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それから
Be with you, on a love ship.
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【※今回のお話はがっつりとリバですので、苦手・無理な方はご注意ください】
僕は爪切りに精を出していました。小さな爪切り用のハサミを使って、深く切ってしまわないように気をつけながら、そうっとそうっと、アトリ様に教えていただいたように切って行きます。以前はアトリ様に後ろから抱っこをされるような形で切っていただいていて、僕は自分の爪が綺麗に短くなって行くのと、アトリ様の温もりの中にいられるのが嬉しくてそれはもう幸せでした。
けれど、今日ばかりは自分でやりたかったのです。明日はアトリ様のお尻の穴の中に、僕の指を入れるのですから。傷つけてしまうことがないように、どんなに時間をかけても、きちんとしておかなければならないのです。
爪を切るだけならアトリ様の方が余程早いのですが、僕はアトリ様のために爪を切るのは、自分でしたいと思いました。そして、アトリ様のために何かできることが、僕はとても嬉しかったのでした。アトリ様は少し拗ねたご様子でしたけど。
爪切りはハサミで爪を短くした後が本番です。丁寧に爪の切り口が鋭いのを、まあるくするのです。何度も触って確かめて、自分の肌を引っ掻いて、痛くないかどうか確かめます。それは、見ている人にはとても退屈な姿で、時間だったでしょう。けれど僕はとても楽しくて幸せで、それはアトリ様のことを考えるからで、通りがかったアウルさんには「楽しそうに爪切るやつ初めて見た」としげしげと眺められましたが、僕自身は最後のヤスリがけが終わった後などは素晴らしい達成感に満ちていました。
アトリ様とのセックスに向けて準備をするのが、こんなにも心の弾むことだとは思いませんでした。僕はいつもドキドキとしてばかりで、確かに楽しみは楽しみだったのですが、こんな風に、アトリ様のことを考えながら、大事にしたいと思いながら過ごす時間というものは初めてで、これをアトリ様もいつも感じて心待ちにしてくださっていたのだろうかと思うと、もういても立っても居られずに走り出してしまいそうでした。
今僕は、アトリ様ときっと同じ気持ちになっているのだ! その高揚感は素晴らしく、僕の尻尾はそのまま千切れて暴れ出しそうなほど激しく揺れていました。
「なんだ、随分ご機嫌だな」
そんな僕に、アトリ様は「爪切りは終わったのか」と声をかけてくださいました。僕が元気良く返事をすると、アトリ様は僕の頭を撫でてくださり、そして僕の手を取って、ヤスリがけまで終わった爪もまた、丁寧に親指の真ん中で撫でてゆかれました。
「綺麗にできてるじゃないか」
「はい!」
褒められたのが嬉しくて、僕は一層尻尾を振りました。けれどアトリ様はそんな僕をご覧になりながら、少し目を細められました。
「じゃあもう、これからは俺が切らなくても一人でできるよな?」
その言葉を聞いて、僕はぴたりと動きを止めました。唯一耳だけは、今おっしゃられた言葉を拾い直すかのようにぴくぴくと動いていましたが、その他は時間が止まったかのように、そうです、息さえもせずに、僕はじっとアトリ様を見つめました。それから慌てて言い募ったのです。
「あ、あのでも、アトリの方が早いし綺麗だし、僕、僕はアトリに爪を切っていただく時の抱っことアトリに触ってもらえるのが好きだし後終わったらアトリの暖かい手で僕の手を揉んでもらうのも大好きで、だからっ」
僕は余程慌てて見えたのでしょう。アトリ様は僕が上手に言葉が出ずに詰まったところで、けたけたと笑い声をあげられました。
「冗談だよ、フィロン。分かってるから大丈夫だ」
そうして、僕の頭を軽く叩くように、けれどとても優しく撫でられました。そこでようやく僕は、アトリ様にからかわれたのだと気づきました。
「……意地悪ですか?」
「そうだ、意地悪だ」
また引っかかってしまいました、と呟くのと同時に、耳が下がります。アトリ様は時々こうして僕をからかうようになられました。いつも直ぐに「冗談だよ」と言われるのですけど、僕はいつまで経ってもそれが見抜けず、真に受けてしまうのです。アトリ様は「フィロンが可愛いからついな」とおっしゃるのですが、その顔はにこにことしていて、ちっとも悪いとは思っておられないのは『一目瞭然』というものでした。もちろん、僕も、嫌われているからそんな意地悪をされているのだ、とは思っていません。それでも、アトリ様のご冗談は早く見分けられるようになりたいのです。きっと、アウルさんたちとしておられるような『軽口』をするには、それが必要だと思うからです。
ちょっと悔しくて黙り込んでしまった僕に、アトリ様は三回、ほっぺたとおでこと唇に、キスをされました。
「拗ねるな……って言っても、そういうところ含めて可愛いんだけどな」
その言葉に、でも、と言おうとした僕でしたが、アトリ様がそのまま舌を入れられて僕の舌を絡め取ってしまったので、何を言うこともできませんでした。
「んっ、ぅ、……ふぁ、あ……」
抱きしめられながら、アトリ様の手が僕の尻尾に触れ、きゅっと根元を掴まれて、僕は吠えるように声を上げてしまいました。アトリ様のブラウスを握った途端、かくんと腰が……いいえ、膝がバカになったみたいになってしまって、アトリ様に抱きかかえられました。
「今日はここまでにしとくか。……明日、楽しみだな」
「……はい」
僕のおちんちんは熱くなっていましたが、アトリ様は我慢ができると思われたのか、触ってはくださいませんでした。僕はそれが少し寂しくて、ついアトリ様の唇を追いかけていましたが、この近い距離で僕がアトリ様を見ているということは、アトリ様も僕を見ているということで、つまり、アトリ様にはそんな僕の姿は丸見えでした。
「フィロンのエッチ」
だからアトリ様はくすくすと笑いながら、僕のほっぺたを両手で挟んで、ぐにぐにと円を描くように揉まれました。僕はごめんなさいと謝りながらも、暖かな手のひらが気持ち良くて、うっとりとしてしまったのでした。
時間というものは不思議です。遅いと感じることもあれば、早く流れるようでもあります。僕は夜が来るのを今か今かと待ちわびながら、夕方から忙しくなった給仕のお仕事を終えた頃には辺りはとっぷりと暗くなっていました。消灯時間を知らせる街の鐘が鳴り響き、まだお客さまはいらしたものの、アウルさんに「先に上がっていいぞ」という言葉をもらって、それに甘えることにしました。
黒い厚手のエプロンを脱いで、ハンガーに掛けます。そして階段を上がって、アトリ様の、お仕事用の部屋のドアをノックしました。こちらの部屋の時は、ノックしないといけないのです。アトリ様がここにおられるときは、お仕事中だからです。僕にはアトリ様がどんなお仕事をされているのかよく分かりませんが、たくさん文字が書かれた紙の束を眺めておられることが多いです。それから、僕が休憩にとお菓子と紅茶を運んでくると、たまにえっちなことをされたこともありました。
僕がお仕事用の部屋なのに、と言うと、「そうだ。だから声は抑えて……見つかるとマズイからな」とおっしゃられて、服を脱がないまま休憩時間いっぱいに乳首やおちんちんを触られたり、キスをされたりしました。本当はいけないことなのに、僕はとても興奮してしまいました。誰かが来やしないかと耳を済ませると、僕の声や、キスの音、アトリ様の息遣いなどがとてもよく聞こえてしまって、いけないことなのにとっても気持ちが良くて、声を押さえていなければならないのに抑えられそうにもなくて、僕はアトリ様に射精させてもらう頃には膝ががくがくとして、一人では立てないような有様でした。
そんな仕事用の部屋に入る時は、またそんなえっちなことになりはしないかと、僕はいつも緊張と期待でどきどきとしてしまうのです。
「僕です。入ってもいいですか?」
「ああ」
ドアに向かって声を出すと、中からアトリ様の声がしました。僕はそっとドアノブを下げてドアを開き、中へ入りました。中では、なんだかとっても偉い人が使っていそうな雰囲気のテーブルの上で、ランプが煌煌と光っていました。そしてその前には、これもまた偉い人のお家にありそうなふんわりとしたつくりの椅子があって、アトリ様がそこに座ってらっしゃいました。やっぱり文字のたくさん書かれた紙――『書類』を眺めておられます。アトリ様はランプの光に透かすようにして紙を持っていたのをテーブルの上に置くと、僕の方へ顔を向けられました。
「下は終わったのか」
「アウルさんが、僕はもう終わっていいっておっしゃったので上がってきました」
「そうか、あいつらしいな」
アトリ様がくっと笑って、勢い良く椅子から立ち上がられます。そしてランプを手に僕のところまでやって来ると、片手で僕の腰を抱き寄せて、キスを一つしてくださいました。そしてそのまま僕を導かれて部屋を出ると、しっかりと施錠をされました。
「さて、じゃあお楽しみと行くか」
「あ、アトリも、楽しみにしていてくれましたか?」
何気ない言葉でしたが、僕は胸がとくんと跳ねたようで、ほっぺたが熱くなりました。アトリ様は「もちろん」とおっしゃって、片腕で、ですが、僕をぎゅっと抱きしめてくださいました。返事も短かったけれど、それで充分でした。僕は尻尾を振るその勢いで体が浮いてしまうのではないかと思うほど嬉しくなって、僕もアトリの真似をするようにアトリ様の腰に片腕を回しました。
「お風呂、入りましょう」
まずは体を綺麗にするのです。いつもアトリ様がしてくださることを、今日は僕がしてさしあげるのです。僕はやる気に満ちていました。だから、お風呂場へ行って、体を洗いっこしていた時、すでにアトリ様がお尻の穴の中を綺麗にしてしまったと聞いてがっかりしてしまいました。
泡を洗い流して二人で湯船に浸かったそこで僕がしょげかえっているのを見て、アトリ様は苦笑されました。いいえ、別に嫌だというわけではないのです。とても残念で、したいと思っていただけに、悲しかっただけで。
そう言うと、アトリ様は僕の頭を撫でて、
「悪かった。お前の爪切りと同じだよ。俺もお前のためにそうしたかったんだ」
そう、おっしゃりました。
「アトリも僕と同じ気持ちだったんですか?」
「そうだよ」
でしたら、仕方がありません。だって、僕が爪を切っていた時のあの気持ちはなんとも言えず幸福で、もちろんアトリ様にしていただいている時も幸福には違いないのですが、なんと言うのでしょうか、アトリ様のために何かをすることの幸福感は、僕の心をアトリ様に捧げるような、贈り物をする時のような心地で、とてもとても、満ち足りていたのですから。アトリ様が僕のためにお尻の穴を、穴の中を綺麗にして、そうすることを喜んでおられるのであれば、僕ががっかりするのは可笑しいように思われました。でも、僕だってアトリ様のためにたくさんのことをしてさしあげたいし、大事にしたいのですけど。
「まあ、これで俺がフィロンの爪切りがしたい気持ちも分かったろ」
「あ」
言われてみると、そうです。この残念に思う気持ちもまた、アトリ様は感じられていたのです。僕は教えていただいて初めてそれに気づきました。そして、とっても嬉しくなりました。アトリ様と同じということを一つ一つ知る度に、僕は胸がぽかぽかとしてきて、ほっぺたも熱くなるのです。いつにもまして、アトリ様が大好きで、仕方がなくなるのです。
僕はその気持ちに動かされるようにして、アトリ様にキスをしました。それから、アトリ様の体に腕を回して、ぎゅっとくっつきます。ちゃぷん、と浴槽のお湯が音を立てました。キスやローションと違って、えっちな感じがしないのはどうしてなのでしょうか。ふと不思議に思ったものの、直ぐにアトリ様にキスを返されて、その感触に疑問はうやむやになって消えて行きました。アトリ様が僕の腰を、背中を撫でて、お尻を揉まれます。僕はそれが気持ち良くて、同じことをお返ししました。
アトリ様の肌はとても綺麗です。暖かくて、僕はアトリ様に触れていただくのも大好きですが、その肌を触らせていただくのも大好きで、ですから、こうして裸で触れ合える時間というのももちろん、大好きなのでした。
ちゃぷちゃぷと、僕たちの腕が動く度に響く水音。それに紛れるようにして、キスの音と吐息が重なり、合わさって、僕のおちんちんは熱くなりました。それを見計らったかのように、アトリ様の手が僕のおちんちんを掴み、筋張ったところを親指が下から上へ、筋をなぞるように滑って行きました。
「はぁああうっ」
思わず声をあげて悶えると、アトリ様は僕の耳の内側に唇を寄せて、そこでくすくすと笑われました。
「もうこんなにして……部屋まで歩けるのか?」
「が、がんばり、ます」
これではいつもと同じです。僕はそれではいけないと、我慢するとお伝えしたのですが、アトリ様は可笑しそうに笑われるだけでした。
「なにを我慢することがあるんだ? ここで一回抜いておけばいいだろう」
「でも」
今日は僕がアトリ様のようにしたいのです。そのように言うと、アトリ様は「フィロンはフィロンのままでいいんだよ」とおっしゃいました。
「同じことをしなくたって、同じ気持ちになることはできる。俺が気持ち良くなると嬉しいとお前は言うけど、俺もお前が気持ち良くなってると嬉しいんだ。だから俺を喜ばせてくれ」
アトリ様の手が僕のおちんちんを握り込んで、優しく動き出します。それはやっぱりとっても気持ちが良くて、僕はされるがまま、自分でも腰を動かして、直ぐにイってしまったのでした。
僕の精液を洗い流されるアトリ様のおちんちんを盗み見ると、そこは少しだけ、膨らんでいました。僕はお伺いを立てても許可をいただける気がしなくて、アトリ様が無防備にも足を開かれているのをいいことに、そっと、アトリ様のおちんちんを両手で包みました。
「フィロン?」
「アトリも気持ち良くなってください」
僕の両手の中にある、アトリ様のおちんちんは少しだけ熱くて、硬くなっていました。僕はアトリ様が微笑んで頭を撫でてくださるのに嬉しくなりながら、結局アトリ様の許可をいただいて、改めて指先でアトリ様のおちんちんを撫でました。アトリ様はわざわざ浴槽の淵に腰掛けてくださって、僕は間近で、柔らかかったアトリ様のおちんちんが、僕の手の中でぴくぴくとしながら硬く、大きくなってゆくのを見ることができました。
その興奮は喜びや幸せと一緒にぐるぐると回りながら混ざって、僕の中から溢れてきました。アトリ様が僕の頭に置いてくださった手のひらは暖かくて、アトリ様のおちんちんがびくりとすると、アトリ様のまどろみの中にいるような、ため息のような声が降ってきて、僕はそれにうっとりとして、自然と、目の前にあるおちんちんにキスをしていました。そっと上目にアトリ様を伺うと、アトリ様は少し驚いたような顔をされていましたが、直ぐに両目を細めて僕の頭を撫でられました。僕はそのまま、アトリ様のおちんちんを舌先で舐めました。
「ん、」
アトリ様の顔を見上げながら、一度だけ食べさせていただいた『ソフトクリーム』のように丁寧に、味わうように舐めて行きます。一舐めしてはアトリ様を見上げていましたが、段々とアトリ様がえっちな顔になられてゆくのがとても嬉しくて、僕はアトリ様のおちんちんの先っぽをぱくりと咥えました。
「っ、ぁ」
アトリ様の腰が少し、揺れます。僕はアトリ様にしていただいて気持ちよかったのを思い出しながら、アトリ様のおちんちんの先っぽを舐めながら、口に入りきらないところは手で扱きました。アトリ様のおちんちんが熱く、どくん、どくんと、僕と同じようにイきたそうに膨らみます。
「はぁっ……ぅ、イく、フィロン、はなし、」
アトリ様の手が僕の頭をそっと包んでおちんちんから離そうとされますが、僕はそのまま強く、アトリ様のおちんちんに吸い付いて、精液が出てくる小さな穴を舌で突きました。すると、僕の頭を包んでいた手に力が篭り、離そうとしていた動きは今度は逆に、引き寄せるものへと変わっていました。
「くっ、ぁ、あっ」
アトリ様の腰が穏やかに揺れて、僕はその口から漏れたえっちな声に、またおちんちんがひくりと反応してしまいました。いけません。これからベッドへ行くのですから。
アトリ様は僕の口の中に射精されました。精液は美味しいものではありません。けれど、アトリ様に僕の精液を飲んでいただいた時、アトリ様は「フィロンのだから飲めるんだ」とおっしゃって、なんだか僕はそれがとても嬉しかったのです。だから、いいえ、きっとアトリ様も喜んでくださるだろうと言う気持ちよりも、僕はただただ、アトリ様の精液を飲みたかったのです。アトリ様が僕でえっちになられた証拠と、結果。それを味わいたいと。そして、それはまるでお尻の中で射精されるよりももっともっと、セックスのような気がしたのです。
アトリ様はお尻の中で射精された時は必ず精液を洗い流そうとされますが、口から飲み込めば、吐き出すなんて簡単にはできません。もしかしたら、アトリ様の精液を飲むことはセックスよりももっともっと、えっちで、素敵なことのように思われました。そうすると、もう居ても立っても居られないほど胸のあたりがむずむずとして、僕はとてもえっちな気持ちになって、腰が揺れてしまいました。
「あ、っ……フィ、ロン」
荒い息で、アトリ様が僕の名前を呼んでくださり、今度こそそっと、僕を離そうとされます。僕はアトリ様の精液を飲んだということに、じりじりと、おちんちんの辺りで興奮が生まれてくるのを感じていました。射精された時から少しずつ柔らかくなってゆくおちんちんを丁寧に、綺麗になるように舐めてから、アトリ様の手に従います。こくん、と口の中のものを飲み込むと、アトリ様の顔を改めて見上げました。
「ばか、不味いだろう、そんなもの」
眉をきゅっと寄せて皺を作りながら、けれどアトリ様はほっぺたを赤くされて、えっちなままの顔で僕を窘められました。僕はアトリ様の精液を飲んでみたかったのだと正直に申し上げました。アトリ様は困ったような、でもはっきりと笑みだと分かる顔で僕の頭を何度も撫でられました。それからしゃがんで湯船の中に戻られると、僕の唇を少し強く吸い上げて、僕に囁かれました。
「ったく……ホントお前は可愛いな」
そして僕の腋の下に腕を入れて抱きかかえられると、勢い良くお風呂場を出て、僕の体をタオルで丁寧に拭いてくださいました。僕も負けじとアトリ様の体を拭きました。笑い声を響かせながら水気を取った後は、さあ本番なのです。
バスローブを羽織ってアトリ様の部屋へ向かい、ドアを閉めて、部屋を明るくして、アトリ様とベッドに横になりました。軽く、ゆるく腰に手を回して、たっぷりキスをします。それだけなのに、今日は僕がアトリ様を気持ちよくしてさしあげると思うと、いつもよりなんだか緊張して、心地がいいというよりはとてもとても、興奮していました。
アトリ様はそんな僕のことなんていつもの通りにお見通しで、くすくすと笑われました。
「固くなるなよ。……なあ、こうやって触ってると、それだけでも気持ちいいだろう?」
アトリ様は僕のバスローブの紐をほどいて、そっとその中に手を入れられました。僕の大好きな人の大好きな手が、優しく僕の肌を滑っていきます。とても気持ちが良くてうっとりとしてしまう心地のよい感覚がアトリ様と僕の肌が触れる場所から生まれて、僕の中でじわじわと広がりました。
「……気持ちいいです」
「だろ? 大丈夫、気負わずに、フィロンがやりたいようにやればいい」
言われ、僕は早速アトリ様の肌に手を滑らせました。そのままバスローブを脱がせるようにして、その暖かさを感じます。その間もアトリ様は僕の肌を撫でてくださっていて、それがとても気持ちが良くて、僕はふと目についた立派な喉仏にキスをしました。それから鎖骨を撫でて、乳首に吸い付きます。赤ちゃんがお母さんにするように。けれど、舌で乳首を舐めて、硬くなり始めたそこをくりくりと弄って、赤ちゃんがしないえっちになるようなことをしていると、どうしてか僕の方がえっちな気分が強くなって、僕はアトリ様を見上げました。
「どうした?」
少しだけえっちな響きのする、アトリ様の声。感じていただけていることが嬉しくて、僕はアトリ様の唇にちゅっとキスをして、また乳首を触りました。
「ん……」
吐息のようなアトリ様の声は僕のおちんちんを熱くさせました。もっと気持ち良くなって欲しい。もっと声を聞かせて欲しい。そんな気持ちが湧き上がって、僕はアトリ様の顔を伺いながら、そのおちんちんにそっと手を被せました。アトリ様のおちんちんはまだ柔らかく、けれど僕が触るとぴくんとしたのが分かって、僕はアトリ様の顔とおちんちんとを交互に見やりながら、アトリ様のおちんちんが僕の手で大きくなってゆくことに、なんとも言えない喜びと、感動、のようなものを感じていました。
「はっあ、う……」
アトリ様は僕の方を見ながら、僕の手におちんちんを擦り付けるように腰を動かされていました。そのお姿がとてもえっちで、僕はアトリ様に体を撫でていただいているだけなのに、とてもとても、えっちになっていました。
アトリ様の大きく、硬くなったおちんちんを触り、『たまたま』を優しく揉みます。アトリ様は気持ち良さそうな声を出されながら、片足を大きく開かれました。僕は起き上がり四つん這いになって、仰向けになったアトリ様のおちんちんを咥えました。
「ああっ」
アトリ様の体が大きく跳ねて、僕はまた、おちんちんに触られた時のような気持ち良さがそこに集まるのを感じました。
「アトリ……すごく、えっちです。僕も、アトリも」
アトリ様を見ていると、僕の息は浅く、荒くなって、おちんちんはなにもされていないのに勃起して、アトリ様の挙動に反応していました。
アトリ様は僕の言葉にふと笑われました。
「フィロンがエッチにさせてるんだろう。……もっと、そうさせてくれ。エッチな俺を見て、フィロンももっとエッチになればいい」
アトリ様のおねだりに僕ははいと答えて、たまたまとお尻の穴の間を丁寧に舐めました。僕の動きを察してか、アトリ様は大きく足を開いてくださいました。いつもは僕がして、されていることです。それはアトリ様の足の間から見ると、あまりにも、くらくらとしてしまいそうなほどえっちでした。
アトリ様が足を開いてくださったので、お尻の穴まで良く見えます。アトリ様のお尻の穴はしわしわがあって、それらがきゅっと身を寄せ合うようにして閉じられていて、僕はそこを舐めました。舐めてすぐはぎゅっと力が入ったせいか固くてとても開きそうにありませんでしたが、その周りを指で揉んでいると、次第に柔らかくなってきました。そうっとそうっと、決して無理やり押し入らないように気をつけて、何度も何度もアトリ様のお尻の穴を舐めて、舌先に力を込めて穴の中に入らせてもらえないだろうかとお伺いを立てます。すると、アトリ様が寝転んだままで「指の方が入れやすいぞ」と教えてくださったので、僕はアウルさんにこっそりとお願いしてもらっていたローションを使うことにしました。テーブルの上に置いていたのでちょこちょこと走って取りに行き、またちょこちょこと急いでベッドの上に戻ります。アトリ様はそんな僕を見て、僕の好きな笑顔で、けれど笑い出しそうになるのを堪えているようでしたが、直ぐに改めて足を開いてくださいました。
ローションを手にとって、冷たいのが温かくなるまで、掌の上で混ぜます。それから、アトリ様のおちんちんやお股全体に塗りたくりました。
「んっ……ふ、そんなもの、用意してたのか」
「たっぷりありますから、いっぱい使って、アトリが痛くないようにしようと思って」
「そうか……ふふ、ありがとう」
アトリ様は穏やかな声で、微笑んでくださいました。僕は嬉しくて、尻尾を振りながら、アトリ様のお尻の穴に指を当てました。
「入れます、ね」
「ん、いいぞ」
ローションをたっぷり穴に塗り込むように撫でながら、そうっと、そうっと、指に力を入れて、アトリ様のお尻の穴の中に指を押し付けます。すると、硬く閉ざされていたそこへ、指が沈むように入って行きました。
「わぁ……」
僕、今アトリ様の中に入ってる。そう思いながら、指が詰まるとゆっくりと抜いて、またローションを絡めてアトリ様の中へ入れるのを繰り返していると、段々とアトリ様のお尻の穴が僕の指を直ぐに受け入れてくださるようになりました。
「どんな感じだ?」
僕が熱心にアトリ様の中に入っている指を見つめ、動かしていたからでしょう。アトリ様に訊ねられて、僕はようやっとその感触を確かめるような有様でした。アトリ様の中を探検するように指を動かして、その暖かさに僕の心は蕩けだしてしまいそうでした。
「今まで食べたお肉よりずっと柔らかくて、とろとろしてます……」
「ぷっ」
僕が思ったまま答えると、アトリ様は急に笑われました。なにか粗相をしたのでしょうかと不安に思っていると、アトリ様は笑い声を抑え込まれて、「悪い悪い」と謝られました。
「今の、いい意味で力抜けた」
そして柔らかな笑みで、僕に続けるよう促されました。僕はおどおどとしてしまって、直ぐにはその通りにできませんでしたが、アトリ様のご様子が穏やかで柔らかかったので、そうっと、指を動かしました。その中はやっぱり暖かくて柔らかくて、ここに僕のおちんちんが入ったら、どんなに気持ちがいいのだろうかと思うと、自然と腰が揺れてしまいました。
けれど、アトリ様に痛い思いをさせるわけには行きません。それだけは嫌なので、僕は念入りに、アトリ様に教えていただきながら、そのお尻の穴を、その中を指でしっかりと解して周りました。指を増やして、マッサージするように、その中の暖かなお肉を撫でてゆきます。アトリ様はそっと目を閉じて、時折えっちな吐息を漏らしながら、僕に体を委ねてくださいました。
「……んっ」
不意に、アトリ様の声が高くなりました。昔の、声変わりをされる前のような、愛らしい高さです。僕とアトリ様の声は違いますが、けれど今のは、僕が気持ちいい時のような声に近いものがありました。同時に、アトリ様の中がきゅう、と締まります。僕は気持ち良くなっておられるのだろうかと、そこを丁寧に押したり、さすったりしました。
「っ、ふぃろ、ん、ぁ、あっ」
アトリ様は目を開け、眉をひそめられてもがくように身をよじられました。けれど、その声は僕のおちんちんに絡みつき、えっちにさせるばかりで、僕はきゅっと腹に力が入りました。
「ここ、ですか?」
「ふっ、ぁあっ」
乱暴にしないように気をつけて、しつこいくらいにアトリ様の声が大きくなった場所を指先で揉みます。アトリ様は何度も僕の名前を呼んでくださり、僕はアトリ様がこんなふうにえっちになられているのを見て、とても興奮していました。僕は何もされていないのに、息が荒くなるのです。おちんちんがびんびんと張り詰めて、イってしまいそうなくらい、アトリ様の今のお姿というのは大層えっちだったのでした。
「……っ、ああっ、イく、フィロン……!」
初めて見るアトリ様の乱れ切ったお姿。僕はアトリ様の声が求められるままに指を動かし続けて、アトリ様が射精される瞬間を目を凝らして待ちました。イきそうなアトリ様の声で、僕もイってしまいそうでした。
「あああ、あ、あっ……!!!」
けれど、アトリ様はひときわ高い声を出されても、射精はされなかったのです。その代わりに、お尻の穴は僕の指をきゅうきゅうと締め付け、僕は思うように指が動かせなくなりました。
射精はありませんでしたが、アトリ様は射精したときのように震えておられました。それは指から伝わってくる中も同じで、僕はどうしていいかわからず、アトリ様が落ち着くのを待ちました。
しばらくして、アトリ様は一つ大きく息をついて、それから目を開けられました。
「……大丈夫ですか?」
僕はとても不安になって、指を抜いてもいいのかさえも分からず、アトリ様の中に指を入れたままそう訊ねました。アトリ様はこっくりと頷かれて、指は抜いても良いとおっしゃり、僕はそのようにしました。
「ったく……どこでこんなこと覚えてきたんだか」
「ぼ、僕、アトリしか」
「分かってるよ。……フィロンが上手くて驚いただけだ」
アトリ様の言葉に、僕は聞き間違いではないかと耳を立てました。
「僕、アトリを気持ち良く出来ましたか?」
「ああ。すごく上手だったよ」
アトリ様は微笑んでそうおっしゃって、僕を褒めてくださいました。僕は嬉しくて嬉しくて、とっても満足でした。ですから、アトリ様に
「だから、入っておいで」
そう言われて、どきどきとしました。そうでした、セックスはこれからなのでした。
僕は限界まで硬くなったおちんちんの先っぽを、アトリ様のお尻の穴にそっとくっつけました。ちら、とアトリ様に目を遣ると、「いいよ」と声をかけられ、僕はそうっと、おちんちんを手で支えながら、腰を前へと突き出しました。アトリ様が息を飲む音が聞こえます。痛くしてしまったかと思いましたが、その後の声が気持ちいい時の声だったので、僕は心の中で叫ぶようにすごい、すごいと思いながら、おちんちんを全部、アトリ様の中に入れました。
「んっ……は、フィロン、大きいな」
「あ、とりっ……! あ、ふぁ、イっちゃ、んんっ」
アトリ様の中は僕のおちんちんに絡みつくようで、たまらなく気持ち良いものでした。初めての感触に、僕はどうしていいかわかりませんでした。深く、アトリ様の中におちんちんを入れたまま、アトリ様の腹へ頭を垂れるようにしてぷるぷると震えていると、アトリ様が僕の頭を撫でられました。
「どうだ、俺の中に入った感想は」
「あ、っう……アトリの中、っは……柔らかくて、あったかくて……とろとろのお肉に、僕のおちんちんっ……が、包まれてて、っ なのに、手で握られたみたいにぎゅって、強くて……うぁ、っ……す、ごい、です……すごい、すご、イっちゃいそう……ですっ」
僕が止めてと言ったところで、アトリ様の中はアトリ様でさえコントロールできないのではないでしょうか。そんなところで、もうイきそうだった僕のおちんちんは容赦のない気持ち良さに耐えていました。
「イってもいいのに」
「やぁ……僕も、アトリがいつも、してくれてるみたい、っに、アトリにもっと、気持ち良く、なって、ほし、から」
そう申し上げると、きゅう、とアトリ様の中が僕のおちんちんを握り込んで、僕は動いてもいない内からもう気持ちが良くて、えっちな声が出てしまいました。
そんな僕を、アトリ様は「かわいい」と言ってくださり、僕を手招いて、抱き寄せられました。そうすると、僕のおちんちんがもっとアトリ様の奥の方へ入ってゆき、アトリ様が「んっ」と可愛らしい声を出されて、僕はイく寸前だったのに胸がきゅんとなって、その唇にキスをしていました。アトリ様の腕が僕の首に回され、背中や二の腕を忙しなく動きます。その心地よさを感じながら、僕はしばらく、アトリ様の唇や舌の感触に夢中になっていました。キスをして舌を舐め合って、吸い付いてとしていると、アトリ様の中がきゅっとするのが分かるのです。それを僕のおちんちんで感じると、僕の胸もきゅんとなって、もっともっと、キスがしたくなるのでした。
そうしている内に、イきたいほどの感覚は少し遠ざかっていました。アトリ様の温かくて、熱い、中。柔らかくて、僕の硬いおちんちんとは真逆で、じっとしていても気持ちが良くて、なんだか安心します。
荒々しかった僕たちの息はすっかり落ち着いていて、このまま眠ってしまえばとても気持ちがいいだろうと思いましたが、それはそれなのです。そちらの気持ちがいいのも好きですが、僕はアトリにえっちになって、いやらしいほうの気持ち良さを感じて欲しいのですから。
「動きます、アトリ」
「ん……」
そっと囁いて、腰をゆっくりと引き抜き、またアトリ様の中へ戻ります。アトリ様の中は、僕が腰を引くときはきゅううううっと締め付けてきましたが、僕が中へと入ってゆくときは、どんどん奥へと引き入れるようでした。僕のおちんちんがアトリ様の中と擦れて、それはやっぱりすごく気持ちが良くて、僕はアトリ様の様子をじっと上から観察しながら、アトリ様が僕にしてくださることを思い出しながら、いろいろと試してみました。小刻みに浅いところを先っぽで擦ったり、僕のおちんちんが全部入った状態で、さらに奥へ行こうとアトリ様の腰と一緒に揺すってみたり。アトリ様の中はひくひくと僕のおちんちんを気持ち良くしてくれて、アトリ様も僕が動くと小さく、けれどとてもえっちな声を出してくださって、僕はそれに夢中になっていました。
「アトリ……気持ちいい、ですか?」
「いいっ……いい、よ……すごくっ……は、ぁ……はあぁっん、んっ、……や、ぱりフィロンは……覚えが、いいっ……よすぎる、くらいだ……っ」
褒められ、僕が嬉しくならないわけがありませんでした。アトリ様がどうすればえっちな声を出されるのか、僕は真剣に、絶対に見逃さないようにと僕の全てをアトリ様へ向けて、キスをしながらアトリ様の肌を撫でました。鎖骨、肩、腕、乳首、脇、腹、おへそ、腰、足の付け根、太もも、お尻。およそ触れる範囲を、何度も何度も触り尽くしました。アトリ様の肌は綺麗で、気持ちいいところに触れるとその体がびく、と震えて、アトリ様の唇からは弱々しくも可愛らしい声が漏れるのです。僕は最後にアトリ様のおちんちんに触れて、ローションでぬるぬるとして光るその熱の塊をさすりました。
「ああっ……」
アトリ様のえっちな声とともに、僕のおちんちんがきゅうと締め付けられ、アトリ様のおちんちんも少し大きくなりました。僕は腰を揺らしながら、自分の気持ち良さと、アトリ様の気持ち良くなっているえっちな声を聞きながら、そのおちんちんを手で包んで扱きました。
「あ、フィロ、フィロンんっ」
「アトリ……っあ、アトリ、アトリっ」
動けば動いた分だけ気持ちが良くて、僕は必死に腰と手を動かしました。いつもよりもずっと高いアトリ様のえっちな声に合わせて、僕も声が漏れました。
「あ、あっ、アトリ、僕っ、ん、んっ、もう、イっちゃい、そうっ」
アトリ様の中はキツくて、だからこそ腰を動かすと強く擦れてとっても気持ちが良くて、僕はいつものように鳴きながら限界をお伝えしました。
「っ、ふ、……中でもいい、ぞ」
「え?」
気持ちがよくて、聞き違えたかと思いました。僕の耳はしっかりと聞こえていて、そんな、アトリ様の言葉を聞き間違えたことなんて一度もないのにそう思ってしまうほど、それはなんというのか、意味をわかりかねることだったのです。
そんな僕のこと、アトリ様はしっかりと分かっておられました。直ぐに言葉を続けられました。
「中……っふ、……いいんだろう? そのまま……は、あっ……俺の中で、イってもいい」
「でもっ、」
中で出すというのは、体にはあまり良くないことなのです。僕はアトリ様にされることならどんなことも嬉しいですけど、このアトリ様の言葉に、はいとは言えませんでした。
「いいから、フィロンが俺で気持ちいいなら、俺もすごく気分がいいんだ」
アトリ様はそうおっしゃると、急にご自分でも腰を動かされ、僕のおちんちんをきゅうと締め付けられました。イきそうだったとはいえ、まだ我慢ができていた僕でしたが、アトリ様自ら動かれているということと、その気持ち良さは凄まじく、僕は腰からかくんと力が抜けたみたいになって、けれどそれは一瞬のことで、直ぐに僕も腰を動かしていました。気持ち良くてたまらなくて、イきたくて仕方がなくて、もう動きを止められそうにありませんでした。
「うあ、でも、でもっ、ぼくも、……っ、アトリのこと、だいじに、したいっ、から、っん、はぁああっ」
それが限界でした。僕はアトリ様のおちんちんを扱きながら腰を振り続けて、それからイく寸前に急いで体を離して、アトリの中からおちんちんを抜きました。本当にぎりぎりでしたので、僕の精液がアトリ様の、ローションでぬらぬらとしているお尻の穴の周りに飛んでゆきました。そして僕の精液を浴びながら、まだひくん、と動くアトリ様のお尻の穴の動きがとてもえっちで、僕はイったばかりだというのにまたぞわぞわとした感覚が背中と腰を這い回って、興奮していました。
「んんっ、ぁ……」
アトリ様の声が再び、僕のおちんちんをくすぐります。そうでした。僕はイきましたが、アトリ様のおちんちんは僕が手を離してしまったので、まだ苦しそうに膨らんでいました。僕は急いでそのおちんちんを手にすると、アトリ様の上に乗るような形で跨り、まだまだ柔らかくなりそうにない僕のおちんちんと一緒に擦りました。
「はっ、あああっ……く、フィロ……、そんなの、どこで」
「アトリっ、ぼくっ、先にイっちゃった、からっ……もう一回、イきますっ……今度、は、一緒に……っ」
腫れ上がった二つのおちんちんはローションでぬるぬるとして、うまく掴めません。けれど、それさえも気持ちが良くて、僕は指をおちんちんに絡ませながら、手の動きを早めていきました。アトリ様は僕の太ももに手を乗せて、ぐっと引き寄せるように力を込められていました。
「あ、アトリっ、んふ、きもち、いいっ」
「フィロン、フィロ、んんっ、あ、イき、そうだ……っ、あ、イく、イくっ!」
僕を乗せた状態で、アトリ様の腰が浮きました。僕もアトリ様のその声に急に気持ちがいいのが突き上がってきて、二人でイく、と言い合いながら、ほぼ同時に、僕の手の中にある二つのおちんちんから精液が飛び出しました。角度のせいでしょう、勢い良く飛び出たそれはアトリ様の腹や胸にかかり、ともすれば顔にまで届きそうでした。
僕もアトリ様も、出してから少しの間は腰をくねらせていましたが、僕が手の動きを緩め、止めたのをきっかけに、どちらともなく長い吐息が漏れました。
「……初めてにしては、上出来すぎるくらいだったな、フィロン」
手招かれて、僕はアトリ様の上に乗りながら、導かれるままにアトリ様に抱きつきました。ローションのせいでお股がぬるぬるとして気持ちがいいですが、今はもうえっちな気分よりも、なんだか爪を切った後のような達成感があって、僕は満たされていました。
「アトリは、気持ち良くなれましたか?」
最後は僕が先にイってしまったので気になって訊ねると、アトリ様は僕の頭や耳の付け根を揉むように撫でながら微笑まれました。
「そんなの、ずっと俺を見てたフィロンなら分かるだろう?」
その通りです。アトリ様のえっちな声を思い出して僕はちょっとだけえっちな気分がぶり返しましたが、アトリ様にキスをされているうちに、それは引っ込んでゆきました。
「で、どうだった? おちんちんで俺を味わってみて」
「……えっと、とっても気持ち良くて……アトリがすごくえっちで……僕もえっちになって……アトリの声が、前みたいに高くて、可愛いなって思いました。……あ、アトリも、いつも僕のえっちなところを見て、えっちになってるんですか?」
なんとなく落ち着かなくなって、もじもじとしながら訊ねると、アトリ様は楽しそうに笑われました。
「当然だろ。見る前から想像して、盛ってるよ」
いつも、とてもそうは見えないのに、そうなのですか。そんなことを呟くと、「だって好きなんだから、仕方ないだろ」と言われました。それが嬉しくて、僕もアトリ様が大好きだとお伝えすると、アトリ様は「知ってる」と、嬉しそうに笑われました。
その後は、二人でセックスの片付けをしました。シーツを替えて、セックスをしていた方のシーツは洗濯カゴへ入れておきます。ローションの瓶は、普段、アトリ様が僕に使ってくださるものの隣に置いておきました。それが僕とアトリ様のように思われて、ちょっと体がこそばゆくなりました。
それから簡単に体を洗い直して、今度は寝るためにベッドへ潜り込みます。暖かなアトリ様の体に隙間なくくっついて、キスをして、そうして、僕は一仕事終えた後のような気持ちと、アトリ様が大好きだという気持ち、それから、幸せな気持ちでいっぱいになりながら、優しい温度の中、まどろみ、心地のいい眠りへと落ちてゆきました。
翌朝、アウルさんに「本当にヤったのか……?」と言われましたが、その顔は疑わしげで、僕の方が首を傾げてしまいました。アトリ様のえっちな姿を知っているのは僕くらいでしょうから、アトリ様がどんなにえっちだったかは、絶対に、僕だけの秘密なのです。だから、僕は詳しいことは何も言いませんでした。ただにこにこと、思い出すだけで湧き上がる気持ちのまま笑顔になって、ローションのお礼を言いました。けれど、アウルさんにはそれで十分だったようで、どこかぼう、とした様子で「そうか、……そうか……いや、まあ、うん。良かったな」とおっしゃって、僕の頭を撫でられました。僕はそれにはいと答えて、黒い厚手のエプロンを着ました。そこにアトリ様がいらして、ぽつりと、一言。
「フィロンの脱童貞祝いでディスカウントでもするか」
「おいやめろ」
アウルさんはげっそりと低い声で唸るようにそう言って怖い顔をされましたが、僕とアトリ様は目が合うと、お互いににっこりと笑ってしまったのでした。
僕は爪切りに精を出していました。小さな爪切り用のハサミを使って、深く切ってしまわないように気をつけながら、そうっとそうっと、アトリ様に教えていただいたように切って行きます。以前はアトリ様に後ろから抱っこをされるような形で切っていただいていて、僕は自分の爪が綺麗に短くなって行くのと、アトリ様の温もりの中にいられるのが嬉しくてそれはもう幸せでした。
けれど、今日ばかりは自分でやりたかったのです。明日はアトリ様のお尻の穴の中に、僕の指を入れるのですから。傷つけてしまうことがないように、どんなに時間をかけても、きちんとしておかなければならないのです。
爪を切るだけならアトリ様の方が余程早いのですが、僕はアトリ様のために爪を切るのは、自分でしたいと思いました。そして、アトリ様のために何かできることが、僕はとても嬉しかったのでした。アトリ様は少し拗ねたご様子でしたけど。
爪切りはハサミで爪を短くした後が本番です。丁寧に爪の切り口が鋭いのを、まあるくするのです。何度も触って確かめて、自分の肌を引っ掻いて、痛くないかどうか確かめます。それは、見ている人にはとても退屈な姿で、時間だったでしょう。けれど僕はとても楽しくて幸せで、それはアトリ様のことを考えるからで、通りがかったアウルさんには「楽しそうに爪切るやつ初めて見た」としげしげと眺められましたが、僕自身は最後のヤスリがけが終わった後などは素晴らしい達成感に満ちていました。
アトリ様とのセックスに向けて準備をするのが、こんなにも心の弾むことだとは思いませんでした。僕はいつもドキドキとしてばかりで、確かに楽しみは楽しみだったのですが、こんな風に、アトリ様のことを考えながら、大事にしたいと思いながら過ごす時間というものは初めてで、これをアトリ様もいつも感じて心待ちにしてくださっていたのだろうかと思うと、もういても立っても居られずに走り出してしまいそうでした。
今僕は、アトリ様ときっと同じ気持ちになっているのだ! その高揚感は素晴らしく、僕の尻尾はそのまま千切れて暴れ出しそうなほど激しく揺れていました。
「なんだ、随分ご機嫌だな」
そんな僕に、アトリ様は「爪切りは終わったのか」と声をかけてくださいました。僕が元気良く返事をすると、アトリ様は僕の頭を撫でてくださり、そして僕の手を取って、ヤスリがけまで終わった爪もまた、丁寧に親指の真ん中で撫でてゆかれました。
「綺麗にできてるじゃないか」
「はい!」
褒められたのが嬉しくて、僕は一層尻尾を振りました。けれどアトリ様はそんな僕をご覧になりながら、少し目を細められました。
「じゃあもう、これからは俺が切らなくても一人でできるよな?」
その言葉を聞いて、僕はぴたりと動きを止めました。唯一耳だけは、今おっしゃられた言葉を拾い直すかのようにぴくぴくと動いていましたが、その他は時間が止まったかのように、そうです、息さえもせずに、僕はじっとアトリ様を見つめました。それから慌てて言い募ったのです。
「あ、あのでも、アトリの方が早いし綺麗だし、僕、僕はアトリに爪を切っていただく時の抱っことアトリに触ってもらえるのが好きだし後終わったらアトリの暖かい手で僕の手を揉んでもらうのも大好きで、だからっ」
僕は余程慌てて見えたのでしょう。アトリ様は僕が上手に言葉が出ずに詰まったところで、けたけたと笑い声をあげられました。
「冗談だよ、フィロン。分かってるから大丈夫だ」
そうして、僕の頭を軽く叩くように、けれどとても優しく撫でられました。そこでようやく僕は、アトリ様にからかわれたのだと気づきました。
「……意地悪ですか?」
「そうだ、意地悪だ」
また引っかかってしまいました、と呟くのと同時に、耳が下がります。アトリ様は時々こうして僕をからかうようになられました。いつも直ぐに「冗談だよ」と言われるのですけど、僕はいつまで経ってもそれが見抜けず、真に受けてしまうのです。アトリ様は「フィロンが可愛いからついな」とおっしゃるのですが、その顔はにこにことしていて、ちっとも悪いとは思っておられないのは『一目瞭然』というものでした。もちろん、僕も、嫌われているからそんな意地悪をされているのだ、とは思っていません。それでも、アトリ様のご冗談は早く見分けられるようになりたいのです。きっと、アウルさんたちとしておられるような『軽口』をするには、それが必要だと思うからです。
ちょっと悔しくて黙り込んでしまった僕に、アトリ様は三回、ほっぺたとおでこと唇に、キスをされました。
「拗ねるな……って言っても、そういうところ含めて可愛いんだけどな」
その言葉に、でも、と言おうとした僕でしたが、アトリ様がそのまま舌を入れられて僕の舌を絡め取ってしまったので、何を言うこともできませんでした。
「んっ、ぅ、……ふぁ、あ……」
抱きしめられながら、アトリ様の手が僕の尻尾に触れ、きゅっと根元を掴まれて、僕は吠えるように声を上げてしまいました。アトリ様のブラウスを握った途端、かくんと腰が……いいえ、膝がバカになったみたいになってしまって、アトリ様に抱きかかえられました。
「今日はここまでにしとくか。……明日、楽しみだな」
「……はい」
僕のおちんちんは熱くなっていましたが、アトリ様は我慢ができると思われたのか、触ってはくださいませんでした。僕はそれが少し寂しくて、ついアトリ様の唇を追いかけていましたが、この近い距離で僕がアトリ様を見ているということは、アトリ様も僕を見ているということで、つまり、アトリ様にはそんな僕の姿は丸見えでした。
「フィロンのエッチ」
だからアトリ様はくすくすと笑いながら、僕のほっぺたを両手で挟んで、ぐにぐにと円を描くように揉まれました。僕はごめんなさいと謝りながらも、暖かな手のひらが気持ち良くて、うっとりとしてしまったのでした。
時間というものは不思議です。遅いと感じることもあれば、早く流れるようでもあります。僕は夜が来るのを今か今かと待ちわびながら、夕方から忙しくなった給仕のお仕事を終えた頃には辺りはとっぷりと暗くなっていました。消灯時間を知らせる街の鐘が鳴り響き、まだお客さまはいらしたものの、アウルさんに「先に上がっていいぞ」という言葉をもらって、それに甘えることにしました。
黒い厚手のエプロンを脱いで、ハンガーに掛けます。そして階段を上がって、アトリ様の、お仕事用の部屋のドアをノックしました。こちらの部屋の時は、ノックしないといけないのです。アトリ様がここにおられるときは、お仕事中だからです。僕にはアトリ様がどんなお仕事をされているのかよく分かりませんが、たくさん文字が書かれた紙の束を眺めておられることが多いです。それから、僕が休憩にとお菓子と紅茶を運んでくると、たまにえっちなことをされたこともありました。
僕がお仕事用の部屋なのに、と言うと、「そうだ。だから声は抑えて……見つかるとマズイからな」とおっしゃられて、服を脱がないまま休憩時間いっぱいに乳首やおちんちんを触られたり、キスをされたりしました。本当はいけないことなのに、僕はとても興奮してしまいました。誰かが来やしないかと耳を済ませると、僕の声や、キスの音、アトリ様の息遣いなどがとてもよく聞こえてしまって、いけないことなのにとっても気持ちが良くて、声を押さえていなければならないのに抑えられそうにもなくて、僕はアトリ様に射精させてもらう頃には膝ががくがくとして、一人では立てないような有様でした。
そんな仕事用の部屋に入る時は、またそんなえっちなことになりはしないかと、僕はいつも緊張と期待でどきどきとしてしまうのです。
「僕です。入ってもいいですか?」
「ああ」
ドアに向かって声を出すと、中からアトリ様の声がしました。僕はそっとドアノブを下げてドアを開き、中へ入りました。中では、なんだかとっても偉い人が使っていそうな雰囲気のテーブルの上で、ランプが煌煌と光っていました。そしてその前には、これもまた偉い人のお家にありそうなふんわりとしたつくりの椅子があって、アトリ様がそこに座ってらっしゃいました。やっぱり文字のたくさん書かれた紙――『書類』を眺めておられます。アトリ様はランプの光に透かすようにして紙を持っていたのをテーブルの上に置くと、僕の方へ顔を向けられました。
「下は終わったのか」
「アウルさんが、僕はもう終わっていいっておっしゃったので上がってきました」
「そうか、あいつらしいな」
アトリ様がくっと笑って、勢い良く椅子から立ち上がられます。そしてランプを手に僕のところまでやって来ると、片手で僕の腰を抱き寄せて、キスを一つしてくださいました。そしてそのまま僕を導かれて部屋を出ると、しっかりと施錠をされました。
「さて、じゃあお楽しみと行くか」
「あ、アトリも、楽しみにしていてくれましたか?」
何気ない言葉でしたが、僕は胸がとくんと跳ねたようで、ほっぺたが熱くなりました。アトリ様は「もちろん」とおっしゃって、片腕で、ですが、僕をぎゅっと抱きしめてくださいました。返事も短かったけれど、それで充分でした。僕は尻尾を振るその勢いで体が浮いてしまうのではないかと思うほど嬉しくなって、僕もアトリの真似をするようにアトリ様の腰に片腕を回しました。
「お風呂、入りましょう」
まずは体を綺麗にするのです。いつもアトリ様がしてくださることを、今日は僕がしてさしあげるのです。僕はやる気に満ちていました。だから、お風呂場へ行って、体を洗いっこしていた時、すでにアトリ様がお尻の穴の中を綺麗にしてしまったと聞いてがっかりしてしまいました。
泡を洗い流して二人で湯船に浸かったそこで僕がしょげかえっているのを見て、アトリ様は苦笑されました。いいえ、別に嫌だというわけではないのです。とても残念で、したいと思っていただけに、悲しかっただけで。
そう言うと、アトリ様は僕の頭を撫でて、
「悪かった。お前の爪切りと同じだよ。俺もお前のためにそうしたかったんだ」
そう、おっしゃりました。
「アトリも僕と同じ気持ちだったんですか?」
「そうだよ」
でしたら、仕方がありません。だって、僕が爪を切っていた時のあの気持ちはなんとも言えず幸福で、もちろんアトリ様にしていただいている時も幸福には違いないのですが、なんと言うのでしょうか、アトリ様のために何かをすることの幸福感は、僕の心をアトリ様に捧げるような、贈り物をする時のような心地で、とてもとても、満ち足りていたのですから。アトリ様が僕のためにお尻の穴を、穴の中を綺麗にして、そうすることを喜んでおられるのであれば、僕ががっかりするのは可笑しいように思われました。でも、僕だってアトリ様のためにたくさんのことをしてさしあげたいし、大事にしたいのですけど。
「まあ、これで俺がフィロンの爪切りがしたい気持ちも分かったろ」
「あ」
言われてみると、そうです。この残念に思う気持ちもまた、アトリ様は感じられていたのです。僕は教えていただいて初めてそれに気づきました。そして、とっても嬉しくなりました。アトリ様と同じということを一つ一つ知る度に、僕は胸がぽかぽかとしてきて、ほっぺたも熱くなるのです。いつにもまして、アトリ様が大好きで、仕方がなくなるのです。
僕はその気持ちに動かされるようにして、アトリ様にキスをしました。それから、アトリ様の体に腕を回して、ぎゅっとくっつきます。ちゃぷん、と浴槽のお湯が音を立てました。キスやローションと違って、えっちな感じがしないのはどうしてなのでしょうか。ふと不思議に思ったものの、直ぐにアトリ様にキスを返されて、その感触に疑問はうやむやになって消えて行きました。アトリ様が僕の腰を、背中を撫でて、お尻を揉まれます。僕はそれが気持ち良くて、同じことをお返ししました。
アトリ様の肌はとても綺麗です。暖かくて、僕はアトリ様に触れていただくのも大好きですが、その肌を触らせていただくのも大好きで、ですから、こうして裸で触れ合える時間というのももちろん、大好きなのでした。
ちゃぷちゃぷと、僕たちの腕が動く度に響く水音。それに紛れるようにして、キスの音と吐息が重なり、合わさって、僕のおちんちんは熱くなりました。それを見計らったかのように、アトリ様の手が僕のおちんちんを掴み、筋張ったところを親指が下から上へ、筋をなぞるように滑って行きました。
「はぁああうっ」
思わず声をあげて悶えると、アトリ様は僕の耳の内側に唇を寄せて、そこでくすくすと笑われました。
「もうこんなにして……部屋まで歩けるのか?」
「が、がんばり、ます」
これではいつもと同じです。僕はそれではいけないと、我慢するとお伝えしたのですが、アトリ様は可笑しそうに笑われるだけでした。
「なにを我慢することがあるんだ? ここで一回抜いておけばいいだろう」
「でも」
今日は僕がアトリ様のようにしたいのです。そのように言うと、アトリ様は「フィロンはフィロンのままでいいんだよ」とおっしゃいました。
「同じことをしなくたって、同じ気持ちになることはできる。俺が気持ち良くなると嬉しいとお前は言うけど、俺もお前が気持ち良くなってると嬉しいんだ。だから俺を喜ばせてくれ」
アトリ様の手が僕のおちんちんを握り込んで、優しく動き出します。それはやっぱりとっても気持ちが良くて、僕はされるがまま、自分でも腰を動かして、直ぐにイってしまったのでした。
僕の精液を洗い流されるアトリ様のおちんちんを盗み見ると、そこは少しだけ、膨らんでいました。僕はお伺いを立てても許可をいただける気がしなくて、アトリ様が無防備にも足を開かれているのをいいことに、そっと、アトリ様のおちんちんを両手で包みました。
「フィロン?」
「アトリも気持ち良くなってください」
僕の両手の中にある、アトリ様のおちんちんは少しだけ熱くて、硬くなっていました。僕はアトリ様が微笑んで頭を撫でてくださるのに嬉しくなりながら、結局アトリ様の許可をいただいて、改めて指先でアトリ様のおちんちんを撫でました。アトリ様はわざわざ浴槽の淵に腰掛けてくださって、僕は間近で、柔らかかったアトリ様のおちんちんが、僕の手の中でぴくぴくとしながら硬く、大きくなってゆくのを見ることができました。
その興奮は喜びや幸せと一緒にぐるぐると回りながら混ざって、僕の中から溢れてきました。アトリ様が僕の頭に置いてくださった手のひらは暖かくて、アトリ様のおちんちんがびくりとすると、アトリ様のまどろみの中にいるような、ため息のような声が降ってきて、僕はそれにうっとりとして、自然と、目の前にあるおちんちんにキスをしていました。そっと上目にアトリ様を伺うと、アトリ様は少し驚いたような顔をされていましたが、直ぐに両目を細めて僕の頭を撫でられました。僕はそのまま、アトリ様のおちんちんを舌先で舐めました。
「ん、」
アトリ様の顔を見上げながら、一度だけ食べさせていただいた『ソフトクリーム』のように丁寧に、味わうように舐めて行きます。一舐めしてはアトリ様を見上げていましたが、段々とアトリ様がえっちな顔になられてゆくのがとても嬉しくて、僕はアトリ様のおちんちんの先っぽをぱくりと咥えました。
「っ、ぁ」
アトリ様の腰が少し、揺れます。僕はアトリ様にしていただいて気持ちよかったのを思い出しながら、アトリ様のおちんちんの先っぽを舐めながら、口に入りきらないところは手で扱きました。アトリ様のおちんちんが熱く、どくん、どくんと、僕と同じようにイきたそうに膨らみます。
「はぁっ……ぅ、イく、フィロン、はなし、」
アトリ様の手が僕の頭をそっと包んでおちんちんから離そうとされますが、僕はそのまま強く、アトリ様のおちんちんに吸い付いて、精液が出てくる小さな穴を舌で突きました。すると、僕の頭を包んでいた手に力が篭り、離そうとしていた動きは今度は逆に、引き寄せるものへと変わっていました。
「くっ、ぁ、あっ」
アトリ様の腰が穏やかに揺れて、僕はその口から漏れたえっちな声に、またおちんちんがひくりと反応してしまいました。いけません。これからベッドへ行くのですから。
アトリ様は僕の口の中に射精されました。精液は美味しいものではありません。けれど、アトリ様に僕の精液を飲んでいただいた時、アトリ様は「フィロンのだから飲めるんだ」とおっしゃって、なんだか僕はそれがとても嬉しかったのです。だから、いいえ、きっとアトリ様も喜んでくださるだろうと言う気持ちよりも、僕はただただ、アトリ様の精液を飲みたかったのです。アトリ様が僕でえっちになられた証拠と、結果。それを味わいたいと。そして、それはまるでお尻の中で射精されるよりももっともっと、セックスのような気がしたのです。
アトリ様はお尻の中で射精された時は必ず精液を洗い流そうとされますが、口から飲み込めば、吐き出すなんて簡単にはできません。もしかしたら、アトリ様の精液を飲むことはセックスよりももっともっと、えっちで、素敵なことのように思われました。そうすると、もう居ても立っても居られないほど胸のあたりがむずむずとして、僕はとてもえっちな気持ちになって、腰が揺れてしまいました。
「あ、っ……フィ、ロン」
荒い息で、アトリ様が僕の名前を呼んでくださり、今度こそそっと、僕を離そうとされます。僕はアトリ様の精液を飲んだということに、じりじりと、おちんちんの辺りで興奮が生まれてくるのを感じていました。射精された時から少しずつ柔らかくなってゆくおちんちんを丁寧に、綺麗になるように舐めてから、アトリ様の手に従います。こくん、と口の中のものを飲み込むと、アトリ様の顔を改めて見上げました。
「ばか、不味いだろう、そんなもの」
眉をきゅっと寄せて皺を作りながら、けれどアトリ様はほっぺたを赤くされて、えっちなままの顔で僕を窘められました。僕はアトリ様の精液を飲んでみたかったのだと正直に申し上げました。アトリ様は困ったような、でもはっきりと笑みだと分かる顔で僕の頭を何度も撫でられました。それからしゃがんで湯船の中に戻られると、僕の唇を少し強く吸い上げて、僕に囁かれました。
「ったく……ホントお前は可愛いな」
そして僕の腋の下に腕を入れて抱きかかえられると、勢い良くお風呂場を出て、僕の体をタオルで丁寧に拭いてくださいました。僕も負けじとアトリ様の体を拭きました。笑い声を響かせながら水気を取った後は、さあ本番なのです。
バスローブを羽織ってアトリ様の部屋へ向かい、ドアを閉めて、部屋を明るくして、アトリ様とベッドに横になりました。軽く、ゆるく腰に手を回して、たっぷりキスをします。それだけなのに、今日は僕がアトリ様を気持ちよくしてさしあげると思うと、いつもよりなんだか緊張して、心地がいいというよりはとてもとても、興奮していました。
アトリ様はそんな僕のことなんていつもの通りにお見通しで、くすくすと笑われました。
「固くなるなよ。……なあ、こうやって触ってると、それだけでも気持ちいいだろう?」
アトリ様は僕のバスローブの紐をほどいて、そっとその中に手を入れられました。僕の大好きな人の大好きな手が、優しく僕の肌を滑っていきます。とても気持ちが良くてうっとりとしてしまう心地のよい感覚がアトリ様と僕の肌が触れる場所から生まれて、僕の中でじわじわと広がりました。
「……気持ちいいです」
「だろ? 大丈夫、気負わずに、フィロンがやりたいようにやればいい」
言われ、僕は早速アトリ様の肌に手を滑らせました。そのままバスローブを脱がせるようにして、その暖かさを感じます。その間もアトリ様は僕の肌を撫でてくださっていて、それがとても気持ちが良くて、僕はふと目についた立派な喉仏にキスをしました。それから鎖骨を撫でて、乳首に吸い付きます。赤ちゃんがお母さんにするように。けれど、舌で乳首を舐めて、硬くなり始めたそこをくりくりと弄って、赤ちゃんがしないえっちになるようなことをしていると、どうしてか僕の方がえっちな気分が強くなって、僕はアトリ様を見上げました。
「どうした?」
少しだけえっちな響きのする、アトリ様の声。感じていただけていることが嬉しくて、僕はアトリ様の唇にちゅっとキスをして、また乳首を触りました。
「ん……」
吐息のようなアトリ様の声は僕のおちんちんを熱くさせました。もっと気持ち良くなって欲しい。もっと声を聞かせて欲しい。そんな気持ちが湧き上がって、僕はアトリ様の顔を伺いながら、そのおちんちんにそっと手を被せました。アトリ様のおちんちんはまだ柔らかく、けれど僕が触るとぴくんとしたのが分かって、僕はアトリ様の顔とおちんちんとを交互に見やりながら、アトリ様のおちんちんが僕の手で大きくなってゆくことに、なんとも言えない喜びと、感動、のようなものを感じていました。
「はっあ、う……」
アトリ様は僕の方を見ながら、僕の手におちんちんを擦り付けるように腰を動かされていました。そのお姿がとてもえっちで、僕はアトリ様に体を撫でていただいているだけなのに、とてもとても、えっちになっていました。
アトリ様の大きく、硬くなったおちんちんを触り、『たまたま』を優しく揉みます。アトリ様は気持ち良さそうな声を出されながら、片足を大きく開かれました。僕は起き上がり四つん這いになって、仰向けになったアトリ様のおちんちんを咥えました。
「ああっ」
アトリ様の体が大きく跳ねて、僕はまた、おちんちんに触られた時のような気持ち良さがそこに集まるのを感じました。
「アトリ……すごく、えっちです。僕も、アトリも」
アトリ様を見ていると、僕の息は浅く、荒くなって、おちんちんはなにもされていないのに勃起して、アトリ様の挙動に反応していました。
アトリ様は僕の言葉にふと笑われました。
「フィロンがエッチにさせてるんだろう。……もっと、そうさせてくれ。エッチな俺を見て、フィロンももっとエッチになればいい」
アトリ様のおねだりに僕ははいと答えて、たまたまとお尻の穴の間を丁寧に舐めました。僕の動きを察してか、アトリ様は大きく足を開いてくださいました。いつもは僕がして、されていることです。それはアトリ様の足の間から見ると、あまりにも、くらくらとしてしまいそうなほどえっちでした。
アトリ様が足を開いてくださったので、お尻の穴まで良く見えます。アトリ様のお尻の穴はしわしわがあって、それらがきゅっと身を寄せ合うようにして閉じられていて、僕はそこを舐めました。舐めてすぐはぎゅっと力が入ったせいか固くてとても開きそうにありませんでしたが、その周りを指で揉んでいると、次第に柔らかくなってきました。そうっとそうっと、決して無理やり押し入らないように気をつけて、何度も何度もアトリ様のお尻の穴を舐めて、舌先に力を込めて穴の中に入らせてもらえないだろうかとお伺いを立てます。すると、アトリ様が寝転んだままで「指の方が入れやすいぞ」と教えてくださったので、僕はアウルさんにこっそりとお願いしてもらっていたローションを使うことにしました。テーブルの上に置いていたのでちょこちょこと走って取りに行き、またちょこちょこと急いでベッドの上に戻ります。アトリ様はそんな僕を見て、僕の好きな笑顔で、けれど笑い出しそうになるのを堪えているようでしたが、直ぐに改めて足を開いてくださいました。
ローションを手にとって、冷たいのが温かくなるまで、掌の上で混ぜます。それから、アトリ様のおちんちんやお股全体に塗りたくりました。
「んっ……ふ、そんなもの、用意してたのか」
「たっぷりありますから、いっぱい使って、アトリが痛くないようにしようと思って」
「そうか……ふふ、ありがとう」
アトリ様は穏やかな声で、微笑んでくださいました。僕は嬉しくて、尻尾を振りながら、アトリ様のお尻の穴に指を当てました。
「入れます、ね」
「ん、いいぞ」
ローションをたっぷり穴に塗り込むように撫でながら、そうっと、そうっと、指に力を入れて、アトリ様のお尻の穴の中に指を押し付けます。すると、硬く閉ざされていたそこへ、指が沈むように入って行きました。
「わぁ……」
僕、今アトリ様の中に入ってる。そう思いながら、指が詰まるとゆっくりと抜いて、またローションを絡めてアトリ様の中へ入れるのを繰り返していると、段々とアトリ様のお尻の穴が僕の指を直ぐに受け入れてくださるようになりました。
「どんな感じだ?」
僕が熱心にアトリ様の中に入っている指を見つめ、動かしていたからでしょう。アトリ様に訊ねられて、僕はようやっとその感触を確かめるような有様でした。アトリ様の中を探検するように指を動かして、その暖かさに僕の心は蕩けだしてしまいそうでした。
「今まで食べたお肉よりずっと柔らかくて、とろとろしてます……」
「ぷっ」
僕が思ったまま答えると、アトリ様は急に笑われました。なにか粗相をしたのでしょうかと不安に思っていると、アトリ様は笑い声を抑え込まれて、「悪い悪い」と謝られました。
「今の、いい意味で力抜けた」
そして柔らかな笑みで、僕に続けるよう促されました。僕はおどおどとしてしまって、直ぐにはその通りにできませんでしたが、アトリ様のご様子が穏やかで柔らかかったので、そうっと、指を動かしました。その中はやっぱり暖かくて柔らかくて、ここに僕のおちんちんが入ったら、どんなに気持ちがいいのだろうかと思うと、自然と腰が揺れてしまいました。
けれど、アトリ様に痛い思いをさせるわけには行きません。それだけは嫌なので、僕は念入りに、アトリ様に教えていただきながら、そのお尻の穴を、その中を指でしっかりと解して周りました。指を増やして、マッサージするように、その中の暖かなお肉を撫でてゆきます。アトリ様はそっと目を閉じて、時折えっちな吐息を漏らしながら、僕に体を委ねてくださいました。
「……んっ」
不意に、アトリ様の声が高くなりました。昔の、声変わりをされる前のような、愛らしい高さです。僕とアトリ様の声は違いますが、けれど今のは、僕が気持ちいい時のような声に近いものがありました。同時に、アトリ様の中がきゅう、と締まります。僕は気持ち良くなっておられるのだろうかと、そこを丁寧に押したり、さすったりしました。
「っ、ふぃろ、ん、ぁ、あっ」
アトリ様は目を開け、眉をひそめられてもがくように身をよじられました。けれど、その声は僕のおちんちんに絡みつき、えっちにさせるばかりで、僕はきゅっと腹に力が入りました。
「ここ、ですか?」
「ふっ、ぁあっ」
乱暴にしないように気をつけて、しつこいくらいにアトリ様の声が大きくなった場所を指先で揉みます。アトリ様は何度も僕の名前を呼んでくださり、僕はアトリ様がこんなふうにえっちになられているのを見て、とても興奮していました。僕は何もされていないのに、息が荒くなるのです。おちんちんがびんびんと張り詰めて、イってしまいそうなくらい、アトリ様の今のお姿というのは大層えっちだったのでした。
「……っ、ああっ、イく、フィロン……!」
初めて見るアトリ様の乱れ切ったお姿。僕はアトリ様の声が求められるままに指を動かし続けて、アトリ様が射精される瞬間を目を凝らして待ちました。イきそうなアトリ様の声で、僕もイってしまいそうでした。
「あああ、あ、あっ……!!!」
けれど、アトリ様はひときわ高い声を出されても、射精はされなかったのです。その代わりに、お尻の穴は僕の指をきゅうきゅうと締め付け、僕は思うように指が動かせなくなりました。
射精はありませんでしたが、アトリ様は射精したときのように震えておられました。それは指から伝わってくる中も同じで、僕はどうしていいかわからず、アトリ様が落ち着くのを待ちました。
しばらくして、アトリ様は一つ大きく息をついて、それから目を開けられました。
「……大丈夫ですか?」
僕はとても不安になって、指を抜いてもいいのかさえも分からず、アトリ様の中に指を入れたままそう訊ねました。アトリ様はこっくりと頷かれて、指は抜いても良いとおっしゃり、僕はそのようにしました。
「ったく……どこでこんなこと覚えてきたんだか」
「ぼ、僕、アトリしか」
「分かってるよ。……フィロンが上手くて驚いただけだ」
アトリ様の言葉に、僕は聞き間違いではないかと耳を立てました。
「僕、アトリを気持ち良く出来ましたか?」
「ああ。すごく上手だったよ」
アトリ様は微笑んでそうおっしゃって、僕を褒めてくださいました。僕は嬉しくて嬉しくて、とっても満足でした。ですから、アトリ様に
「だから、入っておいで」
そう言われて、どきどきとしました。そうでした、セックスはこれからなのでした。
僕は限界まで硬くなったおちんちんの先っぽを、アトリ様のお尻の穴にそっとくっつけました。ちら、とアトリ様に目を遣ると、「いいよ」と声をかけられ、僕はそうっと、おちんちんを手で支えながら、腰を前へと突き出しました。アトリ様が息を飲む音が聞こえます。痛くしてしまったかと思いましたが、その後の声が気持ちいい時の声だったので、僕は心の中で叫ぶようにすごい、すごいと思いながら、おちんちんを全部、アトリ様の中に入れました。
「んっ……は、フィロン、大きいな」
「あ、とりっ……! あ、ふぁ、イっちゃ、んんっ」
アトリ様の中は僕のおちんちんに絡みつくようで、たまらなく気持ち良いものでした。初めての感触に、僕はどうしていいかわかりませんでした。深く、アトリ様の中におちんちんを入れたまま、アトリ様の腹へ頭を垂れるようにしてぷるぷると震えていると、アトリ様が僕の頭を撫でられました。
「どうだ、俺の中に入った感想は」
「あ、っう……アトリの中、っは……柔らかくて、あったかくて……とろとろのお肉に、僕のおちんちんっ……が、包まれてて、っ なのに、手で握られたみたいにぎゅって、強くて……うぁ、っ……す、ごい、です……すごい、すご、イっちゃいそう……ですっ」
僕が止めてと言ったところで、アトリ様の中はアトリ様でさえコントロールできないのではないでしょうか。そんなところで、もうイきそうだった僕のおちんちんは容赦のない気持ち良さに耐えていました。
「イってもいいのに」
「やぁ……僕も、アトリがいつも、してくれてるみたい、っに、アトリにもっと、気持ち良く、なって、ほし、から」
そう申し上げると、きゅう、とアトリ様の中が僕のおちんちんを握り込んで、僕は動いてもいない内からもう気持ちが良くて、えっちな声が出てしまいました。
そんな僕を、アトリ様は「かわいい」と言ってくださり、僕を手招いて、抱き寄せられました。そうすると、僕のおちんちんがもっとアトリ様の奥の方へ入ってゆき、アトリ様が「んっ」と可愛らしい声を出されて、僕はイく寸前だったのに胸がきゅんとなって、その唇にキスをしていました。アトリ様の腕が僕の首に回され、背中や二の腕を忙しなく動きます。その心地よさを感じながら、僕はしばらく、アトリ様の唇や舌の感触に夢中になっていました。キスをして舌を舐め合って、吸い付いてとしていると、アトリ様の中がきゅっとするのが分かるのです。それを僕のおちんちんで感じると、僕の胸もきゅんとなって、もっともっと、キスがしたくなるのでした。
そうしている内に、イきたいほどの感覚は少し遠ざかっていました。アトリ様の温かくて、熱い、中。柔らかくて、僕の硬いおちんちんとは真逆で、じっとしていても気持ちが良くて、なんだか安心します。
荒々しかった僕たちの息はすっかり落ち着いていて、このまま眠ってしまえばとても気持ちがいいだろうと思いましたが、それはそれなのです。そちらの気持ちがいいのも好きですが、僕はアトリにえっちになって、いやらしいほうの気持ち良さを感じて欲しいのですから。
「動きます、アトリ」
「ん……」
そっと囁いて、腰をゆっくりと引き抜き、またアトリ様の中へ戻ります。アトリ様の中は、僕が腰を引くときはきゅううううっと締め付けてきましたが、僕が中へと入ってゆくときは、どんどん奥へと引き入れるようでした。僕のおちんちんがアトリ様の中と擦れて、それはやっぱりすごく気持ちが良くて、僕はアトリ様の様子をじっと上から観察しながら、アトリ様が僕にしてくださることを思い出しながら、いろいろと試してみました。小刻みに浅いところを先っぽで擦ったり、僕のおちんちんが全部入った状態で、さらに奥へ行こうとアトリ様の腰と一緒に揺すってみたり。アトリ様の中はひくひくと僕のおちんちんを気持ち良くしてくれて、アトリ様も僕が動くと小さく、けれどとてもえっちな声を出してくださって、僕はそれに夢中になっていました。
「アトリ……気持ちいい、ですか?」
「いいっ……いい、よ……すごくっ……は、ぁ……はあぁっん、んっ、……や、ぱりフィロンは……覚えが、いいっ……よすぎる、くらいだ……っ」
褒められ、僕が嬉しくならないわけがありませんでした。アトリ様がどうすればえっちな声を出されるのか、僕は真剣に、絶対に見逃さないようにと僕の全てをアトリ様へ向けて、キスをしながらアトリ様の肌を撫でました。鎖骨、肩、腕、乳首、脇、腹、おへそ、腰、足の付け根、太もも、お尻。およそ触れる範囲を、何度も何度も触り尽くしました。アトリ様の肌は綺麗で、気持ちいいところに触れるとその体がびく、と震えて、アトリ様の唇からは弱々しくも可愛らしい声が漏れるのです。僕は最後にアトリ様のおちんちんに触れて、ローションでぬるぬるとして光るその熱の塊をさすりました。
「ああっ……」
アトリ様のえっちな声とともに、僕のおちんちんがきゅうと締め付けられ、アトリ様のおちんちんも少し大きくなりました。僕は腰を揺らしながら、自分の気持ち良さと、アトリ様の気持ち良くなっているえっちな声を聞きながら、そのおちんちんを手で包んで扱きました。
「あ、フィロ、フィロンんっ」
「アトリ……っあ、アトリ、アトリっ」
動けば動いた分だけ気持ちが良くて、僕は必死に腰と手を動かしました。いつもよりもずっと高いアトリ様のえっちな声に合わせて、僕も声が漏れました。
「あ、あっ、アトリ、僕っ、ん、んっ、もう、イっちゃい、そうっ」
アトリ様の中はキツくて、だからこそ腰を動かすと強く擦れてとっても気持ちが良くて、僕はいつものように鳴きながら限界をお伝えしました。
「っ、ふ、……中でもいい、ぞ」
「え?」
気持ちがよくて、聞き違えたかと思いました。僕の耳はしっかりと聞こえていて、そんな、アトリ様の言葉を聞き間違えたことなんて一度もないのにそう思ってしまうほど、それはなんというのか、意味をわかりかねることだったのです。
そんな僕のこと、アトリ様はしっかりと分かっておられました。直ぐに言葉を続けられました。
「中……っふ、……いいんだろう? そのまま……は、あっ……俺の中で、イってもいい」
「でもっ、」
中で出すというのは、体にはあまり良くないことなのです。僕はアトリ様にされることならどんなことも嬉しいですけど、このアトリ様の言葉に、はいとは言えませんでした。
「いいから、フィロンが俺で気持ちいいなら、俺もすごく気分がいいんだ」
アトリ様はそうおっしゃると、急にご自分でも腰を動かされ、僕のおちんちんをきゅうと締め付けられました。イきそうだったとはいえ、まだ我慢ができていた僕でしたが、アトリ様自ら動かれているということと、その気持ち良さは凄まじく、僕は腰からかくんと力が抜けたみたいになって、けれどそれは一瞬のことで、直ぐに僕も腰を動かしていました。気持ち良くてたまらなくて、イきたくて仕方がなくて、もう動きを止められそうにありませんでした。
「うあ、でも、でもっ、ぼくも、……っ、アトリのこと、だいじに、したいっ、から、っん、はぁああっ」
それが限界でした。僕はアトリ様のおちんちんを扱きながら腰を振り続けて、それからイく寸前に急いで体を離して、アトリの中からおちんちんを抜きました。本当にぎりぎりでしたので、僕の精液がアトリ様の、ローションでぬらぬらとしているお尻の穴の周りに飛んでゆきました。そして僕の精液を浴びながら、まだひくん、と動くアトリ様のお尻の穴の動きがとてもえっちで、僕はイったばかりだというのにまたぞわぞわとした感覚が背中と腰を這い回って、興奮していました。
「んんっ、ぁ……」
アトリ様の声が再び、僕のおちんちんをくすぐります。そうでした。僕はイきましたが、アトリ様のおちんちんは僕が手を離してしまったので、まだ苦しそうに膨らんでいました。僕は急いでそのおちんちんを手にすると、アトリ様の上に乗るような形で跨り、まだまだ柔らかくなりそうにない僕のおちんちんと一緒に擦りました。
「はっ、あああっ……く、フィロ……、そんなの、どこで」
「アトリっ、ぼくっ、先にイっちゃった、からっ……もう一回、イきますっ……今度、は、一緒に……っ」
腫れ上がった二つのおちんちんはローションでぬるぬるとして、うまく掴めません。けれど、それさえも気持ちが良くて、僕は指をおちんちんに絡ませながら、手の動きを早めていきました。アトリ様は僕の太ももに手を乗せて、ぐっと引き寄せるように力を込められていました。
「あ、アトリっ、んふ、きもち、いいっ」
「フィロン、フィロ、んんっ、あ、イき、そうだ……っ、あ、イく、イくっ!」
僕を乗せた状態で、アトリ様の腰が浮きました。僕もアトリ様のその声に急に気持ちがいいのが突き上がってきて、二人でイく、と言い合いながら、ほぼ同時に、僕の手の中にある二つのおちんちんから精液が飛び出しました。角度のせいでしょう、勢い良く飛び出たそれはアトリ様の腹や胸にかかり、ともすれば顔にまで届きそうでした。
僕もアトリ様も、出してから少しの間は腰をくねらせていましたが、僕が手の動きを緩め、止めたのをきっかけに、どちらともなく長い吐息が漏れました。
「……初めてにしては、上出来すぎるくらいだったな、フィロン」
手招かれて、僕はアトリ様の上に乗りながら、導かれるままにアトリ様に抱きつきました。ローションのせいでお股がぬるぬるとして気持ちがいいですが、今はもうえっちな気分よりも、なんだか爪を切った後のような達成感があって、僕は満たされていました。
「アトリは、気持ち良くなれましたか?」
最後は僕が先にイってしまったので気になって訊ねると、アトリ様は僕の頭や耳の付け根を揉むように撫でながら微笑まれました。
「そんなの、ずっと俺を見てたフィロンなら分かるだろう?」
その通りです。アトリ様のえっちな声を思い出して僕はちょっとだけえっちな気分がぶり返しましたが、アトリ様にキスをされているうちに、それは引っ込んでゆきました。
「で、どうだった? おちんちんで俺を味わってみて」
「……えっと、とっても気持ち良くて……アトリがすごくえっちで……僕もえっちになって……アトリの声が、前みたいに高くて、可愛いなって思いました。……あ、アトリも、いつも僕のえっちなところを見て、えっちになってるんですか?」
なんとなく落ち着かなくなって、もじもじとしながら訊ねると、アトリ様は楽しそうに笑われました。
「当然だろ。見る前から想像して、盛ってるよ」
いつも、とてもそうは見えないのに、そうなのですか。そんなことを呟くと、「だって好きなんだから、仕方ないだろ」と言われました。それが嬉しくて、僕もアトリ様が大好きだとお伝えすると、アトリ様は「知ってる」と、嬉しそうに笑われました。
その後は、二人でセックスの片付けをしました。シーツを替えて、セックスをしていた方のシーツは洗濯カゴへ入れておきます。ローションの瓶は、普段、アトリ様が僕に使ってくださるものの隣に置いておきました。それが僕とアトリ様のように思われて、ちょっと体がこそばゆくなりました。
それから簡単に体を洗い直して、今度は寝るためにベッドへ潜り込みます。暖かなアトリ様の体に隙間なくくっついて、キスをして、そうして、僕は一仕事終えた後のような気持ちと、アトリ様が大好きだという気持ち、それから、幸せな気持ちでいっぱいになりながら、優しい温度の中、まどろみ、心地のいい眠りへと落ちてゆきました。
翌朝、アウルさんに「本当にヤったのか……?」と言われましたが、その顔は疑わしげで、僕の方が首を傾げてしまいました。アトリ様のえっちな姿を知っているのは僕くらいでしょうから、アトリ様がどんなにえっちだったかは、絶対に、僕だけの秘密なのです。だから、僕は詳しいことは何も言いませんでした。ただにこにこと、思い出すだけで湧き上がる気持ちのまま笑顔になって、ローションのお礼を言いました。けれど、アウルさんにはそれで十分だったようで、どこかぼう、とした様子で「そうか、……そうか……いや、まあ、うん。良かったな」とおっしゃって、僕の頭を撫でられました。僕はそれにはいと答えて、黒い厚手のエプロンを着ました。そこにアトリ様がいらして、ぽつりと、一言。
「フィロンの脱童貞祝いでディスカウントでもするか」
「おいやめろ」
アウルさんはげっそりと低い声で唸るようにそう言って怖い顔をされましたが、僕とアトリ様は目が合うと、お互いににっこりと笑ってしまったのでした。
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