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第83話 古城 幽霊
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「常世か?人化出来るようになったのか?一体どうやったのじゃ?」
そう言えばルナはあの場にいなかったもんな。
「そうでありんす!ショウのスキルポイントを分けてもらったのでありんす!」
混乱するルナにトコヨが人化できるようになった経緯を説明してあげた。
「あの知能が低い女もたまには役に立つんじゃな、しかしショウのスキルポイントで新スキルか…妾も欲しいのう」
大体みんなに嫌われてるんだなあの女神、何もしない方が良いよアイツ。
「そして常世はこんなところで何をしておるのじゃ?近隣住民から苦情が来ていたぞ?」
違う違う、そんな可愛いもんじゃないよ。古城に魔獣が住み着いたとか言われてただろ。
「わっちはここで愛の告白の練習をしていたでありんす!ここは誰もいないし声も反響して良い感じでありんす!」
恋は盲目って言うけど恋もしていないしもうこれ失明だろ。
その告白の練習とやらが反響して不気味な声に聞こえたんだろうな…まあトコヨも迷惑かけたくなくてこんな場所に居たんだろうけど…
「でもまぁ迷惑らしいからもうやめてあげてよ。女の子が告白の練習してたんで辞めさせましたって報告するからさ」
「そんな事になってたでありんすか…面目ないでありんす。でも結構良い感じに仕上がってきたでありんす。もういつ恋しても大丈夫でありんす!」
「ちなみにどんな言葉なんじゃ?叫ばずとも良いから聞かせて欲しいのじゃ」
確かに気になるな、トコヨの告白なんて想像できない。
良いでありんすよ!と元気に返事をしたトコヨ、しかしその口から出た言葉は…
「わっちを…愛せぇ!!愛するでありんす!!良いから!!!愛せぇえええ!!!」
いや怖い怖い怖い、え?トコヨどうしたの?魂から声出してる?
告白じゃなくて脅迫だよそれ。
どうでありんすか?と自信満々のトコヨ…
「いやヤバいじゃろ今のは…狂気じゃ…」
「でもガル爺は恋は勢いって言っていたでありんす」
ガル爺ももう少し素人にも分かりやすく説明しろよな…言霊だよあんなの…断ったら生き霊とか飛ばされそう。
「トコヨ…申し訳ないけどそれは愛の告白じゃなくて、自分はヤバいヤツですっていう告白だよ…自白だよ自白」
「そんな…ショックでありんす…」
途中おかしいって思わなかったのか?
「そう言えば気になっていたでありんすが、なんで二人は手なんて繋いでるでありんす?カップルでありんす?どこまでいったんでありんす?」
そう言えば手を繋いだままだったな…
「カップル!?カップルではないのじゃ!そしてどこまでもやっておらん!!」
「いやルナがどうしても手を繋ぎたいって言うからさ」
「おいギャース男…お主良い度胸しとるのう…」
調子乗ってすみませんでした…
急に恥ずかしくなったらしく手を離されてしまった。
まだこの暗い空間怖いんだけど…
「とりあえず表に出ない?陽の光浴びないと調子出ないんだよね僕」
「ショウは半分地底人みたいなもんじゃろ…まあ解決じゃな、常世も出るのじゃ、村人にも謝って円満解決じゃな」
「なんで愛の告白の練習していただけで謝らないといけないんでありんす…」
まぁ告白なら良かったんだけどね、あれはちょっと告白の中でもパワー系すぎたね。なんか無敵感あったし。
とりあえず地上に帰ろう。もう地下なんてこりごりだよ本当。
僕達はゾロゾロと階段を登って行く、途中手にまた生暖かい感触を覚えた。
「ルナも実は怖いの?しょうがないなぁ、欲しがりさんめ」
「何気持ちの悪い事を言っておるのじゃ?」
あれ、ルナとトコヨは前を歩いているな…ふーん。
とりあえず叫んどくか…
「ぎゃーす!!」
僕は前を歩くトコヨに抱きつく、とりあえず僕を地上に連れて行ってくれ!頼むよトコえもん!!
「お主誰でも良いのか!?抱きつくなら妾にせい!!」
「なんでありんす!!!歩きにくいでありんす!!」
「トコヨ!僕の手を誰かが握ったんだ!練習した呪言で追い払ってくれよ!」
「呪言とはひどいでありんす!あれでも結構考えたでありんす!!」
パニックに陥る僕の手を力強く握り返してくる手…恐る恐る手の方を見てみると…
女の子?なんでこんなところに?
「ん?気配を感じなかったのじゃ、何者じゃお主」
「わっちも気が付かなかったでありんす。」
二人共気が付かなかったの?なんで?怖いじゃんか。気が付かなかった理由を述べよ。
すると女の子は怯えた様子で口を開いた。
「帰らないで…また一人になっちゃう…」
帰りたいが…なんか寂しそうだな…
「ショウよ…この子はゴーストじゃ、気配を消すスキルでもあるんじゃろ。生きていたら妾達が気が付かないワケがない」
何?こんなに可愛い子がぎゃーす案件なの?僕にはオバケには見えないけど?
「ゴーストでありんす!除霊するか悩みを解決すれば良いでありんす!」
なんか僕には普通の女の子に見えるし…除霊って力技でしょ?なんか可哀想じゃない?
「どういう事?こんなところに一人でいたの?」
僕はビビりだが鬼では無い。子供には優しく、サキエルには厳しくが僕のモットーだ。
「このお城は私のお家なんだけど…私は病気でずっと寝たままだったの…
ずっとお外で遊びたいし、友達も欲しいって思ってたんだけど…」
そうか…何もできないまま死んじゃったのか…
そして未練があって成仏できないとか?
「天国にはいつでも行けるんだけど、この体思うように動くから楽しくって、でももう一人で遊ぶには限界があって…」
聞けば最初は飛び回ってるだけで楽しかったらしい、その後は近くの村を遠くから見たりしていたのだそうだ。
しかし一度冒険者に討伐されかけた事があり、しばらく引きこもっていたのだが、そんなところにトコヨが登場。
友達になれるかもと期待したが、気迫に負けて声をかけられなかったそうだ。
霊体なので物を持つ事は出来ないのだが、なぜか僕の手は握れるらしい。なんで?
丈夫な身体をアップデートしすぎてなんでも反射しちゃう感じ?
ちなみにルナとトコヨには触れられない。
何か妙な事になったが…女の子の頼みを断る訳にはいかない。しかし僕以外に触れないのは不便だな…
トコヨの念力みたいなスキルあれば良いんだけど…
あの女神にスキル付けて貰うか、ビール飲ませたらすぐだろ。
そう言えばルナはあの場にいなかったもんな。
「そうでありんす!ショウのスキルポイントを分けてもらったのでありんす!」
混乱するルナにトコヨが人化できるようになった経緯を説明してあげた。
「あの知能が低い女もたまには役に立つんじゃな、しかしショウのスキルポイントで新スキルか…妾も欲しいのう」
大体みんなに嫌われてるんだなあの女神、何もしない方が良いよアイツ。
「そして常世はこんなところで何をしておるのじゃ?近隣住民から苦情が来ていたぞ?」
違う違う、そんな可愛いもんじゃないよ。古城に魔獣が住み着いたとか言われてただろ。
「わっちはここで愛の告白の練習をしていたでありんす!ここは誰もいないし声も反響して良い感じでありんす!」
恋は盲目って言うけど恋もしていないしもうこれ失明だろ。
その告白の練習とやらが反響して不気味な声に聞こえたんだろうな…まあトコヨも迷惑かけたくなくてこんな場所に居たんだろうけど…
「でもまぁ迷惑らしいからもうやめてあげてよ。女の子が告白の練習してたんで辞めさせましたって報告するからさ」
「そんな事になってたでありんすか…面目ないでありんす。でも結構良い感じに仕上がってきたでありんす。もういつ恋しても大丈夫でありんす!」
「ちなみにどんな言葉なんじゃ?叫ばずとも良いから聞かせて欲しいのじゃ」
確かに気になるな、トコヨの告白なんて想像できない。
良いでありんすよ!と元気に返事をしたトコヨ、しかしその口から出た言葉は…
「わっちを…愛せぇ!!愛するでありんす!!良いから!!!愛せぇえええ!!!」
いや怖い怖い怖い、え?トコヨどうしたの?魂から声出してる?
告白じゃなくて脅迫だよそれ。
どうでありんすか?と自信満々のトコヨ…
「いやヤバいじゃろ今のは…狂気じゃ…」
「でもガル爺は恋は勢いって言っていたでありんす」
ガル爺ももう少し素人にも分かりやすく説明しろよな…言霊だよあんなの…断ったら生き霊とか飛ばされそう。
「トコヨ…申し訳ないけどそれは愛の告白じゃなくて、自分はヤバいヤツですっていう告白だよ…自白だよ自白」
「そんな…ショックでありんす…」
途中おかしいって思わなかったのか?
「そう言えば気になっていたでありんすが、なんで二人は手なんて繋いでるでありんす?カップルでありんす?どこまでいったんでありんす?」
そう言えば手を繋いだままだったな…
「カップル!?カップルではないのじゃ!そしてどこまでもやっておらん!!」
「いやルナがどうしても手を繋ぎたいって言うからさ」
「おいギャース男…お主良い度胸しとるのう…」
調子乗ってすみませんでした…
急に恥ずかしくなったらしく手を離されてしまった。
まだこの暗い空間怖いんだけど…
「とりあえず表に出ない?陽の光浴びないと調子出ないんだよね僕」
「ショウは半分地底人みたいなもんじゃろ…まあ解決じゃな、常世も出るのじゃ、村人にも謝って円満解決じゃな」
「なんで愛の告白の練習していただけで謝らないといけないんでありんす…」
まぁ告白なら良かったんだけどね、あれはちょっと告白の中でもパワー系すぎたね。なんか無敵感あったし。
とりあえず地上に帰ろう。もう地下なんてこりごりだよ本当。
僕達はゾロゾロと階段を登って行く、途中手にまた生暖かい感触を覚えた。
「ルナも実は怖いの?しょうがないなぁ、欲しがりさんめ」
「何気持ちの悪い事を言っておるのじゃ?」
あれ、ルナとトコヨは前を歩いているな…ふーん。
とりあえず叫んどくか…
「ぎゃーす!!」
僕は前を歩くトコヨに抱きつく、とりあえず僕を地上に連れて行ってくれ!頼むよトコえもん!!
「お主誰でも良いのか!?抱きつくなら妾にせい!!」
「なんでありんす!!!歩きにくいでありんす!!」
「トコヨ!僕の手を誰かが握ったんだ!練習した呪言で追い払ってくれよ!」
「呪言とはひどいでありんす!あれでも結構考えたでありんす!!」
パニックに陥る僕の手を力強く握り返してくる手…恐る恐る手の方を見てみると…
女の子?なんでこんなところに?
「ん?気配を感じなかったのじゃ、何者じゃお主」
「わっちも気が付かなかったでありんす。」
二人共気が付かなかったの?なんで?怖いじゃんか。気が付かなかった理由を述べよ。
すると女の子は怯えた様子で口を開いた。
「帰らないで…また一人になっちゃう…」
帰りたいが…なんか寂しそうだな…
「ショウよ…この子はゴーストじゃ、気配を消すスキルでもあるんじゃろ。生きていたら妾達が気が付かないワケがない」
何?こんなに可愛い子がぎゃーす案件なの?僕にはオバケには見えないけど?
「ゴーストでありんす!除霊するか悩みを解決すれば良いでありんす!」
なんか僕には普通の女の子に見えるし…除霊って力技でしょ?なんか可哀想じゃない?
「どういう事?こんなところに一人でいたの?」
僕はビビりだが鬼では無い。子供には優しく、サキエルには厳しくが僕のモットーだ。
「このお城は私のお家なんだけど…私は病気でずっと寝たままだったの…
ずっとお外で遊びたいし、友達も欲しいって思ってたんだけど…」
そうか…何もできないまま死んじゃったのか…
そして未練があって成仏できないとか?
「天国にはいつでも行けるんだけど、この体思うように動くから楽しくって、でももう一人で遊ぶには限界があって…」
聞けば最初は飛び回ってるだけで楽しかったらしい、その後は近くの村を遠くから見たりしていたのだそうだ。
しかし一度冒険者に討伐されかけた事があり、しばらく引きこもっていたのだが、そんなところにトコヨが登場。
友達になれるかもと期待したが、気迫に負けて声をかけられなかったそうだ。
霊体なので物を持つ事は出来ないのだが、なぜか僕の手は握れるらしい。なんで?
丈夫な身体をアップデートしすぎてなんでも反射しちゃう感じ?
ちなみにルナとトコヨには触れられない。
何か妙な事になったが…女の子の頼みを断る訳にはいかない。しかし僕以外に触れないのは不便だな…
トコヨの念力みたいなスキルあれば良いんだけど…
あの女神にスキル付けて貰うか、ビール飲ませたらすぐだろ。
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