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しおりを挟むミレイアは、仲間を殺した魔狼に再び捕まり、狭い巣穴の中で、暴力的に抱かれた。それは悪夢の再来でしかなかったが、ミレイアは次第に魔狼の深い愛情に囚われるようになった。
(あぁ、なにこれ……! 今まで、どんなに抱かれても満足出来なかったのに……!)
ミレイアは魔狼との繁殖行為に魅了されていた。
胎内を抉る、魔狼の太くて長いペニスに、ミレイアは虜になった。下腹部に浮き出る淫紋はミレイアの心と体を蝕み、今のミレイアにとって、男の愛情とは即ち、いかに快楽を与えてくれるかどうかだった。
魔狼との体の相性は、今までの男の中で最も良かった。
魔狼は失った時間を取り戻すかのようにミレイアと交尾をし、避妊薬も飲んでいなかったミレイアはすぐに妊娠した。
ミレイアは魔狼の赤子を5匹産み落とした。ミレイアは堕胎した時、赤子の姿を見ていなかった。だからその姿を見るのは初めてだった。
「わぁ、可愛い……。私が、この子たち産んだの?」
魔狼の赤子は、丸々と健康的に太っていた。まるで犬の赤子みたいなその姿に、ミレイアは歓声を上げ、夢中になった。
魔狼はミレイアにせっせと餌を運んできた。そのおかげかどうかわからないが、ミレイアの乳の出は良かった。ミレイアは初めての育児に四苦八苦しながらも、子供たちの世話をした。
「ちょっと……! 順番だってば……! こらっ、噛まないで、痛い!!」
ただ、乳首は2個しかなかったので、取り合いになった。授乳の度に乳首を巡って、喧嘩になった。
そうして、魔狼が元恋人だと知らないまま、何匹もの魔狼がミレイアの腹の中から誕生した。
ミレイアの産んだ魔狼は性欲が強く、人間の雌に興味を覚える雄が多かった。そのため、旅人や冒険者の女を襲っては繁殖を繰り返した。
魔狼は群れで活動し、仲間意識が強い。討伐の難易度はSランクとなったが、報酬のわりにリスクが高いと受け止められ、依頼を受ける命知らずな冒険者はほとんどいなかった。
1匹ならともかく、総勢100匹近くになる魔狼の群れとなると、容易には手を出せなかった。
「この森は迂回する。危険だからな」
その森は魔狼の生息地として冒険者たちに広く認知されることになった。
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