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第191話 シロエンド
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「いよいよ明日か…」
「うん…楽しみだけど…すごく緊張する」
結婚式、僕がドワーフの夫婦に提案した異世界の文化。
カメラの中にドワーフの結婚式での写真があったのでシロに見せたところ目を輝かせていた。
ちなみにカメラの内容については普通に怒られた。可哀想な僕。ナンカイツカッタノとか聞かれたが何かの呪文だろうか。
とりあえずツカウワケナイゼと答えておいた。きっと正解だろう。
そして明日が本番なのである。知り合いにはみんな声をかけたし、ドレスの準備は出来たし…宴会の準備も完璧。
しかし心の準備が…緊張するなぁ。
「なんか眠れないね」
「うん…今日はゆっくり休むって約束したけど…どうしようか」
シロはそう言いながら僕に抱きついてくる、考える事は一緒か…。
「一回だけにする。良い?」
「うん、一回だけにしよう」
結局一回で終わるわけがない、シロは魔法を最大限駆使したシロスペシャルを編み出している。風魔法やら水魔法をふんだんに使った正にフルコース。
ヒールも織り交ぜるのですごくてすごい。やばくてやばい。
たまにサキュバスのような目になっているが気のせいだろう。
そして僕は気絶するように眠りにつき、気がついたら朝。時間とかまで操ってないよね?
「よし!いこう!」
「う、うん…ちょっとお風呂入ってから行こうか…」
「私はもう入った、準備してるから入ってきて」
僕は風呂に入り体力を回復、風呂を上がるとシロは緊張の面持ちでソファに座っていた。
「おはようございます!」
「おはようございます」
そこに元気な挨拶をしながらキキちゃんとレイさんがやってきた、ウエディングドレスを一人で着るのは難しいので二人に手伝いを頼んだのだ。
「おはよう…あの、宜しくお願いします」
「緊張してますね!大丈夫ですよ!お祝いなんだから笑顔でいきましょう!」
「微力ながらお手伝いさせて頂きます。きっと良い式になりますよ」
「じゃあ僕は一人で着替えられるからさ、二人共宜しくね、後でお礼はするからさ」
「お礼ですか…期待しております」
いよいよだなぁ…。髪も綺麗にセットしてタキシードに袖を通す。
毎度思うけどなんだこの格好いい生き物。
この世界に来て調子に乗っていた生き物。
結婚の報告をして回った時はみんな祝福してくれたけど…一瞬笑顔が曇った人もいた。
きっと僕が…。
しかし笑顔で祝福の言葉をくれて結婚式にまで来てくれる。色んな人に頭が上がらないな。
そんな事を考えながら着替えが完了し、一足先に教会へ足を運ぶ。
正式なやり方は知らないが僕が父親と一緒に歩いてくるシロを待つ、そのくらいの知識だがきっとそれで良い。
教会へ行くとギルドから移動したみんながガヤガヤと騒いでいた。僕が扉を開くと全員の視線が僕に集まる。
「お!?主役の登場やで!」
「なんじゃお主その顔、ガチガチではないか、珍しい事もあるもんじゃのう」
「そりゃ緊張するだろ…初めてなんだから」
「なんかショウが緊張とかしてるのマジウケるね、らしくないっしょ」
「ショウ君…格好良い。今からでも私と子作りしない?シロが来るまで少し時間ある」
「リディは自重されたし!今日はシロの日だから我も我慢する!」
リディとエリザ仲良くなったなぁ…。
「めでたいのう、次の作品の参考になるやもしれんし楽しみじゃわい」
最近人気すごいらしいじゃんガル爺、なんかファンクラブが設立されたとか。
「ショウ!格好いいかも!」
「似合ってるにゃん!」
君達最近一緒に依頼受けるんだって?何?幸せなやつ?
「しかしすごいメンツだなぁ…」
「ショウさん、おめでとうございます」
「何回見てもすごいよね!この教会!」
「今日も女神様は来るのかのう…」
ブレイズのメンバーも久しぶりだね、確かに七聖竜揃い踏み…そういやエルが来てないな…。
「お呼びでしょうか?」
「うわっ!急に来るじゃん!いつからいたの!?」
「ずっとおりました、私は気配が強すぎるので迷惑かと思い消していたでございます。本日はお招き頂きありがとうございます」
「う、うん。楽しんでいってよ」
何でも出来ちゃうエルえもん、気遣いまで出来ちゃうのか、流石絶天竜。
「ショウさん…物凄い戦士の気配だらけだ…是非後で手合わせを願いたい」
「ダメですよアナタ、お祝いの席です」
「あとでパンチングマシーンで遊ばせて貰おうよ!前より私も強くなったし!」
オーガの親子は通常運転だな。別に終わったらシミュレーションルームで戦ってもいいよ、異次元の強さの人いっぱいいるから。
「ショウ!すごいね!僕もホノカとやろうかな!結婚式」
「きっとゼル似合うわよ!私もドレス着てみたいし!」
「そうだね!きっとホノカも綺麗だよ!」
魔王夫婦!天真爛漫な夫婦!多分一生幸せだよこっちも!
「ショウさん、おめでとう御座います。その…似合ってますね」
「ユキさん…ありがとうございます!」
「しかしシロさんっすかぁ!まあそうっすよねぇ」
「おめでとう御座います、こんなに豪華なメンバーだと萎縮してしまいますわ」
あぁ…ローガンさんは居残りか…。
「あ、あの…今日はその…お日柄も良く…その…」
シロをそのままお母さんにしたようなシロのお母さん。
両親に挨拶に行った時からA級冒険者の肩書きに恐縮しまくりのお母さん。
お父さんも同じで会うたびに恐縮されてしまう。
少しずつ仲良くなれば良いよね!
「おめでとうでありんす!」
「おめでとう!」
お、トコヨとアリアちゃんじゃん、恋見つかった?
「なんか久しぶりだね、最近何してるの?」
「王都でパン屋さんをするでありんす!」
「は?なんでパン屋?」
「歩き回るの疲れたので…」
よく分からないけど色々あったんだろうな…。
「花嫁の準備ができました、皆様、席にお座りになってお待ち下さい」
急にパン屋とかいう単語が出てわちゃわちゃした所にレイさんの鶴の一声、ありがとうみんな。緊張もほぐれたよ。
僕は祭壇前に進みシロを待つ、そろそろ呼んどくか…。
「サキエル、宜しく頼むよ」
「はいはーい!ギリギリに呼びますね!もう始まるところじゃないですか」
「僕なりの配慮だよ、ボロが出る可能性を極限まで削ってるの」
「ぐっ…まあ今日はお祝いの席なのでこれ以上は言及しません。花嫁が来ますよ!ビシっとして下さいビシっと!」
「わ、分かってるよ!」
どこからか音楽が鳴り響き扉が自動で開く、きっとエルだな。なんでも完璧にこなすしきっと失敗したら時間とか戻すんだろうな。
そして現れるシロとお父さん。
一瞬時が止まったような…そんな感覚。全員が言葉を失う、それほどにシロのウエディングドレスは魅力的だった。
いつもローブを着ているシロのイメージしかない人から見たら別人だろう、それほど大人びた、神秘的な魅力がある女性。
僕が生涯愛すると誓った女性。
ハッと我に帰るとシロが僕の目の前に立っていた、もうお父さんから僕の元に歩いてきたのか…僕は気絶でもしてたのか?
「ショウ…その服似合ってるね…」
「う、うん…。シロ…綺麗すぎてその…また緊張してきたんだけどどうする?一回仕切り直す?」
「何言ってるの、ほら!始めるよ!」
あれ…誓いの言葉考えてたんだけどな、一瞬で頭が真っ白だ…。
型にはまらないでそれぞれ誓いの言葉を考えようと言ったのは僕なのに…。
「ショウさん!しっかりして下さい!ほら!指輪の交換するんでしょ!」
そうだった!サキエルにしっかりして下さいとか言われるとは思わなかったがナイスだサキエル!逆に冷静になった!
本当は確か子供が指輪を持ってくるとかあるけど丁度良い子供がいないので僕はポケットから指輪を取り出した。
シン君に作って貰った新発見した鉱石の指輪、光の加減によって色を変える宝石がはめ込んである。
僕はシロの手を取り指輪をはめた、今日のシロは破壊力あるな…。初めて手を繋いだ時のような…ドキドキする。
「綺麗…ショウ、ありがとう」
「う、うん。似合ってるよ」
「じゃあ次は私」
今度はシロから指輪をはめられる僕、やばい…今すぐにでも抱きしめてそのまま…。
「ショウさん、今何考えてます?ほら!誓いの言葉ですよ!」
良し!頭が真っ白だ!頑張れ僕!
「僕はシロを妻として一生愛し、その…」
「ショウ…落ち着いて、私はショウの言葉が聞きたい」
小声で心配してくれた僕の妻、そうだよな。こんな肩っ苦しい言葉じゃ僕が伝わらないよな。
「シロ、僕に出会ってくれてありがとう、僕を選んでくれてありがとう、僕は君を一生愛するし、一生幸せにする事を誓うよ。そして僕も一生幸せになる。一緒に歩もう、死が二人を分つまで」
これが僕の気持ち、僕はこの幸せが一生続けば良いと思っている。
しかし死からは逃れられない、それは仕方がない事だから。
でもきっと…シロが言った通り、常に輝く太陽と雨上がりに顔を出す虹、どちらが綺麗なんて誰にも決められないんだよね。
そして次はシロの口から誓いの言葉を聞く番だ。
僕はシロを見つめて言葉を待った。
「ショウ、私は貴方に選ばれるか不安だった。でも選んでくれた。ありがとう。今までもこれからも、ずっと貴方を愛します。死が二人を分とうとも…」
シロの言葉は僕の耳に心地よく流れ込み、サキエルが次に進もうと口を開きかけた瞬間、シロはまだ言葉を紡いだ。
「ショウ、ジグソーパズル、楽しかった。パズルも面白かったし私の好みをショウが考えて、選んでくれたのが何よりも嬉しかったんだよ。
ホノカと喧嘩した時もオセロを出してくれた、ずっと優しかったよね。私は本当に嬉しかったんだよ?
サキュバス達と遊んだ時もずっと気にかけてくれていたね、私はショウの隣にいる事が幸せで…ずっと暖かくて好きだった。
水族館でイルカショー見て、一緒に泳いで、あの時はショウを独り占めしてるみたいで…みんなには悪いけど楽しくて…このまま時間が止まっちゃえば良いと思ってたよ。
楽しかった、色々私に幸せをくれた。
ショウ、ショウ…好きだよ。ずっと愛してた。
好き、ずっと好きだった。
誓う、私はショウをずっと愛す。ありがとう、ショウ」
いつも無口なシロの言葉、僕は色んな思い出が脳内を駆け巡り心が暖かい、僕は幸せ者だ。
「良い誓いの言葉です!それでは近いのキスを…」
「ショウ!好き!大好き!!」
サキエルが言い終える前にシロは僕に飛びつき、唇を重ねる…けどシロ?なんか本気のキスじゃない!?
僕は突然の事に驚きそのまま押し倒されてしまった。
「ショウ!ショウ!好き!愛してるよ!!」
やばい、シロが変なスイッチ入ってる!完全に自分の世界だ!きっと緊張と誓いの言葉で周りが見えなくなったんだ!いや、知らんけど!
「ちょ、ちょっとシロさん!ダメですよここで!後でにして下さい!今はチューだけです!それ以上はダメです!過去に前例が無いです!!」
「え?」
サキエルの静止で我に帰ったシロ、周りを見渡し色々と状況を把握したようだ。
「……~~~っ!!」
シロのこれ多いな…でも可愛いから好き。
でもお父さん固まってるよ、後で見なかった事にするようにお願いしておくね。
「わ、私とした事が取り乱した…サキエルさん…進めて、あと忘れて」
ふぅ…僕も危なかった…。あれ?エル?君そんな近くにいたっけ?
「はい!今、この両名は天の父なる神の前に夫婦たる誓いをたてました。何人もこれを引き離す事はできません。誓約書のサインを持って正式な夫婦として神の加護を与えましょう。はいサインして下さい!色々ありましたがこれが最後ですよ!」
シロの暴走もあったが二人でサインをし、なんとか結婚式は終わった。
全員から暖かい拍手と歓声をもらい、その後は大宴会となったのだ。
どのくらい飲んで食べたのか…七聖竜全員の食欲は凄まじい…。
オーガの親子もいるし肉が出た瞬間に消えるマジックだったね。
シロは女性陣に囲まれて何か楽しそうに喋っている。何の話だろ、ショウとか早いとかいう単語が聞こえるけど…。
そしてゴウケツさんが七聖竜と是非戦ってみたいと言い出し、酒も入っているのでみんなノリノリ。
「なんでワイだけ負けんねん…」
「仕方ないよ、男ならステゴロや!とか言ったのゼフじゃん…」
結果はゼフのみ敗北、まあ魔法使ったらどうなってたのかは不明だけど。
「美味しゅうございます、いくらでも食べられるでございます」
エルは本当に無限に食べそうだなぁ…。
「そういえばエルって途中移動した?なんかシロがアレな時に急に近くにいた気がするんだけど」
「え?ああ、そうでございますね。とてもとても刺激的で御座いました」
「ん?近くまで見に来たって事?エルってそんなキャラだっけ?」
「いえそんな事は…。ショウ様が時間を戻せと仰ったのでございます。かれこれ149回ほど」
「は?何?どう言う事?僕そんな事言ってないよ」
「いえ、確かに仰いました。シロ様が脱いでしまったパターン、ショウ様が脱いでしまったパターン、興奮したリディベルトが乱入したパターン、お母様が止めなかったパターンなど色々御座いました。いつも同じ結果にならないところが面白いで御座いますね。私のお気に入りのパターンはやはり…」
「いやいや良いよ、もう大丈夫」
なんだその急なとんでも設定、未来って若干違ってくる事にびっくりだし100回以上もエルに色々見られてるって結構恥ずかしいんだが。
シロには内緒にしておこう…。今回が一番被害が少なかったって事か…。
うん、飲も。
「ショウ!みんながショウとも喋りたいって!」
初めに会った時とは見違えて笑うようになったね。
笑顔で僕を呼ぶシロの笑顔は眩しくて、とても暖かい。
「今行くよ!」
明日からも楽しみだなぁ。
シロと一緒に成長しながら生きていく未来か…。
うん。決めた。
僕はステータスを開き丈夫な身体スキルをダウングレードした。前々から考えていた事だ。相談した時にもシロはそれはショウが決める事と言った。
僕はシロと同じ時間を生きよう。
自然で良いんだ。僕は自然を尊ぶ大魔道の夫なんだから。
「ショウー!何してるのー?」
「ごめんごめん、今行くよ!」
家の完成間近に死んで、異世界に転生して、地下室で色々な人と出会って…家族が出来た。
これは複雑で簡単な…ジグソーパズルのような物語だ。
シロルート fin
「うん…楽しみだけど…すごく緊張する」
結婚式、僕がドワーフの夫婦に提案した異世界の文化。
カメラの中にドワーフの結婚式での写真があったのでシロに見せたところ目を輝かせていた。
ちなみにカメラの内容については普通に怒られた。可哀想な僕。ナンカイツカッタノとか聞かれたが何かの呪文だろうか。
とりあえずツカウワケナイゼと答えておいた。きっと正解だろう。
そして明日が本番なのである。知り合いにはみんな声をかけたし、ドレスの準備は出来たし…宴会の準備も完璧。
しかし心の準備が…緊張するなぁ。
「なんか眠れないね」
「うん…今日はゆっくり休むって約束したけど…どうしようか」
シロはそう言いながら僕に抱きついてくる、考える事は一緒か…。
「一回だけにする。良い?」
「うん、一回だけにしよう」
結局一回で終わるわけがない、シロは魔法を最大限駆使したシロスペシャルを編み出している。風魔法やら水魔法をふんだんに使った正にフルコース。
ヒールも織り交ぜるのですごくてすごい。やばくてやばい。
たまにサキュバスのような目になっているが気のせいだろう。
そして僕は気絶するように眠りにつき、気がついたら朝。時間とかまで操ってないよね?
「よし!いこう!」
「う、うん…ちょっとお風呂入ってから行こうか…」
「私はもう入った、準備してるから入ってきて」
僕は風呂に入り体力を回復、風呂を上がるとシロは緊張の面持ちでソファに座っていた。
「おはようございます!」
「おはようございます」
そこに元気な挨拶をしながらキキちゃんとレイさんがやってきた、ウエディングドレスを一人で着るのは難しいので二人に手伝いを頼んだのだ。
「おはよう…あの、宜しくお願いします」
「緊張してますね!大丈夫ですよ!お祝いなんだから笑顔でいきましょう!」
「微力ながらお手伝いさせて頂きます。きっと良い式になりますよ」
「じゃあ僕は一人で着替えられるからさ、二人共宜しくね、後でお礼はするからさ」
「お礼ですか…期待しております」
いよいよだなぁ…。髪も綺麗にセットしてタキシードに袖を通す。
毎度思うけどなんだこの格好いい生き物。
この世界に来て調子に乗っていた生き物。
結婚の報告をして回った時はみんな祝福してくれたけど…一瞬笑顔が曇った人もいた。
きっと僕が…。
しかし笑顔で祝福の言葉をくれて結婚式にまで来てくれる。色んな人に頭が上がらないな。
そんな事を考えながら着替えが完了し、一足先に教会へ足を運ぶ。
正式なやり方は知らないが僕が父親と一緒に歩いてくるシロを待つ、そのくらいの知識だがきっとそれで良い。
教会へ行くとギルドから移動したみんながガヤガヤと騒いでいた。僕が扉を開くと全員の視線が僕に集まる。
「お!?主役の登場やで!」
「なんじゃお主その顔、ガチガチではないか、珍しい事もあるもんじゃのう」
「そりゃ緊張するだろ…初めてなんだから」
「なんかショウが緊張とかしてるのマジウケるね、らしくないっしょ」
「ショウ君…格好良い。今からでも私と子作りしない?シロが来るまで少し時間ある」
「リディは自重されたし!今日はシロの日だから我も我慢する!」
リディとエリザ仲良くなったなぁ…。
「めでたいのう、次の作品の参考になるやもしれんし楽しみじゃわい」
最近人気すごいらしいじゃんガル爺、なんかファンクラブが設立されたとか。
「ショウ!格好いいかも!」
「似合ってるにゃん!」
君達最近一緒に依頼受けるんだって?何?幸せなやつ?
「しかしすごいメンツだなぁ…」
「ショウさん、おめでとうございます」
「何回見てもすごいよね!この教会!」
「今日も女神様は来るのかのう…」
ブレイズのメンバーも久しぶりだね、確かに七聖竜揃い踏み…そういやエルが来てないな…。
「お呼びでしょうか?」
「うわっ!急に来るじゃん!いつからいたの!?」
「ずっとおりました、私は気配が強すぎるので迷惑かと思い消していたでございます。本日はお招き頂きありがとうございます」
「う、うん。楽しんでいってよ」
何でも出来ちゃうエルえもん、気遣いまで出来ちゃうのか、流石絶天竜。
「ショウさん…物凄い戦士の気配だらけだ…是非後で手合わせを願いたい」
「ダメですよアナタ、お祝いの席です」
「あとでパンチングマシーンで遊ばせて貰おうよ!前より私も強くなったし!」
オーガの親子は通常運転だな。別に終わったらシミュレーションルームで戦ってもいいよ、異次元の強さの人いっぱいいるから。
「ショウ!すごいね!僕もホノカとやろうかな!結婚式」
「きっとゼル似合うわよ!私もドレス着てみたいし!」
「そうだね!きっとホノカも綺麗だよ!」
魔王夫婦!天真爛漫な夫婦!多分一生幸せだよこっちも!
「ショウさん、おめでとう御座います。その…似合ってますね」
「ユキさん…ありがとうございます!」
「しかしシロさんっすかぁ!まあそうっすよねぇ」
「おめでとう御座います、こんなに豪華なメンバーだと萎縮してしまいますわ」
あぁ…ローガンさんは居残りか…。
「あ、あの…今日はその…お日柄も良く…その…」
シロをそのままお母さんにしたようなシロのお母さん。
両親に挨拶に行った時からA級冒険者の肩書きに恐縮しまくりのお母さん。
お父さんも同じで会うたびに恐縮されてしまう。
少しずつ仲良くなれば良いよね!
「おめでとうでありんす!」
「おめでとう!」
お、トコヨとアリアちゃんじゃん、恋見つかった?
「なんか久しぶりだね、最近何してるの?」
「王都でパン屋さんをするでありんす!」
「は?なんでパン屋?」
「歩き回るの疲れたので…」
よく分からないけど色々あったんだろうな…。
「花嫁の準備ができました、皆様、席にお座りになってお待ち下さい」
急にパン屋とかいう単語が出てわちゃわちゃした所にレイさんの鶴の一声、ありがとうみんな。緊張もほぐれたよ。
僕は祭壇前に進みシロを待つ、そろそろ呼んどくか…。
「サキエル、宜しく頼むよ」
「はいはーい!ギリギリに呼びますね!もう始まるところじゃないですか」
「僕なりの配慮だよ、ボロが出る可能性を極限まで削ってるの」
「ぐっ…まあ今日はお祝いの席なのでこれ以上は言及しません。花嫁が来ますよ!ビシっとして下さいビシっと!」
「わ、分かってるよ!」
どこからか音楽が鳴り響き扉が自動で開く、きっとエルだな。なんでも完璧にこなすしきっと失敗したら時間とか戻すんだろうな。
そして現れるシロとお父さん。
一瞬時が止まったような…そんな感覚。全員が言葉を失う、それほどにシロのウエディングドレスは魅力的だった。
いつもローブを着ているシロのイメージしかない人から見たら別人だろう、それほど大人びた、神秘的な魅力がある女性。
僕が生涯愛すると誓った女性。
ハッと我に帰るとシロが僕の目の前に立っていた、もうお父さんから僕の元に歩いてきたのか…僕は気絶でもしてたのか?
「ショウ…その服似合ってるね…」
「う、うん…。シロ…綺麗すぎてその…また緊張してきたんだけどどうする?一回仕切り直す?」
「何言ってるの、ほら!始めるよ!」
あれ…誓いの言葉考えてたんだけどな、一瞬で頭が真っ白だ…。
型にはまらないでそれぞれ誓いの言葉を考えようと言ったのは僕なのに…。
「ショウさん!しっかりして下さい!ほら!指輪の交換するんでしょ!」
そうだった!サキエルにしっかりして下さいとか言われるとは思わなかったがナイスだサキエル!逆に冷静になった!
本当は確か子供が指輪を持ってくるとかあるけど丁度良い子供がいないので僕はポケットから指輪を取り出した。
シン君に作って貰った新発見した鉱石の指輪、光の加減によって色を変える宝石がはめ込んである。
僕はシロの手を取り指輪をはめた、今日のシロは破壊力あるな…。初めて手を繋いだ時のような…ドキドキする。
「綺麗…ショウ、ありがとう」
「う、うん。似合ってるよ」
「じゃあ次は私」
今度はシロから指輪をはめられる僕、やばい…今すぐにでも抱きしめてそのまま…。
「ショウさん、今何考えてます?ほら!誓いの言葉ですよ!」
良し!頭が真っ白だ!頑張れ僕!
「僕はシロを妻として一生愛し、その…」
「ショウ…落ち着いて、私はショウの言葉が聞きたい」
小声で心配してくれた僕の妻、そうだよな。こんな肩っ苦しい言葉じゃ僕が伝わらないよな。
「シロ、僕に出会ってくれてありがとう、僕を選んでくれてありがとう、僕は君を一生愛するし、一生幸せにする事を誓うよ。そして僕も一生幸せになる。一緒に歩もう、死が二人を分つまで」
これが僕の気持ち、僕はこの幸せが一生続けば良いと思っている。
しかし死からは逃れられない、それは仕方がない事だから。
でもきっと…シロが言った通り、常に輝く太陽と雨上がりに顔を出す虹、どちらが綺麗なんて誰にも決められないんだよね。
そして次はシロの口から誓いの言葉を聞く番だ。
僕はシロを見つめて言葉を待った。
「ショウ、私は貴方に選ばれるか不安だった。でも選んでくれた。ありがとう。今までもこれからも、ずっと貴方を愛します。死が二人を分とうとも…」
シロの言葉は僕の耳に心地よく流れ込み、サキエルが次に進もうと口を開きかけた瞬間、シロはまだ言葉を紡いだ。
「ショウ、ジグソーパズル、楽しかった。パズルも面白かったし私の好みをショウが考えて、選んでくれたのが何よりも嬉しかったんだよ。
ホノカと喧嘩した時もオセロを出してくれた、ずっと優しかったよね。私は本当に嬉しかったんだよ?
サキュバス達と遊んだ時もずっと気にかけてくれていたね、私はショウの隣にいる事が幸せで…ずっと暖かくて好きだった。
水族館でイルカショー見て、一緒に泳いで、あの時はショウを独り占めしてるみたいで…みんなには悪いけど楽しくて…このまま時間が止まっちゃえば良いと思ってたよ。
楽しかった、色々私に幸せをくれた。
ショウ、ショウ…好きだよ。ずっと愛してた。
好き、ずっと好きだった。
誓う、私はショウをずっと愛す。ありがとう、ショウ」
いつも無口なシロの言葉、僕は色んな思い出が脳内を駆け巡り心が暖かい、僕は幸せ者だ。
「良い誓いの言葉です!それでは近いのキスを…」
「ショウ!好き!大好き!!」
サキエルが言い終える前にシロは僕に飛びつき、唇を重ねる…けどシロ?なんか本気のキスじゃない!?
僕は突然の事に驚きそのまま押し倒されてしまった。
「ショウ!ショウ!好き!愛してるよ!!」
やばい、シロが変なスイッチ入ってる!完全に自分の世界だ!きっと緊張と誓いの言葉で周りが見えなくなったんだ!いや、知らんけど!
「ちょ、ちょっとシロさん!ダメですよここで!後でにして下さい!今はチューだけです!それ以上はダメです!過去に前例が無いです!!」
「え?」
サキエルの静止で我に帰ったシロ、周りを見渡し色々と状況を把握したようだ。
「……~~~っ!!」
シロのこれ多いな…でも可愛いから好き。
でもお父さん固まってるよ、後で見なかった事にするようにお願いしておくね。
「わ、私とした事が取り乱した…サキエルさん…進めて、あと忘れて」
ふぅ…僕も危なかった…。あれ?エル?君そんな近くにいたっけ?
「はい!今、この両名は天の父なる神の前に夫婦たる誓いをたてました。何人もこれを引き離す事はできません。誓約書のサインを持って正式な夫婦として神の加護を与えましょう。はいサインして下さい!色々ありましたがこれが最後ですよ!」
シロの暴走もあったが二人でサインをし、なんとか結婚式は終わった。
全員から暖かい拍手と歓声をもらい、その後は大宴会となったのだ。
どのくらい飲んで食べたのか…七聖竜全員の食欲は凄まじい…。
オーガの親子もいるし肉が出た瞬間に消えるマジックだったね。
シロは女性陣に囲まれて何か楽しそうに喋っている。何の話だろ、ショウとか早いとかいう単語が聞こえるけど…。
そしてゴウケツさんが七聖竜と是非戦ってみたいと言い出し、酒も入っているのでみんなノリノリ。
「なんでワイだけ負けんねん…」
「仕方ないよ、男ならステゴロや!とか言ったのゼフじゃん…」
結果はゼフのみ敗北、まあ魔法使ったらどうなってたのかは不明だけど。
「美味しゅうございます、いくらでも食べられるでございます」
エルは本当に無限に食べそうだなぁ…。
「そういえばエルって途中移動した?なんかシロがアレな時に急に近くにいた気がするんだけど」
「え?ああ、そうでございますね。とてもとても刺激的で御座いました」
「ん?近くまで見に来たって事?エルってそんなキャラだっけ?」
「いえそんな事は…。ショウ様が時間を戻せと仰ったのでございます。かれこれ149回ほど」
「は?何?どう言う事?僕そんな事言ってないよ」
「いえ、確かに仰いました。シロ様が脱いでしまったパターン、ショウ様が脱いでしまったパターン、興奮したリディベルトが乱入したパターン、お母様が止めなかったパターンなど色々御座いました。いつも同じ結果にならないところが面白いで御座いますね。私のお気に入りのパターンはやはり…」
「いやいや良いよ、もう大丈夫」
なんだその急なとんでも設定、未来って若干違ってくる事にびっくりだし100回以上もエルに色々見られてるって結構恥ずかしいんだが。
シロには内緒にしておこう…。今回が一番被害が少なかったって事か…。
うん、飲も。
「ショウ!みんながショウとも喋りたいって!」
初めに会った時とは見違えて笑うようになったね。
笑顔で僕を呼ぶシロの笑顔は眩しくて、とても暖かい。
「今行くよ!」
明日からも楽しみだなぁ。
シロと一緒に成長しながら生きていく未来か…。
うん。決めた。
僕はステータスを開き丈夫な身体スキルをダウングレードした。前々から考えていた事だ。相談した時にもシロはそれはショウが決める事と言った。
僕はシロと同じ時間を生きよう。
自然で良いんだ。僕は自然を尊ぶ大魔道の夫なんだから。
「ショウー!何してるのー?」
「ごめんごめん、今行くよ!」
家の完成間近に死んで、異世界に転生して、地下室で色々な人と出会って…家族が出来た。
これは複雑で簡単な…ジグソーパズルのような物語だ。
シロルート fin
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俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
転生?したら男女逆転世界
美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。
※カクヨム様にも掲載しております
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