすー!!」
トコヨが叫ぶと巨大な地響きと共に地面から巨大な岩の竜が現れた。
「おぉ、トコヨじゃないか、久しぶりじゃのお」
「ガル爺でありんす!懐かしいでありんす!」
爺さんなの?なんか格好良い竜だけど…
「紹介したい人間がいるでありんす!小さくなるでありんす!!」
「トコヨが人間の紹介じゃと?これは興味あるのう」
そう言うとガルドーンはどんどん縮んでゆき、老人の姿になった。
なんか賢者みたいな風格だな、シロのお爺ちゃんですとか言われたら信じてしまいそう。
「ショウでありんす!」
雑じゃん、もう少しちゃんと紹介してよ。
「冒険者のショウです。七聖竜にはお世話になってます。」
「地轟竜のガルドーンじゃ、ガル爺でいいわい。あとそんな硬い喋り方じゃなくて良いぞ。ルナティアとエルナディアの気配もするのう、お主」
分かるの?匂いとか付いてるのかな…。
「ガル爺は気配探知が得意でありんす!あとえげつない土魔法を使うでありんす!」
へぇ…えげつない魔法使うんだ、普通におっかねぇ爺さんじゃん。
「失礼なヤツじゃの…まあ良いわい、最近ルナティアとエルナディアが活発に動いているようじゃから様子を見に来たらどうやら原因はお主のようじゃな。転生者か、そして何か特殊なスキル持ちじゃろ」
気配探知でそんな事まで分かるんだ。すげぇな。
「地下室を出すスキルを持ってるよ、ガル爺も来る?きっと気にいるよ」
「お主距離の詰め方イカれてるとか言われん?しかし興味あるのう。それじゃあ厄介になろうかの。」
ガル爺を地下室に案内し、まずビールを出す。日本酒の方が良いか?とりあえず仲良くなるには酒と風呂!地下室界での常識だ。
「なんじゃこりゃ美味いのう!バカじゃろこの美味さ!」
バカなの?なんか急にテンションおかしくない?
「ガル爺は爺さんであり爺さんではないのでありんす。好きで爺さんの格好をしたエセ爺さんなのでありんす。」
何?もう一回言って?
そもそも七聖竜は歳を取らないので爺さんや婆さんにはならないらしい。
そんな中好きで爺さんの格好をしている変わり者、それがガルドーンなのだそうだ。
「ガル爺!ここは風呂もすごいでありんす!わっちは熱くて入れないのでショウと入るでありんす!」
風呂で親睦を深めるか、きっと長い付き合いになる。
トコヨに言われるがままガル爺と風呂に入る。
裸になったガル爺はたしかにエセ爺さんだ。ムキムキの身体、その上に爺さんの顔。
なんか下手くそなコラ画像みたいな爺さんじゃないか。
「酒も持ってきたよ、露天風呂に行ってゆっくり飲もうよ」
「おぉ、風呂で酒か!良いのう、とことん付き合うぞい!」
そして風呂に浸かりゆっくりと酒を飲む。
「ガル爺も何か守ってたりすんの?子供とか神々のなんちゃらとか」
「なーんにも無いわい、我らは特に何もしなくて良いのじゃ、ただ自分達が生きやすいようにするだけじゃよ。」
好きなように生きるか、まあみんな結局そうだよな。
たわいも無い話をして酒を飲む、なんかトコヨが爺さん爺さん言うのも分かるな、落ち着くよこのエセ爺さん。
そんな時トコヨが珍しく風呂に入ってきた。
「どうしたんだ?トコヨ風呂嫌いじゃん」
するとトコヨはとんでもない事を言い出した。
「大変でありんす!!神が来たでありんす!あのへっぽこ神が来ちまったでありんす!!」
は?サキエル?帰ってもらって
騎士団の休日が終わって三日、僕は水槽を眺めながらピザを食べ、コーラを飲んでいる。
特に呼び出しがあるわけでもなく、一人の時間を満喫していたらこんな状況。
この地下室快適すぎる…
しかしそろそろ寂しくもなってきた。
なんか映画館に行ったら客が僕だけみたいな感覚?
知らんけど。
そんな時に電話が鳴った。
「依頼ですか!?行きます!」
「トコヨでありんす、依頼では無いのでありんすが…」
トコヨ?珍しいな。
「近くから七聖竜の気配がするでありんす、ヒマだから会いに連れて行って欲しいでありんす。」
「良いけど…そんな事も分かるの?」
「感覚でありんす」
ふーん…大丈夫なのそれ…
ギルドに行くとトコヨが出迎えてくれた。ユキさんも一緒だ。
「気をつけて行ってきて下さいね、ショウさんなら大丈夫だと思うんですけど…」
「まあトコヨもいるので大丈夫だと思います。なにかお土産持ってきますね」
「嬉しいのですけどこの前みたいな高い物はやめて下さいね、申し訳ないので…」
前に送った金貨50枚のネックレスか…そういえばまた金貨すごい貯まってるなぁ…
「お土産買えるような場所じゃない場合もありますし期待しないで待ってて下さい。じゃあ行ってきます!」
「行ってくるでありんすー」
ユキさんに行ってらっしゃいと見送られ地下室に降りる。ユキさんに見送られるの良いよな…なんか元気出るよね。
「んでどこに行けばいいの?」
「わっちが運転するでありんす!」
そうか、それなら話が早いな。
トコヨは念力で器用に運転し、目的地?を目指す。
「今度の竜はどんなヤツなの?怖い人とかじゃないよね?」
「七聖竜に怖い人なんかいないでありんす。今から会いに行くのは誰か分からないでありんす」
分からないの?なんでも気配はするけど誰かまでは特定できないらしい。
「ここら辺でありんす!」
到着したのは…岩しかないぞ?竜なんてどこにいるの?
「多分ガルドーンでありんす、地轟竜の。呼んでみるでありんす!おーい!ガルドーン!わっちでありんすー!!」
トコヨが叫ぶと巨大な地響きと共に地面から巨大な岩の竜が現れた。
「おぉ、トコヨじゃないか、久しぶりじゃのお」
「ガル爺でありんす!懐かしいでありんす!」
爺さんなの?なんか格好良い竜だけど…
「紹介したい人間がいるでありんす!小さくなるでありんす!!」
「トコヨが人間の紹介じゃと?これは興味あるのう」
そう言うとガルドーンはどんどん縮んでゆき、老人の姿になった。
なんか賢者みたいな風格だな、シロのお爺ちゃんですとか言われたら信じてしまいそう。
「ショウでありんす!」
雑じゃん、もう少しちゃんと紹介してよ。
「冒険者のショウです。七聖竜にはお世話になってます。」
「地轟竜のガルドーンじゃ、ガル爺でいいわい。あとそんな硬い喋り方じゃなくて良いぞ。ルナティアとエルナディアの気配もするのう、お主」
分かるの?匂いとか付いてるのかな…。
「ガル爺は気配探知が得意でありんす!あとえげつない土魔法を使うでありんす!」
へぇ…えげつない魔法使うんだ、普通におっかねぇ爺さんじゃん。
「失礼なヤツじゃの…まあ良いわい、最近ルナティアとエルナディアが活発に動いているようじゃから様子を見に来たらどうやら原因はお主のようじゃな。転生者か、そして何か特殊なスキル持ちじゃろ」
気配探知でそんな事まで分かるんだ。すげぇな。
「地下室を出すスキルを持ってるよ、ガル爺も来る?きっと気にいるよ」
「お主距離の詰め方イカれてるとか言われん?しかし興味あるのう。それじゃあ厄介になろうかの。」
ガル爺を地下室に案内し、まずビールを出す。日本酒の方が良いか?とりあえず仲良くなるには酒と風呂!地下室界での常識だ。
「なんじゃこりゃ美味いのう!バカじゃろこの美味さ!」
バカなの?なんか急にテンションおかしくない?
「ガル爺は爺さんであり爺さんではないのでありんす。好きで爺さんの格好をしたエセ爺さんなのでありんす。」
何?もう一回言って?
そもそも七聖竜は歳を取らないので爺さんや婆さんにはならないらしい。
そんな中好きで爺さんの格好をしている変わり者、それがガルドーンなのだそうだ。
「ガル爺!ここは風呂もすごいでありんす!わっちは熱くて入れないのでショウと入るでありんす!」
風呂で親睦を深めるか、きっと長い付き合いになる。
トコヨに言われるがままガル爺と風呂に入る。
裸になったガル爺はたしかにエセ爺さんだ。ムキムキの身体、その上に爺さんの顔。
なんか下手くそなコラ画像みたいな爺さんじゃないか。
「酒も持ってきたよ、露天風呂に行ってゆっくり飲もうよ」
「おぉ、風呂で酒か!良いのう、とことん付き合うぞい!」
そして風呂に浸かりゆっくりと酒を飲む。
「ガル爺も何か守ってたりすんの?子供とか神々のなんちゃらとか」
「なーんにも無いわい、我らは特に何もしなくて良いのじゃ、ただ自分達が生きやすいようにするだけじゃよ。」
好きなように生きるか、まあみんな結局そうだよな。
たわいも無い話をして酒を飲む、なんかトコヨが爺さん爺さん言うのも分かるな、落ち着くよこのエセ爺さん。
そんな時トコヨが珍しく風呂に入ってきた。
「どうしたんだ?トコヨ風呂嫌いじゃん」
するとトコヨはとんでもない事を言い出した。
「大変でありんす!!神が来たでありんす!あのへっぽこ神が来ちまったでありんす!!」
は?サキエル?帰ってもらって
67
あなたにおすすめの小説
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
男が少ない世界に転生して
美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです!
旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします!
交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。
転生?したら男女逆転世界
美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。
※カクヨム様にも掲載しております
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる