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本編
55、抗えない運命 ※
そこで司が動いた。
「えっ!」
腕は空を切って、目の前を見ると櫻井が司に殴られていた。
「櫻井っ、ああっ、なんてことしてくれるんだよ、俺のアルファに! 司っ、はやく出ていけ!」
司に言い放ち倒れている櫻井に駆け寄ろうとすると、腕は司に掴まれてそのまま抱きしめられた。
な、な、なにが起こっているんだ?
「はな、っせ!」
「正樹!」
やばい、こいつ、なんだかやばい。
「お前のアルファは、俺だ」
すでに理性飛んでいるのか? 俺は何度も司のフェロモン浴びていたから。ある程度忍耐もついているかもしれないけど、こいつは違う。
司は俺の発情期に合わせて薬をやめていたと言っていた。そんな状態で俺のフェロモンを初めて正面から、しかも抱きしめた距離で嗅いでいる、今もずっと鼻息が荒いっ、首をクンクンと嗅いで舐めて、さらにでかくなっているモノが俺の腹に当たっている。
な、なんか、怖い。
首輪もはずしてしまったので、簡単に俺の急所のうなじに司の唇はあたる。
「ひっ、や、めっ」
「俺の、俺のオメガっ」
「司っ、正気に戻れ、お前のオメガじゃない! 俺はお前が番にできない運命の相手だ、はなせっ、あっひゃんんっ!」
もうだめだ、こいつ、イカれている。
「くそっ、正樹をはなせっ、俺のオメガになるんだ!」
「あっ櫻井っ、助けてっ」
俺のその言葉に司は怒り狂った。
「俺のオメガだ!」
「ふざけるなっ! 俺はこれから櫻井に番にしてもらうんだ、お前っ、でてけっ」
「くそっっ」
櫻井はひどい力で殴られたのか、腹を抱えて起き上がれないでいる。司は俺を羽交い締めにしたまま電話をかけるとすぐに、数名の男が乱入してきて櫻井は連れていかれた。
な、なんだ? なにが起きている? するとそのまま俺は早急に壁に胸を打ち付けられて、うなじを舐められる、体は反応を起こして俺の後ろからオメガ特有の分泌液が出た。
「もう濡れた」
「やっ、やめろ!」
バスローブをお尻のところだけめくりあげて、何も言わずに後ろから司が挿ってきた。
「うっ、あぁぁぁぁぁっ!」
「くっ、はあっ、正樹っ」
「あっあっ、あっ、やっ、やめっ」
立ったままバックから何度も司の凶悪なモノを出し入れされて、俺の白濁は壁に吐き出される。痛いと一瞬思ったが、すぐに快楽を拾ってしまった。こんな状況なのに、今までで一番気持ちがいい、発情期についに俺の最愛に抱いてもらえたという気持ちが勝った。
「あっ、あっ、んんん」
「正樹、正樹っ!」
司も余裕がない、息遣いが今まで聞いたこともないものとなっていた。そんな野獣じみた交わりなのに、俺の体は、心は歓喜に満ちていた。そして司の凶器は俺のいいところを何度もかすめる。もう立っていられない。
「やっ、おねがいっ、やめて、お願いしますっ」
俺は、俺は、本当はやめて欲しくない、このまま俺をぐちゃぐちゃに犯し続けて欲しい。そう思うオメガの心を見せないように、必死に泣きながら頼んだ。
心とは別の言葉を吐き出して。
「やめない、正樹っ、お前は俺を求めている」
ヒートで誘発されているはずだけど、アルファの精液が体に入ったことで急に頭がクリアになった。このまま司が全てを吐き出したら、この最上の時間は終わってしまう。
さっき男たちが乱入してきたように、俺の中に違うアルファが入り、それでそのまま知らないアルファに番にされるんだ。それを阻止するために櫻井に頼んだのに、櫻井はあっけなく連れていかれ櫻井がとったホテルなのに今は俺と司の二人きりになった。
もう俺は助からない。
「ふっ、んんっ、ぐすっ、うっっ、やっ、やめてっ、お願いだから、首はやめて、」
「そんなにあの男と番になりたかったのか?」
そうじゃない、そうじゃない! 俺はお前と縁を切りたくなかったから、だから司以外の誰かと……せめて俺を想ってくれている櫻井と番になる必要があった。それだけ、それだけの……。
「うっ、もうやめてっ、櫻井のところに返して、おねがいっ、ああぁぁっっっ!」
また最奥で突かれた。
俺はもう意識を保てなかった。だめだ、このまま快楽に任せて意識を失ったら、目が覚めた時はもう違う誰かの番になってしまう。でも、もうそれでもいいかって思った。だって俺が絶対望んでも叶わなかった状況が今あるんだから。
司に発情期に抱いてもらえた、それだけで十分だった。
きもちいいっ、あっ、イク、いっちゃう、もうだめ……だ。そこで俺の意識は薄れた。
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