24 / 38
24 プロポーズ
しおりを挟む
「奈月、愛してる」
「臣君、僕も。僕も臣君だけが好き」
抱きしめる腕の力が強くなる。彼からミントの優しい香りが漂ってきた。
「借金のこと、今まで辛かったな」
「……うん」
「俺に相談できなかったのは、俺が舞い上がって奈月に今のことを聞かなかった俺の責任だ」
「そんなことない。僕が言えなかっただけで……」
「でもさっき、電話がかかってくる前、何か言おうとしてくれてたよね」
臣君は僕の耳元で話しかけてくる。僕は臣君の胸に顔を埋めたまま答える。
「僕が風俗に行くことを臣君に伝えようとしてた」
「決めてたの? 風俗行くこと」
決めていた……のかはわからないけど、借金を抱えているからそれしか方法がないとは思っていた。
だけど、本心は――
「僕、臣君を利用してた。風俗に入る前に、好きな人と初体験したくて、それで臣君に会いに行った。ごめんなさい」
「で、俺と寝て、風俗行けるって思った?」
「思わない。思わないよ、むしろ臣君意外と経験したくないって、拒否感しか生まれなかった。臣君意外の人になんて抱かれたくないし、キスも臣君としかしたくないってわかっちゃった」
「ふふ、素直でよろしい」
これが僕の正直な気持ち。
彼を好きだし、彼以外なんて無理すぎた。臣君と再会するまで、風俗のことを簡単に考えすぎていた。臣君を知った今、なにがなんでもお金を工面して風俗入りをやめるべきだった。僕がその考えに至って、そう臣君に相談すべきだった。
そこで臣君が言う。
「俺たち、今すぐ結婚しよう」
「え……」
耳元で、そう言われた。
すると、今度は僕を離して、僕の頬を両手でそっと包み込むと、顔をしっかり見てから臣君が言う。
「結婚してください。俺のお嫁さんになって」
「だって、僕、借金」
「まだ言うの? もう風俗は無理ってわかっただろう。違約金くらい、俺が払える。それくらいの金はもう稼いでるよ。高校生の頃からずっとバイトをしてきた奈月に、もう苦労はさせないって決めて俺は頑張ったんだ。今使わなくて、いつ使うの?」
「い、いまでしょ?」
二人は目を合わせて笑った。
そして、臣君は僕の唇に自分の唇を重ねた。それは初めて経験するキスだった。唇と唇が触れ合うキスは、付き合い立ての二人がするのにちょうどいい、可愛い口づけだった。
「臣君、僕も。僕も臣君だけが好き」
抱きしめる腕の力が強くなる。彼からミントの優しい香りが漂ってきた。
「借金のこと、今まで辛かったな」
「……うん」
「俺に相談できなかったのは、俺が舞い上がって奈月に今のことを聞かなかった俺の責任だ」
「そんなことない。僕が言えなかっただけで……」
「でもさっき、電話がかかってくる前、何か言おうとしてくれてたよね」
臣君は僕の耳元で話しかけてくる。僕は臣君の胸に顔を埋めたまま答える。
「僕が風俗に行くことを臣君に伝えようとしてた」
「決めてたの? 風俗行くこと」
決めていた……のかはわからないけど、借金を抱えているからそれしか方法がないとは思っていた。
だけど、本心は――
「僕、臣君を利用してた。風俗に入る前に、好きな人と初体験したくて、それで臣君に会いに行った。ごめんなさい」
「で、俺と寝て、風俗行けるって思った?」
「思わない。思わないよ、むしろ臣君意外と経験したくないって、拒否感しか生まれなかった。臣君意外の人になんて抱かれたくないし、キスも臣君としかしたくないってわかっちゃった」
「ふふ、素直でよろしい」
これが僕の正直な気持ち。
彼を好きだし、彼以外なんて無理すぎた。臣君と再会するまで、風俗のことを簡単に考えすぎていた。臣君を知った今、なにがなんでもお金を工面して風俗入りをやめるべきだった。僕がその考えに至って、そう臣君に相談すべきだった。
そこで臣君が言う。
「俺たち、今すぐ結婚しよう」
「え……」
耳元で、そう言われた。
すると、今度は僕を離して、僕の頬を両手でそっと包み込むと、顔をしっかり見てから臣君が言う。
「結婚してください。俺のお嫁さんになって」
「だって、僕、借金」
「まだ言うの? もう風俗は無理ってわかっただろう。違約金くらい、俺が払える。それくらいの金はもう稼いでるよ。高校生の頃からずっとバイトをしてきた奈月に、もう苦労はさせないって決めて俺は頑張ったんだ。今使わなくて、いつ使うの?」
「い、いまでしょ?」
二人は目を合わせて笑った。
そして、臣君は僕の唇に自分の唇を重ねた。それは初めて経験するキスだった。唇と唇が触れ合うキスは、付き合い立ての二人がするのにちょうどいい、可愛い口づけだった。
193
あなたにおすすめの小説
オメガ転生。
桜
BL
残業三昧でヘトヘトになりながらの帰宅途中。乗り合わせたバスがまさかのトンネル内の火災事故に遭ってしまう。
そして…………
気がつけば、男児の姿に…
双子の妹は、まさかの悪役令嬢?それって一家破滅フラグだよね!
破滅回避の奮闘劇の幕開けだ!!
【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話
降魔 鬼灯
BL
ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。
両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。
しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。
コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。
当たり前の幸せ
ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。
初投稿なので色々矛盾などご容赦を。
ゆっくり更新します。
すみません名前変えました。
既成事実さえあれば大丈夫
ふじの
BL
名家出身のオメガであるサミュエルは、第三王子に婚約を一方的に破棄された。名家とはいえ貧乏な家のためにも新しく誰かと番う必要がある。だがサミュエルは行き遅れなので、もはや選んでいる立場ではない。そうだ、既成事実さえあればどこかに嫁げるだろう。そう考えたサミュエルは、ヒート誘発薬を持って夜会に乗り込んだ。そこで出会った美丈夫のアルファ、ハリムと意気投合したが───。
欠陥αは運命を追う
豆ちよこ
BL
「宗次さんから番の匂いがします」
従兄弟の番からそう言われたアルファの宝条宗次は、全く心当たりの無いその言葉に微かな期待を抱く。忘れ去られた記憶の中に、自分の求める運命の人がいるかもしれないーー。
けれどその匂いは日に日に薄れていく。早く探し出さないと二度と会えなくなってしまう。匂いが消える時…それは、番の命が尽きる時。
※自己解釈・自己設定有り
※R指定はほぼ無し
※アルファ(攻め)視点
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
8/16番外編出しました!!!!!
読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭
1/27 1000❤️ありがとうございます😭
3/6 2000❤️ありがとうございます😭
4/29 3000❤️ありがとうございます😭
8/13 4000❤️ありがとうございます😭
12/10 5000❤️ありがとうございます😭
わたし5は好きな数字です💕
お気に入り登録が500を超えているだと???!嬉しすぎますありがとうございます😭
のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした
こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる