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第二章 仕事と子育て
SS:結衣と月曜日
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「では、例の案件について報告します」
午後一時。
社員用の食堂で上司と同じ席に座った結衣は、任されていた仕事について報告していた。彼女が任されていた仕事というのは、とある製薬会社との契約である。二十日ほど前、この製薬会社は新薬の研究、開発をするにあたって支援を求めた。支援という言葉を砕けた表現で説明するならば「人と金を貸して」ということである。これについて声を上げた会社の数が両手の指では足りないといえば、この新薬がどれほどのものであるか想像するのは難く無いであろう。
「――当社を含めた三社の案を検討し、一週間以内に返事をするとのことです」
詳細な報告をした後、結衣は手元にある水の入ったコップを持ち上げた。その姿を見て、結衣と一年以上仕事を共にした上司は静かに口角を上げ、口を開く。
「検討中という話については、私のところにも連絡があった」
彼は皺の入った手でコーヒーカップを持ち上げて、いかにも重々しい動きで口に含んだ。
「だが……君が水を飲んだということは、違う話を聞かせてくれるのだろう?」
「はい、率直に申し上げます」
契約は締結されました。その言葉を、結衣はさも当然の結果であるかのような態度で言った。
「書類はこのファイルにまとめてありますので、ご確認ください。それから副産物といっては何ですが、交渉の、いえ食事の席で別の案件を入手しましたので、合わせてご確認ください」
淡々とした言葉を聞きながら、結衣と仕事を続けるうちに驚き疲れてしまった上司は、もはや呆れたような声を出す。
「私は常々優秀な部下が欲しいと思っていたが、いざ優秀な部下を持ってしまうと退屈で仕方ない」
その笑い混じりの言葉に、結衣は微笑むことで返事をする。すると機嫌を良くした上司は、急に饒舌になって話を続けた。
「昨今の求人は売り手市場なんて言われ、人材不足が嘆かれているようだが……きっと君に言わせれば、能力不足なのだろうね。単純作業はロボットが行うし、一流大学を卒業したエリートを百人を集めるよりも、君一人に仕事をさせた方が多くの利益が得られる」
「……私には、人一人が出来ることしか出来ませんよ」
その挑戦的な発言に、上司は目を丸くした。もしも同じことを違う人間が言ったなら、彼はきっと別のことを考えたであろう。これが結衣の発言であったからこそ、彼は肩を揺らして心から笑った。
「ところで、私には君と同じくらいの息子がいるのだが」
「その話なら前にもお断りしましたよ」
「おっと、これは手厳しい。たしか、娘がいるのだったかな」
「ええ、とても可愛いくて、立派な子です」
「そうか。そういえば君が有休を取ったのは娘の誕生日を祝う為だったと記憶しているが、いくつになったのかな?」
「六歳になりました」
「まったく、その若さで六歳の子供が居るとは……」
「女性に年齢の話をするのは失礼ですよ」
「おっと、これは失礼した」
上司は結衣の年齢を知っている。だが結衣の事情は知らないし、結衣も話すつもりは無い。
「君の心を掴んだ男性には興味がある。きっと君以上に優秀な人物なのだろう」
「……ええ、とても、とても素敵な男性です」
「是非とも我が社に迎え入れたいものだが、そういうわけにはいかないのかい?」
冗談とも本気とも取れる言葉に結衣は一瞬だけ何かを押し殺したような反応を見せ、静かな笑みを浮かべて言った。
「はい、とても残念です」
「そうか。では例の新しい案件についてだが、君に一任しよう。責任は私が取る」
この時点で結衣の目的は果たされた。このあと彼女は彼の話に相槌を打ち続け、適当な所で席を立った。そのまま次の仕事を始めようとする結衣の前に、複数の女性社員が現れる。
「今回は何人の男と寝たのかしら?」
その悪意に満ちた発言を受けて、しかし結衣の頭の中には次の仕事と、ゆいは今頃お昼ご飯かな、くらいのことしか無い。
「いいよね、ちょっと顔が良いだけで仕事が上手くいって」
まるで彼女達の存在が見えていないかのように、結衣は横を通り抜けた。結衣にとって他人からの悪意を受けるのは風を受けるようなもので、実害さえなければ何も気にならない。これが子供のやり取りであったなら、世間一般では「いじめ」と表現する犯罪行為の数々が繰り広げられただろうが、少なくとも大人であった女性達に出来るのは嫌味を言うことくらいだった。
「あんた、そんなだから孤立するんだよ」
刺さる程の視線を背に受けながら、結衣は歩調を乱さずに歩いた。
彼女達の言う通り、社内において結衣は孤立している。彼女が日常的に言葉を交わすのは先程の上司と、入社したばかりの後輩くらいのものだ。
「戸崎さん!」
廊下の角を曲がった所で現れた女性が、その後輩である。彼女は大学を卒業したばかりの新人で、結衣は彼女の教育係を任されている。
「ちょうど呼びに行こうと思っていました。ついて来てください」
「はい! ……ではなくっ、いいんですか!?」
「というと?」
「あんな好き勝手なこと言われて、何か言い返さなくていいんですか!?」
何について話しているのだろう。結衣は本気でそう思った。
きょとんとした表情をされて、後輩は少し焦る。
「……ですから、その、何か、言い返さなくても、いいんですか?」
「言い返す?」
その顔を見て、後輩は結衣が先程の言葉を気にも留めていないと悟った。
「ええと、どこへ行くんですか?」
諦めて話題を変える。
「ちょっとした案件をひとつ任されましたので、同行してください」
「……い、いいんですか!?」
結衣の下に就いてから二週間、彼女は何の仕事も与えられていなかった。だから初めて与えられた仕事に、彼女は目を輝かせた。
「貴女に期待することは二つです。ひとつは、邪魔をしないこと。もうひとつは、私の仕事を見て少しでも多くのことを吸収すること。いいですか?」
「はい!」
元気な返事を確認すると、結衣は歩き始めた。
後輩はその半歩後ろを歩きながら、声をかける。
「あの、どんな仕事なんですか?」
「値段交渉です」
「売る方ですか、買う方ですか?」
「買う方です」
「何を買うとか聞いてもいいですか?」
「パソコンです」
「パソコン……?」
「はい。社内で広がっているパソコンを新調したいという声に応えます」
「なるほど……」
歩きながら、後輩は取り出したメモ張にせっせとペンを走らせる。
「一応、向こうではメモ帳をしまってくださいね」
「あっ、はい!」
「今はいいです」
「わっ、すみません!」
慌てたせいで手から転がり落ちたペンを追いかける後輩を見て、結衣は溜息を吐く。
「落ち着いて、深呼吸してください」
すー、はー、と後輩は素直に従う。
「落ち着きましたか?」
「……はい、すみません」
申し訳なさそうな表情で苦笑いする後輩の目を、結衣はゾッとするほど冷たい目で見た。しかしそれは一瞬のことで、後輩が視線に気が付くよりも早く、結衣はふっと表情を緩めて笑う。
「貴女の仕事は見ることです。難しいことは考えず、ただ見ていてください。いいですか?」
「……はい、分かりました」
返事をした後輩の心は、本人も驚くくらい落ち着いていた。
「戸崎さんって、なんだかお母さんみたいです」
「はい、お母さんですから」
ただし、
「貴女とはそう年が離れていないので、せめてお姉さんでお願いします」
「……はい、すみません」
返事を確認すると、結衣はもう一度微笑んでから歩き始めた。
後輩は子犬のような足取りで結衣の後に続く。
「私、戸崎さんってもっと怖い人だと思っていました」
「なぜ?」
「雰囲気というか、なんというか……私なんて、二週間も放置されていましたし」
「それについては謝罪します。申し訳ありません、私の能力不足で、貴女に手が回りませんでした」
「そんな、とんでもないです」
後輩は慌てて結衣の背に頭を下げる。しかし前を見たまま歩いていた結衣は気付かず、置いて行かれそうになった後輩は駆け足で結衣に追いついた。
「えっと、話をして安心しました。あらためて、これからよろしくお願いします!」
「はい、此方こそ」
ちょっとした会話の間に、後輩の頭の中ではクルクルと様々な考えが生まれては消えた。
それをある程度コントロールした結衣の頭の中には、やはり仕事と、ゆいは今頃お昼ご飯を食べ終えたかな、ということしかなかった。
午後一時。
社員用の食堂で上司と同じ席に座った結衣は、任されていた仕事について報告していた。彼女が任されていた仕事というのは、とある製薬会社との契約である。二十日ほど前、この製薬会社は新薬の研究、開発をするにあたって支援を求めた。支援という言葉を砕けた表現で説明するならば「人と金を貸して」ということである。これについて声を上げた会社の数が両手の指では足りないといえば、この新薬がどれほどのものであるか想像するのは難く無いであろう。
「――当社を含めた三社の案を検討し、一週間以内に返事をするとのことです」
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彼は皺の入った手でコーヒーカップを持ち上げて、いかにも重々しい動きで口に含んだ。
「だが……君が水を飲んだということは、違う話を聞かせてくれるのだろう?」
「はい、率直に申し上げます」
契約は締結されました。その言葉を、結衣はさも当然の結果であるかのような態度で言った。
「書類はこのファイルにまとめてありますので、ご確認ください。それから副産物といっては何ですが、交渉の、いえ食事の席で別の案件を入手しましたので、合わせてご確認ください」
淡々とした言葉を聞きながら、結衣と仕事を続けるうちに驚き疲れてしまった上司は、もはや呆れたような声を出す。
「私は常々優秀な部下が欲しいと思っていたが、いざ優秀な部下を持ってしまうと退屈で仕方ない」
その笑い混じりの言葉に、結衣は微笑むことで返事をする。すると機嫌を良くした上司は、急に饒舌になって話を続けた。
「昨今の求人は売り手市場なんて言われ、人材不足が嘆かれているようだが……きっと君に言わせれば、能力不足なのだろうね。単純作業はロボットが行うし、一流大学を卒業したエリートを百人を集めるよりも、君一人に仕事をさせた方が多くの利益が得られる」
「……私には、人一人が出来ることしか出来ませんよ」
その挑戦的な発言に、上司は目を丸くした。もしも同じことを違う人間が言ったなら、彼はきっと別のことを考えたであろう。これが結衣の発言であったからこそ、彼は肩を揺らして心から笑った。
「ところで、私には君と同じくらいの息子がいるのだが」
「その話なら前にもお断りしましたよ」
「おっと、これは手厳しい。たしか、娘がいるのだったかな」
「ええ、とても可愛いくて、立派な子です」
「そうか。そういえば君が有休を取ったのは娘の誕生日を祝う為だったと記憶しているが、いくつになったのかな?」
「六歳になりました」
「まったく、その若さで六歳の子供が居るとは……」
「女性に年齢の話をするのは失礼ですよ」
「おっと、これは失礼した」
上司は結衣の年齢を知っている。だが結衣の事情は知らないし、結衣も話すつもりは無い。
「君の心を掴んだ男性には興味がある。きっと君以上に優秀な人物なのだろう」
「……ええ、とても、とても素敵な男性です」
「是非とも我が社に迎え入れたいものだが、そういうわけにはいかないのかい?」
冗談とも本気とも取れる言葉に結衣は一瞬だけ何かを押し殺したような反応を見せ、静かな笑みを浮かべて言った。
「はい、とても残念です」
「そうか。では例の新しい案件についてだが、君に一任しよう。責任は私が取る」
この時点で結衣の目的は果たされた。このあと彼女は彼の話に相槌を打ち続け、適当な所で席を立った。そのまま次の仕事を始めようとする結衣の前に、複数の女性社員が現れる。
「今回は何人の男と寝たのかしら?」
その悪意に満ちた発言を受けて、しかし結衣の頭の中には次の仕事と、ゆいは今頃お昼ご飯かな、くらいのことしか無い。
「いいよね、ちょっと顔が良いだけで仕事が上手くいって」
まるで彼女達の存在が見えていないかのように、結衣は横を通り抜けた。結衣にとって他人からの悪意を受けるのは風を受けるようなもので、実害さえなければ何も気にならない。これが子供のやり取りであったなら、世間一般では「いじめ」と表現する犯罪行為の数々が繰り広げられただろうが、少なくとも大人であった女性達に出来るのは嫌味を言うことくらいだった。
「あんた、そんなだから孤立するんだよ」
刺さる程の視線を背に受けながら、結衣は歩調を乱さずに歩いた。
彼女達の言う通り、社内において結衣は孤立している。彼女が日常的に言葉を交わすのは先程の上司と、入社したばかりの後輩くらいのものだ。
「戸崎さん!」
廊下の角を曲がった所で現れた女性が、その後輩である。彼女は大学を卒業したばかりの新人で、結衣は彼女の教育係を任されている。
「ちょうど呼びに行こうと思っていました。ついて来てください」
「はい! ……ではなくっ、いいんですか!?」
「というと?」
「あんな好き勝手なこと言われて、何か言い返さなくていいんですか!?」
何について話しているのだろう。結衣は本気でそう思った。
きょとんとした表情をされて、後輩は少し焦る。
「……ですから、その、何か、言い返さなくても、いいんですか?」
「言い返す?」
その顔を見て、後輩は結衣が先程の言葉を気にも留めていないと悟った。
「ええと、どこへ行くんですか?」
諦めて話題を変える。
「ちょっとした案件をひとつ任されましたので、同行してください」
「……い、いいんですか!?」
結衣の下に就いてから二週間、彼女は何の仕事も与えられていなかった。だから初めて与えられた仕事に、彼女は目を輝かせた。
「貴女に期待することは二つです。ひとつは、邪魔をしないこと。もうひとつは、私の仕事を見て少しでも多くのことを吸収すること。いいですか?」
「はい!」
元気な返事を確認すると、結衣は歩き始めた。
後輩はその半歩後ろを歩きながら、声をかける。
「あの、どんな仕事なんですか?」
「値段交渉です」
「売る方ですか、買う方ですか?」
「買う方です」
「何を買うとか聞いてもいいですか?」
「パソコンです」
「パソコン……?」
「はい。社内で広がっているパソコンを新調したいという声に応えます」
「なるほど……」
歩きながら、後輩は取り出したメモ張にせっせとペンを走らせる。
「一応、向こうではメモ帳をしまってくださいね」
「あっ、はい!」
「今はいいです」
「わっ、すみません!」
慌てたせいで手から転がり落ちたペンを追いかける後輩を見て、結衣は溜息を吐く。
「落ち着いて、深呼吸してください」
すー、はー、と後輩は素直に従う。
「落ち着きましたか?」
「……はい、すみません」
申し訳なさそうな表情で苦笑いする後輩の目を、結衣はゾッとするほど冷たい目で見た。しかしそれは一瞬のことで、後輩が視線に気が付くよりも早く、結衣はふっと表情を緩めて笑う。
「貴女の仕事は見ることです。難しいことは考えず、ただ見ていてください。いいですか?」
「……はい、分かりました」
返事をした後輩の心は、本人も驚くくらい落ち着いていた。
「戸崎さんって、なんだかお母さんみたいです」
「はい、お母さんですから」
ただし、
「貴女とはそう年が離れていないので、せめてお姉さんでお願いします」
「……はい、すみません」
返事を確認すると、結衣はもう一度微笑んでから歩き始めた。
後輩は子犬のような足取りで結衣の後に続く。
「私、戸崎さんってもっと怖い人だと思っていました」
「なぜ?」
「雰囲気というか、なんというか……私なんて、二週間も放置されていましたし」
「それについては謝罪します。申し訳ありません、私の能力不足で、貴女に手が回りませんでした」
「そんな、とんでもないです」
後輩は慌てて結衣の背に頭を下げる。しかし前を見たまま歩いていた結衣は気付かず、置いて行かれそうになった後輩は駆け足で結衣に追いついた。
「えっと、話をして安心しました。あらためて、これからよろしくお願いします!」
「はい、此方こそ」
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