運命を知っているオメガ

riiko

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本編

17、夢での行為 ※

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 俺が神様に祈っていたら、夢の中の西条は俺を見つめて真面目な顔をしだした。

 なになになに――。 

 イケメンはほほ笑んでも、真面目な顔をしても、何をしてもやばすぎるだろ――。俺をキュン死させるつもりだな。あっ、夢だから死なない? リアルな夢の世界、ここはもう死の淵でしょうか。どこでしょうか。

 夢の中の西条は何かおかしい。あの魔王西条はどこにいったのだろう、今の西条は櫻井よりも甘いあま――ぃ王子様のようだった。

 俺がドキドキキュンキュンしていると、夢の国の王子様が俺に言う。

「俺は汚れないよ。好きな子を抱けるんだから」
「ほ、ほんとに? いいの?」

 魔王改め、どこぞの国の王子イケメンアルファ様は汚れないと言った。ちょっとよだれが出そうになった。

「ふふっ、それ俺のセリフだけどね。俺の方が正樹を抱きたいんだから、じゃぁキス、正樹からしてくれる?」
「で、も。俺したことないから、下手だと思うし、んんっっ」

 話している途中で、キスされた。あれ? 俺からするんじゃなかったっけ?

「んんんっ、ふぁっ」
「ああ、ごめんっ、待ち切れなくて俺からしちゃったよ、もういいね? じゃぁ、もっとくち開けて、舌だして」
「ひやっ、ふぁ、んん」

 気持ちいい。口の中ってこんなにぞわぞわするの? されっぱなしで、でも、俺も必死で西条の舌を追いかける。唇が離れそうになって、銀の糸がツ――っと二人の間に伸びた。それを見て綺麗だなって思ったら、離れたくなくて、その糸が切れる前に自分から西条の唇に縋り付いた。

「ふふっ、キス上手だよ、正樹、愛している」
「俺っ、西条のこと大好きっ」

 そこからはこれは本当に夢なの? ってくらいリアルな感覚だった。気持ち良くてとろけて、次第にいろんなところを愛撫され、何度となく達した。

 あぁこんな年にもなって、俺起きたら夢精しているんだろうか。母さん、部屋に俺を起こしにこないでくれ、むしろ夢から覚めたくない、現実なんか要らない、俺はこのままこの幸せの世界で生きられないかな。そんなことをぼうっと考えていたら、また快楽に引き戻された。

「正樹、考えごと? 余裕だね」
「ご、めんっ、幸せ過ぎて、夢から覚めたくないって、ずっとこうやって大好きな西条と一緒に居たいのになって思っていた」
「一緒だよ、ずっと。ねぇ、もう抱いていい?」

 気づいたら、俺の後孔の入り口には、いきりつ西条の赤黒い立派なモノが待機していた。

「あっ……い、れて! 西条の好きなようにして!」

 優しく笑って、ゆっくりと進入してきた。それは痛さなど微塵もなかった。初めては痛いって聞いていたけど、さすが夢の中。そういう感覚は無いのにひたすら気持ちいい。

 夢の中の西条、すげーセックスが上手い。現実の西条はオメガ嫌いの男嫌いで、男は抱いたことないはずなのに、俺の願望の西条は……なんていうか凄い。ひたすら抱かれてキスして、しまいには俺の……俺の出したものを舐めて。さらには俺のアソコを食べている。ま、ま、まじで!?

 悪いと思いながらも、我慢できずに口の中に出してしまった。そしたら西条はにやりと笑ってから、ゴクリって飲んだ。

「あっ、ば、バカ。何飲んでいるんだよ!?」
「俺も初めて飲んだけど、正樹のは……なんていうか、最高だな。癖になりそう」

 おいおいおいおいぃ――俺のミルクはワインでもなんでもないんだよぉ、癖になるはずないだろう!? 

 も――俺の願望最低っ。

 西条をどんどん汚している、そんなセリフまで言わせてしまうとは。

 俺は夢の中でも初心者には変わりないので、リードして西条を喜ばせてあげることもできない。ひたすら、アンアン気持ち良くさせてもらうだけだった。
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