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偵察
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制圧してから知った事なのだが、王都ラストヘルムは伝統的に勇者召喚を行っている国らしい。世界と世界を結ぶ特異点にある事から、この場所が王都として選ばれ、発展してきた経緯があるようだ。
関係者を尋問した時に得た情報で、わりとすぐに魔王の居場所は特定する事が出来た。それは俺のクラスメイトが本来倒すべき相手だが、未だ倒せていないらしい。場所は分かっていても、実力差があったため、攻めあぐねていたようで、結果的には野放しとなっていたようだ。
獣人の国ラジャスとの国境沿いにある小さい村々は既に掌握されつつあるようだ。いたるところに人間の遺体が転がっており、老若男女、折り重なるように捨ててあったと聞き、俺は「勿体ないことを」と唸った。人間は余すところなく使えるのに、捨てるとは何事だ。野ざらしにしたら、腐って骨になってしまうではないか。
田畑は魔物に踏み荒らされ、家は焼かれて、人間の住むべき場所ではなくなっているらしい。その報告から、無意味な虐殺が行われていることは明白だった。
ラストヘルムがゴブリンに陥落した事が隣国へ伝わっていないためか、行き場がなくなった難民が押し寄せてきている。詳細な報告は逐次上がってきているが、これを放置するとか、あの首刎ねた王は職務怠慢なのではないだろうか? そこまで被害が出ているのなら、国境を封じる以外にも出来る事はあったはずだ。
ここまで生々しい被害を訴える陳情を無視しているのなら、やはりあの男は人間ではなく、畜生にも劣る存在であったらしい。
俺が王になったからには、むざむざ民を見捨てるようなことはしない。近場なので主力の息子たちと共に偵察に行ってみることにした。
「嫌だギャー、俺は行きたくないギャ。ここに居たいギャア。外は暑いギャ、歩きたくないギャア」
「B、それ以上太ったら、部屋から出れなくなるぞ」
ラストヘルムの留守番は引きこもりのBに任せた。本当はレベル上げ兼ダイエットのために連れて行きたかったのだが、反抗期なのか部屋から動こうとしないのだ。
「行かないなら、代わりにラストヘルムの留守番をしろ。しないのなら、無理やり連れて行くからな」
「分かったギャア。外に行かなくていいなら、手抜きしながら、ほどほどに頑張るギャー。……獣人の国の近くに行くなら、可愛い獣人の女の子のお土産持ってきてくれるギャア? なんでもいいから耳付きの5匹ぐらい欲しいギャ!」
思わず平手打ちしたくなるような反応だが、寸でのところで思い留まる。
この性格はもう直らないだろう。あまりに叱りすぎると拗ねて、家出して行方不明になるから、手に焼ける。
それに何だかんだで、俺はこのBが気に入っているのだ。手がかかる子ほど可愛いという言葉を具現化してるような存在だろう。
「わかった、腰の曲がった可愛い老婆でも連れてこよう。耳が生えてりゃいいんだろう?」
「それはダメだギャ!! 勃つものが勃たなくなるギャー!!」
顔を真っ赤にして怒るBに「冗談だよ」と言うと「本当に持ってきそうだったギャ!」と反発された。
「おいおい、聞き捨てならねぇな。何を言っているんだ? 腰の曲がった老婆なんて性癖すぎるだろ? そんな女いたらカッチカチに勃つわ」
「生殖能力のないババア見て喜ぶゴブリンはAだけだギャ!」
「それは否定できん……」
Bの言葉に、俺は賛同した。Bとは違う意味でAは問題児なのだ。
Aの子なら、レアスキル持ちが期待できるのに、今までに子を孕ませた事がない。原因は妊娠適齢期の女を抱かないからだ。皮と骨ばかりになった老婆ばかりを愛し、傍に侍らす。これが進化も出来ないような息子であるなら笑って許すが、信頼が厚いAなのだから頭の痛い話だ。
「親父殿まで、ひっでえ。なんならその魅力、教えてやろうか?」
「勘弁してくれ」
ゴブリンの趣味趣向は個体によって様々だと理解しているが、俺はババ専じゃないから、そんな話は聞きたくない。俺は逃げるように、Bの部屋を後にするのだった。
関係者を尋問した時に得た情報で、わりとすぐに魔王の居場所は特定する事が出来た。それは俺のクラスメイトが本来倒すべき相手だが、未だ倒せていないらしい。場所は分かっていても、実力差があったため、攻めあぐねていたようで、結果的には野放しとなっていたようだ。
獣人の国ラジャスとの国境沿いにある小さい村々は既に掌握されつつあるようだ。いたるところに人間の遺体が転がっており、老若男女、折り重なるように捨ててあったと聞き、俺は「勿体ないことを」と唸った。人間は余すところなく使えるのに、捨てるとは何事だ。野ざらしにしたら、腐って骨になってしまうではないか。
田畑は魔物に踏み荒らされ、家は焼かれて、人間の住むべき場所ではなくなっているらしい。その報告から、無意味な虐殺が行われていることは明白だった。
ラストヘルムがゴブリンに陥落した事が隣国へ伝わっていないためか、行き場がなくなった難民が押し寄せてきている。詳細な報告は逐次上がってきているが、これを放置するとか、あの首刎ねた王は職務怠慢なのではないだろうか? そこまで被害が出ているのなら、国境を封じる以外にも出来る事はあったはずだ。
ここまで生々しい被害を訴える陳情を無視しているのなら、やはりあの男は人間ではなく、畜生にも劣る存在であったらしい。
俺が王になったからには、むざむざ民を見捨てるようなことはしない。近場なので主力の息子たちと共に偵察に行ってみることにした。
「嫌だギャー、俺は行きたくないギャ。ここに居たいギャア。外は暑いギャ、歩きたくないギャア」
「B、それ以上太ったら、部屋から出れなくなるぞ」
ラストヘルムの留守番は引きこもりのBに任せた。本当はレベル上げ兼ダイエットのために連れて行きたかったのだが、反抗期なのか部屋から動こうとしないのだ。
「行かないなら、代わりにラストヘルムの留守番をしろ。しないのなら、無理やり連れて行くからな」
「分かったギャア。外に行かなくていいなら、手抜きしながら、ほどほどに頑張るギャー。……獣人の国の近くに行くなら、可愛い獣人の女の子のお土産持ってきてくれるギャア? なんでもいいから耳付きの5匹ぐらい欲しいギャ!」
思わず平手打ちしたくなるような反応だが、寸でのところで思い留まる。
この性格はもう直らないだろう。あまりに叱りすぎると拗ねて、家出して行方不明になるから、手に焼ける。
それに何だかんだで、俺はこのBが気に入っているのだ。手がかかる子ほど可愛いという言葉を具現化してるような存在だろう。
「わかった、腰の曲がった可愛い老婆でも連れてこよう。耳が生えてりゃいいんだろう?」
「それはダメだギャ!! 勃つものが勃たなくなるギャー!!」
顔を真っ赤にして怒るBに「冗談だよ」と言うと「本当に持ってきそうだったギャ!」と反発された。
「おいおい、聞き捨てならねぇな。何を言っているんだ? 腰の曲がった老婆なんて性癖すぎるだろ? そんな女いたらカッチカチに勃つわ」
「生殖能力のないババア見て喜ぶゴブリンはAだけだギャ!」
「それは否定できん……」
Bの言葉に、俺は賛同した。Bとは違う意味でAは問題児なのだ。
Aの子なら、レアスキル持ちが期待できるのに、今までに子を孕ませた事がない。原因は妊娠適齢期の女を抱かないからだ。皮と骨ばかりになった老婆ばかりを愛し、傍に侍らす。これが進化も出来ないような息子であるなら笑って許すが、信頼が厚いAなのだから頭の痛い話だ。
「親父殿まで、ひっでえ。なんならその魅力、教えてやろうか?」
「勘弁してくれ」
ゴブリンの趣味趣向は個体によって様々だと理解しているが、俺はババ専じゃないから、そんな話は聞きたくない。俺は逃げるように、Bの部屋を後にするのだった。
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