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気配なく、それは突然現れた。
湯から上がり、天使が持って来たタオルで体を拭っていたところだったため、完全に油断していた。
「おッ、けっこう胸でかいじゃん」
という下品極まりない言葉で、背後から胸を鷲掴みにされて、むにむにと揉まれた。
「いやぁああああああ!?」
小百合は悲鳴を上げた。そしてすぐに平手打ちをしようとしたが、腕を掴まれた。
「俺だよ俺、神様」
「嘘でしょ!?」
うさん臭さ満点だったが、天使が「残念ながら本当です」とうなずいたので本物なのだろう。何より、手を振りほどこうにもピクリともしなかった。
神様は、じろじろと小百合の体を上から下まで舐め回すように見ると、笑顔になった。
「うんうん。あいつらにしては頑張ったほうだよな」
「――ひゃッ!?」
ぺろり、と頬を舐められて、小百合は悲鳴を上げた。
「や、やめてください!」
「何を嫌がってんだ? お前が勇者なら、避けては通れないぞ。俺の力は性行為をしないと授けられないんだから。……あー、もしかして処女か?」
あっけらかんと言う神様に、小百合は茫然とした。
「本当にあなた……神様ですか?」
天使の言葉を信じたくとも、信じられない。小百合の目から見ると、目の前に居るのは自称神様であり、ちゃらい男でしかなかった。
「これでもな、えらい神様だったんだぜ」
過去形で言う神様に、小百合は白い目を向けた。言動からして神様ではなく、邪神か何かの類いかもしれない。
「あッ、信じてないな!? ――ただ、ちょっとね、可愛い女神を食いまくってたら太陽神の怒りを買ってね。懲罰的な意味合いでこんな僻地に」
(なるほど。見た目通りのエロ神様なわけだ)
小百合は神様の説明に、納得するしかなかった。
「女神って容姿端麗なんだよね。女神像見たろ? あんな女ばっかりなんだよ。何で人間って、ブスばっかりなんだろう。やりたくても勃たないなって思ってたんだけど………君は文句なしの合格!」
「不合格のほうが良かったです」
持って生まれた容姿には辟易としていた。走って揺れるぐらいには巨乳なので、同性にまで「胸揉ませて!」とセクハラされる。
まさか神様にまでセクハラされるなんて、思いもしなかった。
「俺なら浮気しないよ? 君がおばあちゃんになって腰曲がっても死ぬまで愛してあげる」
(むしろ腰が曲がったおばあちゃんに何する気だ、この神様は)
小百合の神様に対する評価は地の底に落ちた。
「貴方を好きになる要素がないんですけど」
率直に言うと、神様はこの世の終わりのような表情をした。
「そんな事言わないでよ! 君って俺の好みドストライクなんだから! 胸だって大きいし、肌も白いし触り心地良いし……女神と同じぐらい、いや君のほうが素敵だよ!」
「あの。胸をチラ見しながら告白するのやめてもらえますかね?」
セクハラすぎる発言のオンパレードに、小百合はドン引きした。神様は露骨なほど小百合の胸の谷間に釘付けだった。
小百合の冷たい態度に口を尖らせた神様は、不機嫌な顔つきで小百合に言った。
「まさか……異世界召喚で来たとは聞いているけど、元の世界に彼氏でもいたの?」
神様の言葉に、ふ、と翔の顔が浮かんだ。
湯から上がり、天使が持って来たタオルで体を拭っていたところだったため、完全に油断していた。
「おッ、けっこう胸でかいじゃん」
という下品極まりない言葉で、背後から胸を鷲掴みにされて、むにむにと揉まれた。
「いやぁああああああ!?」
小百合は悲鳴を上げた。そしてすぐに平手打ちをしようとしたが、腕を掴まれた。
「俺だよ俺、神様」
「嘘でしょ!?」
うさん臭さ満点だったが、天使が「残念ながら本当です」とうなずいたので本物なのだろう。何より、手を振りほどこうにもピクリともしなかった。
神様は、じろじろと小百合の体を上から下まで舐め回すように見ると、笑顔になった。
「うんうん。あいつらにしては頑張ったほうだよな」
「――ひゃッ!?」
ぺろり、と頬を舐められて、小百合は悲鳴を上げた。
「や、やめてください!」
「何を嫌がってんだ? お前が勇者なら、避けては通れないぞ。俺の力は性行為をしないと授けられないんだから。……あー、もしかして処女か?」
あっけらかんと言う神様に、小百合は茫然とした。
「本当にあなた……神様ですか?」
天使の言葉を信じたくとも、信じられない。小百合の目から見ると、目の前に居るのは自称神様であり、ちゃらい男でしかなかった。
「これでもな、えらい神様だったんだぜ」
過去形で言う神様に、小百合は白い目を向けた。言動からして神様ではなく、邪神か何かの類いかもしれない。
「あッ、信じてないな!? ――ただ、ちょっとね、可愛い女神を食いまくってたら太陽神の怒りを買ってね。懲罰的な意味合いでこんな僻地に」
(なるほど。見た目通りのエロ神様なわけだ)
小百合は神様の説明に、納得するしかなかった。
「女神って容姿端麗なんだよね。女神像見たろ? あんな女ばっかりなんだよ。何で人間って、ブスばっかりなんだろう。やりたくても勃たないなって思ってたんだけど………君は文句なしの合格!」
「不合格のほうが良かったです」
持って生まれた容姿には辟易としていた。走って揺れるぐらいには巨乳なので、同性にまで「胸揉ませて!」とセクハラされる。
まさか神様にまでセクハラされるなんて、思いもしなかった。
「俺なら浮気しないよ? 君がおばあちゃんになって腰曲がっても死ぬまで愛してあげる」
(むしろ腰が曲がったおばあちゃんに何する気だ、この神様は)
小百合の神様に対する評価は地の底に落ちた。
「貴方を好きになる要素がないんですけど」
率直に言うと、神様はこの世の終わりのような表情をした。
「そんな事言わないでよ! 君って俺の好みドストライクなんだから! 胸だって大きいし、肌も白いし触り心地良いし……女神と同じぐらい、いや君のほうが素敵だよ!」
「あの。胸をチラ見しながら告白するのやめてもらえますかね?」
セクハラすぎる発言のオンパレードに、小百合はドン引きした。神様は露骨なほど小百合の胸の谷間に釘付けだった。
小百合の冷たい態度に口を尖らせた神様は、不機嫌な顔つきで小百合に言った。
「まさか……異世界召喚で来たとは聞いているけど、元の世界に彼氏でもいたの?」
神様の言葉に、ふ、と翔の顔が浮かんだ。
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