日刊幼女みさきちゃん!

下城米雪

文字の大きさ
16 / 221
最初の一歩

SS

しおりを挟む
『みさきとトイレ』

 ある日の深夜、何者かが俺の身体を揺らしていた。
 何者って、みさき以外に居ない。
 重たい目を開いて、みさきを見る。

 布団の上にちょこんと座るみさきは、それが何かの合図であるかのように、両手を太腿で挟んでそわそわした。

「分かった、行こう」
「……ん」

 こくり。
 俺は軽く背伸びをしてから、部屋を出た。

 街灯がぽつりぽつりと示す道を俺達は並んで歩いた。
 焦っているからか、みさきは少し駆け足気味だ。
 年齢の割に表情の乏しいみさきだが、この時ばかりは必死な顔を見せる。
 
 ……がんばれ、みさき。

 果たして今日も夜の公園に辿り着いた。
 何をしにって、目的は公衆トイレだ。

 俺はみさきを追いかけて迷わず女子トイレに入り、みさきと一緒に個室に入った。

 個室。
 みさきから目を逸らすようにして天井を見上げ、ふと初めてトイレに付き添った時を思い出す。

 あの時、俺はトイレの前で待とうとしていた。
 そんな俺を引っ張るみさき。

「どうした、一人で出来ないのか?」

 首を振るみさき。

「なら、早く行ってこい」

 また首を振って、俺のズボンを引っ張るみさき。

「なんだ、何が言いたい?」

 んーと言って、口を一の字にするみさき。
 そっと俯いて、もじもじと恥ずかしそうな表情をするみさき。

「……こわい」

 今だから言えるが、強烈なストレートだったぜ。
 以後トイレに行く時は、必ず個室までついていくようにしている。

 まぁ深夜だし。
 人なんて来ないし。
 みさきはまだ5歳だし。
 問題は無いだろう。

 さておき、何歳くらいから一人で出来るようになるのだろうか。
 無いとは思うが、中学生になっても一人じゃ無理だったら少し困ってしまう。

 ……まぁ、まだ先の話か。

 と、その時、一際大きな水の音が聞こえた。

「よし、終わったか」
「……ん」

 やり遂げた表情のみさき。

 俺は千切ったトイレットペーパーを持って個室を出て、みさきに手を洗わせる。
 公衆トイレに設置されたドロドロのハンドソープに殺菌効果があるのかは怪しい所だが、まぁ教育という面から見れば、トイレの後に必ず手を洗わせるのは、わりと重要なことだろう。

 ついでに俺も手を洗っておく。
 水は冷たくて妙に心地良い。
 手を洗い終わり、トイレットペーパーで水気を取った後「ふぅ」と息が出た。

 その直後、ゴト、という物音がした。

 ビクリとしたみさきが慌てて首を振り、俺の脚にくっつく。
 俺は俺とて物音の原因を探して――直ぐに見つかった。

「……あ、わわ、わわわわ、わわわわわ」

 誰かと思ったらこひ、こひ……お隣に住んでるエロ漫画家さんだ。

「こんばんは」

 とりあえず挨拶をしてみたが、聞こえていない様子。
 エロ漫画家さんは眼鏡の奥に見える目を白黒させて、忙しなく口を動かした。

「し、深夜に女性用の公衆トイレに男性が居て、何かをやり遂げたような顔で『……ふぅ』って、そんな、そこから想像できることなんてアヘっ、い、いや、ぁぁぁぁ――――」
「あ、おいっ」

 訳の分からない事を口走ったエロ漫画家さんは、急に脱力したかと思うと、ゆっくりと床に倒れた。

「おいバカ、みさきの教育に悪いだろうが。トイレで寝るな……って、なんで気絶してるんだ?」

 エロ漫画家さんを抱き起した状態で唖然とする俺。
 手を洗い終えたみさきがとことこ歩いて、エロ漫画家さんの頬をぷにっと突いた。そして、少し俯いて首を横に振った。
 
 何が表現したかったのだろう?

 疑問に思いながらも、とりあえずエロ漫画家さんを部屋まで運ぶことにした。
 お隣さんだしな。
 予想通り鍵は開いていたので、部屋の中に寝かせてから帰宅した。
 帰宅って、お隣だけどな。
 それはそうと、この人って体温が高いんだな。
 なんだか背中に伝わる感覚が妙に温かかった。

 スッキリしたみさきは、緩慢な動きで布団に入り込む。
 寝息が聞こえ始めるまでに、十秒とかからなかった。



『みさきとしりとり』

「語彙力チェックだ!」
「……ん?」

 ある休日の昼、俺は勉強中のみさきに向かって声をかけた。

 語彙力チェック。

 そう、俺は少し不安に思っていた。
 口数の少ないみさきだが、実は語彙が少ないんじゃないかと。だから口数が少ないんじゃないかと。

 漢字の勉強をしているついでにペラペラと辞書もめくっているようなので、単語に関する知識はあると思う。だが……だけどなぁ、不安なんだよなぁ。

「というわけで、しりとりするぞ! みさき!」
「……しりとり?」

 ほら見ろ! しりとり知らないよこの子!

「例えば、俺が林檎って言うだろ? そしたらみさきは、ゴから始まる言葉を言うんだ。ゴリラとか、ゴマとか。ただし、最後にンが付くか、言えなくなったら負けだ。ごはん、とかはアウト。いいか?」
「……ん」

 お、流石みさき賢い。いっぱつで理解したらしい。
 しかもちょっとワクワクしてるらしい!

「よし、なら早速……しりとり」
「りんご」

 おぉぉぉぉ理解してるぅぅぅぅ。

「ごりら」
 
 やべぇ、こんなにワクワクするしりとり初めてだ。

「らーんどせる」

 考えながら言ってるぅぅぅぅ!
 スゲェ! みさきスゲェ!

「る……ルール」
「るーるぶっく?」
「くま」
「まる」
「ルネサンス」
「すーりる」

 スリルとか知ってるのか!?
 ルールブックも知ってたし……だが、しりとりは知らなかったんだよな?
 ……みさきの語彙力が謎だ。

「る、ルビー。イだぞ、イ」
「いすとわーる?」

 ……あれ?

「る、る…………」
「…………ふふ」

 こいつ、まさか。

「ルーマニア」
「あーな」
「やめろぉぉぉ――っ!!!」
「あなうんさー、だめ?」
「……いや、ダメじゃねぇ。さ、だな。さ、さ……」

 あらためて、俺は思った。
 みさきの語彙力が謎過ぎる。



『みさきと発声練習』

「発声練習だ!」
「……はっせい?」

 少し前、みさきの語彙力が異常な事が発覚した。
 この5歳児、おそらく幼女らしからぬ語彙力を有している。
 なのに、なぜ口数が少ないのか。
 
 それはきっと、喋る事になれていないからだ!

 これは問題だ。
 こいつは重大な問題だ。

 コミュ力が重視される世の中を生き残っていくためには、

 ……私、シャイなんです。

 とか!

 ……人と話すのは、苦手で。

 とか!
 こんなの通用しねぇ!

 それに世の中は言ったもん勝ち!
 声を出したもん勝ちなんだ!

「というわけで、やるぞみさき! さぁ、立ち上がるんだ!」
「……ん」

 俺の熱意が伝わったのか、みさきはキリっと表情を引き締めて立ち上がった。

「よし、外に出よう!」
「……ん」

 ピシっと頷いたみさきと一緒に外へ出て、気持ちの良い空気を吸い込む。

「今から俺が言うことに続いて声を出すんだ。いいな?」
「……ん」

 ……よし、行くぞ。

「あめんぼ赤いなあいうえお!」
「あめんぼ、あかい? あいうえお」

 ……やはり、思った通りだ。

「……みさき、おまえの弱点は助詞だ」
「おんなのこ?」
「女子じゃねぇ、助詞だ。に、とか、と、とか……今でいうと、な、が言えてなかった」

 因みに赤いなの「な」は終助詞に当たるはずだ。

「……んん?」
「ゆっくり言おうか。あーめーんーぼ」
「あーめーんーぼ?」
「そうそう。次、あーかーいーな」
「あーかーいーな」
「あいうえお」
「あいうえお?」
「そーそー、よくできた。偉いぞみさき」
「……ん」

 よしよし、嬉しそうだ。
 やっぱり出来なかったことが出来るようになるのは嬉しいよな!

「じゃあ続き行くぞ!」
「……ん」

 やる気も十分!
 
「……」

 あれ、次なんだっけ?
 確か、う、なんちゃらだったよな?
 ……やべぇ、思い出せねぇ。
 くそっ! 急げ俺! みさきがキラキラした目で待ってるだろうが!
 思い出せ! 思い出すんだ!

「う……」
「う?」

 こうなったら……作るしかない!

「麗らかな声で、そいつは言ったよあいうえお!」
「うらぁか、こえ、いったよ?」
「もう一回! 麗らかな、はい!」
「うらぁかなっ」

 く、まだラ行が難しいようだな。
 まぁいい、次だ。

「声で、はい!」
「こえで」
「そいつは言ったよ、はい!」
「そいつは、いったよ?」
「あいうえお!」
「あいうえおっ」
「よーしよし、偉いぞみさき」
「……ん」
「返して! かきくけこ」
「かえして、かきくけこ?」
「きつつき、こつこつ、枯れケヤキ、はい!」
「きつつき、こつこつ、かれけやき?」
「些細な、ことだけれど、さしすせそ!」
「ささいな、ことだけぇど、さしすせそ?」
「やるなみさき! ちゃんと言えたじゃねぇか!」

 またラ行がダメだったが、とりあえず褒めとく。褒めて伸ばす!

「……ん」

 なんたって、褒めると嬉しそうな顔するからな。よし、続きだ。

「それは、とても大事な、物なの!」
「それは、とてもだいじな、ものなの?」
「よーしよし、どんどん行くぞ!」
「……んっ」
「確かに、彼女はそう言った」
「たしかに、かのじょは、そーいった?」
「とてとて、たったと、飛び立った!」
「とてとて、たったた、とびたった?」

 タ行も難しかったか。
 やっぱり、発声練習は正解みたいだな。
 よし、これから毎日続けよう!
 そしたら、みさきは喋るのが得意になって、どんどん声をかけてくれるようになるかもしれない。いやいや! 俺の為じゃなくて、みさきの為だ!

「しゃあ、気合い入れて続けるぞ!」
「ん!」
「なんで、どうして!? なにぬねの!」
「なんで、どうして、なにぬねの」
「なんとか言ってよ!」
「なんとかいってよ?」
「鳩ぽっぽほろほろはひふへほ!」
「はとぽっぽ、ほろほろ、はひふへほ?」
「ひなたはお部屋に火を放つ!」
「ひなたは、おへやに、ひをはなつ?」

 こうして、俺とみさきの日課がひとつ増えたのだった。



『まゆみと隣人』

 どうも、小日向《こひなた》檀《まゆみ》、22歳です。

 専門学校を卒業した後、ニートしながら同人誌を書いてます。

 早速ですけど、死にたい。

 今朝起きたら、私の楽園というか、大事なところがとても湿り気を帯びていて……。

 つまり、その……この歳で、やってしまいました。

 何か怖い夢を見ていたような気がするのですが、思い出せません。

 とにかく、死にたい。

「ふ、ふひひ、ふへ……こんな、こんな売れ残りの喪女が、おもらし属性まで手に入れてしまったら、もう、もう……ふ、ふふひひ、せめて、せめて殿方に綺麗と言っていただけた今の若さを保ったまま、一生を終えたい所存でございまする」

\あめんぼ赤いなあいうえお!/

 う、噂をすれば、例の殿方のお声が。
 あめんぼ……発声練習?

 あ、例の殿方というのは、お隣に住んでいる男性で……ええと、女装をしたら似合いそうな顔をした……じゃなくて、少し近寄り難い雰囲気のあった方です。
 最近、娘さんと一緒に暮らすようになって、なんだか柔らかくなりました。

 何やら私の評価が高いようで、何かと相談されます。
 ふへへ、もしかして私のこと好きなんじゃ……なんて、ありえないですけどね。

 それはそうと、懐かしい。
 あめんぼ……高校時代は隣の演劇部から毎日聞こえて来たなぁ……ふひひ、あの頃はまだ私も……あ、もっと死にたくなった。

\麗らかな声で、そいつは言ったよあいうえお!/

 ……あれ? 浮藻に子蝦(こえび)が泳ぐんじゃないの?

\もう一回! 麗らかな、はい!/
\うらぁかなっ/

 ふへへ、なにこれ微笑ましい。
 そういえば、あの人って寡男(やもお)なんだっけ……?
 お母さんのいないみさきちゃんを悲しませないように頑張ってるのかなって思うと……。

\返して!/

 アヘっ!? お母さんを!?

\かきくけこ!/

 なにそれ!?
 オリジナル!? オリジナル発声練習!?

\きつつき、こつこつ、枯れケヤキ!/

 じゃない!?

\些細な、ことだけれど、さしすせそ!/
 
 どういうこと!?

\やるなみさき! ちゃんと言えたじゃねぇか!/
  
 あの人なにを教えてるの!?

\それは、とても大事な、物なの!/
\それは、とてもだいじな、ものなの?/
 
 みさきちゃんノリノリ!?

\確かに、彼女はそう言った/

 ええと、ストレスが溜まってるのでせう?
 それとも実体験なのでせう?
 
\とてとて、たったと、飛び立った!/
\とてとて、たったた、とびたった!/

 たったたwww
 みさきちゃんwww
 たったたwww

 ふひひ、分かりましたよ。
 あのひと、多分うろ覚えでやっているのですな。

\なんで、どうして!? なにぬねの!/

 こっちの台詞だよ、もう。
 なんか死にたいとか思ってた自分が馬鹿みたいに思えてきた……。

\なんとか言ってよ!/

 何を言えと申すか……はぁ、漫画かこ。

\鳩ぽっぽほろほろはひふへほ!/

 あ、そこは覚えてるんですね。

\――日向――お部屋に――火を放つ/

 ふぇ? 

 ……小日向の、お部屋に、火を放つ?

 あへっ!? わた、わたくし何か怒らせるような事をしましたっけ!?
 どどど、どうしよどうしよ!?
 こ、こういう時は……土下座!

 私はダッシュで部屋を飛び出しました。
 そして、全力で地面を蹴ります。

 これが奥義――フライング土下座です!

「あぶぇぇぁっ――」

 見事に失敗。
 地面に激突。
 ふっ、どうやら己の力量を見誤ってしまったようだぜ。

「……何やってるんだ?」

 拙者が聞きたいでござるよ。

「……だいじょうぶ?」

 おお、みさきちゃん、ちょっと発声練習の効果出てる。
 すごい、こんな直ぐに効果が出るなら私もやってみようかな。

 それはそうと。

「……あのぉ、つかぬことをお伺い致しますが、わたくし、どんな状況でせう?」
「血まみれだな」
「……いたそう」

 ああ、お父様、お母様。
 わたし、恋人すら出来ないまま、傷物になってしまいました……ガク。


 このあと滅茶苦茶治療された。

 ※幸運にも傷は残りませんでした。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

そのご寵愛、理由が分かりません

秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。 幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに—— 「君との婚約はなかったことに」 卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り! え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー! 領地に帰ってスローライフしよう! そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて—— 「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」 ……は??? お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!? 刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり—— 気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。 でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……? 夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー! 理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。 ※毎朝6時、夕方18時更新! ※他のサイトにも掲載しています。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

婚約破棄された悪役令嬢の心の声が面白かったので求婚してみた

夕景あき
恋愛
人の心の声が聞こえるカイルは、孤独の闇に閉じこもっていた。唯一の救いは、心の声まで真摯で温かい異母兄、第一王子の存在だけだった。 そんなカイルが、外交(婚約者探し)という名目で三国交流会へ向かうと、目の前で隣国の第二王子による公開婚約破棄が発生する。 婚約破棄された令嬢グレースは、表情一つ変えない高潔な令嬢。しかし、カイルがその心の声を聞き取ると、思いも寄らない内容が聞こえてきたのだった。

冷徹宰相様の嫁探し

菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。 その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。 マレーヌは思う。 いやいやいやっ。 私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!? 実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。 (「小説家になろう」でも公開しています)

処理中です...