初めては好きな人と

riiko

文字の大きさ
32 / 38

32 番に

しおりを挟む
「え⁉︎ やっぱり怒った?」
「やっぱりって……。一応ダメなことしてる自覚はあるんだ?」
「う、ごめんなさい」

 素直に謝る臣君に、僕はキュンとした。

「外さないと、うなじ噛めないよ?」
「え?」

 そう、僕は臣君とつがいになりたい。最初は「初めて」の相手になってもらうだけだった。それが両思いになって、さらには一瞬で恋人、次の瞬間は夫。こんなにとんとん拍子に物事が進んで怖いくらいだけど、僕は彼をちゃんと手に入れたい。貪欲になっている自分に驚いていたけど、そう言える自信がある。
 そう、確信に変わった。
 かなり引く内容だったけど、そのすべてを教えてもらったおかげで僕はもう自信をもって彼に愛されていると言える。
 彼はもう僕を手放さない。僕のすべてをもらってくれる。そう思えるようになった。

「僕とそういう関係になるんでしょ? うなじに消えない傷をつけてくれないの? 僕がいつまでもネックガードしてたら、つがい持ちだって自慢できないじゃん」
「奈月!」

 臣君の声が明るくなる。

「臣君、僕と結婚してくれてありがとう。プロポーズしてくれてありがとう」
「なつき」

 臣君が僕を見つめてくる。僕だって、オメガなんだからアルファである臣君に望むことがある。

「次の発情期、僕とツガイになってくれませんか?」
「なる! なる! ありがとう。奈月」

 そして僕たちは、お互いの全てを話して夫婦となっていった。というか、臣君もうすべて話してるよね? これ以上彼が変な犯罪してないことを願って、僕は臣君にキスした。

「大好き!」
「奈月、クリスマスにはうなじ噛むから」
「……」

 あ、僕のヒート、かなり正確に把握してる……。ずれることないから、僕の次の発情期はクリスマス。イブでもなく、クリスマス当日だった。

「僕がクリスマスプレゼントだね?」
「……あざと」
「え?」
「いや、奈月が風俗行かなくてほんと良かった。ま、行ったとしても俺が全ての予約枠抑えるけどね」
「臣君ならそう言うの、今なら理解できる」
「なんのこと?」
「乙葉君が、もし僕が風俗入ったら臣君が破産するまで僕の予約をし続けるって言ってた」
「ははは、間違いないや」

 僕たちは笑った。
 そして宣言通り、クリスマスの日に僕たちはつがいになった。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

オメガ転生。

BL
残業三昧でヘトヘトになりながらの帰宅途中。乗り合わせたバスがまさかのトンネル内の火災事故に遭ってしまう。 そして………… 気がつけば、男児の姿に… 双子の妹は、まさかの悪役令嬢?それって一家破滅フラグだよね! 破滅回避の奮闘劇の幕開けだ!!

【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話

降魔 鬼灯
BL
 ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。  両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。  しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。  コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。  

当たり前の幸せ

ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。 初投稿なので色々矛盾などご容赦を。 ゆっくり更新します。 すみません名前変えました。

既成事実さえあれば大丈夫

ふじの
BL
名家出身のオメガであるサミュエルは、第三王子に婚約を一方的に破棄された。名家とはいえ貧乏な家のためにも新しく誰かと番う必要がある。だがサミュエルは行き遅れなので、もはや選んでいる立場ではない。そうだ、既成事実さえあればどこかに嫁げるだろう。そう考えたサミュエルは、ヒート誘発薬を持って夜会に乗り込んだ。そこで出会った美丈夫のアルファ、ハリムと意気投合したが───。

欠陥αは運命を追う

豆ちよこ
BL
「宗次さんから番の匂いがします」 従兄弟の番からそう言われたアルファの宝条宗次は、全く心当たりの無いその言葉に微かな期待を抱く。忘れ去られた記憶の中に、自分の求める運命の人がいるかもしれないーー。 けれどその匂いは日に日に薄れていく。早く探し出さないと二度と会えなくなってしまう。匂いが消える時…それは、番の命が尽きる時。 ※自己解釈・自己設定有り ※R指定はほぼ無し ※アルファ(攻め)視点

【完結】幼馴染から離れたい。

June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。 βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。 番外編 伊賀崎朔視点もあります。 (12月:改正版) 8/16番外編出しました!!!!! 読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭 1/27 1000❤️ありがとうございます😭 3/6 2000❤️ありがとうございます😭 4/29 3000❤️ありがとうございます😭 8/13 4000❤️ありがとうございます😭 12/10 5000❤️ありがとうございます😭 わたし5は好きな数字です💕 お気に入り登録が500を超えているだと???!嬉しすぎますありがとうございます😭

のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした

こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。

売れ残りオメガの従僕なる日々

灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才) ※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!  ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。  無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。

処理中です...