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25 いざ闇金へ!
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臣君は、応接室のテーブルにどどんと札束を五つ置いた。
「ということで、俺はこいつの夫です。違約金はきっちりお支払いしますので、契約を破棄してください」
なぜか臣君は婚姻届けを持っていて、その場でお互いサインして役所に出しに行った。臣君が取引している銀行へ行き、五百万を下ろしたその足で闇金に来たわけだ。
そして今、闇金社長を前に、臣君がテーブルにお金を置いたところ。
「おお、すごい行動力だな。有無を言わさない圧」
闇金社長が札束を手に取ってから、臣君を見て感心していた。
「夫なので、妻の契約した金額を支払うことができるはずです」
臣君がなぜ結婚を急いだかというと、社会的立場があった方が有利に進むから、という理由らしい。
僕は断る理由なんてないし、むしろ臣君との未来に期待が膨らんで、婚姻届けにサインした。
でも、なぜ婚姻届けを持っていたのかは疑問だった。
「はいはい。できますよ~。では、奈月君、今度からは契約する時は細部までしっかりと読みましょうね」
怖かったと思っていた闇金社長は、借金をしてる時と態度が違い、笑顔だった。そこで臣君が答える。
「もう二度と、奈月に契約はさせませんけどね? 今後はすべてのことに俺が付き添ってしかサインはさせません。いえ、サインが必要な時は夫である俺がサインします」
臣君が男らしく言い切っていた。
「奈月の最後のサインは、婚姻届だよ」
「臣君……」
耳元で囁く臣君に、僕の心はキュンキュンしてしまった。付き合う前より、ううん。結婚する前よりどんどん臣君にときめいていく。
はぁぁ、これからの新婚生活、僕の心臓が持つか心配! という嬉しい心配事をしていると、闇金社長が笑ってた。
「それがいいね、兄ちゃん。この子どこか抜けてるからね。技さえ身に着けてくれたら売れると思ったのに、残念。処女捨てて淫乱になれとは言ったけど、アルファ捕まえてこいなんて言ってないよ」
「い、淫乱⁉︎」
臣君が隣で驚いた声を出す。
「す、すいません」
僕は思わず謝った。誰に謝ったのだろうか。この場が辛い。
「オジさん寂しいよー。奈月君の初客になってもいいと思ったのに」
「は?」
臣君が隣で低い声を出した。彼の顔はとてつもない怖い顔面。それでもかっこいいけど、怖い顔の闇金社長より怖い顔してる。
「その人殺しそうな顔、いいねえ、君をこの業界にスカウトしたいくらいだよ」
「お断りいたします」
「ははは、俺もこの案件片付いた良かったよ。結構面倒だったから、うちとしては奈月君を引き取りたくなかったんだよね。でも君の叔父さんが、奈月に一人暮らしはさせられーーんって言うから、無理矢理オメガ専門カフェの寮を一つ開けたわけ」
「え?」
その事情は知らなかったので、普通に驚いた。
「奈月君に借金を稼いでもらう必要はないけど、うちだって社員寮にタダで住まわせられないから、働いてもらう契約しただけだったんだ。うちの契約書はオメガを逃さないために、結構厳しくなってて、それそのまま奈月君に使ってた」
社長は笑いながら僕の知らない情報を話していた。
「え? 僕の売上を借金返済に回すんじゃ?」
「違う違う! 借金は君の叔父さんをマグロ漁船にやったところで、帳消し」
「え?」
僕はもう一度聞き返してしまった。漁船に行ったところで帳消し? とはいったい……
「ああ、まあ、彼が帰ってきたら詳しい話を聞いたらいい。もう借金返済は終わってる。オメガ専門カフェの契約書は、逃げる子対策の違約金縛りがあるだけで、別に君からお金を巻き上げようなんて思っていなかったが、人気が出ずにタダ飯を食わすわけにはいかないから、それなりに技を身に着けろと言ったまでだ」
「技を……」
臣君がぼそっと呟いていた。先ほどの淫乱にも反応してたし、臣君はきっと呆れてるだろうな。この程度のオメガが……とか思われてたら恥ずかしい。
「ということで、俺はこいつの夫です。違約金はきっちりお支払いしますので、契約を破棄してください」
なぜか臣君は婚姻届けを持っていて、その場でお互いサインして役所に出しに行った。臣君が取引している銀行へ行き、五百万を下ろしたその足で闇金に来たわけだ。
そして今、闇金社長を前に、臣君がテーブルにお金を置いたところ。
「おお、すごい行動力だな。有無を言わさない圧」
闇金社長が札束を手に取ってから、臣君を見て感心していた。
「夫なので、妻の契約した金額を支払うことができるはずです」
臣君がなぜ結婚を急いだかというと、社会的立場があった方が有利に進むから、という理由らしい。
僕は断る理由なんてないし、むしろ臣君との未来に期待が膨らんで、婚姻届けにサインした。
でも、なぜ婚姻届けを持っていたのかは疑問だった。
「はいはい。できますよ~。では、奈月君、今度からは契約する時は細部までしっかりと読みましょうね」
怖かったと思っていた闇金社長は、借金をしてる時と態度が違い、笑顔だった。そこで臣君が答える。
「もう二度と、奈月に契約はさせませんけどね? 今後はすべてのことに俺が付き添ってしかサインはさせません。いえ、サインが必要な時は夫である俺がサインします」
臣君が男らしく言い切っていた。
「奈月の最後のサインは、婚姻届だよ」
「臣君……」
耳元で囁く臣君に、僕の心はキュンキュンしてしまった。付き合う前より、ううん。結婚する前よりどんどん臣君にときめいていく。
はぁぁ、これからの新婚生活、僕の心臓が持つか心配! という嬉しい心配事をしていると、闇金社長が笑ってた。
「それがいいね、兄ちゃん。この子どこか抜けてるからね。技さえ身に着けてくれたら売れると思ったのに、残念。処女捨てて淫乱になれとは言ったけど、アルファ捕まえてこいなんて言ってないよ」
「い、淫乱⁉︎」
臣君が隣で驚いた声を出す。
「す、すいません」
僕は思わず謝った。誰に謝ったのだろうか。この場が辛い。
「オジさん寂しいよー。奈月君の初客になってもいいと思ったのに」
「は?」
臣君が隣で低い声を出した。彼の顔はとてつもない怖い顔面。それでもかっこいいけど、怖い顔の闇金社長より怖い顔してる。
「その人殺しそうな顔、いいねえ、君をこの業界にスカウトしたいくらいだよ」
「お断りいたします」
「ははは、俺もこの案件片付いた良かったよ。結構面倒だったから、うちとしては奈月君を引き取りたくなかったんだよね。でも君の叔父さんが、奈月に一人暮らしはさせられーーんって言うから、無理矢理オメガ専門カフェの寮を一つ開けたわけ」
「え?」
その事情は知らなかったので、普通に驚いた。
「奈月君に借金を稼いでもらう必要はないけど、うちだって社員寮にタダで住まわせられないから、働いてもらう契約しただけだったんだ。うちの契約書はオメガを逃さないために、結構厳しくなってて、それそのまま奈月君に使ってた」
社長は笑いながら僕の知らない情報を話していた。
「え? 僕の売上を借金返済に回すんじゃ?」
「違う違う! 借金は君の叔父さんをマグロ漁船にやったところで、帳消し」
「え?」
僕はもう一度聞き返してしまった。漁船に行ったところで帳消し? とはいったい……
「ああ、まあ、彼が帰ってきたら詳しい話を聞いたらいい。もう借金返済は終わってる。オメガ専門カフェの契約書は、逃げる子対策の違約金縛りがあるだけで、別に君からお金を巻き上げようなんて思っていなかったが、人気が出ずにタダ飯を食わすわけにはいかないから、それなりに技を身に着けろと言ったまでだ」
「技を……」
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