11 / 38
11 僕たち…
しおりを挟む
臣君に誘導されて、僕たちはタクシーに乗った。ずっと無言だった。
確かに初めては好きな人と――臣君としたかったけど、こんな感じで進めて本当にいいのだろうか。どうして彼が誘いに乗ったのかもわからない。
僕の誘い方なんてなんのテクニックもないし、もちろん色気もない。タクシーが止まると、そこは高そうなマンションのエントランスだった。
臣君は慣れた手つきでキーをかざすと自動ドアが開く。彼に着いてエレベーターに乗った。エレベーターで手を繋がれた。
「お、臣君っ」
「これから俺たちスルのに、手を繋いだだけでそんな声出すの? そんなんで奈月は、俺とできるの?」
「あ、あの、どうして、臣君は僕の誘いに乗ったの?」
「少し黙って」
エレベーターは音もなくどんどんと上にあがっていく。僕の心臓はバクバク言っていた。臣君に繋がれる手が熱い。望んでいたシチュエーションなのに、今の展開に頭が追い付かない。
エレベーターが停止した階で臣君が一つのドアを開ける。ここはいったい……
「入って」
「お、お邪魔します」
とても広い室内、中には僕の好きなうっとりとする香りであふれていた。
あ、ここは、臣君の部屋?
「適当に座って」
臣君はコートを脱いで、キッチンに入っていった。僕もコートを脱いで、リビングの大きなソファにちょこんと座る。臣君が温かい紅茶を出してくれた。
「はい、飲んで」
「あ、ありがとう。あの、ここは……臣君の家? お母さんは?」
「ああ、母親は義理父と暮らしてる。ここは俺のマンションだよ。誰もいない。俺と奈月だけだ」
「え、凄いところに住んでるんだね」
「そうだね」
僕はあたりを見渡した。
まさか、こんな最新なマンションに一人で住んでいる? 一人にしては広くない?
「言っただろう。いい大学入って学生の内に起業して、親を楽させてあげるって」
「言ってたね」
臣君は僕の隣に座った。
大きなソファが一つだから隣に座るのはわかる。ソファの前にはローテーブルと、大画面すぎる大きなテレビ。部屋のほとんどを占領している大きさ。こんな大きな画面でお笑い見たら、どんな感じなんだと僕はふと考えた、ところで距離感がおかしい臣君がいる。
広いソファなのに、膝がくっつくくらいのところに座ってきた。
「でも、母親の再婚相手が会社社長で、俺の出る幕はなくなったんだ。だからこれからの俺は奈月だけを見ていける」
臣君は僕と離れていた間、とんでもないセレブになってしまっていた! お父さんが会社の社長だから、臣君は社長子息になったんだ。マンションをもらえるなんて、とんでもないセレブだ!
「聞いてる?」
「え、ああ、すごいね」
「奈月、ときどき自分の世界入るの今も変わらないんだね、はぁ可愛いな」
「え? ん、んんん」
臣君が何かぶつぶつ言っていると思ったら、突然キスされた。臣君とのキスは一年ぶりの二回目。
突然すぎたけど、でも今回はこの先の約束があったからキスはおかしな行為ではない。あの時の僕たちは意味なくキスを繰り返した。
臣君の舌が僕の舌を追いかける。高校生の時は僕の飢えがひどくて必死に臣君を追いかけたけど、今は違う。
しかし発情期ではないので少しだけ冷静な分、思う通りに動けずに固まってしまった。
「ん、んん、ん、はぁ、くるしっ」
キスの合間に臣君の胸を叩いた。すると臣君が少し唇を離して色っぽい顔で僕を見てくる。
「奈月、俺を……、アルファを誘った割には全然じゃないか」
僕が誘ったから、テクニックを求めていたのかもしれない。どうしよう、僕は何も持っていない。
「だ、だって、一年前に臣君とキスしただけしか経験ないしっ、ごめん。へたくそで。んんん、ちょ、まって」
会話したと思ったら、また臣君に唇をふさがれた。僕はまた臣君とキスしてる。嬉しい、気持ちいい。彼が好きだ。たまらなく高揚してきた。
「なにそれ、興奮しかしないんだけど」
確かに初めては好きな人と――臣君としたかったけど、こんな感じで進めて本当にいいのだろうか。どうして彼が誘いに乗ったのかもわからない。
僕の誘い方なんてなんのテクニックもないし、もちろん色気もない。タクシーが止まると、そこは高そうなマンションのエントランスだった。
臣君は慣れた手つきでキーをかざすと自動ドアが開く。彼に着いてエレベーターに乗った。エレベーターで手を繋がれた。
「お、臣君っ」
「これから俺たちスルのに、手を繋いだだけでそんな声出すの? そんなんで奈月は、俺とできるの?」
「あ、あの、どうして、臣君は僕の誘いに乗ったの?」
「少し黙って」
エレベーターは音もなくどんどんと上にあがっていく。僕の心臓はバクバク言っていた。臣君に繋がれる手が熱い。望んでいたシチュエーションなのに、今の展開に頭が追い付かない。
エレベーターが停止した階で臣君が一つのドアを開ける。ここはいったい……
「入って」
「お、お邪魔します」
とても広い室内、中には僕の好きなうっとりとする香りであふれていた。
あ、ここは、臣君の部屋?
「適当に座って」
臣君はコートを脱いで、キッチンに入っていった。僕もコートを脱いで、リビングの大きなソファにちょこんと座る。臣君が温かい紅茶を出してくれた。
「はい、飲んで」
「あ、ありがとう。あの、ここは……臣君の家? お母さんは?」
「ああ、母親は義理父と暮らしてる。ここは俺のマンションだよ。誰もいない。俺と奈月だけだ」
「え、凄いところに住んでるんだね」
「そうだね」
僕はあたりを見渡した。
まさか、こんな最新なマンションに一人で住んでいる? 一人にしては広くない?
「言っただろう。いい大学入って学生の内に起業して、親を楽させてあげるって」
「言ってたね」
臣君は僕の隣に座った。
大きなソファが一つだから隣に座るのはわかる。ソファの前にはローテーブルと、大画面すぎる大きなテレビ。部屋のほとんどを占領している大きさ。こんな大きな画面でお笑い見たら、どんな感じなんだと僕はふと考えた、ところで距離感がおかしい臣君がいる。
広いソファなのに、膝がくっつくくらいのところに座ってきた。
「でも、母親の再婚相手が会社社長で、俺の出る幕はなくなったんだ。だからこれからの俺は奈月だけを見ていける」
臣君は僕と離れていた間、とんでもないセレブになってしまっていた! お父さんが会社の社長だから、臣君は社長子息になったんだ。マンションをもらえるなんて、とんでもないセレブだ!
「聞いてる?」
「え、ああ、すごいね」
「奈月、ときどき自分の世界入るの今も変わらないんだね、はぁ可愛いな」
「え? ん、んんん」
臣君が何かぶつぶつ言っていると思ったら、突然キスされた。臣君とのキスは一年ぶりの二回目。
突然すぎたけど、でも今回はこの先の約束があったからキスはおかしな行為ではない。あの時の僕たちは意味なくキスを繰り返した。
臣君の舌が僕の舌を追いかける。高校生の時は僕の飢えがひどくて必死に臣君を追いかけたけど、今は違う。
しかし発情期ではないので少しだけ冷静な分、思う通りに動けずに固まってしまった。
「ん、んん、ん、はぁ、くるしっ」
キスの合間に臣君の胸を叩いた。すると臣君が少し唇を離して色っぽい顔で僕を見てくる。
「奈月、俺を……、アルファを誘った割には全然じゃないか」
僕が誘ったから、テクニックを求めていたのかもしれない。どうしよう、僕は何も持っていない。
「だ、だって、一年前に臣君とキスしただけしか経験ないしっ、ごめん。へたくそで。んんん、ちょ、まって」
会話したと思ったら、また臣君に唇をふさがれた。僕はまた臣君とキスしてる。嬉しい、気持ちいい。彼が好きだ。たまらなく高揚してきた。
「なにそれ、興奮しかしないんだけど」
228
あなたにおすすめの小説
オメガ転生。
桜
BL
残業三昧でヘトヘトになりながらの帰宅途中。乗り合わせたバスがまさかのトンネル内の火災事故に遭ってしまう。
そして…………
気がつけば、男児の姿に…
双子の妹は、まさかの悪役令嬢?それって一家破滅フラグだよね!
破滅回避の奮闘劇の幕開けだ!!
【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話
降魔 鬼灯
BL
ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。
両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。
しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。
コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。
当たり前の幸せ
ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。
初投稿なので色々矛盾などご容赦を。
ゆっくり更新します。
すみません名前変えました。
既成事実さえあれば大丈夫
ふじの
BL
名家出身のオメガであるサミュエルは、第三王子に婚約を一方的に破棄された。名家とはいえ貧乏な家のためにも新しく誰かと番う必要がある。だがサミュエルは行き遅れなので、もはや選んでいる立場ではない。そうだ、既成事実さえあればどこかに嫁げるだろう。そう考えたサミュエルは、ヒート誘発薬を持って夜会に乗り込んだ。そこで出会った美丈夫のアルファ、ハリムと意気投合したが───。
欠陥αは運命を追う
豆ちよこ
BL
「宗次さんから番の匂いがします」
従兄弟の番からそう言われたアルファの宝条宗次は、全く心当たりの無いその言葉に微かな期待を抱く。忘れ去られた記憶の中に、自分の求める運命の人がいるかもしれないーー。
けれどその匂いは日に日に薄れていく。早く探し出さないと二度と会えなくなってしまう。匂いが消える時…それは、番の命が尽きる時。
※自己解釈・自己設定有り
※R指定はほぼ無し
※アルファ(攻め)視点
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
8/16番外編出しました!!!!!
読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭
1/27 1000❤️ありがとうございます😭
3/6 2000❤️ありがとうございます😭
4/29 3000❤️ありがとうございます😭
8/13 4000❤️ありがとうございます😭
12/10 5000❤️ありがとうございます😭
わたし5は好きな数字です💕
お気に入り登録が500を超えているだと???!嬉しすぎますありがとうございます😭
のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした
こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる