僕の白い蝶【完結】

ちゃむにい

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視察

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「そういえば、侍従の件で、気になる話をメイドから聞いたんだけど……」

セリーヌはマリオンと食事を取りながら、メイドから聞いた話をマリオンにした。その話を聞いて、マリオンは表情を曇らせた。特段、愉快な話ではないし、食事が不味くなるので、あまり耳に入れたくない話だった。

どうやら、以前、兄の友人のところへ送り込んだ侍従が、すっかり従順な下僕と化したらしい。それはいいが、その中身が問題なのだ。
気にしていないと言ったら嘘だったが、もうその顔を見るのも億劫だった。けれども、確認ぐらいしたほうがいいのかもしれない。セリーヌと話し合って、そう思い直した。

侍従を屋敷から追い出してから、3年の歳月が経っているのだ。

(死より重い罪を与えたい、とは思ったけど……)

マリオンは、侍従の今の様子を、その目で確認したくなった。兄に連絡を取り、侍従の様子を実際に見ることにした。

「今の彼の仕事は、奴隷でも嫌がる仕事ですよ」

マリオンが衝撃を受けないようにとの配慮からか、猟犬係の使用人が耳打ちしてくれた。

侍従は、兄の友人――第三王子だった――の所有する大型の魔犬を飼育している犬小屋で裸になって四つん這いになり、魔犬の性欲処理の穴として活躍しているらしい。魔犬は発情すると長期間暴れるため、その発散が問題となっていたが、頑丈な穴がやってきたと使用人からも感謝の言葉を貰った。

「たまに、魔犬の雌や娼婦で抜かせたりしてたんですよ。でも魔犬の雌は力が強くて雄より大きいから怪我する事がありましたし、娼婦の女は病む事が多かったので、娼館が送ってこなくなって困っていたんですよ。近頃じゃ催促しても、音沙汰がなくて、仕方なく奴隷の女を買っていたんですが、すぐに使い物にならなくなるし……」
「これの食事はどうしてるの? なんか大分痩せてない?」
「魔犬の排泄物を食わせてます。特に精液は、とても栄養価があるんですよ」
「……食べたいとは思わないね」

1匹あたり1時間ほどの性交で、それが15匹いるため、重労働だという。寝る以外は1日の大半を犬と交わって生活しているらしい。最初は泣き叫んでいたらしいが、今ではかなり大人しく性交をしているらしい。

あまりに惨めな生活が哀れになったのでパンを投げてやったら、泣いて食べていた。

「どうしたんだい? マリオンが望んだ通りの、人間以下の扱いだろう?」
「ここまで酷いとは思っていませんでした。……もっと早くに見に来るべきでした」

マリオンは、深々とため息をついた。
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