初めては好きな人と

riiko

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11 僕たち…

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 臣君に誘導されて、僕たちはタクシーに乗った。ずっと無言だった。
 確かに初めては好きな人と――臣君としたかったけど、こんな感じで進めて本当にいいのだろうか。どうして彼が誘いに乗ったのかもわからない。
 僕の誘い方なんてなんのテクニックもないし、もちろん色気もない。タクシーが止まると、そこは高そうなマンションのエントランスだった。
 臣君は慣れた手つきでキーをかざすと自動ドアが開く。彼に着いてエレベーターに乗った。エレベーターで手を繋がれた。

「お、臣君っ」
「これから俺たちスルのに、手を繋いだだけでそんな声出すの? そんなんで奈月は、俺とできるの?」
「あ、あの、どうして、臣君は僕の誘いに乗ったの?」
「少し黙って」

 エレベーターは音もなくどんどんと上にあがっていく。僕の心臓はバクバク言っていた。臣君に繋がれる手が熱い。望んでいたシチュエーションなのに、今の展開に頭が追い付かない。
 エレベーターが停止した階で臣君が一つのドアを開ける。ここはいったい……

「入って」
「お、お邪魔します」

 とても広い室内、中には僕の好きなうっとりとする香りであふれていた。
 あ、ここは、臣君の部屋?

「適当に座って」

 臣君はコートを脱いで、キッチンに入っていった。僕もコートを脱いで、リビングの大きなソファにちょこんと座る。臣君が温かい紅茶を出してくれた。

「はい、飲んで」
「あ、ありがとう。あの、ここは……臣君の家? お母さんは?」
「ああ、母親は義理父と暮らしてる。ここは俺のマンションだよ。誰もいない。俺と奈月だけだ」
「え、凄いところに住んでるんだね」
「そうだね」

 僕はあたりを見渡した。
 まさか、こんな最新なマンションに一人で住んでいる? 一人にしては広くない? 

「言っただろう。いい大学入って学生の内に起業して、親を楽させてあげるって」
「言ってたね」

 臣君は僕の隣に座った。
 大きなソファが一つだから隣に座るのはわかる。ソファの前にはローテーブルと、大画面すぎる大きなテレビ。部屋のほとんどを占領している大きさ。こんな大きな画面でお笑い見たら、どんな感じなんだと僕はふと考えた、ところで距離感がおかしい臣君がいる。
 広いソファなのに、膝がくっつくくらいのところに座ってきた。

「でも、母親の再婚相手が会社社長で、俺の出る幕はなくなったんだ。だからこれからの俺は奈月だけを見ていける」

 臣君は僕と離れていた間、とんでもないセレブになってしまっていた! お父さんが会社の社長だから、臣君は社長子息になったんだ。マンションをもらえるなんて、とんでもないセレブだ!

「聞いてる?」
「え、ああ、すごいね」
「奈月、ときどき自分の世界入るの今も変わらないんだね、はぁ可愛いな」
「え? ん、んんん」

 臣君が何かぶつぶつ言っていると思ったら、突然キスされた。臣君とのキスは一年ぶりの二回目。
 突然すぎたけど、でも今回はこの先の約束があったからキスはおかしな行為ではない。あの時の僕たちは意味なくキスを繰り返した。
 臣君の舌が僕の舌を追いかける。高校生の時は僕の飢えがひどくて必死に臣君を追いかけたけど、今は違う。
 しかし発情期ではないので少しだけ冷静な分、思う通りに動けずに固まってしまった。

「ん、んん、ん、はぁ、くるしっ」

 キスの合間に臣君の胸を叩いた。すると臣君が少し唇を離して色っぽい顔で僕を見てくる。

「奈月、俺を……、アルファを誘った割には全然じゃないか」

 僕が誘ったから、テクニックを求めていたのかもしれない。どうしよう、僕は何も持っていない。

「だ、だって、一年前に臣君とキスしただけしか経験ないしっ、ごめん。へたくそで。んんん、ちょ、まって」

 会話したと思ったら、また臣君に唇をふさがれた。僕はまた臣君とキスしてる。嬉しい、気持ちいい。彼が好きだ。たまらなく高揚してきた。

「なにそれ、興奮しかしないんだけど」
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