恋愛ファンタジー短編集【宵闇】

ちゃむにい

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聖女失格【3】※R18

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「ご主人様、動きますよ」という声と共に、ロマは快楽に追い縋るように無我夢中で腰を振り、パンッ、パンッ、パン、パンと乾いた音が響いた。

「あッ、あんッ、そんな激しくしないで、あぁっ……!」
「気持ちいい……! 気持ちいいよぉ……ッ!」

アリアが悲鳴に似た嬌声を上げたが、ロマの頭の中はアリアの中に射精することしかなかった。

「ご主人様っ、いくっ、いくっ……!」

ロマは子宮口を叩くように最奥に肉棒を突っ込み、射精した。そして甘えるように口付けを交わし、再び硬くなった肉棒を挿入した。

「ご主人様、僕おかしいんです。もう中に出したのに、もっともっとご主人様の中に出したくてしょうがないんです」
「それでいいのよ。全然おかしくないわ」

ロマの肉棒は、射精してもすぐに硬くなるため、抜かずに何度も射精させて、妊娠しやすくなるようにした。

「はあっ……、す、凄い気持ちいい、です、ご主人様ぁ……! もっと中に出したい……!」

頬を紅潮させ、上擦った声で可愛く延長戦をお願いしてきた少年に、アリアはクスリと笑って答えた。

「いくらでも中に出していいわ。満足するまで出していいからね」
「ご主人様っ、僕、嬉しいです……! 絶対ご主人様を、僕の子種で妊娠させます……!」

獣人の少年は、アリアとの交尾が初めてだったが、交尾に異常な執着心を見せた。
少年の瞳はキラキラと輝いた。

(獣人って、みんなこんな感じなのかしら?)

アリアは昼夜を問わず、ロマと濃密な時間を過ごした。アリアが期待した通り、ロマの性欲は旺盛で、持久力もあり、深夜まで行為が続くことがあった。
しかし、どんなに疲れていても、ロマがアリアの体を求めた時は拒絶せず、体を重ねた。

ロマはアリアと交尾を重ねる内に、独占欲を示すようになり、アリアを抱きながら、「愛しています」「もっとご主人様と交尾がしたい」と囁いた。

「私に愛して欲しいなら、私を満足させて頂戴?」

アリアは股を大きく開き、濡れそぼった花弁をロマに見えるように自ら広げ、誘惑した。
ロマはごくりと唾を飲み込み、肉棒を硬くした。

それまでの稼ぎで生活にゆとりがあったアリアはギルドでの仕事も控えるようになった。

(まるで新婚生活みたいね。今まで、こんなに愛されたことなんてないわ)

ロマはアリアを、片時も放さず愛してくれた。その内飽きるかもしれないと思っていたのに、ロマの態度は微塵も変わらず、むしろ以前よりも愛情が深まっているようにも感じた。 

アリアは戸惑いながらも、ロマが見せてくれる親愛の情が嬉しかった。

ロマは明るい性格で、アリアを楽しませることに余念がなかった。

そのため、ロマとの恋愛を楽しむようになり、自然と笑顔も増えていき、ロマは微笑むアリアを見ては、「今、笑ったでしょ!? ご主人様は可愛いんだから、もっと笑って下さい!」と有頂天になって喜んだ。

(これが幸せと言うのかしら? 買った奴隷がロマで、本当に良かったわ)

ロマとの生活は、アリアにとって、満ち足りた日々だった。
そんな幸せな日々は、あっという間に過ぎさっていった。

「妊娠されていますね。子供は双子か三つ子でしょう。獣人の出産には良くあることです」

医者から待ち望んでいた言葉を言われた時、アリアは落胆し、そのことに内心驚いた。

(私、まだ、この生活を続けたかったの?)

妊娠したら、報酬として、ロマを奴隷という身分から解放しようと思っていた。それなのに、ロマに心を奪われ、手放すことに躊躇いを感じていることに気がついた。

(だめよ。彼の貴重な時間を浪費させてはいけないわ)

ロマの奴隷となった事情は奴隷商人から聞いて知っていた。

アリアは奴隷商人に頼んで、ロマの首輪を外し、書類を燃やした。

(これで貴方は自由よ)

最後に愛し合った日の夜、眠りに落ちたロマの頭を撫でながら、アリアはポロポロと涙を溢した。

(元気でね。今まで、ありがとう。……愛しているわ)

お金で買った幸せだったから、いずれは手放すつもりだったが、こんなに別れが辛くなるとは思っていなかった。

でもロマを買ったことをアリアは後悔しなかった。

(これからが大変ね)

お腹の中には可愛いロマの子供が三人もいる。
アリアは子育てなんてしたことがない。それなのに、1人で3人も子育てしないといけない。それも獣人の子供で、人間の子供を育てるのとはまた違った大変さが待っているかもしれない。

それでも、愛した人との間に出来た子供なら、育てることが出来るような気がした。

(大事に育てるわ。貴方との間の子供だもの)

アリアはロマの枕元にお金と手紙を置いて、夜明けと共に町を出た。


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